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4. ダメだ
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巴は重ねた唇から中へ入り込ませた舌先で口内をまさぐり、旭の舌を捉えると中心を前から後ろへとゆっくりなぞっていく。そのまま舌先で届くギリギリ奥まで這わせると、次は上あごへとその先を向けた。ザラザラとした感触がゆっくりと動くたびに背筋が粟立つ。必死に巴の体を押し返すが、力の入らない腕はあっさりと絡めとられ、自由を失った。
ようやく唇を離した巴は、口の端を上げながらふうっと熱を持った息を吐き、再び旭を見下ろした。
「昨日、旭もおんなじようにしてくれたよ」
「覚えて、ない」
上がる息を何とかごまかそうと口をぎゅっと結ぶが、隠し切れない熱が体温を上げていく。さっきまで冷ややかに旭を見下ろしていた瞳に熱を湛えた巴は、その視線をゆっくりと下げながら長い指で旭の首筋から胸元をなぞり、そのまま真っ直ぐと下腹部まで撫で下ろした。
ゆっくりと流れるようなその動きに、ゾクゾクとせり上がる熱に耐え切れず結んだ口を開くと、短い息が押し出されるように何度もこぼれた。
「旭、勃ってる」
頭ではこんなことしたくないと思っているのに、体はもう知ってしまった熱が欲しいと喘いでいる。情けなくて、悔しくて、抑えきれない感情が目からあふれ出す。それを巴はいつもの優しい顔でそっと拭った。
「泣かないで、旭」
「……もうやめてくれ。巴を、巻き込みたくないんだ」
大切な、大切な幼馴染。村のことなど忘れて幸せになって欲しい。そのためには旭も巴から離れなければならないとずっと思っていた。そう思っていたのに、巴の側は居心地が良すぎて、結局離れることができずにずるずると甘えてしまった。そのせいでこんな最悪なことに巻き込もうとしている。
――ごめん、ごめん、巴。
あふれ出してくる涙を何とか止めようと手でグッと抑えてみるが、その手はすぐに巴に外された。滲んだ視界で見上げた先にあった見慣れた美しい顔は、また冷ややかさを湛えていた。
「やっぱり僕以外の男のところに行くつもりなんだね」
「えっ?! どうしてそうな、あっ!」
巴はその冷たい瞳のまま旭の両足を持ち上げ、グッと広げた。
「ほかの男にもこうやって足を開くの? ここに、ほかの男のものを挿れるの?」
「と、巴、やめ、あっ!!」
巴は広げた旭の両足の間に顔を埋め、後孔に舌を這わせた。たっぷりと周囲を濡らすと、押し開くようにその中へと舌を挿し込んでいく。
「ここ、昨日はぐずぐずに濡れてたよね。外も中も柔らかくて、僕のもすんなり飲み込んでくれたけど、今は閉じてる。どうしてかな」
ぴちゃぴちゃと唾液がこすれる音と、快楽を孕む羞恥に埋まっていく頭で何度も「やめて」と懇願するが、巴はそんな旭の言葉は一切聞かず、挿し込んだ舌で中を押し広げるようにかき回し、抜き差しを繰り返す。その度に、自分でも聞いたことのないような声が押し漏れた。
「んんっ、あっ……!」
「抜くときが気持ちい? でも昨日は奥もすごくよさそうだったよ」
巴はようやく顔を上げたかと思うと、今度は自分で舐めた指を旭の後孔へと入れ、中を押し広げるように動かし始めた。
「えっ、あっ! いや、だ……ともえ!!」
「指じゃ足らないよね。昨日も早く挿れてって何回もねだってたもんね」
「し、知らない…言ってない……!」
「僕は覚えてるよ。ほら、ここが旭の気持ちいいところ」
「あぁっ!!」
