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第二章 愛される末っ子姫
第14話 まだ機会はある
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一応、勉強はしたものの、陰謀を書くのは苦手ですので、うん?と思うところがあっても、生暖かく見守っていてください。(これでも何度も書き直しをしたんです……!)
もちろん、誤字脱字、単語の意味を間違えていたり、文法的におかしなところがあれば、そこは遠慮なくご指摘くださってかまいません。
ーーーーーーーーーーーーーー
大きさのわりには、見た目は質素な屋敷。その一室で、一人の男が椅子に腰かけている。
この屋敷で主のように居座っていなければ、誰もこの男が高貴な存在だとは思うまい。それくらいに、容姿は平民にもありふれたものであり、貴族特有のオーラのようなものも感じられなかった。
「やはり、アベリナ皇族。簡単にはいかないか」
呟きのようにもとれるが、それは目の前にいる男に話しかける言葉だった。
男は、丁寧な言葉遣いで言葉を返す。
「ですが、スピライトは消せました。一度に多くの目的を同時に達成するなど奇跡の領域でしょう」
「まぁ、そうだな。スピライトが消せたことで計画が一歩進んだと考えよう。そしてハンス、いまだに気づかれてはいないな」
「ええ。皇宮に忍ばせている奴らの話ですと、公爵様に罪を擦り付けようとした存在がいたそうですが、すでに処理は完了しているそうです。今のところは問題ありません」
「ずいぶんとお粗末なものだ。心当たりはあるがな」
公爵様と呼ばれた男、アイザックは、不敵な笑みを浮かべている。
自分でも、様々な方面で恨みを買っている自覚はある。だからといって、恨みを買わないようにしようというつもりはない。
誰にも嫌われないように生活するなど、それこそ不可能に近い。自分の計画を邪魔に思う存在が出てくるのは当たり前のことだ。だが、そいつらも所詮は小物。
そもそも公爵家に逆らおうなんて心の底から考えているものは少ない。実質口だけだ。
皇帝にお情けをもらいたいからそう言っているに過ぎない者だって多い。
そんな奴らには、金や権力をちらつかせれば、融通を利かせてくるものだ。こちらの味方になれとまでは言わないが、敵対するのならば排除する。それだけだった。
「それにしても、いくら公爵様が手を回したとはいえ、スピライトがあんなことをするとは」
「奴らも後がなかっただけのことだ。うまくいかないようであれば他の手を使ったが、侯爵が乗せやすい性格なのが災いしたな」
ルメリナは元からあんな性格だったのではない。むしろ、以前は精神魔法を使うという点を除けば、どこにでもいるようなありふれた令嬢だった。
それがあのように歪んだのは、父親である侯爵の影響である。言ってしまうと、自分たちは皇族すらも簡単には手出しできない存在なのだから、何をしても許される。
そのまま言ったわけではないが、そのようなことを娘に自慢のように聞かせていたのが原因だ。
それで性格が歪むようになった。
「あそこまでうまく行くと、罠のような気がしてなりませんでしたが」
「無論、それも警戒していた。だからこそ、裏で私が糸を引いていると気づかれないように何重にも糸を張っておいたんだ。必要なかったかもしれないがな」
侯爵にそのような思想を植えつけておいたのは、何を隠そう、アイザックである。
アイザックは、最初からスピライトと皇室の関係を知っていたわけではない。
スピライトの力に目をつけ、侯爵が酒好きでありながら酒に弱いことを利用し、酒で弱らせたところを言葉巧みに誘導してこちら側に引き込む予定だった。
もちろん、簡単にうまくいくはずもないだろうから、味方になり得るか確かめるくらいの気持ちでいた。
だが、想定外のことが起こった。
酒を飲むと口が軽くなってしまうらしく、契約のことをペラペラと話し出したのだ。
