異世界に転生したので裏社会から支配する

Jaja

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第4章 雌伏の時

閑話 ローザ日記1

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 「起床! 訓練!」

 ローザの寝起きは良い。
 目覚めた瞬間にぱっちりお目目である。
 秘密基地の岩山内に割り当てられた自分の部屋で目を覚ますと、ささっと顔を洗って訓練服に着替えるとすぐに訓練場に向かう。

 「みんなおはよー!!」

 既に訓練所に居たクトゥルフのメンバーに挨拶する。耳をぴこぴこさせて尻尾をブンブンさせて。
 これには強面戦闘員もにっこりである。まだ成長する前から一緒に訓練していた戦闘員にとって、ローザはみんなの妹なのである。
 訓練場に用意されている朝食を食べていざ。

 「師匠ー! 来たよー!」

 訓練所の面々に愛嬌を振り撒きつつ、師匠のアンジェリカを探す。

 「ローザ。アンジさんはボスと一緒に昨日出て行ったろ?」

 「あ…そうだった…」

 ローザのテンションが一気に下がる。
 耳がシュンと垂れてへにゃへにゃに。
 これには騎士男こと、チャールズは慌てる。

 「ほら! 訓練なら俺が付き合ってやるから!」

 「うん!!」

 その言葉を待ってましたとばかりに、耳がピンと立ち早速準備運動を始めるローザ。
 チャールズは今日の訓練はいつも以上にきついだろうなと思いつつも、一緒に準備運動を始めた。



 「ありがとうございました!!」

 「お、おう」

 訓練開始から3時間後。
 ローザは満面の笑みで、チャールズはフラフラになりながらも大人の、いや、男のプライドとしてなんとか立ちながらローザを見送る。
 やはりアンジさんが居ないから今日はきつかったと。それでも一本は取ったのだと少し自慢気になりながら、その場でドサリと倒れた。


 訓練の終わったローザは秘密基地内に建てられた温泉へ。ローザは綺麗好きで温泉大好きなのである。

 「おっふっろっ~! ローザは綺麗好きの狼だーい! わんっわんっわおーん!」

 ご機嫌に歌を歌いながら、女風呂へ入っていく。
 最近エリザベスが量産に成功した石鹸で丁寧に体を洗って湯船に浸かる。

 「気持ち良いー。疲れが溶けていくよー」

 ほけーっとした顔で肩までお湯に浸かって、さっきの訓練を頭の中で思い出す。
 師匠から未だに一本も取れないのを悩んでるのだ。しかし、今日の訓練ではレベルが下の筈のチャールズに一本取られた。

 三日に一回ぐらいやられてしまうのだ。と、いうことは自分でも師匠から一本取れてもおかしくないはず。そう思いながら頭の中で何度も今日の戦いをシミュレートする。

 「やっぱり勝てなーい。いつも良いところまではいくんだけどなー」

 頭をブンブンと振って湯船から出る。
 考え過ぎて頭がパンクしそうになったのだ。
 これが勉強なら既にパンクしていたが、戦闘関連の事になるとまだ頑張れる。
 しかしこれ以上考えてるとのぼせてしまうと、温泉から出て脱衣所へ。

 そして脱衣所に完備されている、これまたエリザベス謹製の冷蔵の魔道具の中から、フルーツジュースを取り出す。
 レイモンドはコーヒー牛乳とフルーツ牛乳を作れない事を残念に思っていたが、ローザには何の事か分からない。

 「おいしー!!」

 素っ裸で左手を腰に当ててゴクゴクとフルーツジュースを飲む。
 なんでもこれが作法なのだと、レイモンドが熱く語っていたのだ。レイモンドの言う事なんだからそうなんだろうと、ローザは深く考えずにその通りにする。なんだかしっくりくるし。

 ジュースを飲み終わったローザは風魔法であっという間に乾かして服を着て温泉を出る。
 そしてどこに遊びに行こうかと思案してる時だった。

 「あ、居た」

 「げぇ! エリーちゃん!」

 ローザはエリザベスの姿を見て、女の子にあるまじき声を上げる。
 エリザベスはそんなのお構い無しとばかりに、ローザの手を掴み、とある建物に連れて行く。

 「勉強の時間。もう始まってる」

 「ロ、ローザはもう文字も読めるし、簡単な計算だって出来るんだよ?」

 「それでも馬鹿な事には変わりない」

 「う、うぐっ」

 ローザは可愛い妹分からの辛辣な口撃に思わず呻いてしまう。私の方がお姉ちゃんなのに。
 そんな事を思いながら、ズルズルとされるがままになって子供達が勉強してる場所へ。
 エリザベスは手の掛かる姉貴分と思ってるのだが。

 「先生。連れて来た」

 「あら。ありがとうね」

 先生と呼ばれたのはマリク。
 子供への教育は持ち回りで行われており、今日はマリクが担当だったみたいだ。職業拷問官のマリクが子供になんの指導をするのか。

 「では、今日は人体の構造について学びましょうね。戦闘員の方は効率的に弱点を突く為には覚えておいた方がいいですよ?」

 最近はご無沙汰だが、ペテスを拠点にしていた頃はレイモンドと共に結構な人間を拷問してきた。
 マリクはその都度レポートを取っていたので、人体の構造にかなり詳しくなっていたのだ。

 レイモンドが思い付きで医者とかもいるよなぁと呟いた事から、人体構造の授業が追加された。
 医者にならなくても知ってるのと知らないのでは、いざという時の応急処置の時に違うだろうと。


 「はい。今日の授業はここまでです。お疲れ様でした」

 「実に興味深い授業。身体強化の魔道具を作るのに役立ちそう」

 エリザベスは鼻息荒く、授業が終わった後もマリクに質問攻めしていた。
 なにやら新しい魔道具のインスピレーションが湧いてきたらしい。

 ローザは最初は戦闘に役立つと真面目に聞いていたのだが、途中からちんぷんかんぷんになり、頭から煙を吐き出していた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 続きます。
 ローザの1日に付き合いながら、色んなキャラを出して行く閑話に出来たらなと思ってます。
 
 
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