悪役令嬢?それがどうした!~好き勝手生きて何が悪い~

りーさん

文字の大きさ
28 / 53
公爵令嬢?それがどうした!

第28話 刺客達の思い

しおりを挟む
 完璧に忘れてたー!!

 ゲームでも、月に一度お茶会という描写があったのに!いや、忘れてたというか、思い出したくなかったのかもしれない。だって、めんどくさいもん。

 私は家で一日中ゴロゴロしていたいの!美味しいご飯食べて、きれいな服を着て、好きなように過ごしたい!その土台を作るために、食の改革や衣の改革をしたんだから!

 前世では苦労したんだから、今は己の欲望のまま生きても良いじゃない!

 ……まぁ、それが許されないから、パパさんに念押しされたんだろうけど……

 軽めの外出着を着たのは正解だった。お茶会なら、これくらいフラットの方が良い。

「婚約者としての交流の場だから、今回は断れないぞ」
「はーい……」

 パパさんもだいぶ私の事が分かってきたみたい。多分、言わなかったら、覚えていようがいまいが、ボイコットする事が分かってたんだろう。

 ……仕方ない。護衛兼使用人として、ケーナとシズハを連れて行くとしますか。

 まだ時間はあるし、ギリギリまでゴロゴロしてよう。それくらいは許してくれるでしょ。

 さーて、部屋でゆっくりしてよう。

 ……えっ?ちゃんと行けって?サボらないよさすがに。ここまで言われてサボったら、良心が咎めるし、家に迷惑をかけたくはないし。でもさ、一言だけ言わせて。

 しばらく現実逃避をさせてくれ頼むから!交流自体はちゃんとやるから!やるから!

 あぁ、心の中で泣いている気がする。さっきシシーリアちゃんのオアシスで回復したばかりなのに……

 部屋に戻り、無気力になってベッドに倒れ込む。

「どうした?」

 レイが近くにいたみたいで、声をかけてきた。まぁ、こんな脱力していて、沈んでいるなんて私らしくないから、気になっても仕方ないか。

「現実逃避してるだけ。気にしないで」
「……とりあえず、交流に行きたくないのは伝わった」

 誰が行きたいもんか!断れるならずっと断り続けてるわ!

 ストレスがマッハで溜まっていく。何か、発散出来るのはないかな~……あっ、そういえば、あの時の答え・・・・・・を聞いてないぞ。それで良いか。

「ねぇ、レイ。答えは?」
「……は?」

 何を言ってるんだという目で見てくる。あぁ、これだけじゃ伝わらないか。

「あの時言ったじゃん。電撃かサンドバッグかお父さんからの説教か考えておいてって」
「あれまだ継続してたのかよ!」

 その反応からして、覚えていたみたい。
 君が覚えているんだよ?私も忘れている訳がないじゃないか。

「ほら、どれか選んで?」
「どれも嫌に決まってるだろ」
「え~……じゃあ、全部しか方法が……」
「俺の話聞いてたか!?全部嫌だって言ってるだろうが!」
「選ばなかったら全部になるって言ったでしょ?」

 まぁ、本気で全部やるつもりはない。お父さんの説教を選んでたら、何もしないつもりだったけどね。だって、私が言わなければ良いだけの話だから。

 だって、あんな事言った理由は、レイの反応が面白いからだし。

「そもそも、レイが生意気なせいでしょ?」
「じゃあ、敬語を使って敬えば良いのか?」

 レイが敬語を使って敬う……?そんなレイを想像してみる。

 うえっ……気持ち悪い。想像したら、吐き気がしてきた。

「それはそれで嫌だなぁ」
「じゃあどうしろって言うんだ!」
「私の悪口言わなければ良いだけでしょ?私の機嫌を取っていれば良いんだよ」

 簡単な話です。せめて、ケーナみたいに接してくれれば良いのに。使用人としては、口調が良くないかもしれないけど、私はあんな感じが心地良いので。

「俺はそんな事したくないんだが」
「使用人のみんなの前ではやってるくせに?」
「あれはお前がああやって振る舞えって言ったからだろ!」

 あぁ……確かに、そう言ったのは私だ。それは認める。だって、そうしないとパパさんが難癖つけるからね。しょうがないでしょ。うんうん、それは認めるよ。だがな?お前呼びは見過ごせないなぁ?

