侯爵令嬢は弟の代わりに男として生きることを決めました。

さらさ

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75話 俺が出来る事(ギルバート)

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クリスがここに来てから色んな事が一気に起こった。

ずっとクリスだと思っていた奴がレティシアで、レティシアだと思っていた奴がクリスだと言う。

頭が混乱しそうだったけど、俺が好きになったクリスは女だった。
その事に、少し安心した自分が居た。
もちろん、俺はクリスが男でも気持ちは変わりなく、愛していた。
だけど、やっぱり女であって欲しいという思いがどこかにあったんだろう。
クリス・・・いや、レティシアが「僕は女なんだ」という言葉に驚きつつも安堵してしまっていた。

そして、俺が告白した事で、気まずい思いをさせてしまったレティシアが、俺の事を好きだ、愛してると言ってくれた。

男として生きる女の自分に、余程自信が無かったのか、俺に嫌われると思って逃げたと言った。

レティシアを嫌いになるなんて、そんな事、俺の頭にはないのに・・・

レティシアの言葉に、嬉しすぎて思いっきり抱きしめてキスをしたい気持ちだったけど、そこは何とか理性を保っていた。

だけど、クラウス様と何かあったっぽい。
まあ、たぶんクラウス様がレティシアに告白したんだろう。
それを気にしているのか、レティシアは俺に話すのを躊躇った。

俺はクラウス様にヤキモチを焼いた。
だから、俺の事を愛してくれているのだと確かめるように、レティシアにキスをしていいか確認すると、レティシアは俯いて頷いてくれた。

俺の思いが通じた。もうレティシアを手放さない。ずっと俺が守っていく。
そんな思いでいっぱいだった。
今度レティシアに出会ったらしようと思っていた事、甘々に甘やかしてやる。
俺の事しか考えられなくなるくらい、レティシアの事を愛してやる。

俺の気持ちはそうだった。
だけど、俺は今怪我人で、レティシア所か自分も守れない。

このまま、ここで暮らせたら・・・なんて事も考えたけど、そういう訳には行かない。
レティシアはクラウス様達と返さなきゃ、女に戻るタイミングを逃してしまう。

・・・俺を置いて行ってもらうしかない。

そう思った時に、俺は今自分がレティシアを愛する誰よりも弱い存在だと気が付いた。

少しでもレティシアから離れたくない。
ずっとそばに居たい。
だけど、俺が強くならなきゃ、いずれ、レティシアの為に誰かに頼ってしまうかもしれない。
そんなのは嫌だ。自分の手で守りたい。

・・・俺の我儘を、レティシアは聞いてくれるだろうか?
きっと寂しい思いをさせる。
泣かせてしまう。
それでも、ここで決断しなかったら一生後悔するかもしれない。

ここで、クリスやレイに鍛えてもらう。
クリスが使えたんだ、俺だって魔法が使えるかもしれない。

俺はカルロス様よりも強くならないといけないんだ。

・・・恐らく、クリスは帰らない、ここに残るだろう。
それを、レティシアもきっと受け入れる。
それを、永遠の別れにさせない為に、俺は強くなって、レティシアを何時でもここに連れてきてやれるようになる。




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