44 / 44
㊹愛の誓い【最終話】
しおりを挟む「レイラ、綺麗だよ。」
ミカがわたくしを見て褒めてくれる。
今日はわたくしたちの結婚式です。
「ミカも素敵だわ。素敵すぎてドキドキしちゃうわ。」
ミカは本当にカッコイイ。少し伸びた右の横髪だけ耳に掛ける髪型は、黒髪がミカの綺麗な顔立ちを縁どって際立たせる。片目がはっきりと見えて、サファイアブルーの瞳がキラキラと輝いて見えて、思わず見とれてしまう。
本当にミカのお嫁様になるのね・・・
「どうした?」
わたくしが見つめていると
ミカが覗き込んでくる。
「わたくし、本当にミカのお嫁さんになるんだなーって感動してたの。こんなに素敵なミカに出会えてわたくしは幸せだわ。」
「レイラが俺を拾ってくれたから出会えたんだよ。レイラが居なかったら今頃俺はここには居ない。ありがとう。」
目を細めて見つめられて顔が火照る。
わたくしは照れながら微笑み返すことしか出来ない。
すると、ミカがわたくしの前に片膝をついて座って、わたくしの手を取る。
「レイラ、愛してるよ。ミカエルとして生き返った時からずっと、君は俺の天使だ。俺の妻になる事は大変だし、命の危険もある。だけど、きっと君を守るから、これからもずっとそばにいて欲しい。」
ミカ・・・クロード様が改まってプロポーズのような言葉を言ってくれる。
「もちろんよ。わたくしこそ、ミカに出会った日から、わたくしはミカが居ない生活なんて考えられないようになっていたの。あなたを愛しているの。これからもずっと一緒に居てください。お願いしますわ、クロード様。」
そう言った後ニッコリ微笑むと、クロード様が立ち上がってわたくしを抱きしめて、そっと口付けをした。
「コホン、本番は今からなのに、ちょと長すぎですよ!」
シド様の言葉に、クロード様が唇をそっと離す。
わたくしは顔を真っ赤にしてしまったのだけれど、クロード様が「続きは式の後で」と微笑むので、さらに真っ赤になる事になった。
「さあ、行こうか。」
「ええ。」
わたくしはクロード様に手を取られて離宮を後にした。
ーーーー 七年後 ーーーー
「お母様、聞いてください!」
「まぁ、何かしら?」
「お父様が僕はお母様と結婚できないって言うの!ひどいと思わない?」
母の元に駆け寄ってきたのは五歳の可愛い男の子。
シルバーグレーの髪にサファイアブルーの瞳をキラキラさせて母親を見る。
「まぁ、困ったわね、どうしましょう?」
「お母様は僕と結婚出来ないの?本当?」
泣きそうな目で母親を見つめる。
「ミカエル、ダメじゃないか、お母様を困らせたらお腹の子に伝わるだろう?」
そう言って現れたのは黒い衣装を纏った黒髪、サファイアブルーの瞳を持つ男の子の父親だ。
「お父様!」
父親を見た瞬間、母親に駆け寄って膝にしがみつく。
「ミカエル、お母様はお父様と結婚したから、ミカエルとは結婚できないんだよ?」
そう言って、ミカエルと呼ばれる男の子を片手で抱き上げる。
そしてもう片方の手で母親を抱き寄せる。
「クロード。」
抱き寄せられた母親がクロードを見上げると、クロードは母親にキスをする。
「ミカエル、レイラは俺の物だ。ミカエルも大きくなったら大事な人を見つければいい。だからしばらくはお母様を貸してあげるけど、ミカエルの物にはならないよ。」
そう言われてプクっと頬を膨らませてふくれるミカエル。
「ミカエル、アイシャ姫が遊んでほしそうよ?」
母親に言われて、扉を見ると、三歳になったばかりの小さな女の子が、母親に手を引かれて立っていた。
アイシャは母親譲りの黒髪に父親譲りのターコイズブルーのくりくりの瞳でミカエルを見る。
「しょうが無いな・・・お父様、降ろして。」
そう言って降ろしてもらうと、アイシャの方へかけていく。
「アイシャ、こっちへおいで。」
ミカエルは小さなアイシャの手を取ってぬいぐるみが置いてある方へ連れていく。
「アイリス、来ていたのか。」
「ええ、お兄様、レイラお姉様の出産が近いんでしょ?お手伝いするわ。」
アイリスの言葉に、クロードは微笑む。
「ありがとう。」
そう言って愛おしそうにレイラの大きなお腹を見つめた後、レイラの紫の大きな瞳を見つめる。
「レイラ、愛しているよ。」
ーーー END ーーー
~~~ あとがき ~~~
これでレイラとミカの物語は終わりです。
この後もずっと幸せに仲良く暮らして行くのだと思います。
至らない点が多々ありご不快をおかけした面もありますが、最後までお付き合い頂きましてありがとうございました。
ここまでお付き合い頂きました皆様に感謝致します。
月野さらさ
※宣伝※
既に次のお話を書いております。
男の子が転生して女の子になってしまい、イケメンにモテるというよくあるお話しです。
興味ある方は覗いていただければ幸いです。
0
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(18件)
あなたにおすすめの小説
【完結】番である私の旦那様
桜もふ
恋愛
異世界であるミーストの世界最強なのが黒竜族!
