仮面令嬢と変わり者王子の甘い日々

さらさ

文字の大きさ
41 / 49

㊶防衛(ラルフレッド)

しおりを挟む


リリアーナが攫われた事件から、俺は屋敷に篭っていた。
リリアーナを一人にさせたくないからと言うのもあるけど、別の理由もあった。

俺が命を狙われるようになったからだ。
命の狙われている俺がリリアーナの近くにいると、リリアーナも危険じゃないのかと思われるかもしれないけど、俺が近くにいる方が、さらわれる不安もないし、何より、俺が結界を張り巡らせているこの屋敷にいるのが一番安全だ。
無闇に別の場所へ行けば、そこで二次被害が出る可能性もある。

護りで言うと、この屋敷はどんな砦よりも強固だという自信がある。

うちの屋敷の情報を漏らされない為に、刺客は全て始末するか、捉えてある。
なので、どうしてここが落ちないのか、相手には謎のままだと思う。

リリアーナに、以前人を殺すとその罪は一生残ると言われてしまったけど、俺は以前からここに来る刺客は始末して来た。
なので今更なんだけど、リリアーナの言葉は嬉しかった。
俺をなんでも出来る化け物ではなく、一人の人として扱ってくれたのが・・・

「帝国が相手ですか・・・」

アレクが溜息をつきながらこぼす。

「うん、面倒臭いのに目をつけられちゃったよねー。」

アレクの言葉に、リリアーナが顔を引き攣らせる。

「北側というと、我が国と接しているのはナザリア共和国と、ハザール帝国ですよね?ハザール帝国がラルフ様を狙っているのですか?」

「うん、俺をって言うか、この国を狙ってるんだけどね、どうやら、マドラスは帝国と繋がってたみたいだね。俺の情報が入ってるって事はそういう事でしょ。」

「何故?」

「ここんとこ我が国うちって穀物も安定して取れてるし、資源発掘も進んで安定した、周りから見たら凄く潤いのある国に見えてるんだよね、だから帝国だけでなく、実は色んな国から狙われてるんだけどね、一番大きい所が手を出してきたって感じかな。」

「まぁ、今の恵はほぼラルフ様のお陰なんですけどね。」

アレクが俺の説明に補足をつける。
まぁ、国を良くするために色々やったから、周りの国から見たら欲しくなるのもわかるけどさ・・・
もう少し平和的に出来ないのかな・・・

欲しいから奪うって、いつの時代だよ・・・

「大丈夫なのですか?」

リリアーナが不安そうに俺の腕にしがみつく。

「うん、まぁ、色々手は打ってあるから大丈夫だよ。」

前にアレクにナザリア共和国の動きに気を付けるよう言ったけど、あれも帝国に対する対策の一つだ。
ナザリア共和国とハザール帝国は元々仲が良くないので、うちを狙っていたハザールにはうちの恵みを与えて防衛協定を結ばせている。
なので、帝国が攻めてきたらハザールはうちと一緒に戦うことになる。

そして、ハザールが攻め入る為のルートは色々あるように見えて、一本しかない。(その為にちょっと地形いじっちゃったけどね)迎え撃つ準備はしてある。

その事に相手が気が付くか、気がついてくれれば血を流さなくて済むし、気が付いていて攻めて来るなら、俺を見くびりすぎだと返り討ちにするまでだ。

どっちにしろ、俺が邪魔だと思って排除しようとしてるってことは、近々来るつもりかな・・・

「アレク、俺も近々父上の所には行くけど、準備をしておくように伝えてくれ。」

父上達にも、帝国が攻めてきた時の対策は伝えてある。
その為に以前から色々指示してたから守りは出来上がってるはずだ。
(ちょっと内緒で地形いじっちゃったけど)

「了承しました。ラルフ様が以前から動きをかけてくれてたので焦ることは無いですね。」

アレクが明るく答える。

「まあ、ね。」

俺は不安そうなリリアーナを抱き寄せると頬にキスをする。

「大丈夫、俺を信じて。」



 
しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 毎日7時•19時に更新予定です。

おばさんは、ひっそり暮らしたい

波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。 たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。 さて、生きるには働かなければならない。 「仕方がない、ご飯屋にするか」 栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。 「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」 意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。 騎士サイド追加しました。2023/05/23 番外編を不定期ですが始めました。

異世界に落ちて、溺愛されました。

恋愛
満月の月明かりの中、自宅への帰り道に、穴に落ちた私。 落ちた先は異世界。そこで、私を番と話す人に溺愛されました。

うっかり結婚を承諾したら……。

翠月るるな
恋愛
「結婚しようよ」 なんて軽い言葉で誘われて、承諾することに。 相手は女避けにちょうどいいみたいだし、私は煩わしいことからの解放される。 白い結婚になるなら、思う存分魔導の勉強ができると喜んだものの……。 実際は思った感じではなくて──?

幼い頃に、大きくなったら結婚しようと約束した人は、英雄になりました。きっと彼はもう、わたしとの約束なんて覚えていない

ラム猫
恋愛
 幼い頃に、セレフィアはシルヴァードと出会った。お互いがまだ世間を知らない中、二人は王城のパーティーで時折顔を合わせ、交流を深める。そしてある日、シルヴァードから「大きくなったら結婚しよう」と言われ、セレフィアはそれを喜んで受け入れた。  その後、十年以上彼と再会することはなかった。  三年間続いていた戦争が終わり、シルヴァードが王国を勝利に導いた英雄として帰ってきた。彼の隣には、聖女の姿が。彼は自分との約束をとっくに忘れているだろうと、セレフィアはその場を離れた。  しかし治療師として働いているセレフィアは、彼の後遺症治療のために彼と対面することになる。余計なことは言わず、ただ彼の治療をすることだけを考えていた。が、やけに彼との距離が近い。  それどころか、シルヴァードはセレフィアに甘く迫ってくる。これは治療者に対する依存に違いないのだが……。 「シルフィード様。全てをおひとりで抱え込もうとなさらないでください。わたしが、傍にいます」 「お願い、セレフィア。……君が傍にいてくれたら、僕はまともでいられる」 ※糖度高め、勘違いが激しめ、主人公は鈍感です。ヒーローがとにかく拗れています。苦手な方はご注意ください。 ※『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。

義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話

よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。 「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。

処理中です...