人生に一度だけ舞い降りた競馬の神様

マーブル

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本格化した二度とは戻れない12月 その2

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12月と言えば毎年、財布の中身が寂しかったせいか良い思い出はなかったし去年もそうだった。本命を買えば写真判定で穴のほうが先着していたり、穴を買えば4着になってしまうなどを繰り返していた。このままでは有馬の資金がなくなってしまいただ見るだけの何の面白みもないレースになってしまうと思い、生活費を節約していた思い出しかないぐらいだった。

しかし、2010年のこの年だけは違っていた。12月1日の大井の的中からこれはもう本物だと確信した私は、この時1つやっていたバイトを自己都合でやめてしまい日々、馬券検討や競輪や競艇、宝くじなどの研究に明け暮れていた。

仲の良かった親友はおそらく結婚してしまったのかもしれなが連絡が途絶えるようになり、彼女とも別れ、マーブルも私の前からいなくなってしまったため、私は横浜のアパートで孤独にひとりで暮らしていた。

何の雑音もない静かな部屋だが、あまりにも引っ越した当初は殺風景に感じられたため的中した馬券で大量のスヌーピーのぬいぐるみやグッズを買ってしまった。スヌーピーは容姿がマーブルによく似ているので寂しさを紛らわすには良いのだ。

12月4日の土曜日はこれと言ったレースが見当たらず自宅でひとりグリーンチャンネルでレースを見るだけだった。小倉が始まりオッズや予想オッズからは大して穴は期待できないだろうと見ていたが、芝の1200メートルなど芝のレースで3連複の大穴馬券が続出していた。たしか8レースから10レースぐらいでメインレースや最終レースではなかったのだが3連複馬券でも1000倍以上の配当が付いていた。

私の研究から明日のジャパンカップダートのG1レースは穴レースには該当しないためレースは見送るとするも小倉の芝のレースがこれだけ荒れているのならば小倉のレースで明日、3連複穴馬券を買いに行こうと決めた。500万下や1000万下のクラスなど今でいう1勝クラスや2勝クラスに該当するが小倉でこのクラスの芝のレースがあるかが知りたくて急いでコンビニにスポーツ新聞の夕刊を買いに行った。

トウスポと夕刊フジを買ってきてすぐに馬券検討をはじめ、明日のレースのオッズが出るのを楽しみにしていた。

買うレースは小倉8レースの芝の1200の500万下クラスのレースに決めた。オッズを見ると超大混戦で昨日の小倉のレースの荒れ具合からもしかしたら人気馬総崩れの大穴も十分考えられるため、穴馬4頭が必ず入った3連複馬券を数限りないくらい流したら280点ぐらいになったようだ。馬連も保険として購入したがこちらも点数が多く55点ぐいにはなっていただろう。

レースの結果は穴馬候補として挙げたウイリアムズ騎手のメイショウナナボシが1着になり、2着と3着もほぼ万遍なく流していたなかに入っていたため3連複の配当はなんと2000倍を超える超特大万馬券になり馬連も500倍を超える超大穴となった。3連複馬券は100円ずつの購入で馬連は200ずつ購入していたため払い戻しの総額はなんと30万以上になり、私のいままでの競馬人生のなかで史上最高の額になった。

これはもう奇跡が起きたどうのこうのという話ではなく、革命というか何というか、とにかく物凄いことが起きているということは明らかだった。

私は駆け足でサービスカウンターに行って馬券をコピーしてもらいタクシーで自宅に戻った。

部屋の押し入れから昔、使っていた額縁を探してすぐさま馬券を額縁に入れた。
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