異世界に転生したので裏社会から支配する

Jaja

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第4章 雌伏の時

第94話 転移装置

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 岩山くり抜き作業が順調に進み、秘密基地が活気に満ちてる頃。
 俺は仮工房の方にやって来ていた。

 「どうだー?」

 工房の中に入ると、それはもう戦場のように言い合いをしている生産組の姿があった。
 ここ最近はずっとこんな感じで、俺が入ってきた事にも気付いていなさそうだ。

 「どうにかしてもう少しコストカットを--」

 「しかし、これ以上どこを削れば--」

 「なんとかミスリルを使わない形に仕上げたい。出所を探られるとかなり面倒な事に--」

 「あ、ボス」

 紙と睨めっこしていたエリザベスがてけてけとこちらにやって来た。
 他のメンバーも俺に気付いたのか、言い合いを一時中断して俺に軽く挨拶。そしてその後にまた再開した。

 「やっぱりきついか?」

 「モノ自体は完成してる」

 「え? 出来たの?」

 「今はコストカットの段階」

 我ながらかなり難しいお願いをしてると自覚してたんだが。なんだ、こいつらは天才か?
 コストカットの段階まできてるって。

 「ミスリルは殆ど貴族が独占してる。それを私達が魔道具に大量に使えば、絶対に出所を探られる。だから、なんとかそれを使わない様にしたい」

 俺がお願いした魔道具は二つ。
 一つは自分達でしか使わない予定だけど、一つは売り出す予定なのだ。それも貴族や金持ち商人に。

 「じゃあもう一つの方も完成してたり?」

 「うん。こっちは売らないから」

 天才だった。俺はとんでもない生産者集団を抱え込んでるのかもしれん。
 これも基礎知識とかを教え込んだお陰か。
 やはり教育は大事だよ、アニキ。

 「じゃあとりあえずそっちを見せてもらえる?」

 「そう言うと思って既に準備は出来てる」

 かっけー! エリザベスさんかっけーっす!
 俺、一生着いていきますぜ! もうどっちがボスか分かったもんじゃありませんな。



 「思ったよりも小さいな。もっと物々しい感じかと思ってた」

 「なるべく小さくする努力はした。でも今はこれが限界」

 俺がお願いした魔道具その一。
 それは転移装置である。
 いや、隣国に行くにしても、秘密基地にすぐに帰って来られるようにしたかったんだよね。
 俺は魔法を使えば帰ってこれるけど、他の人員はそうじゃない。いずれは世界中に商会やら裏組織を展開するつもりなのだ。いつでもどこにでも行けるようにしたかった。俺だけじゃなく、クトゥルフの人員みんながね。

 「ここで操作する。登録してある魔石の場所に飛ぶ事が可能」

 エリザベスが魔石に触ると、目の前に金属で作られた画面の様なのが出てくる。
 これはパソコンを参考にしたのかな? あいにくどういう原理でこうなってるのかは分からんが。

 「ふむ。一度に飛べる人員は?」

 「十人」

 充分だな。充分すぎる。

 「これ、今はどこに設置してるの?」

 「下水道の中。後で回収する予定」

 魔石同士を登録してる場所が、この画面に映されるらしく、今はその一つしかない。
 とりあえず試してみるか。

 「行ってきまーす」

 「帰りはボスの魔法でお願い。魔道具を回収してきてほしい」

 「了解」

 既に試運転は済ませてるらしいし、危険はなかろう。って事で早速転移。

 「うえっぷ」

 転移酔いは相変わらずか。そこは魔道具になったからって変わらないらしい。
 ほんとこれ、どうにかならんもんかね。

 「うむ。しっかり下水道。問題なさそうだな」

 転移酔い以外は問題なさそうだ。
 これは素晴らしい発明をしてくれたもんだな。
 物資を運ぶのも楽になるだろうし、流通革命が起こせるぞ。これはクトゥルフでしか使う予定はないし、カモフラージュも必要だが。

 「ただいま。問題なしだ。とりあえずこれは量産してくれ」

 「良かった」

 ホッと一息吐くエリザベス。
 顔は無表情だから分かりにくいが。
 こんな幼女がとんでもない発明をするとはね。
 一体どうなってんだか。いや、エリザベスだけの成果じゃないだろうけどな。後で生産部にはボーナスを用意しておこう。現状お金の使い道はほとんどないんだけど。

 「後もう一つもとりあえず試すだけ試していいか?」

 「うーん…。コストカットして同じ様に動くか分からないし、それまで待って欲しい」

 もう一つの魔道具はまだダメらしい。
 まぁ、理由は分かる。確かに同じ様に動くか分からないなら、今試す意味がないもんな。

 「そんなに時間は掛からないと思う。私は改善案を思いついてるし」

 「あ、そうなの?」

 なんか滅茶苦茶言い合いしてたから、相当難しいんじゃないかと思ってたんだけど。

 「みんなで案を出し合う事が大事。言い合いすら出来なくなってきてからが本番」

 「そ、そうか」

 長い白衣を引き摺りながら、腕を組んでうんうんと頷くエリザベス。
 なんかもう既に一端の職人みたいじゃん。
 成人してないんだよね? もしかして俺みたいに転生者とかですか? 精神年齢が高すぎるんよ。

 「近い内に完成報告するから楽しみにしてて欲しい」

 「分かった」

 まぁ、俺は既に何をやってるか半分も理解出来ないから、待ってるしか選択肢がない訳ですが。
 モノが出来るならなんの文句もない。
 是非この調子で頑張ってもらおう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 転移装置の説明とか出来ないからね。
 なんか出来ちゃった、ご都合主義で頼みますよ。
 生産者組すげーとでも思って貰えれば。
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