45 / 129
第2章 抗争
第43話 一段落
しおりを挟む「さて。じゃあこれからの事だけど」
直近で対処しないといけない、レーヴァンと領主の事については話し合った。
次はクトゥルフのこれからの事だ。
「まずは、俺達の組織の部門分けをするぞ」
俺の強みは鑑定でその人の職業適性が分かる事。
これを活かさないのは勿体無い。どうせ世界展開して行くなら部門分けは必須だろうし。
「その時によって新しく部門を作るだろうし、責任者も変わるだろうけど。とりあえず暫定で決めていこう」
まずはボス。これは俺ね。異論は認めません。
で、俺の代理。これはカタリーナ。裏ボスとでも思ってくれれば良いさ。差配するのはほとんどカタリーナだろうし。
「生産部門は将来的にエリザベスに任せる予定ですが、まだこの子6歳なので。暫定責任者は生産職のレベルが高い者に任せます」
早速裏ボスらしく仕切ってくれるカタリーナ。
これが軌道に乗れば、俺は適当に口を出すだけで組織が大きくなっていく筈だ。
楽しみが止まりませんな。
「次に商業部門。こちらも将来的にホルトに任せる予定ですが、やはりまだ子供。とりあえずはホルトの指導役をしている男に任せます。と言っても、私達の商会はまだ設立する予定はありませんが」
ホルトは子供だけどかなり賢い。
もう責任者でも良いんじゃねと思うけど、どのみち15歳までは商業ギルドに加入も出来ないし。
それに、抱えてる商会はあるけど、俺達の商会はまだ作る予定もない。
俺達の商会からは、現代知識をちょびっと盛り込んだ便利道具とかを売り出そうと思ってるんだよね。でも、確実に異世界では売れるだろうけど、異質で異物だ。
絶対に探りを入れられるだろうし、場合によっては強硬手段で奪いにくる奴らもいるだろう。
いくらこの街ではそれなりに大きくなった組織とはいえ、まだまだ世界的に見れば小さい。
そういう理不尽を跳ね返せる強さを得られるまでは知識チートはなるべく控える予定だ。
って事で重要になるのが次の部門。
「次が戦闘部門です。これはクトゥルフの戦闘員全員に在籍してもらい、外で経験値を稼いできてもらいます」
戦闘部門。いずれは傭兵部門になるだろう。
冒険者部門もそのうち作るかも。表向きはクトゥルフと関わりがないようにしないといけないけど。
これは、これから俺達が強くなるには必須だ。
何せ、そろそろ人殺しで経験値を得られなくなるので。
今のスラムは組織がほぼ二分化されている。クトゥルフかレーヴァンか。
レーヴァンはとりあえず保留にした以上、他に経験値稼ぎの場を用意するのは必須である。
それには冒険者登録するしかないかなと思ってたんだけど。
「どうやら、地下水道から外に出られるルートがあるみたいです。そこから外に出て、ローテーションで経験値を稼いできてもらいます」
いつだったか、ラブジーの屋敷からパクった地下水道の地図。
そこには外に出られるルートが記されていたんだよね。これはかなりありがたい。
身分証がなくても外に出られるからね。冒険者登録しなくて済むんだ。
「しかしこの近辺には魔力溜まりがあるので、魔物はかなり強めです。まずは戦闘員の中でも上位の者が浅い場所で経験値を稼ぎ、徐々に強くなった所で、他の面々を引率してもらう予定です」
カタリーナでも早々にソロを諦めるぐらいここの魔物は強いからね。
焦らずゆっくり強くなってもらう予定だ。
理想は下っ端でもレーヴァンの幹部とやり合えるぐらいの強さだな。時間は掛かるだろうけど、頑張ってもらいたい。
「尚、狩った魔物の素材は必ず持ち帰ってくるように。貴重な収入源になりますので」
冒険者ギルドには売れないけど、お抱えの商会に売って捌いてもらう事は出来るからね。
売ったお金の三割は組織に納めてもらうけど、後は戦闘員の物だ。それとは別に月毎に給料も出しますし。張り切ってくれる事だろう。
「続いて情報部門。こちらはとりあえずアハムにお願いします。と言っても、現状は上がってくる情報を分かりやすくまとめる仕事になるかと思います。戦闘力もある程度は欲しいので、外への経験値稼ぎも参加してもらいます。激務が予想される部門なので、人数の割り振りは多めにしようとも思っています」
これから間違いなく一番忙しくなる所。
情報をまとめる分析能力や、情報を手に入れる潜入能力。時には危険な場所で情報を集める事になるだろうから戦闘能力。
間違いなく激務になる。そのうち情報部門から更に部門分けをする必要もあるだろう。
「細々とした事もありますが、現状はこれで充分かと。後は組織を運営していき、必要になったらまた部門を立ち上げていきます。なにか質問は?」
鉄面皮で周りを見渡すカタリーナ。
俺は素晴らしいプレゼンテーションだったと思います。流石裏ボス。表ボスの俺はすっかり空気ですわい。
「はい、ホルト」
ピシッと手を挙げたのはホルト。
大人の中に混じっても物怖じしないその姿勢は素晴らしいと思いますよ。
「子供達の教育部門はないのでしょうか?」
「現状ではそこまで手が回りません。手の空いてる人間がローテーションで教えていくことになります」
「わかりました」
なるほど確かに。子供達の教育も重要だもんね。
早い事その部門を立ち上げておきたいけど、そこまで手が回らんのです。なにせ、急激に大きくなったもんで。計画性のないボスでごめんなさいね。
「他に質問はないみたいなので報告を終わります。尚、戦闘部門の取り纏めは、とりあえずボスと私で行います。後で見回りの人間以外を招集しておいて下さい」
騎士男に視線向けるカタリーナ。
騎士男は頷いて部屋を出て行った。
「はい。じゃあ今日の所は解散。屋敷に荷物とか持ってこないとだし、使用人も決めないと」
とりあえず抗争が終わったからゆっくり出来ると思ったけど、全然そんな事ないね。
まだまだやる事がいっぱいだ。
しかし俺の覇道は始まったばかり。
気合い入れて頑張るとしますか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
長くなりましたが2章終了です。
とりあえず二大巨頭の一角を落とせました。
レーヴァンは予想以上に強いみたいなので、進撃は保留に。
次章は成長フェーズになります。
ちょっと時間を飛ばすかも知れませんが、お付き合い頂けると嬉しいです。
レイモンド君や子供達の成長をお楽しみに。
作者は他にも作品を更新してますので良ければそちらもご覧下さーい。
ではではまた次章で~。
21
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
底辺から始まった俺の異世界冒険物語!
ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。
しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。
おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。
漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。
この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる