悪役令嬢は訳あり執事に溺愛される

さらさ

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㉒ミカの手

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朝方目が覚めると、ミカはわたくしの手を握ってくれたままだった。
ミカはわたくしの手を握ったままベッドの柱にもたれて眠っていた。
まだ明るくなる前なので、まだミカも目覚めていないようだ。

わたくしはそっとミカの寝顔を覗いてみる。
出会った頃と変わらない同じ寝顔にほっとする。

ミカを拾った時は何日も目を覚まさなくて、とても心配したわ・・・あれから7年も経つのね、ミカも大人になって、天使のような顔は大人びた清潭な顔立ちになったけれど、寝顔は可愛いままだわ。

そう思って、もう少し見ていようと、身体を起こしてミカに近づこうとしたら、急に繋いだままの手がぎゅっと握られて、そのまま手を引っ張られる。その勢いで、わたくしは思わずベッドに腰掛けているミカの膝の上に倒れてしまった。

「何をしているのですか?」

上から色っぽいミカの声が降ってくる。
パッと上を見ると、ミカが目を覚ましていた。

「おはようございます。レイラお嬢様。まだお目覚めになるには随分早い時間ですが?」

「お、おはようございます、ミカ、ちょっと目が覚めちゃって。」

わたくしは何故か悪い事をしていたような気持ちになって焦る。
別に悪い事はしていないわよね?

「で、何をしようとしていたのですか?」

な、なんかミカが怖い!
いや、盗賊みたいな怖さじゃないんだけど、なんか怖い。

「ちょっとミカの寝顔を見てただけなんだけど・・・」

わたくしはミカの膝の上からミカを見上げる。

「そうですか、では、もう少しお休みください。」

ミカはいつもの笑顔でにっこり笑ってわたくしの頭をそっと撫でてくれる。

「うん。」

わたくしは布団に戻ると、またミカの手を握る。
暫く眠れずにミカを見ていると、ミカの方が目を瞑ってしまったので、わたくしも目を閉じてしばらくミカの温もりを感じていたら、そのまま眠りに落ちていった。



二度目に目が覚めた時にはミカはちゃんと目覚めていて、わたくしが目を覚ますと、にっこり笑った。

「おはようございます。レイラお嬢様。」

「おはよう、ミカ。」

「ご気分はどうですか?」

「うん、大丈夫よ。」

わたくしはまだはっきりしない頭のまま答えると、ミカはにっこり笑って答える。

「では、お目覚めのお茶を用意致しますね。失礼致します。」

そう言って、繋いでいた手を離すと、ミカは立ち上がり、部屋を出て行ってしまった。
・・・手、繋いだままだったのね・・・

わたくしは離れてしまった手をじっと見つめて何だか寂しい気持ちになっていた。
一晩中手を繋いでいてくれたのね、だから手が寂しいんだわ・・・



しばらくして、ミカがアーリーティーを持って戻ってきた。
戻ってきた時には、ミカの衣服は着替えられて、身だしなみも整っていた。
そんなに時間は掛かっていないのに、ミカ、早着替え?
びっくりしているわたくしをよそに、ミカはいつも通り、わたくしに紅茶を渡してくれる。

「今日はお部屋でゆっくり過ごされますか?」

ミカが今日のスケジュールの確認をする。

「そうね、今日は特にすることは無いし、そうさせてもらうわ。何か面白い本はないかしら?」

「では、後で何冊か見繕ってきますね。」

「うん、・・・あ、お父様にご挨拶しなくては、心配してるわよね、後でミカも一緒に行ってくれる?その後書庫で本を見繕うわ。」

そうだ、昨日お父様はすごく心配なさっていたから元気な姿を見せておかなくちゃ。

「でしたらご朝食を侯爵様とご一緒されますか?」

「そうね、用意が出来たら向かうわ。」














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