仮面令嬢と変わり者王子の甘い日々

さらさ

文字の大きさ
40 / 49

㊵更なる脅威

しおりを挟む


私が攫われてから一ヶ月、ラルフ様はずっと私のそばに居て、私を甘やかしてくれます。

あの時、お兄様が狙われていたようで、私はラルフ様との交渉材料の為に攫われたみたい。

ラルフ様がすぐに気がついてお兄様の元に向かったから、大事には至らなかったみたいだけど、気付くのがもう少し遅れていたら、お兄様は死んでいたとラルフ様が言っていた。

大変な事件の後で、色々と事後処理が大変だったみたいだけど、今日は久しぶりにアレクシス様が遊びに来ています。


「いや、本当にあの時のラルフ様の顔、あんな怖い顔見たの初めてでしたよ。」

アレクシス様が、私が攫われた時の事を思い出して話してくれる。

「そうでしたの?」

私はいつも天使のような笑顔のラルフ様を見る。

「あの時はリリアーナを傷付けられて、本当に腹が立ってたからね。」

ラルフ様も照れたように私を見る。
ラルフ様が私の為に怒ってくれていたんだと思うと、恥ずかしいような嬉しいような、何だか胸の内が落ち着かない気持ちになります。


「で、やっぱりマドラス大臣が絡んでたんですけど、絡んでたと言うより、首謀者ですね、ライアン王子を使って自分が実権を握ろうとしていたみたいです。」

「ライアンもあんなやつの口車に乗って、馬鹿なヤツだよな。」

「ライアン様は騙されていたのですか?」

私の質問に、ラルフ様が首を振る。

「騙されてた訳じゃないよ。お互いの利害が一致してたから共闘したんだろう。」

「それにしても、実のお兄様を刃にかけようとなさるなんて・・・」

ライアン様とフレデリック様はお母様も同じなので血の繋がりの濃い方なのに、どうしてご自分のお兄様を・・・

「だから余計なんだろうな。兄上はずっと長兄として皆から手をかけられて育ったし、兄上もそれに答えるよう努力してきた。同じ兄弟なのに、兄上ばかりがもてはやされる事に憤を感じてたんだろう。・・・母上の事も考えろよな・・・」

そう言うラルフ様の言葉に、お母様が心配になる。
同じお腹を痛めた子同士が争うことになって、お母様の心痛は計り知れないんじゃないかしら・・・

「アレク、マドラスはなかなか自白しないって聞いたけど、まだ認めてないのか?」

「はい、証拠は揃ってるんですけど、本人が認めないので、牢獄に入れてあります。・・・なんか、不気味な笑いをするんですよね・・・」

不気味な笑い?
マドラス大臣は気でも触れてしまったのかしら?

「なるほど・・・まだ何か隠してるね。」

ラルフ様の言葉に、アレクシス様が鋭い目を向ける。

「ラルフ様、何か思い当たる節がありますか?」

「ん?それを聞きに来たんでしょ?」

おどけたようにアレクシス様を見るラルフ様。
どういう事かしら?
ラルフ様に聞きに来た?ラルフ様はずっとお屋敷に篭っていたのに、何を知っているのかしら?
実はまた、私の知らない間にどこかに行って活躍されてたのかしら?

そんな風に思ってラルフ様を見る私を、ラルフ様はくすりと笑うと私を抱き寄せる。

「そんな顔しなくても、どこにも行かないし、行ってないよ。」

やだ、私ったら不安そうな顔をしてたのかしら・・・

「実は、あれから何度か刺客がうちに来てるんだ。」

「え??」

ラルフ様の言葉にびっくりする。
刺客?

「半数はマドラス大臣の差し金だって分かってる。けど、半分はこの国の者じゃない。」

「え?」

知らなかった事実に驚きしか出ない私を他所に、ラルフ様は淡々と続ける。

「北・・・ですか?」 

アレクシス様も、何か心当たりがあるのか、質問を出す。

「ああ、どうやら俺が邪魔だと認識されてしまったようだな。」

ラルフ様の言葉に、私は不安になる。
ラルフ様がお命を狙われるようになってしまったの?

「ラルフ様、大丈夫なのですか?」

私が不安そうに見上げると、ラルフ様は何時もの天使のような微笑みで私を見る。

「大丈夫だよ。この屋敷には俺の結界があるのは知ってるよね?誰も入って来れないから安心して?」




しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 毎日7時•19時に更新予定です。

おばさんは、ひっそり暮らしたい

波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。 たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。 さて、生きるには働かなければならない。 「仕方がない、ご飯屋にするか」 栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。 「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」 意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。 騎士サイド追加しました。2023/05/23 番外編を不定期ですが始めました。

異世界に落ちて、溺愛されました。

恋愛
満月の月明かりの中、自宅への帰り道に、穴に落ちた私。 落ちた先は異世界。そこで、私を番と話す人に溺愛されました。

うっかり結婚を承諾したら……。

翠月るるな
恋愛
「結婚しようよ」 なんて軽い言葉で誘われて、承諾することに。 相手は女避けにちょうどいいみたいだし、私は煩わしいことからの解放される。 白い結婚になるなら、思う存分魔導の勉強ができると喜んだものの……。 実際は思った感じではなくて──?

幼い頃に、大きくなったら結婚しようと約束した人は、英雄になりました。きっと彼はもう、わたしとの約束なんて覚えていない

ラム猫
恋愛
 幼い頃に、セレフィアはシルヴァードと出会った。お互いがまだ世間を知らない中、二人は王城のパーティーで時折顔を合わせ、交流を深める。そしてある日、シルヴァードから「大きくなったら結婚しよう」と言われ、セレフィアはそれを喜んで受け入れた。  その後、十年以上彼と再会することはなかった。  三年間続いていた戦争が終わり、シルヴァードが王国を勝利に導いた英雄として帰ってきた。彼の隣には、聖女の姿が。彼は自分との約束をとっくに忘れているだろうと、セレフィアはその場を離れた。  しかし治療師として働いているセレフィアは、彼の後遺症治療のために彼と対面することになる。余計なことは言わず、ただ彼の治療をすることだけを考えていた。が、やけに彼との距離が近い。  それどころか、シルヴァードはセレフィアに甘く迫ってくる。これは治療者に対する依存に違いないのだが……。 「シルフィード様。全てをおひとりで抱え込もうとなさらないでください。わたしが、傍にいます」 「お願い、セレフィア。……君が傍にいてくれたら、僕はまともでいられる」 ※糖度高め、勘違いが激しめ、主人公は鈍感です。ヒーローがとにかく拗れています。苦手な方はご注意ください。 ※『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。

義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話

よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。 「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。

処理中です...