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会えない時間の

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 テオドールがカドマンへ行った翌日の朝。
 リリィベルはオリヴァーとマーガレットと一緒に朝食を摂っていた。けれどその顔は悲しげで食べ物もあまり喉が通らなかった。

 そんなリリィベルを見ながら顔を曇らせる2人。

「リリィ?‥ちゃんと食べないとダメよ?」
「はい‥お義母様‥」

 無理やりロールパンの端っこをちぎって食べた。

「昨夜もあまり食べてないじゃないか?
 テオが帰ってきたら心配してしまうぞ?」

「はい‥お義父様‥。」

 どんなに口に運んでも、リリィベルの食は進まなかった。

「お義父様?テオ様はご無事でしょうか‥?
 あれから何か‥イシニスの奇襲はまだ続いているのですか?」

「‥あぁ‥その件は大丈夫だよ?イシニスに書信を出している。これが何を意味するのか、
私が直々に言っているんだ。近いうち分かるだろう。」

「テオ様は‥ちゃんと食事出来ていますか‥?」
「カドマン伯爵邸にいるから、心配いらないよ?」

「そうですか‥‥」
 その寂しげな瞳に、マーガレットは少し顔を険しくさせた。

「リリィ?テオがこの先皇太子である以上、どんな事があっても、テオが先に最前線に立つわ?
それはわかっているわね?」

 マーガレットの凛とした言葉に、リリィベルはハッとする。
 そして、マーガレットの顔を見てその厳しさを再認識する事となる。

「‥‥テオの事が心配なのも、寂しいのも痛い程わかるわ。
 でも、あなたがそうしていた所で、何も変わらない。

 皇太子として、この国と、あなたの為にテオは何度も最前線に立つのよ。
あなたが、テオを1番信じて、凛として居なければ、付け入るのは簡単なのよ。

 愛だけではない。その人自身を信じなければ、その絆は脆くなるわ。
他人の言葉に動揺し、揺らいでいては皇太子妃など務まりません。あなたが、その座を守りたいのなら、
テオドールを信じなさい。食事ができる時には食べて、食べないで働く騎士達もいるわ。あなたが見るべきはテオドールだけじゃないのよ?城の者すべて、テオドールが留守の間はあなたが皇太子宮の主です。今はまだ婚約者だけれど、そんな弱気ではダメよ!」


 マーガレットの心を鬼にした言葉がリリィベルの胸に突き刺さる。


「‥‥‥‥‥」

 リリィベルは、その時思い出したのだった。


 いつもは隣にいるテオドールが居ないベッドはとても広くて
 とても寂しかった。自分のベッドで眠れば良かったと悔やむほど‥

 けれど、ベッドの残り香に、ひどく恋しさが募って、

 あの、出発前の背中を‥‥忘れてしまうところだった。



 リリィベルは、マーガレットに頭を下げた。

「お義母様‥申し訳ありません。テオ様の背を見送ったのに‥‥お言葉に感謝致します‥‥。

 テオ様を信じ‥‥私がすべき事をし、無事のお帰りを待ちます‥‥。」

 顔を上げると、決意が宿る。

「そうよ‥それでいいのよ。あなたを信じているわ?

 寂しいのにね?ごめんなさいね‥‥。

 でも、あなたには、誰よりも強く、テオを信じて待っていて欲しい。私はテオも、あなたも可愛い。

 とっても愛しているわ。」

 そう言ってマーガレットは笑った。
 その明るい笑顔に、リリィベルもゆんわりと口角を上げて笑った。

「はい!私も‥愛しています。テオ様もお義母様もお義父様も!」


 3人の食卓が優しい空気に包まれる。
 リリィベルは気持ちを新たに、テオドールを待つと誓った。
 無事に帰って、抱きしめてくれる日を信じて。




「あぁ‥‥‥リリィがいない‥‥」

 時を同じくしてベッドで天井を見上げて、誰よりも弱音を吐いていたのはテオドールだった。

 慣れないカドマン伯爵邸のベッドで迎えた夜と朝。

 伯爵が気を利かせて豪華な食事を用意してくれた。
 元々カドマン領地は豊かな場所だ。

 そして、カドマン伯爵の妻と娘、エミリーと4人で夕食を共にした。

 ジェイクはテオドールの戦術に興味津々で、エミリーはリリィベルとの仲に興味津々で、
とても似た者親子だった。

「あぁ・・・・リリィに会いたい・・・・」
ゴロンと体制を変えた所で、いつも隣で眠っているリリィベルは居ない。
その幻を、抱くことも出来ない。
会えない時間はこんなに長く、果てしないものだった。

