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第二章 愛される末っ子姫
第6話 酒場では
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近況ボードに、お知らせとアンケートを投稿したので、協力してください!聖女と邪龍の娘の後は何を中心に進めてほしい?というアンケートです。軽い気持ちでかまいません。ご協力ください!
(お知らせは、批判コメントも覚悟しておりますが……)
↓本編
セリアが男達を撃退していた頃、ハリナは酒場にいた。もちろん、お酒を飲むためではない。情報収集のためだ。幸か不幸か、今のハリナは私服だ。フェレスのように、特別目立つような容姿でもないため、今のハリナは、どう頑張っても女性冒険者くらいにしか見えない。
「なぁ、ねーちゃん。酒飲めるのか?」
酒場では、こういう絡みがあるので、滅多なことでは情報収集にはいかない。特別目立ちはしないが、公爵家の分家で貴族なので、一般人よりは顔つきが整っている。なので、こういうナンパはよくあることなのだ。
「飲めるわよ?おじさんが先に潰れちゃうかもね」
「言ってくれるじゃねーか!飲み比べすっか?」
もう半分酔っているような感じで、お酒臭かった。でも、酔っぱらい相手ほど、情報収集には向いている。お酒によって口が軽くなるし、場合によっては、酔ったせいで忘れてくれている場合もある。
嫌々ながらも、ハリナが情報収集に来たのはそのためだ。
「別にいいわよ?それじゃあ、負けた方がここにいる全員分の酒代を奢るっていうのでどう?」
絶対に負けない自信があったハリナは、少し無茶な要求を男に投げつける。
男は酔った勢いか、負けない自信があったのか、それを二つ返事で了承した。
「望むところだ!」
*ー*ー*ー
一時間ほど経過した頃、対決に変化が生じた。
ハリナと対決した男が酔い潰れてしまったのだ。
(あっけなかったわね)
ハリナがそんな風に思っていると、周りから歓声が起こる。
「ねーちゃん、すげーな!」
「あの酒豪のゴウルをやっつけるなんて……」
「あいつ、威張り散らしててムカついてたんだ!」
「しかも、まだ素面に見えるけど……?」
一人の男がそう呟くと、一瞬でお祭り騒ぎはおさまり、ハリナを観察する。確かに、お酒を飲むスピードは変わっていないし、赤面でもない。呂律が回っていないというのということもない。
「おいねーちゃん。酒強いんだな」
「ええ。残り10はいけるわね」
「「「10!?」」」
ハリナの言葉に、周りは一斉に驚く。
ハリナは、影として、このような情報収集をすることもあるので、酒には慣らされている。自分の方が酔ってしまったら本末転倒になりかねないからだ。
でも、ハリナは影の中では、お酒に弱い方なのだ。
ハリナは、めぼしいものはなかったものの、多少の情報は聞けたので、こちらを立ち去ろうとした。だが、酒豪と呼ばれるくらいの存在に勝ったハリナを、周りが放っておくわけにもいかず。
「おい、もっと飲もうぜ~?」
「そうだ。次は俺が相手になってやるよ!」
ハリナは、ノリノリでそう言ってきた男達の首もとにナイフを突き立てる。
「言っておくけど、私の本職はこれだから」
ハリナが冷たくそれを言うと、先ほどまで近づいていた男が一瞬にして離れた。
(本当に、めんどくさい)
そう思いながら、ハリナはセリアと別れた場所まで向かった。
(お知らせは、批判コメントも覚悟しておりますが……)
↓本編
セリアが男達を撃退していた頃、ハリナは酒場にいた。もちろん、お酒を飲むためではない。情報収集のためだ。幸か不幸か、今のハリナは私服だ。フェレスのように、特別目立つような容姿でもないため、今のハリナは、どう頑張っても女性冒険者くらいにしか見えない。
「なぁ、ねーちゃん。酒飲めるのか?」
酒場では、こういう絡みがあるので、滅多なことでは情報収集にはいかない。特別目立ちはしないが、公爵家の分家で貴族なので、一般人よりは顔つきが整っている。なので、こういうナンパはよくあることなのだ。
「飲めるわよ?おじさんが先に潰れちゃうかもね」
「言ってくれるじゃねーか!飲み比べすっか?」
もう半分酔っているような感じで、お酒臭かった。でも、酔っぱらい相手ほど、情報収集には向いている。お酒によって口が軽くなるし、場合によっては、酔ったせいで忘れてくれている場合もある。
嫌々ながらも、ハリナが情報収集に来たのはそのためだ。
「別にいいわよ?それじゃあ、負けた方がここにいる全員分の酒代を奢るっていうのでどう?」
絶対に負けない自信があったハリナは、少し無茶な要求を男に投げつける。
男は酔った勢いか、負けない自信があったのか、それを二つ返事で了承した。
「望むところだ!」
*ー*ー*ー
一時間ほど経過した頃、対決に変化が生じた。
ハリナと対決した男が酔い潰れてしまったのだ。
(あっけなかったわね)
ハリナがそんな風に思っていると、周りから歓声が起こる。
「ねーちゃん、すげーな!」
「あの酒豪のゴウルをやっつけるなんて……」
「あいつ、威張り散らしててムカついてたんだ!」
「しかも、まだ素面に見えるけど……?」
一人の男がそう呟くと、一瞬でお祭り騒ぎはおさまり、ハリナを観察する。確かに、お酒を飲むスピードは変わっていないし、赤面でもない。呂律が回っていないというのということもない。
「おいねーちゃん。酒強いんだな」
「ええ。残り10はいけるわね」
「「「10!?」」」
ハリナの言葉に、周りは一斉に驚く。
ハリナは、影として、このような情報収集をすることもあるので、酒には慣らされている。自分の方が酔ってしまったら本末転倒になりかねないからだ。
でも、ハリナは影の中では、お酒に弱い方なのだ。
ハリナは、めぼしいものはなかったものの、多少の情報は聞けたので、こちらを立ち去ろうとした。だが、酒豪と呼ばれるくらいの存在に勝ったハリナを、周りが放っておくわけにもいかず。
「おい、もっと飲もうぜ~?」
「そうだ。次は俺が相手になってやるよ!」
ハリナは、ノリノリでそう言ってきた男達の首もとにナイフを突き立てる。
「言っておくけど、私の本職はこれだから」
ハリナが冷たくそれを言うと、先ほどまで近づいていた男が一瞬にして離れた。
(本当に、めんどくさい)
そう思いながら、ハリナはセリアと別れた場所まで向かった。
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