異世界に転生したので裏社会から支配する

Jaja

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第4章 雌伏の時

第92話 娯楽

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 「ボス。ようやくです」

 「うん。お疲れ様」

 カタリーナの鉱石抽出作業が終わった。
 岩山からはほとんどの鉱石は確保し終わったので、これでようやく岩山をくり抜いて居住区やらを作る作業を再開出来る。

 「でも壁作りも良い所なんだよな。先にこっちを終わらせてから、岩山の作業に移った方が色々と都合が良いか」

 「私も手伝って来ましょうか?」

 「いや、あっちは今やってる人員に任せよう。魔法の練習にもなるしね」

 カタリーナには今までつまらん作業を長い間任せていたのだ。少しの間は休暇としてゆっくりしておいてもらおう。

 「でしたら、戦闘員の方に混ざってきてもよろしいですか? 長い間レベル上げも出来てませんし、訓練も最低限でしたから。鈍ってる体を鍛え直さないといけません」

 いや、休んでてくれて良いのよ?
 なんでみんなしてそんなに仕事を作って働きたがるのかな? クトゥルフにはワーカーホリックがたくさんいるんだよね。

 「いえ。この場所はそれぐらいしかやる事がありませんし…」

 「あ、そうか」

 この世界はとにかく娯楽が少ない。
 賭場もサイコロを転がしてただけだ。
 トランプやボードゲームすらない世界って…。
 この世界の住人は生きてて楽しいのかね?
 特に日が暮れたら、おせっせぐらいしかやる事がないんだよね。後はお酒を飲むぐらい。
 
 俺は未だに童貞なので、おせっせという娯楽も楽しめない。今はまだ本を読む事で時間を潰せているが、将来的には何かを考えないといけないだろう。

 まぁ、既にトランプは開発してて、みんなで楽しんでるみたいなんだが。
 うちの縄張りでカジノを開く予定だったからね。

 「娯楽も考えて日常生活を楽しめるようにしないとなぁ」

 「そんな事を考える人は少数ですけどね」

 「娯楽ってのはかなり大事なんだぞ?」

 仕事終わりや休みの日に楽しめる事があるから、日々の仕事のやる気が出るってもんよ。
 多少お金の掛かる娯楽ならなお良しだ。
 娯楽の為にお金を稼ぐようになれば、仕事効率も上がるんじゃないかなぁと。浅はかな考えを抱いております。借金とかはしない程度にね。

 「まっ、今後の課題かね。とりあえず戦闘訓練やらに参加しても良いけど、ちゃんと体は休めてね?」

 「かしこまりました」



 翌日。
 ホルトと一緒に大量の鉱石の検分をする。

 「凄いですね。ミスリルがこんなにありますよ」

 「ファンタジーだよなぁ。アダマンタイトとか、オリハルコンとかはないみたいだけど」

 この二つは長生きしてるカタリーナや、色々な戦場で暴れ回ったアンジーすら聞いた事がないらしい。もしかしたら存在しないのかもな。
 でもでも、ここまでテンプレっぽい世界ならあってもおかしくないと思うんだよな。
 ゴドウィンですら、ミスリルの大剣だったし望み薄かな。

 「ミスリルは次にいつ手に入るか分からないから、慎重に使いたいな。エリザベスと鍛治組に実験用に渡して、後は戦闘員の武器に使うか」

 「わかりました。その他の金属はどうしますか?」

 「それぞれ良い感じに。売り物にするも良し。合金の実験にするも良し。商業部門を中心に配分しておいてよ」

 これぞ丸投げ。
 別に面倒になった訳じゃないんだ。
 俺に使い方が分からないだけで。金とかあってもすげぇとしか思わん。インゴットにして並べて悦に浸るぐらいしか使わんぞ。

 宝石の原石もチラホラあるみたいなんだよね。
 この辺は細工師やら、エリザベスが使うみたい。
 宝石って魔道具作りに有用みたい。

 「それにしても…」

 「? どうかしましたか?」

 俺は鼻をクンクンさせる。
 獣人ほど鋭くはない嗅覚だけど、この岩山近辺に来ると毎回匂いがするんだよな。気にする程でもないし、注意しないと気付かない程度なんだけど。
 嗅ぎ慣れた匂いの筈なんだけど、なんの匂いだったか思い出せん。

 「おっふっろっ~! ローザは綺麗好きの狼だーい!」

 そんな事を考えると、訓練終わりのローザが近くの共用風呂にやって来た。
 男女別に分けて、魔法でお湯をぶっ込んでるだけだけど。クトゥルフの人員には最低限身嗜みを整えるように言ってあるからね。
 その中でも意外に、ローザがお風呂好きなのだ。
 今も変な歌を歌いながら、上機嫌で共用風呂に飛び込んで行った。

 「あ、温泉だ」

 「温泉ですか?」

 これ。硫黄の匂いか?
 あーすっきりした。なんかずっとモヤモヤしてたんだよね。って、事はここに温泉が出るとか?
 あれって火山限定じゃないの? 全然詳しくは無いんだけどさ。そんなぽんぽこ出るもんなのかしらん?

 「ふむん。カタリーナの精霊に手伝ってもらって、是非温泉が出るかの調査をせねばなるまいて」

 「ボス? 温泉について教えて欲しいのですが? 場合によっては、岩山の整備を修正しないとなりません」

 「おっと。すまんすまん」

 勝手に自分の中で解決し過ぎた。
 ホルトにしっかり情報共有しておく。後は勝手にホルトが広めてくれるだろう。

 「なるほど。本当に地面からお湯が出るなら色々考えないとなりませんね。今は近くの川から水を引いてきてますが、もう一本引く必要が--」

 ブツブツ言いながらどっか行っちゃった。
 多分商業部門と生産部門で相談するんだろう。
 一人ぼっちになっちゃった。

 「俺も戦闘部門に混ざって狩りしに行こーっと」
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