愛する人に会えないのが1番つらいと思ってしまっていた。



コンコンと扉を叩く音が聞こえた。
「ぅーい‥‥」

【皇太子殿下、朝食の準備が整いました。】

扉の外から聞こえる声に覇気のない声で短く返事を返し、身支度を整えた。

「嘆いたところで・・・変わらないか・・・・。」

そう言って扉を開いたのだった。


ダイニングルームでは、ジェイクと妻のマリー、エミリーが出迎える。
「殿下、昨夜は不便は御座いませんでしたか?」
「あぁ、ありがとう夫人。大丈夫だ。」

「昨日はあれから奇襲もなく、おかげで騎士たちも休むことが出来ました。」
「第二騎士団と交代でしばらく様子見をしよう。」
「畏まりました。ありがとうございます。」

4人で食事をしていると、エミリーが口を開いた。
「皇太子殿下」
「なんだ?」
「あの‥リリィベル様とは、魔法の様に恋に落ちたと言うのは本当ですか?」

皇太子は目を点にした。

「‥‥魔法?」
「誕生祭の日に初めてお会いしたのですよね?」
「そうだが‥なぜ魔法だと?」

「先日、ヘイドン侯爵家のライリー嬢のお茶会にご招待頂きまして、初めてお会いして、すぐに婚約された話が話題になりまして‥私は魔法の様だと思ったのです。一目で恋に落ちるとは、一体どのように思われたのですか?」

皇太子の心の中ではライリーの名前が出た事に不快感を感じていた。ましてや魔法だと、エミリーは言うが、きっとそうではないだろう。純粋なエミリーがそう受け取っただけだと。

「‥‥エミリー嬢?皆がどう話していたかは知らないが、そうだな。」

皇太子は柔らかく笑みを浮かべた。

「どんな話を聞いたとしても、覚えていてほしい。私はリリィベルと初めて会ったに違いないが、


私は、彼女が星が瞬くように光って見えた。そして思った。私の魂が、彼女を求めていると。


だから、私は恋の魔法ではなく、私たちは産まれた時から、

繋がっていたんだとそう思ったんだ。


まるでそれが当たり前の様な‥。


恋では足りないな。私は彼女を心から求め愛している。


だから、私は今まで誰にも惹かれたことはない。

リリィと、私が結ばれる事は、産まれた時から決まっていたんだ。


どうだ?信じれそうか?」
ニヤリと笑ってそう告げると、エミリーは頬を染めてその話を聞き、ときめいていた。

「産まれた時から‥一目惚れでは表現出来ませんね‥‥」

「ははっそうだろう?リリィに会った瞬間に、自分の半身に出会った様だったよ。今も忘れられない。

どこかで何を聞いても、私とリリィは魂で繋がれているとな。そう覚えていてくれ?政治的な結婚等とは無縁だろ?


私は、リリィベルと出会うべくしてようやく出会えたんだ。
私は生涯、彼女だけを愛するだろう。」

「‥‥‥小説よりも、素敵なお話です‥‥」
「はははっ、エミリー嬢もいつかそんな人に巡り合う事だろう。」

「殿下はとても情熱的でございますね?」
「ははっ伯爵も夫人も、恋愛結婚なのだろう?
私はその様な結婚が望ましいと思う。家柄など関係なく、自由に恋愛をして、結婚をする。
残念ながら貴族同士には縁遠い話であるが、伯爵と夫人を見ると安心するな。

そう言えば、息子は第三騎士団に所属しているらしいな?」

「はい殿下。エドワードと申します。」
「そうか、覚えておこう。エドワードはどうなのだ?」

その問いに伯爵夫妻は笑みを浮かべた。

「はい。エドワードも恋に落ち婚約致しました。子爵家の娘でミシェル•プラネルトと言います。
プラネルト子爵家も仲の良い家庭で、2人が婚約してからは更に親交を深めております。エドワードが騎士団に居るのでなかなか会える機会は少ないですが、手紙をやり取りしているそうです。」