ぐっと中を押されると、まるで電流が走ったかのように体がビクンと大きく跳た。今、“発情”はしていないはずなのに、体が熱くて仕方がない。
「前も触ってほしい? だらだらよだれ垂らしてるみたいになってるよ。やらしい」
後孔に与えられる刺激が“快感”となっている証拠のように先走りがあふれ出し、濡れる先端に巴は掌を当て、グリグリとこすった。
「あっあっ、だめっ。もう、……っ」
前後同時に与えられる快感に、旭が絶頂に達そうとした瞬間、巴は両手の動きをピタッと止めた。
「えっ……?」
達し損ねた体を震わせたままの旭を見下ろした巴は、にっこりときれいにほほ笑んで見せた。
「僕にこういうことされるの嫌なんだよね? ごめんね、やめるよ」
幼い頃からずっと一緒にいた幼馴染み。知らないことなどないと思っていた。見たことない顔などないと思っていた。それなのに、目の前にいる巴は知らない人のように見える。
巴のことならなんでもわかっている気になっていただけで、実は何もわかってなどいなかったのではないか。自分は何を見ていたのか。そんな絶望と、それでも疼く体が恨めしくてまた大粒の涙がこぼれていく。
「旭、何があったかちゃんと教えて。僕だって旭が嫌がることをしたいわけじゃない」
そう言って旭の涙をぬぐう巴の瞳にいつもの優しさを感じたその時、ドクンと心臓が大きく鳴った。
息が上がり、鼓動がどんどん早くなる。達し損ねてすでに熱を持て余す体がさらに熱く、焼けるように昂っていく。体が欲望に支配されていく。
――なんで、こんなタイミングで……!
「旭? 大丈夫?」
心配そうに旭の顔を覗き込む巴から隠れるように体を横に向け、止まらない涙と汗でぐっしょりと濡れたシーツをぎゅっと握って欲望を抑え込むように唇を噛んだ。
「そんなに強く噛んだらケガしちゃうよ」
そう言うと巴は旭の腕を引き、また旭の体を正面へと向けた。
「……昨日もそんな感じだったね。体が熱くなって、息が上がって、興奮……って言うよりは発情状態って感じかな?」
巴は、優しさも、意地悪さもない真っ直ぐな瞳で、まるで旭の様子を観察するかのように見下ろした。
「この状態になるのがきっと“役目”とかいうのと関係あるんだよね? エッチしないと収まらないのかな?」
巴の様子から、おそらく、昨日旭は核心に触れるようなことは言わなかったのだろう。でも、巴は得られた数少ない情報と旭の様子から、限りなく正解に近い答えを導き出していく。
何も答えない旭に、巴ははぁっとため息と吐いた。
「僕に言いたくないのはわかったけど、他の男のとこに行くのは絶対に許さないよ」
また巴の眼に冷ややかさが漂い始める。その瞳に旭は思わずゴクリと息を吞む。
「だから選んで。僕に抱かれるか、一人で耐えるか」
巴の言葉にゾクゾクと抑えられない情動がせり上がる。旭の体を支配し始めた“欲望”が求めることを口にしてしまいそうで、言葉を返せないまま黙っていると、巴はまたため息を吐いて体を起こし、ベッドから降りた。何も言わず、旭に背を向けて立ち上がった巴を見て、旭は思わず大きな声を上げた。
「巴……!」
――置いて行って(行かないで)。
――俺から逃げて(側にいて)。
――そのまま見捨てて(助けて)。
欲望に怯える弱い心が口から出そうになる。
ここで突き放せばきっともう巴とは今まで通りではいられないだろう。でも、もう甘えるわけにはいかない。これは旭の問題なのだ。そうグッと心に決めた言葉を口に出した。
「……抱いて」
旭は拒絶の言葉を吐いたつもりだった。そうしたはずだった。
それなのに、今、口から出たのは最も言ってはいけない言葉ではなかったか。
