異世界に転生したので裏社会から支配する

Jaja

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第2章 抗争

第26話 スラムの子供達

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 「お、多いな」

 「スラム全域に転がっていた身寄りのない子供達を片っ端から回収してきやした」

 「それは大丈夫なの? 敵の縄張りからパクってる訳でしょ?」

 「多少の金銭と引き換えっす。スラムの人間は子供が役に立つなんて思ってないっすからね。それどころか、残飯漁りをする奴らを排除出来て、更に少ないながらもお金を貰えるって事で、喜んで差し出してくれましたね。大方闇奴隷に売っ払うとでも思われたんでさぁ。スラムのガキは金にならないのは周知の事実なんで馬鹿にした様な目では見られやしたが」

 「ふーん。なら良いや」

 ざっと見た感じ、数は100人を超えている。
 多くても50人くらいかなと思ってたのに、こんなにもいるとは。よく生き残ってたな。

 「とりあえず、姉御の指示に従って縄張りの安全な所に居住地は確保してありやす。そこに世話係の女達と一緒に住まわせる形になりやすね」

 「初期投資はかなりお金がかかりそうだな。成果が出るのは早くても数年後だし。頑張って生き残らなければ」

 「っすね」

 集められた子供達の年齢はまちまち。
 下は3歳ぐらいから上は俺と同い年から少し上くらいまで幅広い。
 怯えてる子や警戒してる子、中には俺が敬われてる事を不思議そうに見てる利発そうな子もいる。

 「まっ。まずは食わせて警戒心を解くところからか。一応俺達に危害は加えられないように契約はして回るけど」

 「じゃあ、俺は早速居住地に連れて行きやすね」

 いやーラブジーの屋敷から色々パクって良かったな。お金はいっぱいあるし、ここは使い所だろう。
 契約してる商会にも話を通して、食料を多めに仕入れないとな。

 「さーて。ちょっと忙しくなるぞ」

 明日からは契約して回りつつ、職業や能力値のメモを作っていかないと。
 とても一日では終わりそうにないな。
 100人以上も一気に契約出来る程魔力もないし。
 でも、子供達が少しの雑用でも出来るようになれば、その分他の大人達は別の仕事が出来る。
 ここは踏ん張って頑張らないと。



 「満足! 余は大満足じゃ!」

 「ボス」

 「良きに計らえ!」

 「ボス」

 「大儀であったぞ!」

 「ボス。現実を見て下さい」

 うるせぇ。別に良いじゃんかよ。将来有望そうな子が何人も居たんだ。テンションが上がっても仕方ないと思うけどね。

 「10年か~。長いなぁ」

 「ある程度予想は出来ていた事でしょう」

 三日かけて、子供達の契約と職業の鑑定を終わらせた。
 因みに5歳以下の子はまだ契約していない。
 意味をちゃんと理解出来てるか分からなかったし。間違って契約違反して傷付けられるのは可哀想だしね。

 で、鑑定した結果、かなり有望そうな人材が数人居た。しかし、どの子も幼すぎる。
 6歳とか、成人するまで10年近く時間がかかっちゃうじゃん。
 分かってた事とはいえ、即戦力とはいかないだろう。仕方ないから、将来有望な子は俺の側に置き、カタリーナに英才教育をしてもらって、成人したらすぐに使えるようにしようとは思っている。

 ☆★☆★☆★

 『名 前』 エリザベス
 『年 齢』 6
 『種 族』 ヒューマン
 『レベル』 1/456 

 『体 力』 G/C
 『魔 力』 G/S
 『攻撃力』 G/D
 『防御力』 G/D
 『素早さ』 G/C
 『知 力』 G/EX  
 『器 用』 F/EX

 『恩 恵』 精密操作
 『職 業』 錬金術師
 『属 性』 無 火 水

 ☆★☆★☆★

 ☆★☆★☆★

 『名 前』 ローザ
 『年 齢』 10
 『種 族』 獣人
 『レベル』 1/456

 『体 力』 F/A
 『魔 力』 G/D
 『攻撃力』 F/EX
 『防御力』 G/S
 『素早さ』 F/EX
 『知 力』 G/D
 『器 用』 G/C

 『恩 恵』 戦闘学習
 『職 業』 剣士
 『属 性』 無 風

 ☆★☆★☆★

 ☆★☆★☆★

 『名 前』 ホルト
 『年 齢』 9
 『種 族』 ヒューマン
 『レベル』 1/456 

 『体 力』 G/D
 『魔 力』 G/D
 『攻撃力』 G/D
 『防御力』 G/D
 『素早さ』 G/D
 『知 力』 F/EX
 『器 用』 F/S

 『恩 恵』 鬼謀
 『職 業』 商人
 『属 性』 無 土

 ☆★☆★☆★

 上から女女男で、女だらけにはならなくて良かったと一安心。
 ってか、やばくない? 恩恵持ちが一気に三人も増えたぜ。
 生産者、戦闘員、商人と欲しいところドンピシャだし。ここに来てご都合主義が力を発揮してきたな。

 連れて来られた三人の反応は様々だ。
 エリザベスはぼーっとしてるし、ローザは楽しそうに周りを見渡している。
 ホルスは見るからに利発そうな子で、黙ってこちらを見つめていた。

 「えーっと。お前達がなんで呼び出されたかは分かるか?」

 「…興味ない」

 「遊び相手!!」

 「側付きという事でしょうか?」

 エリザベス、ローザ、ホルスが順に答える。
 もうなんか性格が分かっちゃうよね。

 エリザベスは面倒臭がりか、自分の興味がある事にしか関心を示さない。 
 ローザなんてスラムに居たくせに、なんでここまで純粋なんだってくらいピュアだ。
 ホルスはしっかり考えてから答えて、9歳にしては物分かりが良すぎる。スラムで暮らして達観してしまったんだろう。

 「まぁ、側付きで間違いじゃないかな。お前らは俺の組織の将来の幹部候補として、英才教育を受けてもらう。詳しい説明はまた今度にするけど、俺にはその人の才能がみれる能力があるんだ」

 そして、理解出来るかどうかは分からないけど、こういう能力や職業なんだよってのを三人に教えてあげる。
 すると、三人はまた面白い反応を見せてくれた。

 
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