黒竜族の第一皇子、オパール・ブラック・オニキス(愛称:オール)の番をミースト神が異世界転移させた、それが『私』だ。
バールナ公爵の元へ養女として出向く事になるのだが、1人娘であった義妹が最後まで『自分』が黒竜族の番だと思い込み、魅了の力を使って男性を味方に付け、なにかと嫌味や嫌がらせをして来る。
オールは政務が忙しい身ではあるが、溺愛している私の送り迎えだけは必須事項みたい。
気が抜けるほど甘々なのに、義妹に邪魔されっぱなし。
でも神様からは特別なチートを貰い、世界最強の黒竜族の番に相応しい子になろうと頑張るのだが、なぜかディロ-ルの侯爵子息に学園主催の舞踏会で「お前との婚約を破棄する!」なんて訳の分からない事を言われるし、義妹は最後の最後まで頭お花畑状態で、オールを手に入れようと男の元を転々としながら、絡んで来ます!(鬱陶しいくらい来ます!)
大好きな乙女ゲームや異世界の漫画に出てくる「私がヒロインよ!」な頭の変な……じゃなかった、変わった義妹もいるし、何と言っても、この世界の料理はマズイ、不味すぎるのです!
神様から貰った、特別なスキルを使って異世界の皆と地球へ行き来したり、地球での家族と異世界へ行き来しながら、日本で得た知識や得意な家事(食事)などを、この世界でオールと一緒に自由にのんびりと生きて行こうと思います。
前半は転移する前の私生活から始まります。
ハイスぺ幼馴染の執着過剰愛~30までに相手がいなかったら、結婚しようと言ったから~
cheeery
恋愛
パイロットのエリート幼馴染とワケあって同棲することになった私。
同棲はかれこれもう7年目。
お互いにいい人がいたら解消しようと約束しているのだけど……。
合コンは撃沈。連絡さえ来ない始末。
焦るものの、幼なじみ隼人との生活は、なんの不満もなく……っというよりも、至極の生活だった。
何かあったら話も聞いてくれるし、なぐさめてくれる。
美味しい料理に、髪を乾かしてくれたり、買い物に連れ出してくれたり……しかも家賃はいらないと受け取ってもくれない。
私……こんなに甘えっぱなしでいいのかな?
