侯爵令嬢は弟の代わりに男として生きることを決めました。

さらさ

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25話 男心、女心 (ギルバート)

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会場に来てすぐに、俺はセドリックに呼び出された。

セドリックは驚くことに、俺達が倦厭した第一騎士団に配属になっていた。
だけど、セドリック自身は特になんら変わりはないそうだ。

俺はクリスに、そこから動くなと言い残してセドリックと離れた。
人気のない場所まで来て何を話すのかと思ったら、クリスに関係する話だった。

「ギル、うちの団長のカルロス様がクリスの事を気に入ったようなんだ。」

「カルロス様が?」

カルロス様とは入団式の時に会って以来会ってない。

「入団式の時に見たクリスに一目惚れしたそうだ。俺達にクリスの事をよく聞いてくるんだ。」

「なんて答えたんだ?」

「見かけによらず腕がたつってくらいしか言ってないけど、お前の事も聞いてきたぞ、クリスとはどういう関係なのかって。」

入団式の時に会っただけで何で俺の事まで怪しむんだ?何処かで調べたのか?

「カルロス様ってどんな人なんだ?」

「豪快だけど、面倒見が良くていい人だよ。ただ、ちょっと強引な所もあるって聞くから気を付けた方がいい。」 

「強引な所?」

「好きになった奴は力強くでも手に入れようとするらしい。周りを使ってクリスの事を調べてるらしいから、ギル、気をつけろよ。」

セドリックはクリスの事を貶す割に結構気に入っているのか、こうして忠告してくれるのはありがたい。

「ありがとう、また何か情報があったらくれるか?」

「ああ、わかった。」

セドリックとはそこで別れて俺はクリスの元へ戻った。

なのに、居ろと言った場所にクリスが居ない。どこに行ったんだ?
そう思って探すと、少し離れたところで女性と話してるのが目に入った。

そうか・・・クリスもずっと俺と一緒なんてつまらないよな。
あいつも男なんだから、女性と話したいと思うよな、・・・しばらく離れとくか・・・
そう思って、壁際からクリスたちの様子を眺めてようとしたら、後ろから声をかけられた。

「あの、少しよろしいですか?」

振り向くと3人の女性が立っていた。
綺麗な子達だ。俺もクリスばかり見てないで女性と話した方がいいよな。

「ええ、いいですよ。」

そう言うと、三人は嬉しそうにキャッキャッと笑いあう。
何がそんなに嬉しいんだか・・・

彼女たちの話を聞くと、どうやら第二の白い騎士服は少ないので目立つようで、しかも背の高い俺は目立っていたようだ。
確かに、今年の新入りでは俺とクリスしか居ないから余計目立つのかもしれないな。

クリスの方を気にしつつ話をしていると、クリスが話をしていた女性と中庭の方に消えるのが見えた。
あいつ・・・離れるなって言ったのに更に俺から見えない所に行きやがって、どういうつもりだ?

まぁ、あの先は行き止まりだし、それ以上何処かに行くこともないだろう。
女の子を連れて消えるなんて・・・クリスもやっぱり男だな・・・

そう思っていると、二人の男がクリスの消えた後を追うように消えていった。

第七の奴ら? なんだろう?たまたま同じ方向に行っただけか?


「ギルバート様、聞いていらっしゃいます?」

そう言われ、腕を掴まれて我に返る。

「ごめん、少し用事が出来た。また後でな。」

俺は彼女達にそう言うと、クリスが消えた中庭に向かった。


少し離れた場所で、クリスとさっきの男共が言い合っているのが聞こえたので、立ち止まって様子を見る。
クリスは女の子の前に立ってかばっている。
ここで俺が出て行ったらクリスの面目丸つぶれだよな、クリスなら大丈夫だろうし、少し様子を見るか・・・

そう思って見ていると、一人がクリスに手を出し、逆に押えられた。
もう一人も同じように取り押さえられて悔しそうな顔をしている。

さすがクリス、逆上した奴らをスマートにあしらっている。

だけど、クリスが抑え込んだ奴をどうしていいか困っているようだ。
女性の前で叩きのめす訳にも行かず、かと言って離していいものか戸惑っているんだろう。

そう思って、俺は笑いながら、

「お前ら、コイツにケンカで勝とうなんて100万年はえーよ。」

と、クリスが強いのだと強調する言葉を話しながら近づいて行った。

奴らは二対二じゃ到底叶わないと思ったのか、クリスが離してやると逃げて行った。


いなくなったのを確認したところで、女性がクリスに礼をいっている。
女性と言うより可愛らしい女の子は頬を赤らめ、クリスをキラキラとした瞳で見つめている。
 
目の前で自分よりでかい奴から守ってくれたんだ。クリスは顔はいいし、惚れるだろうな・・・

俺はなんか悔しくて、クリスに彼女を紹介してもらうと、挨拶に彼女の手の甲にキスをした。

それを見たクリスはなんとも言えない表情をしていた。
クリスも彼女の事が気に入ったんだろうか・・・


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