Arousal of NPC‘s

猫乃麗雅

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Chapter 1/最初の国

№51 告知①

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あれから更に数分が経過した…。



“猫のシャトルリュー”を抱っこして
「うわぁあ~。」
感動しているのは、“少年黒魔術士のソソ”である。
“錬金術師”が自宅に入り、“道具屋の弟子”が【瞬間移動】するなか、
「私にも触らせてぇー。」
“白魔術士のセイラン”がネコへと手を伸ばす。
「何これぇ。」「気持ちぃ~。」
セイランが至福の表情になった事で、「俺も。」「俺も。」「私も。」「私も。」と、その場が賑やかになっていく。
こうしたタイミングで、“シールダーのシリウス”に〝ティーン ティーン〟という音が聞こえるのと共に[横長画面]が自動的に現れた。
「ん?」
「なんだ??」
首を軽く傾げたシリウスが、
「え~っと……。」
内容に目を通しつつ、
「〝本日19:00よりイベントが開催されます〟〝参加する方は時間に合わせて帝都の中央広場にお越しださい〟〝Wonder World運営局〟って、書かれてる。」
そのように読み上げたのである。
「これは…、もしかして?」
リーダーたるシリウスに窺われ、
「多分そうだと思う。」
“少女剣士のシューラ”が頷く。
「当然、やるよな??」
こう尋ねた“武闘家のサイザー”に、
「ん。」
「じゃないと、先に進めない・・・・・・らしいから。」
シューラが静かに返す。
「ま、取り敢えずは、その猫を届けるのが先決じゃろう。」
“武士のソリュウ”に促され、
「だな。」
[地図]を開くシリウスだった……。



他の“パーティーリーダー”や“ソロプレイヤー”にも、お報せ・・・が送られている。
ただし、戦闘中の人々には邪魔になってしまうので、[画面]は出現していない。
バトルが終了次第、伝達するみたいだ。

さて。
「イベントかぁ。」
「どんなだろうね?」
ふと疑問を投げかけたのは、“シールダーのクマッシー”だ。
「わっかんねぇけど…。」
「夜の7時だと、風呂に入ろうとしている頃だんよなぁ、俺は。」
“武士のヤト”が難しそうな顔つきになったところで、
「オレは晩飯中。」
苦笑いする“戦士のニケ”であった。
「皆も俺らと似たような感じか??」
ヤトに訊かれ、各自が〝うん〟や〝ええ〟と反応を示す。
「どうすっかぁ。」
眉間にシワを寄せて悩むヤトに、
「まぁ、こういうのは、定刻を過ぎても参加できるやつだろうから、オレたちは時間を遅らせてもいいんじゃないか?」
ニケが意見する。
「……、じゃ、俺らは、8時を目途に、広場に集まってみよう。」
こう述べたヤトに、全員が賛成するのだった。

暫くして、[イッチューズ]は“山のふもと”に到着している。
ヤトが渡した“証明書”をチェックした[総指揮官の男性NPC]が、
「間違いないみたいだな。」
「よく来てくれた。」
「感謝する。」
と喋りだしたのであった…。



[Teamチーム Sエス]は、“サウスウエスト南西ギルド”で一人につき2枚の金貨を貰っている。
建物から外に出た流れで、
「一旦、解散だな。」
誰ともなく声をかけたシリウスに、
「そうね。」
シューラが答えた。
俯き加減のソソが、
「お家、帰りたくないな。」
テンション低めで呟く。
「だったら、俺の所に来るかい??」
「ベッド、余っているし。」
そのように提案したのは、“騎士のサーガ”である。
「いいの?」
「やったぁ!!」
ソソが嬉しそうにしたところで、
「じゃあ、また、あとでな。」
優しげに微笑んだシリウスを始め、サーガとソソ以外のメンバーが各々に[画面]を開いた。
ひとまず別れの挨拶を交わした仲間が、次々と【テレポーテーション】していく。
ちなみに、【瞬間移動】は“団体のもの”と“個人のもの”が用意されている。
[Team S]は、普段、代表を務めているシリウスが一括で【テレポート】していた。
いずれにしろ。
「それじゃ、俺らも、ここから動くとして……。」
「場所は分かるよね??」
サーガに問われ、
「ん、大丈夫!」
〝ニコニコ〟するソソだった。



とある屋内に〝シュンッ!!〟と移ったのは、シューラである。
床・壁・天井は[石造り]で、扉・窓枠・柱などには[木材]が用いられているみたいだ。
台所には、30代前半あたりで“ゆるふわ金髪ロングの女性”が佇んでいる。
リビングとおぼしき位置のテーブル椅子に座っているのは、30代半ばくらいで“金髪サラサラショート”の男性だ。
この男は、新聞を見ていた。
と言っても、いわゆる[瓦版]である。
ただし、二人とも〝じっ〟としており、ピクリともしない。
まるで“置物”かのように…。
そんな男女を代わる代わる〝チラッ〟と観察したシューラが、玄関から奥へと歩いてゆく。
こうして、途中に在る[木製階段]を上りだす“女神の愛子まなご”であった―。
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