悪役令嬢として、王子を攻略したいのに!

公爵 麗子

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作戦その1

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悪役令嬢はヒロインにどうしても勝てないので、他の攻略対象を攻略していきたいと思いますわ。
現在、生徒会長とヒロインに挟まれていますの。
「………………」
「…………………………」
……何か喋ろうと思いましたが、言葉が出てきませんわ。気まずいですわね。
そうこうしている内に、生徒会会議室の前に着きましたわ。
「では、また放課後に」
「はい」
そして私は生徒会室へ入ります。他の生徒は既に揃っていますわね。
「……おはようございます」
挨拶をすると、皆一斉に私のほうを見ます。
……いい気分ですわね。
そして皆も挨拶を返してくれますわ。
「お、おはようございます、ミレイ様……」
ヒロインさんも私に挨拶をしてくれますわ。
「……おはようございます」
ふふ、私は今とても気分が良いので、いじめる気はありませんわよ?
「会長、全員揃いました」
「あぁ、では会議を始める!」
生徒会メンバーが席に着きますわ。私は書記ですの。本当は副会長の座を奪い取りたかったのですが、ヒロインさんに負けましたわ。
「本日も議題はたくさんある」
そして会議が始まりましたわ。私は書記として仕事をこなしますわよ。
「会計、予算案は?」
「こちらに」
生徒会長が会計の机に置かれてある書類に目を通しますわ。そしてチェックをいれ、私のほうに持ってきますの。私はそれを受け取り、確認しますわ。
……これは後でいいでしょう。今は予算案よりも今日の議題について聞きましょう。
「……以上が本日の議題だ」
そして生徒会会議は終わりましたわ。
「お疲れ様でした、皆様」
私がそう言うと、皆も『お疲れ様です』と返してくれますの。……やっぱりいいですわよね、この感じ。
私は放課後をとても楽しみにしていますわ。ヒロインさんもいじめたいですわ。
そうこうしている内に放課後になりましたわ。さあヒロインさんのところに行きましょう! ……あ、でもその前に例のブツを取りにいかなければいけませんわね。
私は自分の机に行き、引き出しを開けますわ。そこには……、
「これが例のブツですの」
そう言ってヒロインさんに見せびらかしますわ。
「そ、それは……」
「そう!これぞ乙女の間で流行っている読み物『君と彼女と彼女の恋』ですわ!」
私が取りだしたのは本。これにはとても面白いので、これにハマれば王子とヒロインさんの時間が少なくなるはず!名案ですわ。私って天才では?
「ミレイ様、それは一体……?」
ヒロインさんが聞いてきますわ。
「これは、男女が仲良くなる恋愛物語ですの」
私はそう答えますわ。この物語は意外と面白いのでお勧めですわ。
「え!?読ませてもらってよろしいのですか!?」
ヒロインさんは目を輝かせながら言いますわ。やっぱり流行り物をすぐ手に入れたい人はたくさんいますわね!
「いいですわよ」
私がそう言うと、早速ヒロインさんは読み始めましたわ。
「え!?ミレイ様!これ、続きはありますか!?」
あら、早速ヒロインさんはハマったようですわ。私も一巻を途中まで読んだことがありますが、なかなか面白いですわ。
「ありますわよ?」
「読ませて頂いてもよろしいでしょうか!」

ヒロインさんが私に懇願してきますわ。いいですわよ?私は悪役令嬢ですので、主人公の邪魔をしますもの。
「いいですわよ」
私は笑顔で答えますわ。私がこの本を読ませている理由を知ったら、ヒロインさんはどうなってしまうのかしら!
「ありがとうございます!」
そして私は本を持って自分の席に着きましたわ。さあ、ヒロインさん。私のために奮闘してくださいな! 私は自分の席に座りますわ。そして読みかけの『君と彼女と彼女の恋』の続編を手に取りましたの。この物語は、学園の王子とヒロインがくっつくまでのお話ですわ。
私は王子様とヒロインにはくっついて欲しくないので、逆にこれを活用させて頂くつもりですわ。
「ミレイ様、読み終わりました!」
ヒロインさんが私にそう報告してきますわ。もう読んだんですの!?はやすぎませんこと!?
「どうです?面白いでしょう?」
私は勝ち誇った顔で言いますわ。するとヒロインさんは悔しそうな顔をしていました。とても良い気分ですわ!
「悔しいですが、とても面白かったです……」
そうでしょう、そうでしょう!これは王道の恋愛物語でとっても面白いんですの!それにあの王子様が主人公に少しづつ心を開いていく過程がとてもいいですわよね!
「続きはありませんか?」
ヒロインさんがそう聞いてきますわ。ありますわよ?続編の『君と彼女と彼女の恋』四巻までありますのよ?読みます?読みますわよね?
「こちらにありますわよ」
私はそう言って、笑顔でヒロインさんに続編を渡しますわ。ヒロインさんは喜んで受け取ってくれましたの。……もうちょっと悔しそうな顔をしてもいいと思うのは私だけかしら? そして私とヒロインさんはその本を読み始めましたわ。
「ミレイ様」ヒロインさんが話しかけてきますわ。
「なんですの?」私は返事をしますわ。

「私、こちらの小説に感銘を受けました」
まあ、そうでしょうねぇ。だって私と同じことをしているんですもの。私の作戦は完璧ですわ!「私もそう思いますの」
「ミレイ様……!」
ヒロインさんが私に抱き着いてきますわ。……あれ、なんでですの?私悪役令嬢ですよね?おかしいですわね。
「ミレイ様!次の巻は!?」
ヒロインさんが目をキラキラさせて私に聞いてきますわ。……まあ、これも作戦の内ですわ。次の巻も渡すことにしましょう。
「こちらにありますわよ」
私は笑顔で続編を渡しますわ。これで私の勝ちは確定ですわね!
「ありがとうございます!」
そしてヒロインさんはまたその本を読み始めましたわ。……あれ、何かおかしくないですか?
「ミレイ様」
ヒロインさんが話しかけてきますわ。
「なんですの?」私は返事をしますわ。
「私、恋愛ものの書物にハマってしまいました」まあ、そうでしょうねぇ。私の作戦は完璧ですわ!(二回目)
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