「……電撃で良いね」
「おい!何でそうなる──うっ!」

 軽く電撃をお見舞いして、少しスッキリしたところで、時間が来てしまったので、部屋を出た。

 そんな訳で、馬車に揺られています。中には、ケーナとシズハも相乗り中です。

「で?旦那様に先手打たれたって事?お嬢様が後手に回るなんて珍しいねぇ~」
「仮病、は……良くない……ですよ?」

 この二人も良く私の性格が分かってるじゃないか。つきあい始めてから、そんなに時間は経ってないと思うんだけど……だいたい、一週間くらいだよね?もうちょっと長いかもしれないけど……

 ふわぁ……眠くなってきたな……寝ようかな。

「シズハ、膝枕して……」

 返事も聞かないで、寝転がる。シズハは嫌がる素振りもせずに、むしろぎこちなく頭を撫でてくれる。

 前世でも、姉がいたらこんな感じだったのかな……?ケーナは姉貴って感じだけど、シズハは物静かなお姉さんって感じ。

 あぁ……いろいろ考えたら、本格的に眠くなってきた……おやすみなさい……

ーーーーーーーーーーーーーー

 エリカが完全に眠ってしまった。起こさないように、シズハは体を動かさないようにする。

「寝顔は可愛いんだけどなぁ~。時々おっかなくなるよね、うちのお嬢様は」
「分家、に……乗り込もうと……した時、怖かった……」

 あの時、二人がエリカを必死な形相で止めたのは、今にも分家の者達を皆殺しにしそうな勢いだったからだ。

「でも、そんなところが可愛いんだけどね」
「……うん。レイさんには……容赦ない、けど……」
「見てて面白いから良いでしょ!」
「アルトさん……みたいな、事……言ってる、けど……」
「アレと同じにしないでくれ。私はあそこまでドSじゃないよ」

 心底嫌そうな顔をして、シズハの言葉を否定する。

 一方、屋敷の一角では、アルトが一回くしゃみをしていた。

「風邪か?アルト」
「いや、そうじゃないと思いますけど……誰か噂してるのかなぁ~……」
「ケーナさんじゃないですか?あんなドSの変態と一緒にするな!って良く言ってますし……」
「ふーん……」

(帰ったら覚えとけよ)

 その時、なぜかケーナは寒気を感じた。
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

【完結】ヒロインに転生しましたが、モブのイケオジが好きなので、悪役令嬢の婚約破棄を回避させたつもりが、やっぱり婚約破棄されている。

樹結理(きゆり)
恋愛
「アイリーン、貴女との婚約は破棄させてもらう」 大勢が集まるパーティの場で、この国の第一王子セルディ殿下がそう宣言した。 はぁぁあ!? なんでどうしてそうなった!! 私の必死の努力を返してー!! 乙女ゲーム『ラベルシアの乙女』の世界に転生してしまった日本人のアラサー女子。 気付けば物語が始まる学園への入学式の日。 私ってヒロインなの!?攻略対象のイケメンたちに囲まれる日々。でも!私が好きなのは攻略対象たちじゃないのよー!! 私が好きなのは攻略対象でもなんでもない、物語にたった二回しか出てこないイケオジ! 所謂モブと言っても過言ではないほど、関わることが少ないイケオジ。 でもでも!せっかくこの世界に転生出来たのなら何度も見たイケメンたちよりも、レアなイケオジを!! 攻略対象たちや悪役令嬢と友好的な関係を築きつつ、悪役令嬢の婚約破棄を回避しつつ、イケオジを狙う十六歳、侯爵令嬢! 必死に悪役令嬢の婚約破棄イベントを回避してきたつもりが、なんでどうしてそうなった!! やっぱり婚約破棄されてるじゃないのー!! 必死に努力したのは無駄足だったのか!?ヒロインは一体誰と結ばれるのか……。 ※この物語は作者の世界観から成り立っております。正式な貴族社会をお望みの方はご遠慮ください。 ※この作品は小説家になろう、カクヨムで完結済み。

