異世界に転生したので裏社会から支配する

Jaja

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第4章 雌伏の時

閑話 ローザ日記3

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 「カタ姉ー」

 「どうしましたか?」

 訓練場で一人練習していたカタリーナに近付く。カタリーナには精霊さんが見えるらしく、コミュニケーションを取りながら、多種多様な魔法を使っていた。

 「剣に魔法を纏わせるのが上手くいかないのー」

 いっぱい魔法を使ってるし、魔法は得意なんでしょ? ローザは単純にそう考えていた。しかし。

 「ふむ。私も精霊にお願いしてるだけですからね。ヒューマンと魔法の使い方が違うのです」

 珍しく頼られたカタリーナはなんとか力になってやりたいと思う。しかし、根本的に魔法の使い方が違うため、どう教えていいか分からないのだ。

 「ローザは身体強化は上手に使えてるのに、魔法を体外に放出するとダメなんですね」

 それでもとりあえず魔法を使ってもらって、カタリーナに分かる範囲でアドバイスしようとする。

 「髪とか服を乾かすぐらいなら出来るんだよ! でもずっとはしんどいの!」

 「身体強化は出来てるのにですか」

 ローザは体内で魔力を循環させるのが得意みたいだが、それが体外に出ると途端にコントロールが効かなくなる。であれば解決策は一つだ。

 「剣も身体の一部と思う事にしましょう。ローザがそう思い込めば、いつの間にか成功してるのでは?」

 「なるほど!!」

 カタリーナ、意外に脳筋だった。そしてその提案に頭が良いとは言えないローザは目から鱗が落ちる思いで納得していた。なんて簡単な事なんだと。
 カタリーナもきちんとアドバイス出来て満足、ローザは突破口を教えてもらえて満足。Win-Win。
 そしてお互い気分良く訓練を再開した。
 翌日。ローザは出来るようになっていた。



 カタリーナにアドバイスを貰った後、確かな手応えに満足しながら今日のやる事は全て終了。

 「おっふっろっー!」

 そして本日二度目のお風呂である。
 訓練終わりのお風呂。これがたまらなく気持ち良いのだ。余程の事がない限りこれは外せない。

 しかし残念な事が一つ。朝の訓練が終わった後のお風呂はいつもほぼ貸し切りなのだが、夕方はそうじゃない。
 色々な仕事や訓練終わりのクトゥルフメンバーが押し寄せる。

 「あら。ローザちゃん。元気にしてたかしら?」

 「元気だよー!!」

 お姉さん方とお喋りしつつ、綺麗に体を洗っていく。特に尻尾は念入りに。フワフワだと気持ち良いし。

 「なんでも最近エリザベスちゃんが、髪を洗う専用の液体を開発中だって」

 「私も聞いたわよ。なんでもシャンプーとリンスって言うらしいわ」

 ローザの耳がピコっと反応する。聞き捨てならない事が聞こえてきたゆえに。

 「この温泉にも置いてくれるのかしら?」

 「石鹸があるだけでも贅沢なのにねー」

 ローザは今日部屋に帰って来たら、エリーちゃんに聞いてみよう。
 そんな事を思いつつ、湯船に浸かった。



 お風呂を出たローザは情報部の部屋が集まる場所にやって来た。そういえば、何かあったらレイモンドが連絡すると言ってたのを思い出したのだ。

 「やっほー!」

 「ローザちゃん…。ここは立ち入り禁止っすよ?」

 やって来たのは転送箱が置いてある部屋。クトゥルフ一番の機密を扱う場所になる予定であり、クトゥルフの人員ですら立ち入りを制限していた。
 アハムは呆れた顔をしながら、そして申し訳なさそうに追い出そうとしたが。

 「レイモンドに入って良いよーって言われてるもん! ほら!」

 ローザはポケットをゴソゴソして、一つのメダルを取り出す。これはクトゥルフの階級章みたいなものだ。このメダルの階級によって、入って良い場所や、仕事を割り振られる。そしてローザがレイモンドから渡されたメダルは、一番高位のモノでこれにはアハムは何も言えない。

 「まぁまぁ。アハム君。ローザちゃんなら大丈夫でしょう」

 「いや、分かってるっすよ。でも一応規則としてっすね--」

 執事服のジェイクとアハムが何かを言ってるが、それをローザは無視して他のメンバーに声を掛ける。

 「レイモンドから何か来たー?」

 「いえ。今日は何も来てないです」

 「そっかー」

 ローザはしゅんと残念に思いながらも、情報部の部屋を後にする。未だにアハムとジェイクがやいやい言い合っているが、それはいつもの事。
 ローザは仲良しだなーと思いながらも、生産部の部屋に向かう。

 「エリーちゃーん。今日は帰るよー」

 生産部の部屋に来たのは、昨日部屋に帰ってこなかったエリザベスを回収するためである。
 流石に二日連続はよろしくない。カタリーナに怒られてしまう。カタリーナの雷はとても怖いのだ。

 「今は良いところ」

 「だめだよー。また明日ね」

 ローザは実験を中断させて、エリザベスの手を引っ張る。昼間と逆の立場になってるみたいだ。
 そのまま温泉に連れて行き、中に入ってる人にエリザベスのお世話を頼む。
 あの子は自分で何もやらないので。ローザも一緒に入ろうかと思ったが、ついさっき入ったばかりなのである。流石に自重した。

 「ねぇ、エリーちゃん。髪専用の液体を開発中だって聞いたんだけど」

 「もう出来てる。今は量産出来るかどうか、配合で効能を上げれないかを検証中。匂いもたくさん選べるようになると思う」

 お風呂から出て来たエリザベスを背中に背負いつつ部屋に向かう。この子は楽出来るなら平気で姉貴分をアシにする。

 「そうなんだー! 楽しみー!」

 「サンプルも用意してある。明日から試してほしい」

 部屋に着いてエリザベスをベッドに座らせると、ゴソゴソと魔法鞄からいくつかの瓶を取り出す。
 これがサンプルらしい。

 「わー! ありがとー! 早速明日から使わせてもらうね!」

 「出来れば使用感を聞きたい」

 「任せてよ!」

 ローザは瓶を大事に鞄にしまい、そしてベッドの中に入る。

 「おやすみー」

 「おやすみ」
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