仮面令嬢と変わり者王子の甘い日々

さらさ

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⑮ラルフ様思い直す。

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「せっかく作って頂いたのに申し訳ございません。」

「別に気にしなくていいよ。俺はリリアーナがそのドレスを着てくれてるだけで嬉しいんだから。」 

にっこり嬉しそうに笑うラルフ様。

「俺に任せてもいいって思って貰えるようになったら嬉しいけど、今は焦らないから大丈夫だよ。」

すぐに隠れたけど、ほんの少しだけ見えたちょっと寂しげな表情に、胸がキュッとなる。

ラルフ様、ごめんなさい。
私はラルフ様の妻なのだから、着替えくらいで恥ずかしがっていてはいけないのに・・・

「そう言えば、この前サーシスと和室を見に行ったんだろう?着物が着れるようになったら一緒に行って欲しいな。」

笑顔で私を見るラルフ様、また私の考えている事なんてお見通しなのでしょうね、見通した上で、私に気を使わせないように仰っているのよね。

「ええ、まだ入ったことはないので、ぜひ案内してくださいね。」

笑顔で応えたい。そう思うのに私の顔は無表情を保ったままだわ。

どうしよう、笑って話がしたいのに、余計気まずい・・・

「今日はせっかくドレスを着てくれたから少し散歩しない?天気もいいから庭の東屋でお茶でもしようか。」

ラルフ様、何気ないお誘いがありがたいです。

「ええ、いいですわね。」

ラルフ様と外に出るのは初めてだわ。

私の答えに、ラルフ様は立ち上がって手を差し出してくれる。
私はラルフ様の手を取って立ち上がった。

お庭を散歩している間、ラルフ様はずっと私の手を繋いだまま歩かれるので、触れる手が恥ずかしくて、ちょっとドキドキする。
東屋に辿り着くと、アフタヌーンティーの用意がしてあって、サーシスが待ち構えていた。

「サーシス、ありがとう。」

ラルフ様はさりげなくサーシスにお礼を言うと、私を席につかせてくれる。

サーシス様にお茶を出してもらって落ち着くと、ラルフ様が柔らかな表情で私を見ているのに気がついた。

「ラルフ様、どうかされました?」

「うん、改めて、リリアーナが俺のお嫁さんなんだなって思うと嬉しくて。」

どうしてラルフ様はそんなに素直に言葉と表情が出せるのかしら。

私まだ本当のお嫁さんになれていないのよ?
ラルフ様はそれでもそんなに幸せそうな顔をして下さるの?
とても嬉しいけど、申し訳ないわ・・・

「ラルフ様、私まだ奥さんになれていないわ。」

私は恥ずかしくて俯いて話す。

「え?何で?」

私の言葉に、ラルフ様は驚いたような返事を返される。

「なんでって・・・」

それ以上は恥ずかしくて言えないわ・・・

「え?もしかして、まだ俺が抱いてないのを気にしてるの?」

ラルフ様が少し大きな声で驚きを表された後、直ぐにサーシスが咳払いをする。

「あ、ごめん、こんな事大きな声で言うことじゃないよね、君に恥を描かせてしまう。」

サーシスの咳払いにラルフ様が我にかえって謝る。

「いえ、真実ですので・・・」

「リリアーナ、ごめん。君が拒んでる訳じゃないのに、そんなに重荷になってたなんて知らなかったよ。」

本当に申し訳なさそうに謝るラルフ様。

「いえ、ラルフ様がお優しいのは分かっています。私の事を想って下さっているのも。」

「いや、俺の勝手なこだわりでリリアーナに嫌な思いをさせてたのかもしれない。・・・そうだよね、この世界ではそれが当たり前なのに、俺は自分の価値観を押し付けていたんだ。・・・気が付かなくてごめん。」

この世界では・・・?またおかしな事を仰っているけれど、ラルフ様が謝ることではないのに・・・

「リリアーナ・・・俺の事、少しでも好きになってくれてる?」

ラルフ様があらためて私に問いかける。

改めて聞かれると、どう答えていいのか分からないのだけど、ラルフ様を大切にしたいという気持ちはある。
ラルフ様が笑うと嬉しいし、触れられるとドキドキする。
これはきっと恋よね?

「はい・・・」

恥ずかしくて、目線を逸らして真顔で答えてしまう。

あれ?この流れって・・・

「リリアーナ、ありがとう。」

ラルフ様は嬉しそうに微笑んだ後、表情を変える。


「サーシス、お客様だ。お迎えして。」

え?お客様?

「かしこまりました。」

「めんどくさいのが来たな・・・」

サーシス様が立ち去った後、ラルフ様が呟く。

「ラルフ様?お客様って?」

ここは門のある方角と真逆の場所で、何も見えないはずなのに、ラルフ様はお客様がいらっしゃったのを気付かれた様子。しかも、呟かれた内容からするとお客様が誰なのかも分かっていらっしゃるみたい。

「リリアーナ、ごめんね、急な客が来てしまった。リリアーナにも挨拶してもらいたいから戻ろう。」









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