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第2章 抗争
第42話 本拠地移動
しおりを挟むへとへとになりながら契約した翌日。
早速元ラブジーの面々を集めて、職業別に仕事を振り分けて行った。
戦闘続きで下っ端達も休ませてやりたい所だけど、縄張りの見回りをしないとな。レーヴァンがいつ攻めてくるか分からん。
「大きい家」
「レイモンド! ここに住むの!?」
「今までの拠点とは規模が違いますね」
そして、俺たちクトゥルフの本拠地を移動。
ずっと欲しかった、スラムに不釣り合いの大きな屋敷。住むのを楽しみにしてました。
英才教育中の子供達も目を輝かせてる。
今まで拠点にしてた酒場とは雲泥の差だからな。
これで少しは大組織のボスらしくなっただろう。
「お待ちしてたっす」
出迎えてくれたのはラブジーNo.2だったアハム。
軽薄そうな顔は相変わらずで、ヘラヘラとしてるけど冷や汗をかいてるっぽい。
まぁ、昨日俺がボスって言ったら倒れそうになってたもんなぁ。子供に良いようにやられて、さぞかし悔しかった事だろう。
ずっと探してたエルフがここに居たのもあるだろうけど。俺は掌で転がせて良い気持ちである。
「いや、ほんと何から何まで遊ばれてたっすね。情報の大切さは分かってたつもりなんすけどね。まだまだ足りてなかったっす」
ラブジーはずっと踊らされ続けてたもんなぁ。
ここだけは潰しとかないと面倒だったから。カタリーナを攫う依頼も受けてた訳だし。
「さてと。じゃあ聞こうかな」
屋敷の食堂にて。
とりあえず大人数が集まれそうなのはここぐらいしか無かったので。
俺、カタリーナ、アハム、子供達。
それに騎士男と詐欺男。これまでとこれからの説明をしないとな。
☆★☆★☆★
『名 前』 アハム
『年 齢』 25
『種 族』 ヒューマン
『レベル』 61/200
『体 力』 D/B
『魔 力』 F/D
『攻撃力』 D/C
『防御力』 E/C
『素早さ』 B/A
『知 力』 D/B
『器 用』 C/A
『恩 恵』 無
『職 業』 隠者
『属 性』 無 風
☆★☆★☆★
これで恩恵があればそこそこ優秀だったんだけどな。職業の隠者は隠れる事に特化してる。これからはとりあえず情報部門を纏めてもらおうと思っている。情報についての取り扱いを教えてからだけど。
馬鹿な俺に振り回されてるようじゃダメだからな。教えられる現代の情報戦についても教えるつもりだし。俺もそんなに知ってる訳じゃないけど。ドラマや映画知識を知ったかぶりで語る事になるだろう。
「えーっと。一気に合併した弊害ってのが出ちまってる印象っすね。ボスのズルい契約のお陰でなんとかなってるっすけど、下っ端同士のいがみ合いが結構あるっす」
昨日組織に入ったばかりのアハムは徹夜で縄張り内を見回ってきたらしい。
で、下っ端達の様子を見てきたらしいんだけど、喧嘩まではいかないけど、かなりギスギスした雰囲気にはなってるらしい。
「そりゃ、昨日まで敵だった奴と急に仲良くしろって言われても無理だよなぁ」
こればっかりは時間がかかるだろうな。
契約で縛ってるお陰で致命的な事は起こらないだろうけど。
なんか親睦会みたいなのを開くべきかな。考えておこう。
「レーヴァンも立て直しに忙しいみたいっすね。今攻めるならチャンスかも知れないっすけど…」
「あぁ。ボスがやばいんだっけ?」
「っす。一回だけ会った事あるんすけど、あれはやばいっす。ラブジーのボスも戦いたくないって言ってたっすからね。今のこの戦力で挑んでも勝てるかどうか…」
レーヴァンのボス、アンジーは超人染みた女性らしい。普段は縄張りの賭場に引きこもって男漁りをしてるみたいだけど、一度戦場に出てきたら鬼神みたいな働きをするらしい。
なんでも、前に領主が着任したての時にスラム弾圧があった時にほとんどの兵を殺したのがアンジーらしいのだ。
「強すぎん? 今回のと違って前回の領主軍って滅茶苦茶強かったんだよね? 精鋭揃いで魔物を倒しまくってたとか聞いたけど」
「なんでも、アンジーは傭兵団を率いてたみたいなんすよね。なんでスラムに流れてきたのかは知らないっすけど」
えぇ。勝てる気しないんだけど。だからレーヴァンは武闘派揃いなのかな。傭兵団がそのままスラムに陣取ってるんだもん。ズルじゃん。
しかも魔法も使えるらしい。それでいて接近戦も強いと。ただの化け物じゃん。どんなゴリラなんだよ。
「って事はレーヴァンに手を出さない方が良いのかな?」
「確実に勝てる時まで我慢するべきっすね」
マジかー。せっかく戦力削ってチャンスなのにさ。この前の戦いで鑑定出来たらどんなもんか予想出来たのにさ。残念だな。
「じゃあレーヴァンは保留で。次は領主だけど」
「情報は集めるべきっすけど、とりあえずは無視でいいんじゃないっすかね?」
俺もそう思いますね。はい。
騎士はほとんど死んだし、再起するのにかなりの時間がかかるだろう。
その間に俺達は成長するしさ。
「契約で縛った騎士を潜り込ませてるしな。何かあったら情報が入ってくるはず」
「ズルっすね」
闇魔法さいこーつって。
未だに俺以外に光闇属性は見た事ないし、相当希少なんだろう。
レイモンド君主人公説が中々消えないね。俺は絶対に勇者を見つけて、そいつに面倒事を押し付けてみせるけど。
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この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
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