「お、俺……今、なんて……」
「抱いてって言ったね」
「ちょ、ちょっと待って、違う、間違えたっ!」
「ダメ、待たない。抱くよ」
巴はベッドに戻り、うろたえる旭を組み敷いた。
旭を見下ろしながら欲に歪む巴の顔は、体が震えあがるほどに美しかった。
「あぁ旭の“ここ”、すごくトロトロになってる。こんなにも濡らして、本当にやらしい」
“発情”で一番厄介なのは、そんな機能はないはずの後孔が、自ら濡れ始めることだった。今も花開く寸前のつぼみのように柔らかく膨らみ、男を誘う蜜があふれ出ている。
「さっきほぐしたから、もう挿れても大丈夫かな」
巴がそこに固く腫れあがったものをあてがうと、待ち構えていたかのようにきゅうっと吸い付いた。
「ふふっ、すごい。そんなに欲しかった?」
焦らすように先端を擦り付ける巴を旭は潤んだ瞳で縋るように見上げる。
頭の中ではダメ、やめて、と叫んでみても、口から出るのは巴を求める言葉ばかり。抗えない欲望が全身で巴を欲している。もうそれを理性では止めることが出来なくなっていた。
「ともえっ、はぁはぁっ、もう、」
「なぁに? どうしてほしいの」
「……っれて……」
「ん? ちゃんと言って?」
「いれて……っ!」
「あはっ、いい子だね、旭。たくさん気持ちよくしてあげる」
滑り込むように旭の中にはいってきた巴は、一気に奥を突き上げた。その衝撃に目の前に火花が散ったかのように快楽が弾ける。腰を掴まれ押し込まれたもので奥をグリグリとかき回されると、短い息とともに悲鳴にも似た濡れた声が漏れた。
「ひっあぁっだめっ、あんっ、ともえぇっ」
「ふっ、気持ちいね。感じてる旭、ほんとにかわいい」
巴はゆっくりと腰を引き、また勢いよく旭の中へ滑り込む。何度もその律動を繰り返されると、あっという間に快楽の絶頂が近づいてくる。
「あっ、あっ……もうっあぁ、」
「もう、イきそ? じゃあ一緒にね。中、出していいんだよね?」
「んっ、だして、なかに、ほしい」
「うん、たくさんあげる」
ギュッと巴に抱え込まれたまま体を揺さぶられ、体も意識も快感の渦に溶けていく。背に回された腕がいっそう強く旭を包み込むと、腹の奥に熱いものが流れ込んだ。それに合わせて、すでにドロドロに濡れた旭のものがビクンと跳ね、白濁した液体を吐き出した。
腹の奥に留まる熱を朦朧とした意識で感じていると、巴は体を起こして汗で額に張り付いた旭の前髪を指でかき、耳元に唇を寄せた。
「旭、……………。僕の……。」
聞き取れないほどの小さな声で何かつぶやいた巴は、いつもの優しい瞳のまま、まだ整わない息がこぼれる旭の唇にキスを落とした。
ようやく唇を離した巴は、口の端を上げながらふうっと熱を持った息を吐き、再び旭を見下ろした。
「昨日、旭もおんなじようにしてくれたよ」
「覚えて、ない」
上がる息を何とかごまかそうと口をぎゅっと結ぶが、隠し切れない熱が体温を上げていく。さっきまで冷ややかに旭を見下ろしていた瞳に熱を湛えた巴は、その視線をゆっくりと下げながら長い指で旭の首筋から胸元をなぞり、そのまま真っ直ぐと下腹部まで撫で下ろした。
ゆっくりと流れるようなその動きに、ゾクゾクとせり上がる熱に耐え切れず結んだ口を開くと、短い息が押し出されるように何度もこぼれた。
「旭、勃ってる」
頭ではこんなことしたくないと思っているのに、体はもう知ってしまった熱が欲しいと喘いでいる。情けなくて、悔しくて、抑えきれない感情が目からあふれ出す。それを巴はいつもの優しい顔でそっと拭った。
「泣かないで、旭」
