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第一章
5.出会いは突然に
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王都への帰途――
レイモンドは、とある町外れへと辿り着いていた。
この辺は、まだ、整備途中であり、以前から破落戸達が出没する地域と報告を受けていた。
幸いにも往路では出会うことがなかったけれど――治安改善の為には、ここで壊滅させた方がよいかと、考えていた矢先に、前方から争う声が聞こえてきた。
女性二人に、破落戸たちが絡んでいるようで、辺りを見れば、少し離れた道の脇に馬車が止められていた。
よく見ると、その傍らに数人が血を流しながら倒れ込んでいる。
レイモンドは、馬から飛び降りると、破落戸たちの元へと駆けつけていた。
「っ、お前達、リーネを離しなさい」
「お嬢様っ、危険ですから、私のことなどより、ご自分の身をお守りください!」
「心配するな、お嬢ちゃんも一緒にいいところへ連れて行ってやるからよ」
そう言いながら、一人がお嬢様と呼ばれていた女性の左腕を鷲掴んだ――と、思った瞬間に、その男が突如うめき声を上げたかと思うと、女性から飛び退っていた。
「痛てぇ~、なっ、こいつっ!、お、お頭ぁ~」
レイモンドが女性に目を向けた瞬間、思わず目を瞠ってしまう。
何故なら、その女性の手には、いつの間にか剣が握りしめられていた。
恐らく、男の腰に下げられていた剣を引き抜いたのだろうが、剣を握る女性は躊躇うことなく、剣を振るっていて、それはどうみても素人の剣筋とは言い難く、女性が見た目に反して剣を扱い慣れていることを感じさせた。
暫し、その剣技を見つめていたが、はっと我にかえったレイモンドは、頭と呼ばれていた男が近づいてくるのをみると、すぐに行動を起こし、女性を守るべくその傍らへ駆け寄り、頭と呼ばれた男へと剣先を突きつけた。
「レディに対する礼儀がなってないんじゃないか? ここからは、俺が相手になろう」
そう言い放ち、レイモンドは女性の姿を自分の身体で隠しながら、男と対峙する。
「へぇ~、お前一人で俺たちを相手にしようっていうわけか? 上等じゃねぇか……おい、お前達、この兄さんに俺たちの恐さを教えてやろうぜ」
そう言い放つと、レイモンドへと切りつけてきたが、その太刀筋は鋭く、一筋縄では倒せないことを感じさせる。
ただし、それは護衛騎士たちの腕ではだ――レイモンドは、双竜の加護があるせいか、水と火属性の魔法に長けていたが、剣士としても優れていて、ルーベンス公国の中でも5本の指に入るくらいの腕前を有している。
その為、鼻息荒く攻め込んでくる相手に、魔法を使うまでもなく、あっという間に、破落戸共を倒していった。
レイモンドが闘っている間に、女性たちは従者と護衛騎士により離れた場所に退避している。
レイモンドは躊躇することなく剣を振るっていた。
領民を守るのは当然のことで、しかも、多分、あの令嬢は……
レイモンドは、とある町外れへと辿り着いていた。
この辺は、まだ、整備途中であり、以前から破落戸達が出没する地域と報告を受けていた。
幸いにも往路では出会うことがなかったけれど――治安改善の為には、ここで壊滅させた方がよいかと、考えていた矢先に、前方から争う声が聞こえてきた。
女性二人に、破落戸たちが絡んでいるようで、辺りを見れば、少し離れた道の脇に馬車が止められていた。
よく見ると、その傍らに数人が血を流しながら倒れ込んでいる。
レイモンドは、馬から飛び降りると、破落戸たちの元へと駆けつけていた。
「っ、お前達、リーネを離しなさい」
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「心配するな、お嬢ちゃんも一緒にいいところへ連れて行ってやるからよ」
そう言いながら、一人がお嬢様と呼ばれていた女性の左腕を鷲掴んだ――と、思った瞬間に、その男が突如うめき声を上げたかと思うと、女性から飛び退っていた。
「痛てぇ~、なっ、こいつっ!、お、お頭ぁ~」
レイモンドが女性に目を向けた瞬間、思わず目を瞠ってしまう。
何故なら、その女性の手には、いつの間にか剣が握りしめられていた。
恐らく、男の腰に下げられていた剣を引き抜いたのだろうが、剣を握る女性は躊躇うことなく、剣を振るっていて、それはどうみても素人の剣筋とは言い難く、女性が見た目に反して剣を扱い慣れていることを感じさせた。
暫し、その剣技を見つめていたが、はっと我にかえったレイモンドは、頭と呼ばれていた男が近づいてくるのをみると、すぐに行動を起こし、女性を守るべくその傍らへ駆け寄り、頭と呼ばれた男へと剣先を突きつけた。
「レディに対する礼儀がなってないんじゃないか? ここからは、俺が相手になろう」
そう言い放ち、レイモンドは女性の姿を自分の身体で隠しながら、男と対峙する。
「へぇ~、お前一人で俺たちを相手にしようっていうわけか? 上等じゃねぇか……おい、お前達、この兄さんに俺たちの恐さを教えてやろうぜ」
そう言い放つと、レイモンドへと切りつけてきたが、その太刀筋は鋭く、一筋縄では倒せないことを感じさせる。
ただし、それは護衛騎士たちの腕ではだ――レイモンドは、双竜の加護があるせいか、水と火属性の魔法に長けていたが、剣士としても優れていて、ルーベンス公国の中でも5本の指に入るくらいの腕前を有している。
その為、鼻息荒く攻め込んでくる相手に、魔法を使うまでもなく、あっという間に、破落戸共を倒していった。
レイモンドが闘っている間に、女性たちは従者と護衛騎士により離れた場所に退避している。
レイモンドは躊躇することなく剣を振るっていた。
領民を守るのは当然のことで、しかも、多分、あの令嬢は……
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