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第一章
10.誕生パーティにて①
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とうとう誕生日パーティー当日となった。
正直、もともとこういう集まりは好きではないのだが、パーティー開催目的の主賓としては、流石に欠席も途中退席もできようはずがない。
大公の挨拶に続いて、集まってくれた諸侯たちに御礼の挨拶を述べた後、宰相の乾杯の言葉と共に、酒が次々と酌み交わされていく中、ダンスの開始を待つ。
婚約者候補が参加しているものの、公には候補者名すら発表していないこともあり、誰とも踊るつもりはなかったけれど、会場を見回せば、花嫁候補の令嬢は揃って参加していた。
婚約者がいない令嬢の場合、大抵ファーストダンスは、身内の男性と踊るのが一般的だが、やはり、令嬢方は父親か兄弟と踊っている。
特に今回は、婚約者候補である私の誕生パーティーなのだ。
身内以外の男性と踊らせることなど、周りが許さないだろう。
各家も、未来の王妃となるかもしれない娘の評判を落とすような行動など容認するはずが無い。
皆、私からのダンスの誘いを期待しているのだろうが、なかなか一歩が踏み出せなかった――
祖母は伯爵令嬢、母――アンナマリアは子爵令嬢。
どちらの家も古くから続く血脈だったが、決して家格が高い訳ではない。
にも関わらず、高位貴族から異論がでなかったのは、ただ双竜によって選ばれたという事実があるからだ。
ただし、祖母にしても母にしても王族となってからの努力は並大抵のものではなかったらしい。
何故、自分たちが選ばれたのかも判らないまま、教育係は徹底した妃教育を叩きこまれたのだという。
泣きながら眠りにつく日々を耐えられたのは、夫の支えがあったからなのだとか。
祖父にしても、父――ライアンにしても、決して優しい言葉ばかりかけた訳ではない、教育係も好き好んで厳しい教育を課した訳ではない、ただ、国という大きな組織の中の頂点に立つ者として、必要であったからこその教育――決して負けないで欲しいと願いながら。
勿論、そうして頑張る伴侶を蔑ろにするはずもなく、祖父も父も、周りから勧められても決して、側室などはもたず、ただ一人――互いの妻だけを愛し、その仲睦まじさは公国中の人々までも周知の事実だった。
私はどうだろうか?
双竜によって決められた花嫁に、そこまでの愛情を持って生涯寄り添うことができるのだろうか?
ひんやりとした風が頬を撫でていくのを感じ、はっとしながら周りを見渡す。
思案にふけるあまり、いつの間にか、テラスから中庭のガゼボへと移動していたらしい。
ガゼボを囲むように植えられている薔薇の香りが周囲に漂い、月明かりの中、幻想的な美しさを醸し出していたが、なによりも驚いたのは、ガゼボに先客がいたことだった。
ガゼボに置かれたベンチ――そこには、一人の少女が座り込んでいた。
正直、もともとこういう集まりは好きではないのだが、パーティー開催目的の主賓としては、流石に欠席も途中退席もできようはずがない。
大公の挨拶に続いて、集まってくれた諸侯たちに御礼の挨拶を述べた後、宰相の乾杯の言葉と共に、酒が次々と酌み交わされていく中、ダンスの開始を待つ。
婚約者候補が参加しているものの、公には候補者名すら発表していないこともあり、誰とも踊るつもりはなかったけれど、会場を見回せば、花嫁候補の令嬢は揃って参加していた。
婚約者がいない令嬢の場合、大抵ファーストダンスは、身内の男性と踊るのが一般的だが、やはり、令嬢方は父親か兄弟と踊っている。
特に今回は、婚約者候補である私の誕生パーティーなのだ。
身内以外の男性と踊らせることなど、周りが許さないだろう。
各家も、未来の王妃となるかもしれない娘の評判を落とすような行動など容認するはずが無い。
皆、私からのダンスの誘いを期待しているのだろうが、なかなか一歩が踏み出せなかった――
祖母は伯爵令嬢、母――アンナマリアは子爵令嬢。
どちらの家も古くから続く血脈だったが、決して家格が高い訳ではない。
にも関わらず、高位貴族から異論がでなかったのは、ただ双竜によって選ばれたという事実があるからだ。
ただし、祖母にしても母にしても王族となってからの努力は並大抵のものではなかったらしい。
何故、自分たちが選ばれたのかも判らないまま、教育係は徹底した妃教育を叩きこまれたのだという。
泣きながら眠りにつく日々を耐えられたのは、夫の支えがあったからなのだとか。
祖父にしても、父――ライアンにしても、決して優しい言葉ばかりかけた訳ではない、教育係も好き好んで厳しい教育を課した訳ではない、ただ、国という大きな組織の中の頂点に立つ者として、必要であったからこその教育――決して負けないで欲しいと願いながら。
勿論、そうして頑張る伴侶を蔑ろにするはずもなく、祖父も父も、周りから勧められても決して、側室などはもたず、ただ一人――互いの妻だけを愛し、その仲睦まじさは公国中の人々までも周知の事実だった。
私はどうだろうか?
双竜によって決められた花嫁に、そこまでの愛情を持って生涯寄り添うことができるのだろうか?
ひんやりとした風が頬を撫でていくのを感じ、はっとしながら周りを見渡す。
思案にふけるあまり、いつの間にか、テラスから中庭のガゼボへと移動していたらしい。
ガゼボを囲むように植えられている薔薇の香りが周囲に漂い、月明かりの中、幻想的な美しさを醸し出していたが、なによりも驚いたのは、ガゼボに先客がいたことだった。
ガゼボに置かれたベンチ――そこには、一人の少女が座り込んでいた。
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