異世界に転生したので裏社会から支配する

Jaja

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第3章 勢力増強

第61話 スラム改装計画

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 「おぉ、さぶっ」

 「おはようございます」

 すっかり寒くなった今日この頃。
 朝起きるのも億劫になってきたけど、なんとか自分を奮い立たせて起き上がる。

 隣のベッドではカタリーナが既に起き上がり、身支度を終えていた。
 因みになんだが一緒に寝たりはしていない。
 俺がレイモンド君の体に転生したと分かってから、しばらくして精通したんだけど。
 なんかタイミングが分からなくて、手を出したりもしてないんだよね。
 別にそういう事をしたくない訳じゃないから、何かのきっかけがあればなぁと思ってる次第です。




 「執事が逃げようとしてる?」

 「はい。情報収集を任せてる商人からの情報です。どうやら領主に見切りを付けたみたいで、絞れるだけ絞ってから逃げる予定みたいですね」

 「ふむぅ。あんまり領主からお金取らないで欲しいんだけどなぁ。表が荒れたら裏のこっちにも影響が出てくるしさ」

 「やめさせますか? 脱出ルートはどうやらスラムの下水道を使うみたいなので、早くしないと使えなくなるとでも言えば、早めに逃げ出すと思いますが」

 朝の身支度を終わらせて執務室へ。
 朝飯のサンドイッチを食べながら、まとめてあった報告書を呼んでたんだけどさ。 

 もう。辺境伯さんボロボロじゃん。それなりにお高い爵位もらってる癖にさ。
 まぁ、結構バカな領主らしいし仕方ないか。

 「そうしようか。で、俺達で捕まえて契約してから領主の元に送り返そう。その執事に上手い事誘導させて、俺達に都合の良い政策をしてもらおうかな」

 「では、そのように。商会の方に連絡しておきます」

 スラムの情報を執事まででストップさせとくだけでも大分違うよね。
 これを機に大幅に俺達の縄張りを改装しようかな。無駄な空き地とか勿体無いと思ってたんだよね。何を作るかは要相談かな。
 後で部門長を呼んで会議しようか。


 ☆★☆★☆★

 「緊急の情報とはなんだ?」

 懇意にしてる商人から緊急の情報があるということで、少し無理矢理に時間を作った執事。
 既に脱出の準備は整えており、後は領主からどれだね金を毟り取れるかだけを考えていた。

 相変わらず領主のベルリンは自室に引きこもり、エルフを連れて来いと癇癪を起こしている。
 今は適当に宥めてるが、それもそろそろ限界である。

 「脱出ルートなのですが、もう少ししたら使えなくなるかもしれません。あそこは今クトゥルフの縄張りなので、今はお金払って使わせてもらう様に頼んでますが、時間が経つと更なる無茶な要求をしてくる可能性が」

 「ちっ。税も払ってない下賤な分際で。 仕方あるまい。なるべく早く動くようにしよう。そのクトゥルフとやらら金で黙らせておけ。一週間以内には準備を整えよう」

 「かしこまりました」

 商人はお金を受け取り退出する。
 執事はそれを見送り、私室へ向かう。

 (もう少し搾り取りたかったが仕方ない。安全に脱出出来る方が大切なのだ。闇組織の言いなりになるのは癪だが、我慢するしかないか)

 執事はイライラする気持ちをグッと堪えて、脱出準備の最終チェックに入った。


 ☆★☆★☆★

 「一週間以内だってさ。情報部で共有は出来てる?」

 「はい。情報部から上がってきた情報ですので」

 そりゃ共有出来てるか。失礼しました。
 商会を通じて執事に地下水道が使えなくなるよーって伝えてから、かなり早い動きだ。
 執事さんはもう領主を完全に見限ってるよね。

 「残念ながら領主の所に戻ってもらう訳だけど」

 「こちらで使って書類仕事をさせても良いと思いますけどね。人間にしては優秀みたいですし」

 でたよ。カタリーナさんのナチュラルな人間ディス。エルフって敵が多そうだな。

 「書類仕事が楽になるならそれもありなんだけどなぁ。縄張りを改装した方が苦労は多いけど利益はかなり出ると思うんだよね」

 「執事が居なくなると、領主はスラムに手を出してる暇なんて無くなると思いますが。情報では業務のほとんどを執事が代行してるみたいですし」

 どうやらカタリーナは執事を確保してこちらで使いたい様子。
 多分、書類仕事を少しでも減らしたいんだろう。
 徐々に他の奴らが育ってきてるとはいえ、俺達二人の負担は大きい。
 執事を確保したら、俺達が外に出れる回数も増えるだろうし、戦力アップにもなる。
 ここはカタリーナの意見を採用すべきか。

 「じゃあ執事はこっちで使うか」

 「ありがとうございます」

 優秀な人間とは聞いてるけど職業はなんなんだろうね。恩恵とかも持ってるのか。レイモンド君は気になりますよ。

 「スラム改装計画も立てたし、そろそろレーヴァンともケリをつけたいよね」

 「詐欺男も良い感じみたいですしね」

 賭場に潜入させてる詐欺男はかなり順調らしい。
 普通に楽しんでるだけっぽいが。

 「俺達も賭場を作りたいなぁ」

 「相手ボスの強さを確認してからの方が良いと言ったのはボスですよ」

 一応改装計画を立てた時にカジノ予定地の土地は確保してるんだよね。
 ただレーヴァンがどう動くか分からないから。
 相手ボスがかなり強いって事でビビってるんだよね。

 「そろそろ俺も賭場に顔を出してみるか」

 ギリギリ新人冒険者に見えなくもない身長にはなっただろう。
 詐欺男に連絡して連れてってもらおうかな。
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