そしてわたしの30歳の誕生日。
「美羽、お誕生日おめでとう。結婚しようか」
「なに言ってるの?」
優しかったはずの隼人が豹変。
「30になってお互いに相手がいなかったら、結婚しようって美羽が言ったんだよね?」
彼の秘密を知ったら、もう逃げることは出来ない。
「絶対に逃がさないよ?」
混血の私が純血主義の竜人王子の番なわけない
三国つかさ
恋愛
竜人たちが通う学園で、竜人の王子であるレクスをひと目見た瞬間から恋に落ちてしまった混血の少女エステル。好き過ぎて狂ってしまいそうだけど、分不相応なので必死に隠すことにした。一方のレクスは涼しい顔をしているが、純血なので実は番に対する感情は混血のエステルより何倍も深いのだった。
押しつけられた身代わり婚のはずが、最上級の溺愛生活が待っていました
cheeery
恋愛
名家・御堂家の次女・澪は、一卵性双生の双子の姉・零と常に比較され、冷遇されて育った。社交界で華やかに振る舞う姉とは対照的に、澪は人前に出されることもなく、ひっそりと生きてきた。
そんなある日、姉の零のもとに日本有数の財閥・凰条一真との縁談が舞い込む。しかし凰条一真の悪いウワサを聞きつけた零は、「ブサイクとの結婚なんて嫌」と当日に逃亡。
双子の妹、澪に縁談を押し付ける。
両親はこんな機会を逃すわけにはいかないと、顔が同じ澪に姉の代わりになるよう言って送り出す。
「はじめまして」
そうして出会った凰条一真は、冷徹で金に汚いという噂とは異なり、端正な顔立ちで品位のある落ち着いた物腰の男性だった。
なんてカッコイイ人なの……。
戸惑いながらも、澪は姉の零として振る舞うが……澪は一真を好きになってしまって──。
「澪、キミを探していたんだ」
「キミ以外はいらない」
次期騎士団長の秘密を知ってしまったら、迫られ捕まってしまいました
Karamimi
恋愛
侯爵令嬢で貴族学院2年のルミナスは、元騎士団長だった父親を8歳の時に魔物討伐で亡くした。一家の大黒柱だった父を亡くしたことで、次期騎士団長と期待されていた兄は騎士団を辞め、12歳という若さで侯爵を継いだ。
そんな兄を支えていたルミナスは、ある日貴族学院3年、公爵令息カルロスの意外な姿を見てしまった。学院卒院後は騎士団長になる事も決まっているうえ、容姿端麗で勉学、武術も優れているまさに完璧公爵令息の彼とはあまりにも違う姿に、笑いが止まらない。
お兄様の夢だった騎士団長の座を奪ったと、一方的にカルロスを嫌っていたルミナスだが、さすがにこの秘密は墓場まで持って行こう。そう決めていたのだが、翌日カルロスに捕まり、鼻息荒く迫って来る姿にドン引きのルミナス。
挙句の果てに“ルミタン”だなんて呼ぶ始末。もうあの男に関わるのはやめよう、そう思っていたのに…
意地っ張りで素直になれない令嬢、ルミナスと、ちょっと気持ち悪いがルミナスを誰よりも愛している次期騎士団長、カルロスが幸せになるまでのお話しです。
よろしくお願いしますm(__)m
靴屋の娘と三人のお兄様
こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!?
※小説家になろうにも投稿しています。
ご褒美人生~転生した私の溺愛な?日常~
紅子
恋愛
魂の修行を終えた私は、ご褒美に神様から丈夫な身体をもらい最後の転生しました。公爵令嬢に生まれ落ち、素敵な仮婚約者もできました。家族や仮婚約者から溺愛されて、幸せです。ですけど、神様。私、お願いしましたよね?寿命をベッドの上で迎えるような普通の目立たない人生を送りたいと。やりすぎですよ💢神様。
毎週火・金曜日00:00に更新します。→完結済みです。毎日更新に変更します。
R15は、念のため。
自己満足の世界に付き、合わないと感じた方は読むのをお止めください。設定ゆるゆるの思い付き、ご都合主義で書いているため、深い内容ではありません。さらっと読みたい方向けです。矛盾点などあったらごめんなさい(>_<)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
ちゃちゃ様
読んで頂きましてありがとうございますm(_ _)m
そして、ご要望ありがとうございます!
アイリスとレンリー王子のお話は全く考えていなかったので←え?(笑)
少しお時間下さい。これから2ヶ月仕事が忙しくなる為ご要望にお答え出来ないかもしれませんが、もし出来ましたら読んで頂ければ幸いです(*´˘`*)♥
調子のいいことを言ってますが、期待しないでお待ちくださいませ(¯―¯٥) ՞ ՞ ՞
完結おめでとうございます!!
毎日楽しみにしていたので終わってしまってすこし悲しいような…
新作の方も追わせていただきます!!!
素敵な作品ありがとうございました
お疲れ様でした!
最後まで見守って頂きありがとうございました(∗•ω•∗)
そして、温かいお言葉ありがとうございます!とても励みになります(*^_^*)
自作は元気な男の子が主人公なので、雰囲気が変わると思いますが(たぶん(^_^;))楽しんで頂けるよう書かせて頂きます。
今後ともお付き合いよろしくお願い致しますm(_ _)m
いつも読んで頂きありがとうございます(*^_^*)
39話中頃から呼んでますよ〜(^_^;)
吹っ切れたようです(笑)