侯爵令嬢は弟の代わりに男として生きることを決めました。

さらさ

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番外編 レティシア

1話 お父様との攻防

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「レティシア、今日もクラウス様から手紙が届いてるよ」

「お父様、ありがとう」

僕は手紙を持って現れたお父様にお礼を言って手紙を受け取る。

僕がレティシアとして戻ってきてから2ヶ月が過ぎようとしていた。

お父様とお母様は僕がクリスをしていた事を知っていたので、戻ってきてから、クリスが生きていた事、魔族の国で助けられ、今は幸せに暮らしてる事を話してある。
そして、結婚をして帰る事が出来ないことも・・・(相手が男だって事はさすがに言えてないけど)
お父様も、お母様も、クリスが、生きていたと知って、泣いてとても喜んでいた。
そして、諦めず探してくれてありがとう、僕にだけ辛い思いをさせたと、僕に抱きついて泣いた。

そして、僕がレティシアとして戻ってきた事を受け入れてくれた。

「クラウス様と随分仲良くなったみたいだけど・・・お父様はクラウス様とレティシアが引っ付いてくれないかと期待しているよ? 」

何だか楽しそうに話すお父様。
この手紙は、そういう物じゃなくて、クラウス様からの報告的な感じのものばかりなんだけどな・・・
でも、クラウス様に告白されたなんて言ったら、お父様暴走しそうで怖い。

「お父様、僕はまだ女に戻ったばかりで、全然女らしくないんだよ、王子様のお眼鏡になんて叶うはずないよ」

ちょっと嘘をついちゃったけど、お父様にはその気になられると困る。

「そうかな? レティシアはそこらの令嬢よりもずっと綺麗だと思うが? 」

「親バカ! 」

僕はお父様の言葉に一言で返すと、お父様は楽しそうに僕を見る。

「それに・・・クラウス様からだけでなく、カルロス様からも手紙が来てるぞ? 我が娘ながら王子2人を手玉に取るとは・・・先が楽しみだな」

そう言って、お父様は手に持った手紙をヒラヒラと振って見せる。

「それ、そんな意味の手紙じゃないから! 」

「王子2人から気にかけてもらえるとは・・・騎士団に入れたのは正解だったか・・・」

「もう、その手紙渡してちょうだい! 僕、手紙読むから出てってよ! 」

僕はニヤニヤと笑うお父様を部屋から追い出して、二通の手紙を見た。

お父様にはギルの事も話してある。
今はクリスの所にいて、強くなるために頑張ってるって言ってあるんだけど、お父様は居ない人より、今いる王子達の方がいいみたい・・・そりゃそうか・・・伯爵家次男より王子の方が期待するよね・・・でも、僕はギルじゃないと嫌だ。
お父様は説得するつもりだ。

クラウス様の手紙には隊のみんなの話が書かれていた。
リオさんは“クリス ”が死んだと聞いて、泣いたらしい。ほかのメンバーも・・・本当にごめんなさい・・・
リオさんはクラウス様が“クリス ”を好きなことに気がついていたので、クラウス様もショックを受けている演技を続けてるらしい。
・・・クラウス様、本当にごめんなさい。

そして、文面の最後に、今度城でパーティーがあるので参加しないかとのお誘いが書いてあった。

パーティー・・・僕は自信ないから無理だよ・・・
そう思いながらカルロス様からの手紙を開けると、カルロス様も同じことを書いていた。
だけど、その理由が、何時までも“クリス ”を失って、ギルを行方不明にしてしまった責任を感じているフリをしているクラウス様が可哀想なので、僕が表に出てクラウス様を助けてやってくれないかという内容だった。

僕が出てどうして助けることになるのか分からないけど、クラウス様には本当に申し訳ないと思っている。
僕が少しでもクラウス様の役に立てるのなら参加しないといけないな・・・

僕はペンを取ると、クラウス様とカルロス様に向けて返事を書いて、お父様の元へ向かった。


「失礼します。お父様、この手紙をクラウス様とカルロス様に届けてもらいたいんだけど・・・」

僕のお願いに、お父様は頷いて快く引き受けてくれる。

「あと・・・今度お城で開催されるパーティーに行こうと思うんだけど・・・」

僕の言葉に、お父様はぱっと笑顔になって僕を見る。

「そうか! レティシアが行くというのなら準備をしないとな! 」

そう言うと、指示をする為に急いで出ていってしまった。

僕がパーティーに行くだけでそこまで喜んで貰えるなんて・・・
僕、パーティーに行って本当に大丈夫なのかな・・・


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