そこでそれを利用することにした。もちろん、直接公爵が言おうものなら足がつく。だからと言って、噂を広めたりしても、まったく見聞きもしていない存在に広めさせたりなどしたら、なんでそんなことを知っていたんだという話になってしまう。
そのために、公爵が考えたのは、今度は大勢がいる場所で話させることだった。
それも、自分の派閥の者たちの前で。
別に派閥の者だけでパーティーを開いたりするのは、他の公爵家たちもやっていることだし、そのこと自体には疑問を持たれたりはしないだろう。
定期的に親睦を深めるとして開いているものでもあるからだ。
ここまで予防していても、気づかれる可能性はある。そもそも、侯爵が飲まないという可能性だってあるし、皇族側のスパイが紛れ込んでいる可能性だってある。
そのため、他に予防線を張っていたが、使うことはなかった。
給仕として使っていた使用人の一言二言でその気になってしまうくらいに単純な男だったからだ。
使用人を使うのは、あくまでも保険くらいでしかなかった。貴族は、噂の半分以上は使用人から仕入れると言っても過言ではないほど、使用人たちは噂好きだ。
だからこそ、使用人が知っていたとしてもおかしくはない、くらいの感覚であった。いざとなれば、自分は指示していないで簡単に切り捨てることも可能だ。
たとえ皇族側の人間が屋敷に紛れ込んで、そのようなことを聞いていたとしても、物的証拠がなければ、公爵をどうこうするのは難しい。
というか、おそらくレイドリア公爵が生かされているのは、あくまでも企てただけで実行に移していないのと、その反逆がそこまで影響を及ぼさないようなかわいらしいレベルであったこと、そして、平民からの指示が一番高いからだ。
自分たちを下手な理由で処罰してしまうと、平民たちが反発する。いくら皇族が優秀な魔法使いであるからと言って、大帝国のアベリナらしく、平民の人数はかなり多い。一万人は軽く越えるほどだ。
貴族が私生児などを含めてもおよそ千人ほどと言われているのだから、かなり多いのがわかる。
元々貴族よりも平民のほうが数が多いし、子どもは労働力になるため、貴族よりも平民のほうが子どもを多く産むことが多かったためである。
よほどでなければ人に関心を抱くことなどない、俗に言うめんどくさがりなところがある奴らが、平民の反逆を招くような行いはそうそう行わない。
「学習能力がない奴は多い。侯爵はその一人だっただけだ」
「では、父上はお爺様の二の舞は踏まないと?」
「父上は慎重だもんね~」
そう言いながら扉を開けて入ってきたのは、アイザックの息子であるラインハルトと娘のレティシア。
「なんだ?お前らは今は家庭教師と勉強している時間だろう」
「父上に用があったのですが、気になる会話をしていたので。聞き耳をたててしまいました」
「兄上、隠れる気なかったくせに~」
レティシアがラインハルトをからかうようにつんつんと指で突いている。
そんなレティシアにラインハルトは慈愛の視線を向ける。
「じゃあ、レティシアは戻って勉強していなさい。僕は父上と話があるから」
「ぶー。いっつもレティを仲間はずれにするんだから!」
そうは言いながらも、素直に部屋を出ていく。
先ほどまで慈愛の目を向けていたラインハルトの目は、視界からレティシアが消えたとたんに冷めた。
「後で機嫌をとってやらねばなりませんね」
「それは言葉通り、後にしろ。何の用だ?」
「僕の精霊に聞いたのですが、フィレンティア皇女殿下が大精霊石を手に入れたそうです」
「ほう……そうなると、計画を根本的に見直す必要があるな」
大精霊石は、模倣品がお守り代わりとして平民の間で売られていることもあるほどお守りとして右に出るものはないとされている。
それを所有しているのであれば、今の段階で企てている計画は役にたたないと見ていい。
今回の計画はお遊びでは片づけられないものだ。慎重すぎるくらいがちょうどいい。
「では、しばらく様子見に?」
