異世界に転生したので裏社会から支配する

Jaja

文字の大きさ
68 / 129
第3章 勢力増強

第65話 14歳

しおりを挟む

 娼婦やら男娼って職業があるのには驚いた。
 一応男娼を取得してみて情報は得たけど、初めてその職業持ちを見た時は本人に伝えるべきかかなり迷った。
 いくら異世界で慣れてきたとはいえ、配下の人間に体を売ってみないかとは、とてもじゃないけど言えない。
 
 って事でカタリーナに相談してみた。

 「ボスの世界ではどうだったか知りませんが、この世界で娼婦と男娼はそこまで忌避されてる職業ではありませんよ。勿論、店舗に所属せずに、道端で売ってるようなのは、また話が違いますが」

 との事らしい。
 俺の母親は大分苦労してたみたいなんだけど。
 店舗に所属してなかったのかな。

 とりあえずカタリーナの事を信じて、その職業持ちを集めてみた。不思議とその職業持ちは容姿とスタイルが整ってるんだよなぁ。
 そんな所にも職業の影響は出るんだろうか。情報には無かったんだけど。……俺も隙を見て取得しておきたい。今もそれなりに整ってる顔だけど、それ以上になれるならそれに越した事は無い。

 で、話してみた結果。反応は悪くなかった。
 むしろ、高給取りになれる可能性があると分かり喜んでるくらいだ。
 なので、非道な扱いはしないし、させない事を約束して縄張り内に娼館を建てる事になった。
 前世の風俗知識が火を吹くぜ。現代では普通レベルだった風俗が異世界では高級娼館に様変わり。
 かなりの利益を期待してる施設になります。


 そんな事はさておき。ホルトとの話し合いから暫くして、スラムの俺達の縄張りを表通りと遜色ない場所にしよう大作戦はホルト主導の元に始動した。
 あの子もまだ10歳なんだけどね…。本人が働きたがってるし、優秀だからいいかと好きな様にやらせてみてるけど、遊んだりしたくないんだろうか。

 「てい! てい! てーい!」

 ローザを見てみろ。いつも遊んでるぞ。
 いや、ローザはこれは仕事なのか。
 体を動かす系は真面目にやってるしな。

 「やっと出来るようになったよ! 一度慣れたら簡単だね!」

 「戦闘学習すげぇ」

 身体強化に手こずっていたローザだが、あれから毎日の様に手を繋いで過ごしてたら、いつの間にか俺と遜色ないレベルの身体強化が出来るようになっていた。才能とは残酷である。
 俺はこの練度になるまで苦労したのに。

 「調子に乗って中層に挑んだりするなよ」

 「分かってるよ! 約束を破ったらカタリーナに外出禁止を一週間って言われてるからね! 絶対に破らない!」

 外でアクティブに動きたいローザからすると、この罰はかなり効果的らしい。
 勉強もなんとか逃げ出さずになったとか。授業中は寝てるらしいけど。
 まぁ、一歩前進だよね。




 それから月日が流れて。

 「レイモンド14歳。いえーい」

 段々とあったかくなってきて、気付いたら年齢が14歳になっていた。
 身長も170cm近くなってるんじゃないかな。前世基準だと大きい方なんだけど、異世界は食事情が悪いくせに体が大きい人が多い。
 だから平均よりちょい大きいぐらいなんだよね。

 「じゃあ行ってくる」

 「お気を付けて。万が一の時は…」

 「転移を使ってでも脱出してくるよ。賭場からうちの縄張りまでぐらいの距離ならなんとか跳べるようになったからね」

 レイモンド君。いよいよ賭場に潜入するのである。詐欺男に先導してもらう予定だけど、何があるか分からない。
 順調だって言ってたけど、もしかしたら泳がされてるだけかもしれないしね。

 「アンジーが拝めるといいけど」


 ☆★☆★☆★

 「んん?」

 賭場の関係者以外立ち入り禁止の一室にて。
 部下と賭け事に乗じていたアンジーは首を傾げる。

 「どうかしやしたか?」

 「ちょっとなんか…嫌な感じねぇ」

 何か胸騒ぎがする。そんな感じだった。
 アンジーはその原因を探る為に、賭場で遊んでる客にバレない様に見て回る。
 実力者にはバレてしまう程度の隠密行動だったが、幸い気付かれた様子はない。
 そして一通り見回り、元の部屋に戻ってくる。

 「6番卓で遊んでる客を調べて」

 「了解っす」

 気になったのは一人の男性客。
 身なりは商家の坊ちゃんという感じで、勝ったり負けたりを繰り返し愛想良く楽しんでいる。
 部下から見ると特に普通の優良客だったのだが、レーヴァンのボスは違うらしい。

 部下はまたいつもの勘かと深く聞きはせずに言われた事を遂行する。
 このボスが致命的なミスをした事は一度もないのだ。


 それから三日。
 男の情報が出揃った。

 「表の商会の妾の子らしいっす。ここで賭け事をやって、お金が無くなればその商会に金をせびりに行ってるみたいっすね。その他は特に怪しい行動はありません。一応泊まってる宿も調べてあります」

 「そう。これからはあの客が来たら注視しておいて。なんだか変だわ。危険は無いと思うのだけれど」

 「了解っす」

 それから暫く。
 男は二日に一回ぐらいのペースで遊びに来ては、勝った負けたを繰り返す。
 そしてお金が無くなれば商会へ。
 そんな日々が続いて、流石のアンジーも勘違いだったのかと思い始めた頃だった。

 「全員。動ける人間は戦闘準備をしておきなさい」

 「姉御?」

 「今日は特大に嫌な予感がするわ。対応を間違えばかなり被害が出そう。いつでも出れる様に準備しておきなさい」

 「りょ、了解っす」

 ある日。ボスが急に立ち上がり、まるで戦場にいるような雰囲気を醸し出す。
 いつもは妖艶とした表情を崩さないのに、かなり真剣な表情で部下に矢継ぎ早に指示を出す。

 そしてやってきたのはいつもの商家の坊ちゃん。
 いつもと少し違うのは、おどおどとした雰囲気の一人の若い男性を連れてる事だろう。

 「ブ、ブリムリーさん。ここ、ほんとに大丈夫なんすか?」

 「あははは。俺に任せておけ。これでも結構常連なんだよ?」

 身なりからして新人冒険者。大方商家の坊ちゃんが悪い遊びを教えにきた。そんな感じだろうと思ってたのだが。

 「姉御!?」

 滅多に人前に出ないアンジーが、おもむろにその二人組に近付いた。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
 40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。  しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。  おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。  漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。  この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

処理中です...