悪役令嬢?それがどうした!~好き勝手生きて何が悪い~

りーさん

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公爵令嬢?それがどうした!

第41話 絶体絶命

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 そこから飛び出してきた存在を私は間一髪で避ける。あと一秒でも反応が遅れたらお陀仏だったな。

「良い反応だったな。大抵の奴らはあれでやられるんだが……」

 そう言って、私の方に振り返る。顔は隠しているので、よく分からない。でも、どこかで見た事があるような気がする。

「私はその大抵の奴らに入らないだけよ」
「そうか。なら……何度でもやるだけだ!」

 【身体強化】で逃げ回る。本当にヤバい。マジで間一髪だから、少しでも遅かったり早すぎると四肢が失くなる。

 おじいちゃん、ありがとう。あの殺す気満々のトラップによる鬼畜訓練に今は感謝するわ。おかげで何とか動きや気配を感じられる。

 みんなは今寝ているだろうか。なら、そこには行ってはダメだ。完全に巻き添えになってしまう。うまいこと、外に誘導できればなんとかなるんだけど……あいつから目を離したらそれは死を意味する。

 絶対に見失わないようにしなくっちゃ!

 それに、完全な予想だけど、あいつは魔法を使える。そうでもなかったら、電光石火みたいに動ける訳がない。

 目を離さないようにしつつ、誘導するのは簡単な事ではない。私に出来るのか……?いや、出来るかじゃない!やるんだ!

 本当に電光石火みたいに動いてくるので、私の目の前に出てくる時もある。その時は反射的に後ろに動く。

 なんとか外に出ないと本当にまずい。もう壁に傷が残るくらいにはボロボロになっている。下手したら屋敷が崩れるかもしれない。そうなったら、関係のない人が死んでしまう事になるかもしれない。それだけは絶対にあってはならないから。

 そのまま数分くらい逃げ続けて、自分の部屋に戻ってきた。そして、そのまま窓から飛び降りる。これは下手したら骨折だ。そして、骨折したら私は100%死ぬ。いや、殺される。なので、【身体強化】と同時に、回復魔法を体に付与しておく。

 着地した時激痛が走ったけど、なんとか立てる。多分、骨にヒビが入ったな。

「お前、本当に公爵令嬢か?」

 まぁ、普通の公爵令嬢はこんなアクション俳優みたいな事はしないだろうしね。

「公爵の娘だからそうじゃない?」

 余裕そうに返しているけど、結構ギリギリだ。骨にヒビがある分、殺される確率が高まったって事だから。身体強化していなければ、多分骨が折れてただろう。

 回復魔法を体に付与しておく。そしたら、時間が経てば治るだろう。

 外は障害物がほとんどないから、さっきよりも逃げられる。

「もったいないな」

 前からそんな声が聞こえて、後ろに跳び跳ねる。いつの間にか、目の前に移動していたみたい。反応が遅れたら一発貰ってたな。

「何が?」
「このまま殺すのはもったいないんだよ」
「じゃあ、やらなければいいじゃない」
「それは出来ないな・・・・・

 出来ない?殺すのはもったいないと言いながらも、殺さない事は出来ないの?うまいことごまかせばいいのに。

 ……もしかして、レイみたいに紋様があるとか?それなら、命令に逆らえないのも分かる。

 というか、そんな事よりも、もう10回は三途の川を渡りかけた気がする。何度もかすっているせいで、切り傷がたくさん出来る。

 もうちょっとおとなしく出来ないの!?みんなが起きるかもしれないじゃない!

「ちょっと!静かにしてよ。みんなが起きたらどうするの」
「なら、こうするか」

 そう言って、指を鳴らした。結界を張ったな!瞬時にそう感じた。周りの景色は見えない。多分、結界の中でも上位レベルの隔離結界を使われた。

 人は来ないし中は見えないから大丈夫だろってか?私が死ぬ確率があがったわバカ野郎。

 結界内でなんとか逃げ回る。魔法を使ってきた時は、同じくらいの威力で相殺した。

「もう無詠唱が使えるのか」
「8歳から習ってたからね」

 そしてなんとか避け続けるけど、そんな運がずっと続く訳もなく。

 私は壁際に追い込まれた。すぐ後ろは私の身長の三倍はあるであろう高さの壁。目の前には暗殺者。

 本当にどうしよう?どうやったら勝てる?どうやったらこのピンチを切り抜けられる?

 足はめちゃくちゃ痛い。今にも悲鳴をあげそうだ。回復魔法の回復スピードが間に合っていない。

 本当に絶体絶命って奴だ。タイミングよく抜けるしかないか?でも、電光石火のような速さで移動出来るこいつの隙をつく事なんて出来るの?

「もう終わりか?」

 ……あれをやってみるか。

「いや、まだまだだよ」

 【砂嵐】を発動して、一時的に敵の視界から私の姿を消す。これは、地属性魔法と風魔法の合成魔法。合成魔法はまだ習ったばかりだから、まだうまく発動は出来ない。でも、一瞬でも相手の視界から外れれば良い。私の動きが一瞬でも分からなくなれば。

 私は【隠蔽】で姿を隠し、足の痛みはすべて忘れ、【身体強化】で壁の上に乗る。そして自分の周りに結界を張って、暗殺者の後ろに着地するように飛び降りた。

 多分、足音で気づかれる。後ろは振り返らない。魔力の消費がもったいないので、【隠蔽】は解除した。

「なかなかやるじゃないか」

 私の後を追ってくる。

 でも、本当にまずい。【身体強化】で大人と同じくらいのスピードで走れるけど、さすがに体力がなくなってきた。なんとか風魔法も駆使して逃げている。でも、もう私の精神力で動いていた。走る事をやめてしまえば、歩く事すら出来なさそうだ。

 だから、走り続けないと。

 本当にハードゲームだ。避けゲーのハードモードみたい。不定期に投げナイフも飛んでくる。魔法も撃ってくる。前にも移動してくる。

 気をつけていたつもりだった。でも、本当に体力も尽きていたせいで、足がうまくあがらずに転んでしまった。

 擦り傷が出来る。もう一発は貰うな。致命傷はなんとか避けないと……!そういう思いで手の気力だけで少し動いた。でも、いつまで経っても痛みは来ない。それどころか、影もあるように感じる。

 後ろを振り返ると、誰かの腕にナイフが刺さっていた。

「レイ……?」
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