「そうだな。目の前に垂らされる餌に食いつくのは能無しのすることだ。餌が目の前にぶら下がるのを待つのではなく、餌がこちらに放り投げられるのを待つべきだろう。焦りは禁物だ。別に、計画が完了してからの期間が一年も残っていれば時間は充分だ。最悪十年かかっても構わん」
「では、ちょうど妹がフィレンティア皇女と同い年ですし、接触させてみます?妹は賢くはありませんが、口が堅いですしやるときはやりますし」
「いや、それは危険だ。あの警戒心の強い皇族が我々の接触を警戒していないわけがない。徹底的に我々の派閥の者と第三皇女が接触しない状態。最低でも、一人きりにはさせないだろう。第四皇女は知らないが、他の皇族は無駄に勘のいい奴らだ。下手に探ろうとして、こちらが探られては敵わんだろう」
アベリナ皇族は平気でそういうことをしてくる。当主だけを処罰しているのも、家族が関わっている証拠がどこにもないからだ。
それは当然である。なぜなら、その子どもは家門の危機となれば、実の親であろうと簡単に売る。アイザックもそうしてきた。
たとえ自分が処分されたとしても、後継がいるのだから問題はない。
自分の保身には走らない。そのように教育されてきたからだ。
「フィレンティア皇女は人形姫などと呼ばれていたそうだが、私からすれば皇族はほとんどが人形だ。感情もほとんど表に出さない。自分の意思を見せることもほとんどない。そのくせ、絶対に下まで引きずり下ろすことは叶わない」
「そうですね~。フィレンティア皇女は、他の皇族とは毛色が少し違うようですが……その分、周りが過保護ですからね。周りから狙うのがいいでしょう」
「だが、それこそ無謀というものだ。いきなり奴らの心臓や頭脳は狙えん。だからこそ、手足をもぎ取るところから始めなければならない」
「無論、承知しております。では、しばらくはお互いに人当たりのいいご子息と公爵を演じているとしましょう」
「そうだな。まだ機会はある」
「では、勉強に戻りますので、失礼いたします」
最後まで笑みを絶やすことなく、ラインハルトは出ていった。
パタンとドアが閉まる音が、静かな部屋に響いていた。
もちろん、誤字脱字、単語の意味を間違えていたり、文法的におかしなところがあれば、そこは遠慮なくご指摘くださってかまいません。
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大きさのわりには、見た目は質素な屋敷。その一室で、一人の男が椅子に腰かけている。
この屋敷で主のように居座っていなければ、誰もこの男が高貴な存在だとは思うまい。それくらいに、容姿は平民にもありふれたものであり、貴族特有のオーラのようなものも感じられなかった。
「やはり、アベリナ皇族。簡単にはいかないか」
呟きのようにもとれるが、それは目の前にいる男に話しかける言葉だった。
男は、丁寧な言葉遣いで言葉を返す。
「ですが、スピライトは消せました。一度に多くの目的を同時に達成するなど奇跡の領域でしょう」
「まぁ、そうだな。スピライトが消せたことで計画が一歩進んだと考えよう。そしてハンス、いまだに気づかれてはいないな」
「ええ。皇宮に忍ばせている奴らの話ですと、公爵様に罪を擦り付けようとした存在がいたそうですが、すでに処理は完了しているそうです。今のところは問題ありません」
「ずいぶんとお粗末なものだ。心当たりはあるがな」
公爵様と呼ばれた男、アイザックは、不敵な笑みを浮かべている。
自分でも、様々な方面で恨みを買っている自覚はある。だからといって、恨みを買わないようにしようというつもりはない。
誰にも嫌われないように生活するなど、それこそ不可能に近い。自分の計画を邪魔に思う存在が出てくるのは当たり前のことだ。だが、そいつらも所詮は小物。
そもそも公爵家に逆らおうなんて心の底から考えているものは少ない。実質口だけだ。
皇帝にお情けをもらいたいからそう言っているに過ぎない者だって多い。