皇太子はハッと息を呑んだ。

「なるほど‥手紙か!その手もあるな。」
「うふふっ、殿下もリリィベル様にお手紙を?」

「あぁ!こんなに離れるのはなかなか無い。一度少し離れた時間があったのだが、
とても寂しい思いをさせてしまって、ひどく心を痛めた。そうだ。手紙を送ろう。

ありがとう。」

機嫌良く、皇太子の食事は進んだ。
マリー夫人はそんな皇太子を微笑ましく思った。

「では、一式用意しておきますね。殿方から送られる手紙はとても嬉しいのです。
リリィベル様も、お喜びになる事でしょう。」

「あぁ助かるよ。何もしてないと、リリィの事ばかり考えてしまうんだ‥。
おかげで、少し気が晴れそうだ。」

「カドマンを援護して下さる為に、リリィベル様に寂しい思いをさせてしまっていますので、

素敵な便箋をご用意いたします。」

その言葉に皇太子は更に機嫌がいい。

何を書こうか。そんな事ばかり。

伝えたい事は山ほどある‥。



その時、騎士の1人がやってきた。
「皇太子殿下!ジェイク様!国境付近にまたイシニスの騎士達が!!」
「!!」

皇太子とジェイクは急いで席を立ち、一望できる城壁の塔にあがる。

「っ‥‥また朝から堂々と来やがった‥」
ジェイクが悔しげにつぶやく。

その敵見た皇太子は冷ややかな眼をした。

「‥‥‥チッ‥‥‥‥


何百人きた所で‥‥斬り捨てるまでだ。」


小水晶を握りしめて、皇太子は塔を降りていった。
そして、先に出ていた騎士達に声を掛ける。

「迎え撃つ!!!俺の目の前で誰一人死ぬ事は許さない!!
誰一人敵を俺の国へは入れさせない!!!」


誰よりも先に、皇太子はその敵陣の中へ飛び込んでいった。





「・・・・・・・・・」
その様子を王都の皇帝は見ていた。
敵陣に突っ込んでいく皇太子を。

魔術は使わずに、刀一つで敵をなぎ倒していく皇太子。

戦いにおいて、皇太子の心配はしていなかったが、親としてその心配は測りきれない。
今朝、リリィベルとも話したばかり。皇太子は常に最前線を行く。

小さな傷がその頬につくと、心が痛む。

皇帝はロスウェルを呼び出した。

そして二人でその様子を見る。
「敵の数は・・・・増えていますね・・・。」
「あぁ・・・皇室騎士団とカドマンの騎士団を合わせて数はこちらが多いが、
昨日やられた奴らを省いても、イシニスは次々と絶え間なく送っているようだ。

・・・・だが。」

「はい・・・・。」

イシニスの兵士達は、昨日と違ってまるで寄せ集めの様だった。
連携もとれておらず、戦いに不慣れなのが目立った。
圧倒的にアレキサンドライトが有利だった。

最後の一人が騎士団にやられ、水晶玉に映る皇太子の目は複雑だった。


「・・・・・なんだ・・・・こいつらは・・・・・。」

数が多いが、まるで戦い方を知らないような者たちばかり、新兵だ。

余計に、斬り捨てた事に後味が悪い思いが浮かんだ。

戦い方もろくに知らない者たちを送ってきて、イシニスは一体何を考えている?


途中で異変に気付き、皇太子は峰打ちに切り替えた程だった。

「おい、カドマン伯爵・・・・。」
「はいっ…殿下。」


皇太子は複雑な瞳で、告げる。

「こいつらは送り返さず、息のあるものを拘束しておけ・・・。事情が聞きたい。」

そう言って、二度目の奇襲を防いだのだった。



その様子を皇帝とロスウェルも見ていた。
「・・・気づいたようだな。」
「そのようです。・・・イシニスは、一体なぜこんな奇襲を・・・・。」

「・・・あぁ・・・返事を待っている間に、何人このような兵士がくるかもわからない。
そして、これに油断して腕利きの者達を送られたら厄介だ。」
「はい・・・あらゆる事に備えなければ・・・・。」

「・・・・ロスウェル、お前、テオドールについていろ。私にはハリーを。」
「しかし・・・」
「掟がある以上仕方がない。長距離を移動できるのはお前だけだ。俺か、テオドールの血があれば
お前にできない事はない。すでに治癒魔術も習得しているだろう。」