転生した世界のイケメンが怖い

祐月
恋愛
わたしの通う学院では、近頃毎日のように喜劇が繰り広げられている。 第二皇子殿下を含む学院で人気の美形子息達がこぞって一人の子爵令嬢に愛を囁き、殿下の婚約者の公爵令嬢が諌めては返り討ちにあうという、わたしにはどこかで見覚えのある光景だ。 わたし以外の皆が口を揃えて言う。彼らはものすごい美形だと。 でもわたしは彼らが怖い。 わたしの目には彼らは同じ人間には見えない。 彼らはどこからどう見ても、女児向けアニメキャラクターショーの着ぐるみだった。 2024/10/06 IF追加 小説を読もう!にも掲載しています。

だってお義姉様が

砂月ちゃん
恋愛
『だってお義姉様が…… 』『いつもお屋敷でお義姉様にいじめられているの!』と言って、高位貴族令息達に助けを求めて来た可憐な伯爵令嬢。 ところが正義感あふれる彼らが、その意地悪な義姉に会いに行ってみると…… 他サイトでも掲載中。

所(世界)変われば品(常識)変わる

章槻雅希
恋愛
前世の記憶を持って転生したのは乙女ゲームの悪役令嬢。王太子の婚約者であり、ヒロインが彼のルートでハッピーエンドを迎えれば身の破滅が待っている。修道院送りという名の道中での襲撃暗殺END。 それを避けるために周囲の環境を整え家族と婚約者とその家族という理解者も得ていよいよゲームスタート。 予想通り、ヒロインも転生者だった。しかもお花畑乙女ゲーム脳。でも地頭は悪くなさそう? ならば、ヒロインに現実を突きつけましょう。思い込みを矯正すれば多分有能な女官になれそうですし。 完結まで予約投稿済み。 全21話。

逆ハーレムエンド? 現実を見て下さいませ

朝霞 花純@電子書籍発売中
恋愛
エリザベート・ラガルド公爵令嬢は溜息を吐く。 理由はとある男爵令嬢による逆ハーレム。 逆ハーレムのメンバーは彼女の婚約者のアレックス王太子殿下とその側近一同だ。 エリザベートは男爵令嬢に注意する為に逆ハーレムの元へ向かう。

変な転入生が現れましたので色々ご指摘さしあげたら、悪役令嬢呼ばわりされましたわ

奏音 美都
恋愛
上流階級の貴族子息や令嬢が通うロイヤル学院に、庶民階級からの特待生が転入してきましたの。  スチュワートやロナルド、アリアにジョセフィーンといった名前が並ぶ中……ハルコだなんて、おかしな

痩せすぎ貧乳令嬢の侍女になりましたが、前世の技術で絶世の美女に変身させます

ちゃんゆ
恋愛
男爵家の三女に産まれた私。衝撃的な出来事などもなく、頭を打ったわけでもなく、池で溺れて死にかけたわけでもない。ごくごく自然に前世の記憶があった。 そして前世の私は… ゴットハンドと呼ばれるほどのエステティシャンだった。 とあるお屋敷へ呼ばれて行くと、そこには細い細い風に飛ばされそうなお嬢様がいた。 お嬢様の悩みは…。。。 さぁ、お嬢様。 私のゴッドハンドで世界を変えますよ? ********************** 転生侍女シリーズ第三弾。 『おデブな悪役令嬢の侍女に転生しましたが、前世の技術で絶世の美女に変身させます』 『醜いと蔑まれている令嬢の侍女になりましたが、前世の技術で絶世の美女に変身させます』 の続編です。 続編ですが、これだけでも楽しんでいただけます。 前作も読んでいただけるともっと嬉しいです!

悪役令嬢の心変わり

ナナスケ
恋愛
不慮の事故によって20代で命を落としてしまった雨月 夕は乙女ゲーム[聖女の涙]の悪役令嬢に転生してしまっていた。 7歳の誕生日10日前に前世の記憶を取り戻した夕は悪役令嬢、ダリア・クロウリーとして最悪の結末 処刑エンドを回避すべく手始めに婚約者の第2王子との婚約を破棄。 そして、処刑エンドに繋がりそうなルートを回避すべく奮闘する勘違いラブロマンス! カッコイイ系主人公が男社会と自分に仇なす者たちを斬るっ!

処理中です...