異世界に転生したので裏社会から支配する

Jaja

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第2章 抗争

第16話 拡大

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 レッドなんちゃらとかいう組織を乗っ取った翌日。俺は早速職業を割り振っていた。

 「君はそのまま酒場で頑張ってー。えーっと、農夫はどうしたもんか…。とりあえず一緒に酒場だな」

 鑑定で職業を見て、最適そうな所に放り込む。
 まぁまだ組織が小さすぎて、割り振れる所なんて酒場か鉄砲玉しか無いんだけどね。

 「戦闘職が四人しかいないぞ。そんなもんなのかね」

 「面白い職業も無しですか?」

 ないなぁ。剣士とか槍士とか。スラムで何人か側近候補を探したいもんだ。

 「とりあえず、今日から小さい組織を一つずつ潰していくぞ。せめてこの周辺は縄張りにして、安全を確保したい」

 「私はどうしますか?」

 カタリーナはなぁ。酒場待機しかないよね。
 もっと大きい組織になったら、身元がバレても対抗出来るんだけど。

 「もう少し我慢してくれ。人手が増えたからな。一気に拡大してやるぞ」

 「かしこまりました」






 「こんなもんか」

 眼前には男が何人も倒れている。やった事は最初の組織を潰した時と一緒だ。
 アジトを急襲して、何人かを殺して後は契約で縛る。自分の慣れ具合が怖い。

 「ボス。これで全員みたいです」

 「オッケー。じゃあさっさと契約しちゃうか」

 勿論、反抗的な奴らもいた。そういう奴らは目の前で何人か殺してやると簡単に契約をしてくれとせがんでくる。

 「これでとりあえずは落ち着くか」

 「そうっすね」

 組織を本格的に潰し回ってから一週間。
 小さい組織ばかりだけど、合計で八個も吸収してしまった。
 最初はこんな予定じゃなかったんだけど。

 「俺が火種を蒔きすぎたかな」

 レッドなんちゃらが抗争中だった組織を潰すと、その組織が別の所と揉めていて。
 じゃあついでにその組織も吸収するかと、襲いに行けば、また別の組織と揉めていて。
 結局落ち着くまでに八個も潰しちゃった訳だ。

 「こんなに潰したのに構成員が五十人いるかいないかぐらいなんだよな」

 「ボスが殺しすぎなんですわ」

 素直に従ってくれないので。契約で縛るまでに大体一悶着あるからさ。仕方ないよね。

 因みに、この俺についてきてる男。
 職業は騎士である。能力値の上限は最高でBだったが、今までで一番使えそうだったので護衛として連れ回している。
 カタリーナが何人か護衛を付けろってうるさいので。過保護エルフである。俺以外には塩対応だけど。


 「ただいまー」

 「おかえりなさいませ」

 最初の拠点だった酒場に戻る。ここよりも立派な建物は潰した組織の中にあったんだけどね。
 周りの縄張りは全部潰して味方にしたから安全なんだ。

 「これでようやく落ち着くと思う」

 「助かります。人数は増えてきましたが、質が悪すぎます。一旦ここで他の人員を少しは使えるレベルまで引き上げるべきでしょう」

 それな。烏合の衆すぎて。
 これから一大組織を築いていこうとしてるなら、最初が肝心だ。いつかは部門分けとかして、世界に展開していきたいね。この辺境伯領を足掛かりにするかは迷ってるけど。

 「スパンダ帝国から出たいよな。あんまり評判が良い国じゃないみたいだし」

 「せっかくここまで人員を増やしたのにですか?」

 ここ最近、潰して回った組織の人間からカタリーナは情報を吸い出して簡単に纏めてくれてるんだけど、この国はまぁまぁ腐ってるみたいだ。
 ラノベとかである悪役貴族がこの国の標準らしい。平民を人として見てないとか。貴族が率先して違法奴隷を持って来いと依頼してるとか。
 まぁ、一方向からの情報だけじゃ正確性は微妙だけど。恨み辛みで適当に言ってるだけかもしれんし。

 「いや、出て行くなら全員連れて行くぞ。ここに拠点を残しておいてもいいけど…」

 「目が届かないのは不安ですか」

 もっと優秀な人間がたくさんいるなら良いんだけどね。これだけ潰して使えそうなのは騎士の男一人だからな。
 切り捨てるのもありだけど、せっかくここまで頭数増やしたし。
 新天地に行くにしても、これだけ人員がいるなら最初から少しは楽を出来るだろう。

 「その為に最低限使えるレベルに引き上げたい。何人か冒険者登録させて魔物狩りでもしてきてもらうか?」

 「いえ。この実力なら遠からず死ぬ事になるかと」

 あ、この領地は魔物の質が高いんだっけ。ビギナーが調子に乗って挑める感じじゃないんだった。

 「職業と能力値が見えてもなぁ。いや、充分強いんだけど」

 最初にカタリーナを味方にしたのが良くなかった。もう側近にするならカタリーナレベルが基準になってしまっている。
 そんな人材そうそう居ないだろうに。

 「うし。後の事は後で考えよう」

 「私はこのままここで指揮を取りますね」

 とりあえずはここで頑張ろう。
 そのうちびっくりするような人材とも出会うだろう。こういうのは意識してたらいけない。
 物欲センサーが反応してしまうからな。

 「ボス。どこの組織が姉御を狙ってるか分かりました」

 気合いを入れて頑張るぞと思ってたら、下っ端の一人が報告にきた。
 カタリーナは何故か姉御と呼ばれている。カタリーナは姉御っぽくないんだけどさ。
 俺の女という扱いになってるんだよね。手を出してないのに。精通してないのに。
 
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