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第2章 抗争
第25話 中堅組織壊滅
しおりを挟む「ガキの癖に一丁前に魔法なんざ使いやがって!」
「どうもすみません」
中堅組織との戦いはクライマックス。
今は俺と職業騎士の護衛の男と相手ボスの二対一で戦っている。
戦況は俺が魔法で牽制しつつ騎士の男が斬りかかるという、至ってシンプルな戦い方で優位に進めている。
「カタリーナよりレベルが高いだけあって、中々の手練れだな」
能力値はCが二つあって、レベルは54。
今まで見た中で一番強い。それでも勝負を仕掛けたのは勝算があったからだ。
「焦るなよー。じわじわと追い詰めていくからな」
「うっす!」
相手ボスの能力値で厄介なのは、攻撃力と防御力。この二つがCなんだけど、素早さはDなんだよね。
という事で、当たらなければ良かろう作戦を発令。余程隙がある時以外は、回避に徹して俺が魔法で行動を制限していく。
ちまちまと切り傷を与えていき、体力を奪っていく。何回か急所狙いで魔法を撃ってるんだけど、普通に回避された。
いつかは躱されるとは思っていたけど、今まで無敵な存在だったレーザーさんが躱されたのは、ちょっと残念。また、魔法を開発しないとな。
「しゃらくせぇ!」
「ぐっ!」
「そーれ。ヒール」
騎士の男が斬られるが、すぐに回復。部位欠損さえしなかったら、すぐに戦闘に復帰出来る。
これぞ、ゾンビ戦法。まぁ、騎士の男には辛い役目を任せてる訳なんだけど。
「レーザー×3」
「あぎゃ!」
ふむふむ。俺もようやく戦闘というのに慣れてきた。避ける方向を予測して、そこにレーザーを散らす。やっと足に当たってくれたぜ。
「チャーンス! 押せ押せー!」
「はぁっ!」
「いぎっ!」
相手の機動力が見て分かるぐらい落ち始めた。
これなら魔法も避けられまい。
「レーザー!」
「え!? ボス!?」
もう逃さないぜとばかりに、頭をレーザーで撃ち抜いてやった。何故か騎士の男が驚いてるけど、どうしたんだ?
「生け捕りにするんじゃなかったんで?」
「あ」
そうだった。まともな戦闘員になりそうだから、契約して使おうと思ってたんだった。
つい、興が乗ってしまってとどめを刺してしまった。
「やらかしたー! カタリーナに冷たい目で見られてしまうぞ」
「ご褒美じゃないっすか」
俺はそんな特殊性癖は持ち合わせておらん。
下っ端連中には、カタリーナに冷たくされて興奮する奴が結構いる。
クトゥルフには変態が多いんだ。
こうして、中堅組織との抗争は終わった。
いつも戦いは奇襲やら、遠距離からの魔法で終わらせてたけど、今回は比較的まともに戦った。
お陰でちょびっと戦闘経験を積めたのは良かったんじゃなかろうか。
「よし! じゃあお願いね! くれぐれも怖がらせないように!」
「了解っす」
抗争が終わってから三日が経った。
戻った日はボスを誤って仕留めてしまった事で、カタリーナにお小言を頂いてしまったが、それ以外は順調だ。
幸い下っ端の生け捕りは多く確保したので、縄張りの運営、巡回はなんとかやっていけてる。
それでも人手不足な事には変わらないけど。
「大丈夫かなぁ。比較的、強面じゃない人選だけど」
「心配ならご自分で行けば良かったのでは?」
今日は、とうとうスラムの子供の回収に向かう。
といっても、俺は行かないんだけど。
説得に子供姿の俺が居た方が安心するかと思ったんだけどね。
なんか情がうつりそうで。大切にするつもりだけど、それでも死んだらする事があるだろう。
そうなった時に耐えれる自信がまだないので、なるべく会わないようにしようと思っている。
「鑑定する時に姿は見る訳だけど」
「優秀な子が居ると良いですね」
どれだけ優秀でも使い物になるには時間がかかるだろうけど。
俺でさえ、やっとレベル30が見えてきた所だ。
中堅組織のボスを殺したらレベルが2も上がったんだよね。嬉しい。
「教育は早いにこした事はないしな。縄張り内で雑用してもらいつつ、勉強させよう」
「現状、読み書きを教えれる人間は私だけなのですが」
俺も教えれますー。下っ端連中にも教えていかないとな。せめて読み書きと簡単な計算ぐらいは覚えて貰わないと。
これから世界展開を目論んでる身としては、馬鹿ばっかりの組織じゃ困るんだよね。
小学生レベルの教育でも、この世界では優秀な部類に入るっぽいからな。
現代知識無双はまだ遠そうだ。
「基礎を疎かにすると、発展の仕方が歪になるからな。焦らずゆっくりと頑張っていこう」
「果たして人間の寿命で間に合う問題なのでしょうか」
それは言わないで。俺もきついかなとは思ってるんだ。でもいきなり現代知識をぶっ込むと、万が一俺がこの世界から居なくなったら苦労する。
「老化を遅らせる薬とか、不老になる方法はないのかね」
「エルフの国に居た時にそんな話を聞いた事はありますね。しかし、エルフは元々寿命が長いので、そんなに注目されていなかったと思います。わざわざ寿命を伸ばす必要がなかったので」
落ち着いたら探してみるのもありだな。
不老になれるなら、裏社会から世界を牛耳るという妄想を現実に出来るかもしれない。
まぁ、まずはこの辺境伯領のスラムをつつがなく治めるところからか。
ここで手こずってるようじゃ、世界展開なんて到底無理だしな。
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