そんな奴らには、金や権力をちらつかせれば、融通を利かせてくるものだ。こちらの味方になれとまでは言わないが、敵対するのならば排除する。それだけだった。
「それにしても、いくら公爵様が手を回したとはいえ、スピライトがあんなことをするとは」
「奴らも後がなかっただけのことだ。うまくいかないようであれば他の手を使ったが、侯爵が乗せやすい性格なのが災いしたな」
ルメリナは元からあんな性格だったのではない。むしろ、以前は精神魔法を使うという点を除けば、どこにでもいるようなありふれた令嬢だった。
それがあのように歪んだのは、父親である侯爵の影響である。言ってしまうと、自分たちは皇族すらも簡単には手出しできない存在なのだから、何をしても許される。
そのまま言ったわけではないが、そのようなことを娘に自慢のように聞かせていたのが原因だ。
それで性格が歪むようになった。
「あそこまでうまく行くと、罠のような気がしてなりませんでしたが」
「無論、それも警戒していた。だからこそ、裏で私が糸を引いていると気づかれないように何重にも糸を張っておいたんだ。必要なかったかもしれないがな」
侯爵にそのような思想を植えつけておいたのは、何を隠そう、アイザックである。
アイザックは、最初からスピライトと皇室の関係を知っていたわけではない。
スピライトの力に目をつけ、侯爵が酒好きでありながら酒に弱いことを利用し、酒で弱らせたところを言葉巧みに誘導してこちら側に引き込む予定だった。
もちろん、簡単にうまくいくはずもないだろうから、味方になり得るか確かめるくらいの気持ちでいた。
だが、想定外のことが起こった。
酒を飲むと口が軽くなってしまうらしく、契約のことをペラペラと話し出したのだ。
そこでそれを利用することにした。もちろん、直接公爵が言おうものなら足がつく。だからと言って、噂を広めたりしても、まったく見聞きもしていない存在に広めさせたりなどしたら、なんでそんなことを知っていたんだという話になってしまう。
そのために、公爵が考えたのは、今度は大勢がいる場所で話させることだった。
それも、自分の派閥の者たちの前で。
別に派閥の者だけでパーティーを開いたりするのは、他の公爵家たちもやっていることだし、そのこと自体には疑問を持たれたりはしないだろう。
定期的に親睦を深めるとして開いているものでもあるからだ。
ここまで予防していても、気づかれる可能性はある。そもそも、侯爵が飲まないという可能性だってあるし、皇族側のスパイが紛れ込んでいる可能性だってある。
そのため、他に予防線を張っていたが、使うことはなかった。
給仕として使っていた使用人の一言二言でその気になってしまうくらいに単純な男だったからだ。
使用人を使うのは、あくまでも保険くらいでしかなかった。貴族は、噂の半分以上は使用人から仕入れると言っても過言ではないほど、使用人たちは噂好きだ。
だからこそ、使用人が知っていたとしてもおかしくはない、くらいの感覚であった。いざとなれば、自分は指示していないで簡単に切り捨てることも可能だ。
たとえ皇族側の人間が屋敷に紛れ込んで、そのようなことを聞いていたとしても、物的証拠がなければ、公爵をどうこうするのは難しい。
というか、おそらくレイドリア公爵が生かされているのは、あくまでも企てただけで実行に移していないのと、その反逆がそこまで影響を及ぼさないようなかわいらしいレベルであったこと、そして、平民からの指示が一番高いからだ。
自分たちを下手な理由で処罰してしまうと、平民たちが反発する。いくら皇族が優秀な魔法使いであるからと言って、大帝国のアベリナらしく、平民の人数はかなり多い。一万人は軽く越えるほどだ。
貴族が私生児などを含めてもおよそ千人ほどと言われているのだから、かなり多いのがわかる。
元々貴族よりも平民のほうが数が多いし、子どもは労働力になるため、貴族よりも平民のほうが子どもを多く産むことが多かったためである。