「そうですが・・・。」
「ロスウェル、信じている。テオドールを頼む。」

皇帝は、帝国の皇帝として、親として切なげにロスウェルを見た。

「畏まりました・・・。一旦殿下の元へ参ります。何かあればお呼びください。
なんと言っても筆頭魔術師。私は優秀ですからね。」

そう言って笑みを浮かべた。
「あぁ、頼んだ。」
ロスウェルの返事に安堵の表情を浮かべる。


指を鳴らしてすぐにロスウェルは姿を消す。
「・・・・イシニス・・・・・この私とやりあうようだな。いい度胸だ・・・・。」




イシニスの兵士たちを拘束し終わり、皇太子は私室で汗を流し一息ついた。
「・・・イシニス・・・何を考えてる・・・・」

暗殺者を殺した時とは違う。この不愉快な気持ち。

まるで自分が殺人鬼になった気になる。


守るため、刀を振るう事は当然のことだった。

けれど、明らかに騎士とは違う。あれは見せかけの兵士達。


ソファーにもたれて天井を見上げた。


「・・・・落ち着かない・・・・。」
胸がざわついた。
気を失った兵士たちが目を覚ますまで、尋問は出来ない。

ハッとして、机を見た。伯爵夫人が用意してくれた便箋がそこあった。

「・・・・・・・・」
こんな気持ちで、手紙なんて書いたら・・・何を書いてしまうか・・・・。




しばらく考え込んで・・・・羽ペンをとった。




「皇太子殿下、今お時間宜しいですか?」
「あぁ・・・いいぞ。」
扉の外から声がかかり、皇太子はそのまま返事をした。

「失礼致します。」
やってきた者には目もくれず、机に向かっている皇太子。
「あぁ、イシニスの者たちが目を覚ましたのか?」

「いいえ、まだです。あまり時間は立っておりません。」
「・・・そうか・・・。じゃあお前はなに・・・・」

ふと顔を上げる。

「・・・・・・・・・」
皇太子はげんなりした顔をした。

「やっとこっちを見ましたね?」

皇太子の目の前には何時ぞやの

「ロスウェル・・・・何しに来たんだ・・・・そんな格好で・・・・」

「えへ、盛り上がってくぞー!」
ニコニコ笑顔で、そう言って右腕を突き上げた。

ドS騎士団長ロスウェルがそこに居た。

「あ、ちょうどいい!これっ!!!これ持ってって!!リリィに!!」
そう言って押し気味に皇太子は便箋を封筒にしまいグイグイとロスウェルに出した。

「へぁっ・・?今来たばかりなんですけど?」
「いいから!!!渡したら戻ってきていいから!!早く!!!!!GO!!!」
「ゴーってなに!」



「・・・・何こんなに早く戻ってきてるんだ。頼んだって言ったじゃないか。」
皇帝は、先程出たばかりのロスウェルを睨んだ。
だが、ロスウェルは頬を膨らませて皇帝を睨みつけた。
「私は伝書鳩じゃないんですがね!!お宅の息子が!!どうしても届けろってうるさくてね!」

そう言って手紙を取り出した。
「・・・・・俺に?」
「な訳ないでしょっ!愛しい愛しいリリィベル様へですよ!!!
ちょっと渡してちゃっちゃと戻りますよ!!!」

そう言ってまた指をパチンと鳴らした。

現れてすぐに消えたロスウェルに皇帝はポカンとした。
「・・・なんだ・・・愚痴を言いに来たのか・・・。」




ロスウェルはまだ不機嫌なまま、リリィベルの私室のバルコニーへ姿を現した。
そして窓をコンコンと叩くと、リリィベルがそれに気が付いた。

「ロスウェル様、どうなさったの?」
「リリィベル様、すみません。急にきて・・・。」
「いいえ・・・ちょうど誰もいなくてよかったわ?」
「あぁ、それはわかって来たので大丈夫ですよ?」
「そう・・・。あっ・・・もしかしてテオ様に何かあったの?だから急にっ」
リリィベルは顔面蒼白でロスウェルに詰め寄った。
その様子にロスウェルはふっと笑った。

「いいえ。殿下から、リリィベル様へ・・・これを渡しに参りました。」

そう言って手紙を差し出したのだった。
「・・・・・・。」

リリィベルはそれを受け取り、ロスウェルを見上げた。

「・・・・テオ様から・・・・・?」

「はい、私が殿下の元へ行ってすぐに、それを届けろと追い返されました。
先程、書かれていたご様子でしたよ?ほら、封もしていないでしょ?」

「・・・ふっ・・・本当ね・・・。」
さも今入れたというその手紙にリリィベルは嬉しそうに笑みを浮かべた。

「ありがとう御座います。ロスウェル様。テオ様は大丈夫でしたか?」
「えぇもちろん。こんな時でも、リリィベル様へ恋文を書ける程、お元気ですよ?
どうかご安心を。しばらく私は殿下に付き添います。では・・・・。」


そういうとロスウェルはすぐに姿を消した。

ソファーに座り、リリィベルはその手紙をドキドキしながら開いた。


〝リリィ、どうしている?泣いてはいないか?ちゃんと食事をしているか?

お前が居ないベッドは広くてとても寂しい。早くお前を抱いて眠る日々に戻りたい。

これからも、こんな時がくることだろう・・・。お互いに、覚悟をしなければならないな。

俺はいつも、お前を思ってる。お前も俺を思ってくれているか?

早くお前に会いたい。それしか思い浮かばない・・・。


この場所を無事に守り、お前の元へ帰る。だから待っていてくれ。

俺のリリィ。どんなに距離があっても、会えない日々が続いても、

愛している。〟


「テオ・・・・」
その手紙を胸に抱いて、リリィベルは瞳を滲ませた。

恋しい人の文字を見ただけで、こんなに胸が熱くなる・・・・。

手紙に残された愛してるの文字が、とても愛しい・・・・。

まるで、身体に、心に刻まれるような思いだった。


「・・・・返事を書いておいたら・・・お渡しできる日がくるかしら・・・」

またロスウェルに合えた時は、返事を渡そう・・・・。

リリィベルはしばらくの間、テオドールの手紙を抱きしめていた。
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