「……もうやめてくれ。巴を、巻き込みたくないんだ」
大切な、大切な幼馴染。村のことなど忘れて幸せになって欲しい。そのためには旭も巴から離れなければならないとずっと思っていた。そう思っていたのに、巴の側は居心地が良すぎて、結局離れることができずにずるずると甘えてしまった。そのせいでこんな最悪なことに巻き込もうとしている。
――ごめん、ごめん、巴。
あふれ出してくる涙を何とか止めようと手でグッと抑えてみるが、その手はすぐに巴に外された。滲んだ視界で見上げた先にあった見慣れた美しい顔は、また冷ややかさを湛えていた。
「やっぱり僕以外の男のところに行くつもりなんだね」
「えっ?! どうしてそうな、あっ!」
巴はその冷たい瞳のまま旭の両足を持ち上げ、グッと広げた。
「ほかの男にもこうやって足を開くの? ここに、ほかの男のものを挿れるの?」
「と、巴、やめ、あっ!!」
巴は広げた旭の両足の間に顔を埋め、後孔に舌を這わせた。たっぷりと周囲を濡らすと、押し開くようにその中へと舌を挿し込んでいく。
「ここ、昨日はぐずぐずに濡れてたよね。外も中も柔らかくて、僕のもすんなり飲み込んでくれたけど、今は閉じてる。どうしてかな」
ぴちゃぴちゃと唾液がこすれる音と、快楽を孕む羞恥に埋まっていく頭で何度も「やめて」と懇願するが、巴はそんな旭の言葉は一切聞かず、挿し込んだ舌で中を押し広げるようにかき回し、抜き差しを繰り返す。その度に、自分でも聞いたことのないような声が押し漏れた。
「んんっ、あっ……!」
「抜くときが気持ちい? でも昨日は奥もすごくよさそうだったよ」
巴はようやく顔を上げたかと思うと、今度は自分で舐めた指を旭の後孔へと入れ、中を押し広げるように動かし始めた。
「えっ、あっ! いや、だ……ともえ!!」
「指じゃ足らないよね。昨日も早く挿れてって何回もねだってたもんね」
「し、知らない…言ってない……!」
「僕は覚えてるよ。ほら、ここが旭の気持ちいいところ」
「あぁっ!!」
ぐっと中を押されると、まるで電流が走ったかのように体がビクンと大きく跳た。今、“発情”はしていないはずなのに、体が熱くて仕方がない。
「前も触ってほしい? だらだらよだれ垂らしてるみたいになってるよ。やらしい」
後孔に与えられる刺激が“快感”となっている証拠のように先走りがあふれ出し、濡れる先端に巴は掌を当て、グリグリとこすった。
「あっあっ、だめっ。もう、……っ」
前後同時に与えられる快感に、旭が絶頂に達そうとした瞬間、巴は両手の動きをピタッと止めた。
「えっ……?」
達し損ねた体を震わせたままの旭を見下ろした巴は、にっこりときれいにほほ笑んで見せた。
「僕にこういうことされるの嫌なんだよね? ごめんね、やめるよ」
幼い頃からずっと一緒にいた幼馴染み。知らないことなどないと思っていた。見たことない顔などないと思っていた。それなのに、目の前にいる巴は知らない人のように見える。
巴のことならなんでもわかっている気になっていただけで、実は何もわかってなどいなかったのではないか。自分は何を見ていたのか。そんな絶望と、それでも疼く体が恨めしくてまた大粒の涙がこぼれていく。
「旭、何があったかちゃんと教えて。僕だって旭が嫌がることをしたいわけじゃない」
そう言って旭の涙をぬぐう巴の瞳にいつもの優しさを感じたその時、ドクンと心臓が大きく鳴った。
息が上がり、鼓動がどんどん早くなる。達し損ねてすでに熱を持て余す体がさらに熱く、焼けるように昂っていく。体が欲望に支配されていく。
――なんで、こんなタイミングで……!