よほどでなければ人に関心を抱くことなどない、俗に言うめんどくさがりなところがある奴らが、平民の反逆を招くような行いはそうそう行わない。
「学習能力がない奴は多い。侯爵はその一人だっただけだ」
「では、父上はお爺様の二の舞は踏まないと?」
「父上は慎重だもんね~」
そう言いながら扉を開けて入ってきたのは、アイザックの息子であるラインハルトと娘のレティシア。
「なんだ?お前らは今は家庭教師と勉強している時間だろう」
「父上に用があったのですが、気になる会話をしていたので。聞き耳をたててしまいました」
「兄上、隠れる気なかったくせに~」
レティシアがラインハルトをからかうようにつんつんと指で突いている。
そんなレティシアにラインハルトは慈愛の視線を向ける。
「じゃあ、レティシアは戻って勉強していなさい。僕は父上と話があるから」
「ぶー。いっつもレティを仲間はずれにするんだから!」
そうは言いながらも、素直に部屋を出ていく。
先ほどまで慈愛の目を向けていたラインハルトの目は、視界からレティシアが消えたとたんに冷めた。
「後で機嫌をとってやらねばなりませんね」
「それは言葉通り、後にしろ。何の用だ?」
「僕の精霊に聞いたのですが、フィレンティア皇女殿下が大精霊石を手に入れたそうです」
「ほう……そうなると、計画を根本的に見直す必要があるな」
大精霊石は、模倣品がお守り代わりとして平民の間で売られていることもあるほどお守りとして右に出るものはないとされている。
それを所有しているのであれば、今の段階で企てている計画は役にたたないと見ていい。
今回の計画はお遊びでは片づけられないものだ。慎重すぎるくらいがちょうどいい。
「では、しばらく様子見に?」
「そうだな。目の前に垂らされる餌に食いつくのは能無しのすることだ。餌が目の前にぶら下がるのを待つのではなく、餌がこちらに放り投げられるのを待つべきだろう。焦りは禁物だ。別に、計画が完了してからの期間が一年も残っていれば時間は充分だ。最悪十年かかっても構わん」
「では、ちょうど妹がフィレンティア皇女と同い年ですし、接触させてみます?妹は賢くはありませんが、口が堅いですしやるときはやりますし」
「いや、それは危険だ。あの警戒心の強い皇族が我々の接触を警戒していないわけがない。徹底的に我々の派閥の者と第三皇女が接触しない状態。最低でも、一人きりにはさせないだろう。第四皇女は知らないが、他の皇族は無駄に勘のいい奴らだ。下手に探ろうとして、こちらが探られては敵わんだろう」
アベリナ皇族は平気でそういうことをしてくる。当主だけを処罰しているのも、家族が関わっている証拠がどこにもないからだ。
それは当然である。なぜなら、その子どもは家門の危機となれば、実の親であろうと簡単に売る。アイザックもそうしてきた。
たとえ自分が処分されたとしても、後継がいるのだから問題はない。
自分の保身には走らない。そのように教育されてきたからだ。
「フィレンティア皇女は人形姫などと呼ばれていたそうだが、私からすれば皇族はほとんどが人形だ。感情もほとんど表に出さない。自分の意思を見せることもほとんどない。そのくせ、絶対に下まで引きずり下ろすことは叶わない」
「そうですね~。フィレンティア皇女は、他の皇族とは毛色が少し違うようですが……その分、周りが過保護ですからね。周りから狙うのがいいでしょう」
「だが、それこそ無謀というものだ。いきなり奴らの心臓や頭脳は狙えん。だからこそ、手足をもぎ取るところから始めなければならない」
「無論、承知しております。では、しばらくはお互いに人当たりのいいご子息と公爵を演じているとしましょう」
「そうだな。まだ機会はある」
「では、勉強に戻りますので、失礼いたします」
最後まで笑みを絶やすことなく、ラインハルトは出ていった。
パタンとドアが閉まる音が、静かな部屋に響いていた。
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