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第4章 雌伏の時
第97話 15歳
しおりを挟む「さてさて。どの国行くか。人数はどうするのか。決める事はいっぱいだ」
秘密基地も粗方完成したって事で、闇組織業を再開させようと思うんだけど。
収入もないしさ。今回は自分達の商会を持つ予定だし、便利魔道具も売り出す予定だから、軌道に乗るまでは早いと思うんだけど。
「行くのは隣国が良いんじゃないでしょうか? スパンダ帝国の情報も仕入れたいですし」
「人数は初めは少人数で良いでしょう。向こうに着いて拠点が出来てから、転移装置を設置すればいつでも向こうに行けます」
クトゥルフの真面目担当、カタリーナとホルトが進言する。
「ってなってくると、行くのは誰だ?」
俺達って身分証を持ってない奴らがほとんどなんだよね。アンジーとかレーヴァン組は傭兵ギルドのギルドカードを持ってたり、商会経営してた奴らは商業ギルドのカードを持っている。
俺は年齢的に無理だったし、他の人員は縄張り維持で忙しかったり、冒険者ギルドはギルドマスターがきな臭くて敬遠してたからなぁ。
こういうのって、異世界のお約束で適当に村から来ましたって言って入れてくれるもんなの?
お約束では森の中に知らない場所に転移しても、あっちの村から来ましたで入れてもらえるけど。
後は道中に商人やら貴族やらを助けて、身元保証人になってもらうとかね。
「お金を払えば、仮の身分証を貰えますよ。その後にどこかのギルドに登録すれば、お金は返ってきます」
「ふーん? まぁ、俺達にはあんまり関係ないか。身分証を持ってる奴に街に行ってもらって、転移装置で侵入すれば、検問とか関係ないし」
「確かにそうですね」
空間魔法の利便性やばい。
異世界では必需品だよね。
鑑定、アイテムボックス、言語理解。
これが三種の神器って言われるのがよく分かる。
俺はこれがなきゃ、早々にくたばってただろう。
「って事で、商人組何人かと元レーヴァン組を護衛に何人かで最初は行ってもらおうかと」
道中盗賊やら魔物に襲われようが、カンスト組を護衛にしておけば大体の危機は回避出来るだろう。
そういう異世界でお約束のイベントは俺も是非体験したいんだけどね。
「ペテス領で登録だけして、他の街に向かうという手段もありますが」
「あ、それもありか」
俺はほとんど顔バレしてないしね。
ジェシカは辺境に飛ばされたらしいし、俺の事を知ってる人間なんて居ないんじゃなかろうか。
これなら俺もご一緒出来るな。
「じゃあペテス領にひとっ飛びしてこようかな。何人か着いてきて欲しいんだけど…」
「私は目立つのでやめておいた方がいいですね」
そうだな。エルフだし。
一応ペテス領の騒動の元凶だし。騒ぎを大きくして引っ掻き回したのは俺だけど。
まぁ、カタリーナはギルドカードを持ってるから問題あるまい。持ってない奴から何人か選んでついでに登録しに行くとしよう。
「おおー。こんな感じになってるのか」
ペテス領に転移でやって来た。
流石に初期ほど物々しい雰囲気では無くなってるが、俺が最初に見た頃よりは活気がなくなってるような気がする。
お供は騎士男ことチャールズと、詐欺男ことブリムリー。ローザが行きたい行きたいと駄々こねてたけど、あの子はまだ十三歳である。
来ても登録出来ないし、子供連れはなにかと目立つからね。遠慮してもらいました。
因みに俺は十五歳になりましたよ。
この世界ではようやく成人という訳ですな。
☆★☆★☆★
『名 前』 レイモンド
『年 齢』 15
『種 族』 ヒューマン
『レベル』 276/999
『体 力』 B/S
『魔 力』 B/S
『攻撃力』 C/A
『防御力』 C/A
『素早さ』 B/S
『知 力』 B/S
『器 用』 B/A
『恩 恵』 鑑定 複職
『職 業』 高位暗殺者 大魔法使い 格闘家 将軍 大道士 文官 道化師 魔法闘士 怪盗 高位錬金術師 伯爵 拷問官 幻影 高位薬師 役者 商人 賭博師 高位鍛治師 指導者 大神官 男娼 測量士 蹴術師 棒術師 魔物使い 調教師
『属 性』 無 光 闇
☆★☆★☆★
何個か職業枠は空いてるけど。
現状はこんな感じかな。
なんかみんなと比べると能力値の伸びが遅い様な気がする。Bってのは結構上澄みなんだけどね。
武器はとりあえず棒にした。
色々迷った挙句にシンプルな棒。
今はアイテムボックスにミスリルで出来た2mぐらいの棒が入っている。
蹴術師はあれだな。体術を更に強化しようと思って。キックはパンチの3倍とか言うし?
お試しで取ってみました。測量士は空間魔法を使う時の補助の為に、魔物使いと調教師は、恐竜をペットにしようとして取得した。
「職業取り過ぎて見にくい。これを満遍なく上げるのはかなり苦労するよなぁ」
大器晩成なんだろうね。
これ、俺の寿命までにぜんぶ極められるんだろうか? エルフとかならまだしも、人間の短い一生じゃ無理だと思うんだよね。
エリザベスが不老薬とか使ってくれないかな。
でも寿命が無いってのはどうなんだろ。
それはそれでしんどいのかなぁ。
世界を裏から支配するのは時間がかかるだろうし、支配して終わりって訳でもないし。
「ボス。着きましたよ」
「おっと」
そんな事を考えながら歩いてると商業ギルドに到着した。
さてさて。さっさと登録して帰ろうかね。
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【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
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