「旭? 大丈夫?」
心配そうに旭の顔を覗き込む巴から隠れるように体を横に向け、止まらない涙と汗でぐっしょりと濡れたシーツをぎゅっと握って欲望を抑え込むように唇を噛んだ。
「そんなに強く噛んだらケガしちゃうよ」
そう言うと巴は旭の腕を引き、また旭の体を正面へと向けた。
「……昨日もそんな感じだったね。体が熱くなって、息が上がって、興奮……って言うよりは発情状態って感じかな?」
巴は、優しさも、意地悪さもない真っ直ぐな瞳で、まるで旭の様子を観察するかのように見下ろした。
「この状態になるのがきっと“役目”とかいうのと関係あるんだよね? エッチしないと収まらないのかな?」
巴の様子から、おそらく、昨日旭は核心に触れるようなことは言わなかったのだろう。でも、巴は得られた数少ない情報と旭の様子から、限りなく正解に近い答えを導き出していく。
何も答えない旭に、巴ははぁっとため息と吐いた。
「僕に言いたくないのはわかったけど、他の男のとこに行くのは絶対に許さないよ」
また巴の眼に冷ややかさが漂い始める。その瞳に旭は思わずゴクリと息を吞む。
「だから選んで。僕に抱かれるか、一人で耐えるか」
巴の言葉にゾクゾクと抑えられない情動がせり上がる。旭の体を支配し始めた“欲望”が求めることを口にしてしまいそうで、言葉を返せないまま黙っていると、巴はまたため息を吐いて体を起こし、ベッドから降りた。何も言わず、旭に背を向けて立ち上がった巴を見て、旭は思わず大きな声を上げた。
「巴……!」
――置いて行って(行かないで)。
――俺から逃げて(側にいて)。
――そのまま見捨てて(助けて)。
欲望に怯える弱い心が口から出そうになる。
ここで突き放せばきっともう巴とは今まで通りではいられないだろう。でも、もう甘えるわけにはいかない。これは旭の問題なのだ。そうグッと心に決めた言葉を口に出した。
「……抱いて」
旭は拒絶の言葉を吐いたつもりだった。そうしたはずだった。
それなのに、今、口から出たのは最も言ってはいけない言葉ではなかったか。
「お、俺……今、なんて……」
「抱いてって言ったね」
「ちょ、ちょっと待って、違う、間違えたっ!」
「ダメ、待たない。抱くよ」
巴はベッドに戻り、うろたえる旭を組み敷いた。
旭を見下ろしながら欲に歪む巴の顔は、体が震えあがるほどに美しかった。
「あぁ旭の“ここ”、すごくトロトロになってる。こんなにも濡らして、本当にやらしい」
“発情”で一番厄介なのは、そんな機能はないはずの後孔が、自ら濡れ始めることだった。今も花開く寸前のつぼみのように柔らかく膨らみ、男を誘う蜜があふれ出ている。
「さっきほぐしたから、もう挿れても大丈夫かな」
巴がそこに固く腫れあがったものをあてがうと、待ち構えていたかのようにきゅうっと吸い付いた。
「ふふっ、すごい。そんなに欲しかった?」
焦らすように先端を擦り付ける巴を旭は潤んだ瞳で縋るように見上げる。
頭の中ではダメ、やめて、と叫んでみても、口から出るのは巴を求める言葉ばかり。抗えない欲望が全身で巴を欲している。もうそれを理性では止めることが出来なくなっていた。
「ともえっ、はぁはぁっ、もう、」
「なぁに? どうしてほしいの」
「……っれて……」
「ん? ちゃんと言って?」
「いれて……っ!」
「あはっ、いい子だね、旭。たくさん気持ちよくしてあげる」
滑り込むように旭の中にはいってきた巴は、一気に奥を突き上げた。その衝撃に目の前に火花が散ったかのように快楽が弾ける。腰を掴まれ押し込まれたもので奥をグリグリとかき回されると、短い息とともに悲鳴にも似た濡れた声が漏れた。
「ひっあぁっだめっ、あんっ、ともえぇっ」
「ふっ、気持ちいね。感じてる旭、ほんとにかわいい」
巴はゆっくりと腰を引き、また勢いよく旭の中へ滑り込む。何度もその律動を繰り返されると、あっという間に快楽の絶頂が近づいてくる。
「あっ、あっ……もうっあぁ、」
「もう、イきそ? じゃあ一緒にね。中、出していいんだよね?」
「んっ、だして、なかに、ほしい」
「うん、たくさんあげる」
ギュッと巴に抱え込まれたまま体を揺さぶられ、体も意識も快感の渦に溶けていく。背に回された腕がいっそう強く旭を包み込むと、腹の奥に熱いものが流れ込んだ。それに合わせて、すでにドロドロに濡れた旭のものがビクンと跳ね、白濁した液体を吐き出した。
腹の奥に留まる熱を朦朧とした意識で感じていると、巴は体を起こして汗で額に張り付いた旭の前髪を指でかき、耳元に唇を寄せた。
「旭、……………。僕の……。」
聞き取れないほどの小さな声で何かつぶやいた巴は、いつもの優しい瞳のまま、まだ整わない息がこぼれる旭の唇にキスを落とした。
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