悪役令嬢?それがどうした!~好き勝手生きて何が悪い~

りーさん

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公爵令嬢?それがどうした!

第24話 救出作戦 1

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「お嬢様、終わりましたよ」

 部屋でゴロゴロしていた私に、レイはドアを開けて入り、そう言ってきた。

 だからよ、ノックしろよお前。

「何でノックしないの?」
「いる事は分かってるし。どうせだらけているだけだろうしな」

 否定はできんが……普通はたずねるだろ!お前も最初はちゃんとやってたんだろうが!生意気じゃなくなってきたと思ったら、再発してきたな……

 やっぱり、一旦分からせて……まぁ、良いや。ブラックエリーちゃんは後にしよう。

「で、どうだったの?」
「妹が捕まってるせいで分家に脅されてるみたいだぞ」

 そこはゲーム通りなのね。

「分家のどこに?」
「ある倉庫だ。外側からしか開けられないようになっている」

 そこだったんだ。カルディアのルートは、ハッピーエンドで妹を救出したという事しかないからな。どこでどんな状態だったかなんて描かれていない。

「入れるの?」
「出来なくはない。助けたいのか?」
「うん。その子もここに来れば良いの」
「お嬢様が旦那様におねだりすれば出来るだろ」
「じゃあ、エリーちゃんの番って訳ね。任せておきなさい」

 そう言うと、鼻で笑われたので、軽く電撃をお見舞いしておいた。

 そのままパパさんのところに向かう。

「おとーさん!」
「エリー、どうしたんだ?」
「カルディアの事なんだけどね、ちょっと気になったから、レイに調べて貰ったの」

 レイに頼んだという事を素直に話します。

 パパさんはレイが刺客だと言う事を知ってるし、私のたてた妹ちゃん救出作戦。これはパパさんの協力無しでは出来ないのでね。

「でね、その子も……」
「分かった。妹も連れてこようか」
「ありがとう、お父さん!」

 そのまま勢いでほっぺにキスをする。

 お礼だぞパパさん。これでやる気出してくれるだろう。

 さーてさて、そろそろ計画も大詰めになります。パパさんは、分家に行きました。私はカルディア達・・・・・・の見張りです。私の予想ですが、使用人にもまだ裏切り者がいると思われるので、その人の監視もあります。

 元刺客の三人は、救出作戦に強制的に参加させたので屋敷にはいません。いるのは、レイだけですね。

 あっと。何で私が使用人に裏切り者がいると思っているのかですが、ゲームで、分家の情報を得るスピードが速いんですよ。カルディアも手紙を書いてはいるんですが、それでも速すぎるんです。それは、他にも内通者がいるという証明に他なりません。

 でも、それが誰かまでは分からないんですよ。ゲームでは一切出てこなかった描写なんで。サクサク感を出すために、情報がすぐに入手出来るって感じにしたんだろうしね。でも、現実だと、あり得ない話。それをカバーする存在がいるはずだ。

 一番怪しいのは、カルディアにくっついているメイド。ここに送られているのは、監視の意味合いもあるだろうから、一番近い存在が最も疑わしい。どっちにしろ、カルディアのところに行けば分かるでしょう。

 レイを引き連れて、カルディアの部屋に向かう。

「カルディア、今入っても良い?」

 返事も聞かないで入る。拒否権など無いのだよ。

「……何の用ですか?」

 勝手に入ってきた事に怒りもしない。まぁ、多分、まだ私がワガママ放題なエリカだとでも思っているんだろうしね。エリカに嫌われては、元も子もない。下手すれば、生き残る事さえ困難になるからだ。

 それに、近くにはリジアがいる。私が怪しいと思っている使用人だ。もし監視されているのなら、下手な行動をとる事は出来ない。

「ちょっとお話しようと思って」

 嘘ではない。話があるのは本当だから。さて、レイがいられるのは困るな。

 チラッと目配せする。

「お嬢様。私は外にいますので、何かご用があればお呼びください」
「うん」

 さすがはレイだ。目配せしただけで分かるとは。

「ねぇ、カルディア。ここには慣れた?」
「はい。使用人の方達も良くしてくれますから」

 ニコッと笑いながらそう言ってきた。腹芸が上手いのはゲームのまんまだな。

「それなら良かった。エリーはあまり会いに来れなかったから……」

 来れなかったではなく、来なかったの方が正しいけどね。まぁ、妹ちゃん救出作戦を練っていて会う見張る余裕が無かったのは事実。

「それでさ、誰と仲が良いの?使用人なんてたくさんいるじゃない」
「リジアさんです」

 即答だったな。それに、もう使用人の名前を把握している。まぁ、その事自体は別におかしくない。カルディアがここに来てから数日は経過しているし。

 だが、その顔が一瞬曇った事を私は見逃さなかったぞ。

 何で顔を曇らせるのか。それは、本当に仲が良い訳ではないという事だろう。

 でも、確証にはまだ証拠が足りないな。

 ……尋問?さすがに、同世代の子に過激な事はしませんよ。私は、そこまでサイコパスじゃありませんので!

 さて、このまま時間稼ぎでもしていましょうかと思っていたら、リジアが出ていこうとしている。

 おいおい、逃がさねぇぞ?

「リジア、何か飲み物持ってきて」

 外にはレイもいるのでな。仕事を放棄は出来んだろう。

「……かしこまりました」

 やはり、素直に引き受けてくれましたか。

 リジアが出ていったので、私も立ち上がる。

「どこに?」
「飽きちゃったから、部屋に帰るの。悪い?」

 わざとワガママ放題なエリカを演じてみる。最初は自分の事を心配してる風だったのに、こうされたらどうなるのか見てみたい。それに、こっちの方が効果的かもしれないんでね。

「いえ……どうぞ」

 少し戸惑っている様子だった。まぁ、普通の反応かな。

 レイを連れて自分の部屋に戻る。

「レイはどう思う?」

 扉の外で聞いていた事を前提にたずねる。

「あのメイドは黒だと思うぞ」
「じゃあ、どうしようか。さすがに証拠的なものがないと、クビには出来ないよ?」

 いくらエリカに甘々なパパさんでも、証拠が無ければ処分するのは不可能だ。

「向こうに出して貰えば良いだろ」
「じゃあ、ワガママ放題なエリカかエリーちゃんのどっちで行くべきかな?」
「素ではいかないのか?」
「こんな私は警戒されるでしょ?純粋無垢な子供を演じるのが良いのよ」

 私の精神年齢は高校生なのでね。見た目は10歳のお子様なのだから、そんな風に接すると警戒される。私も、そんな子供は不審に思うしね。

「純粋無垢……ね」

 鼻で笑いやがったなこの野郎!!

「電撃かサンドバッグかお父さんからの説教どれか選ばせてあげる」
「どれも選ばないという選択肢は無いんですか?」

 ある訳ないだろうが。

「別に今すぐ答えなくても良いよ。後にするから」
「やるのは決定なのかよ」
「これが片づくまでに決めておいてね。選ばないなら全部になるから」
「俺を殺す気か!?」

 まぁ、冗談だけど。結構こうやって会話するのが楽しいんだよね。特にレイの反応が。

 そろそろパパさんを説得して魔道具を外してあげるのも良いかなって思ってたけど……もう少し先にしておくとするかな。
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