仮面令嬢と変わり者王子の甘い日々

さらさ

文字の大きさ
16 / 49

⑯ラルフ様のお姉様

しおりを挟む


エントランスまでの道すがら、ラルフ様が何故お客様が分かったのか説明してくださった。
道中はまた私の手を繋いだまま・・・

お客様が来たのがわかったのは、どうやら、ラルフ様はこの家の敷地に結界を張っているかららしい。自分が張った結界なので、結界を誰かが通り過ぎるとわかる仕組みみたい。
しかも、結界を主の許可なく通り抜けられるのは正面のみで、木々の間から入ろうとしても入れないような設定になってるとか。

そのカモフラージュの為にもこのお屋敷が木々で囲われているみたい。

「やって来たのは俺の姉だよ。」

「お姉様?」

そう言えば、ラルフ様には確か上にお二人のお姉様がいらっしゃったわね。

「二番目の姉が俺にやたらと執着しててね・・・」

ラルフ様はそう言いながらため息をつく。

「お姉様は確か、宰相を務めていらっしゃるコーデリア侯爵様の元に嫁がれたのでは?」

「うん、そうなんだけどね、なんかあると俺の所に転がり込んでくるんだよ・・・また侯爵となんかあったな・・・」

ラルフ様は嘆息して申し訳なさそうに私を見る。

「面倒事に巻き込んでしまうかもしれない。ごめんね。」

「私はラルフ様の妻ですのよ。気になさらないでください。」

私は真顔で答える。
そんな私を見てラルフ様は私を抱き寄せた。

「ラ、ラルフ様?」

「リリアーナ、ありがとう。」

そう言ってラルフ様は私の額にキスをした。

びっくりする私をよそに、また手を繋いで歩き出すラルフ様。

ラルフ様はいつもスマートで、こういった事もさらりとこなしてしまう方だと思っていたのに、斜め後ろから見えるラルフ様の横顔は少し赤くなっていた。
照れていらっしゃるの?



お屋敷のエントランスに着いた頃、ちょうど馬車が到着して、ラルフ様のお姉様が馬車から降りられるところだった。

「ラルフレッド!久しぶりね!」

ラルフ様に気付いて、お姉様がこちらを見る。

「姉上、お久しぶりです。今日は突然のお越しですね。」

「急に来ちゃってごめんね、エリオット様がまた女遊びをされていたのよ!腹が立って家を飛び出して来ちゃった!しばらく置いてね。」

お姉様は明るく元気な笑顔で話される。そして、ラルフ様の後ろにいる私に気付く。

ラルフ様はまだ私の手を繋いだままです。
離してくれないのかしら。

「あれ?その子は?誰?」

そして、私とラルフ様が手を繋いでいるのを見つけたようで、じーっと見つめる。

「ふーん?ラルフレッドもとうとう女を囲うようになったの?」

ちょっと・・・かなり面白くなさそうに私を見る。

「姉上、失礼な事を言わないでくれ、彼女は俺の妻だ。」

ラルフ様の言葉を聞いてお姉様が驚いたように目を見開いてラルフ様を見る。

「は?・・・妻?」

お姉様がしばらく固まって私を上から下まで撫でるように見る。

「ラルフレッドの妻?私そんなの聞いてないわよ?どういう事?」

お姉様は怒ったようにラルフ様に詰寄る。

「今から紹介しようと思ってたのに、姉上が勘違いするからだよ。」

熱くなっているお姉様と比べて温度の低いラルフ様。
めんどくさそうにお姉様を見る。

「俺の妻のリリアーナだ。リリアーナ、姉のセリーヌだよ。」

「セリーヌ様、初めてお目にかかります。リリアーナと申します。どうぞよろしくお願い致します。」

私はラルフ様に紹介されて挨拶をしたけれど、やっぱり緊張して顔が強ばってしまう。

「リリアーナ?・・・その表情、ひょっとして仮面令嬢の?」

セリーヌ様の言葉にドキッとする。
お姉様も知っているのね・・・

「姉上、それはリリアーナの本当の姿じゃない。リリアーナに失礼なことを言うのはやめてくれ!」

ラルフ様は私のために怒ってくれる。

「どうしてラルフレッドが仮面令嬢を妻にしてるの?ラルフレッドなら他にも沢山いい子が手に入るのに、よりによって婚約破棄されたような子を貰うなんて、信じられないわ!」

「姉上、それ以上酷いことを言うならもう帰ってくれ。」

ラルフ様が静かに怒りを表している。

「ラルフ様、本当の事ですので、私は大丈夫です!」

姉弟喧嘩の元が私になるなんて申し訳ないわ。
私はラルフ様が居てくれるだけで救われてるので、他の方から何を言われても気にしない。

「リリアーナ・・・」

ラルフ様が申し訳なさそうに私を見つめる。

「なによ、ラルフレッドは私のものだったのに!わかったわ、もう言わないからしばらく置いてもらえる?」

セリーヌ様はまだ納得いっていないようだったけれど、渋々承諾する。

「姉上、俺は姉上のものになった覚えは無いです。とりあえず中に入りましょう。」

ラルフ様はセリーヌ様に冷たい目を向けられていた。


しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 毎日7時•19時に更新予定です。

おばさんは、ひっそり暮らしたい

波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。 たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。 さて、生きるには働かなければならない。 「仕方がない、ご飯屋にするか」 栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。 「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」 意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。 騎士サイド追加しました。2023/05/23 番外編を不定期ですが始めました。

異世界に落ちて、溺愛されました。

恋愛
満月の月明かりの中、自宅への帰り道に、穴に落ちた私。 落ちた先は異世界。そこで、私を番と話す人に溺愛されました。

うっかり結婚を承諾したら……。

翠月るるな
恋愛
「結婚しようよ」 なんて軽い言葉で誘われて、承諾することに。 相手は女避けにちょうどいいみたいだし、私は煩わしいことからの解放される。 白い結婚になるなら、思う存分魔導の勉強ができると喜んだものの……。 実際は思った感じではなくて──?

幼い頃に、大きくなったら結婚しようと約束した人は、英雄になりました。きっと彼はもう、わたしとの約束なんて覚えていない

ラム猫
恋愛
 幼い頃に、セレフィアはシルヴァードと出会った。お互いがまだ世間を知らない中、二人は王城のパーティーで時折顔を合わせ、交流を深める。そしてある日、シルヴァードから「大きくなったら結婚しよう」と言われ、セレフィアはそれを喜んで受け入れた。  その後、十年以上彼と再会することはなかった。  三年間続いていた戦争が終わり、シルヴァードが王国を勝利に導いた英雄として帰ってきた。彼の隣には、聖女の姿が。彼は自分との約束をとっくに忘れているだろうと、セレフィアはその場を離れた。  しかし治療師として働いているセレフィアは、彼の後遺症治療のために彼と対面することになる。余計なことは言わず、ただ彼の治療をすることだけを考えていた。が、やけに彼との距離が近い。  それどころか、シルヴァードはセレフィアに甘く迫ってくる。これは治療者に対する依存に違いないのだが……。 「シルフィード様。全てをおひとりで抱え込もうとなさらないでください。わたしが、傍にいます」 「お願い、セレフィア。……君が傍にいてくれたら、僕はまともでいられる」 ※糖度高め、勘違いが激しめ、主人公は鈍感です。ヒーローがとにかく拗れています。苦手な方はご注意ください。 ※『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。

義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話

よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。 「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。

処理中です...