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第一章 森の少女達
第10話 ギルド
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昨日は、突然ルーフェミア様が出ていってしまったから、てっきり怒らせたのかと思ってたけど、帰ってきてすぐに謝られた。
「カオルさん。今日はギルドに行ってみませんか?」
「ギルド……ですか?」
“ギルド”って何だろう?行ってみようと言う事は、建物か何かかな?
「あの、無理にとは言いませんが……」
「いえ、大丈夫です。行きましょうか」
出かけるのは、私とルーフェミア様だけではなく、護衛の一人であるレナード様がついてきてくれた。
“ギルド”は宿の近くにあるみたいで、歩いて数分でついた。
「ここがギルドですわ」
「ムー……」
唸る声が聞こえて、隣を見ると、精霊達が顔をしかめていた。
「どうしたの?」と小さな声で聞くと、「ココイヤ」と返してきた。
「ココ、キタナイノガイッパイ」
「イキタクナイ」
汚いの……?
「どうなさったんですの?」
「精霊達がここは汚いのがいるから入りたくないと言っていて」
「それはおそらくだが、ここが冒険者ギルドだからだろう」
“ボウケンシャ”?外の世界は分からない事が多すぎる。
「ボウケンシャって何ですか?」
「あぁ、そこからか。冒険者というのは、ここで様々な仕事の依頼を受ける者だ。依頼の内容によっては、国を出て行くのも多いから、世界各地を回る者だから、冒険者と呼ばれている」
「旅人って事ですか?」
「いや、少し違う。旅人は、自分の行きたい所に自由に行くが、冒険者は依頼を受けて、目的の物を探すために世界を回る」
つまり、頼まれた事を行うために国を出たりする人達の事を冒険者って言うんだ。
「話を戻すが、冒険者は荒くれ者……つまり、心が汚ない者が多い。だから、精霊は嫌がっているんだろう。精霊はきれいなものを好むと言われているから」
「そうなの?」と聞いてみると、精霊達は何度も頷く。
精霊達が嫌がっているなら、入らない方が良いかな?中がどうなっているかは気になっていたけど。
「私はここに──」
いますと言う前に、精霊達が止めてくる。
「カオルサマ、ハイリタイナラ、ガマンスル」
「ワタシモ!」
「ボクモ!」
えっ?でも……
「ダイジョウブ」
私が心配していたのを気づかれたのか、何も言っていないのに、そう言ってきた。そこまで言うなら、残るのはこの子達の思いを裏切っちゃう事になる。
「カオルさん、先程何か言いかけていませんでしたか?」
「いえ、何でもありません。中に入りましょうか。精霊達もそれで良いと言っているので」
「は、はい……」
私達三人がギルドに入ると、そこには色々な大人がいる。好い人も……悪い人も。
黒いもやがかかっている人が何人か見える。それは、纏わりついているというよりかは、内側から溢れている。溢れているのは、すでに何か悪い事をした人。
何をしたのかな?それが一人二人じゃない。でも、纏わりついている人もいる。何か悪巧みしている人だ。
逆に、白いもやがかかっている人もいる。白いもやは、逆に良い行いをした人。母様いわく、人を傷つけたり、泣かせたりすると黒いもやがかかって、感謝されるような行いをした人に白いもやがかかっているらしい。
「カオルさん、せっかくですので、わたくしと一緒にギルドに登録してみませんか?」
「トウロク……ですか?」
「ここにいる方達と仲間になるということですわ」
「……」
仲間……ここにいる人達と……白いもやの人達はともかく、黒いもやの人達は……
「あの……お嫌でしたか?」
「あっ……いえ、そんな事はありません。登録しましょう」
ダメダメ。人を差別するような事はしてはいけない。もしかしたら、悪い事をしたという自覚が無かったのかもしれない。それなら、きちんとその事を教えれば良いはず。
「あの……何で私と一緒に登録したいんですか?」
「だって、学園に入るにはギルドへの登録が必要ですし……カオルさんは一緒の学園に通うと聞きましたから、どうせなら一緒に登録したいと思いましたの」
「私、学園に通うんですか?」
「お父様から聞いてませんの?」
聞いてない……
「その様子ですと、お聞きしていないようですわね」
「はい……」
歩きながら話している内に、受付の所までついて、そのお姉さんから紙を貰った。
「その話はそこまでにしましょう。それよりも、必要事項を書かないといけませんよ」
字を……書く?
「あの……私、字が書けないんですが……」
「ならば、私が代筆しよう。色々聞くが、構わないか?」
「大丈夫です」
「ではさっそく聞くが、カオルは魔法を使えるか?」
「使えます」
使えると言っても、母様から教わった回復魔法と浄化だけだけど……
「そう言えば、回復魔法を使っていたな。後は、浄化魔法か?」
「そうですね」
「なら、聖属性か」
属性……精霊にあった属性と同じようなものかな?
「カオルサマ、ミズモツカエル」
「カゼモ!アタシタチ、ツカウカラ!」
横から精霊達が口出ししてくる。
「あの……レナード様。精霊達が、水や風魔法が使えると言っているのですが……」
「そうか。では、精霊術士として登録しておこう。使える属性は水と風だけか?」
レナード様からの質問に、「どうなの?」と精霊達にたずねる。
「オレヒノセイレイダカラ、ヒモ!」
「ヒカリモヨ!」
「ヤミモ……」
えっと……火と光と闇ね。
「チモデキルヨ!」
あーっと、地属性も追加か。
「後は火と光と闇と地も使えるみたいです」
「全属性とは多いな。そうやって書いてはおくが、疑われる可能性もあるぞ」
「大丈夫です」
「これで書き終わったからもう大丈夫だ」
「わたくしも終わりましたわ」
お姉さんに紙を渡すと、ある箱を差し出してきた。これは……?
「では、お一人ずつここに手をかざしてください」
言われた通りに、ルーフェミア様が手をかざすと、白く光る。その後に私が手をかざしても、白く光った。
「虚偽は無いようですね。では、証明書を発行しますので、少々お待ちください」
しばらく待っていると、お姉さんが戻ってきて、少し厚い紙を渡してくる。
「これが冒険者ギルドに所属している証です。再発行には銀貨一枚いただきますので、大事に持っていてくださいね」
「はい、分かりました」
カオル、8歳。冒険者になりました。
「カオルさん。今日はギルドに行ってみませんか?」
「ギルド……ですか?」
“ギルド”って何だろう?行ってみようと言う事は、建物か何かかな?
「あの、無理にとは言いませんが……」
「いえ、大丈夫です。行きましょうか」
出かけるのは、私とルーフェミア様だけではなく、護衛の一人であるレナード様がついてきてくれた。
“ギルド”は宿の近くにあるみたいで、歩いて数分でついた。
「ここがギルドですわ」
「ムー……」
唸る声が聞こえて、隣を見ると、精霊達が顔をしかめていた。
「どうしたの?」と小さな声で聞くと、「ココイヤ」と返してきた。
「ココ、キタナイノガイッパイ」
「イキタクナイ」
汚いの……?
「どうなさったんですの?」
「精霊達がここは汚いのがいるから入りたくないと言っていて」
「それはおそらくだが、ここが冒険者ギルドだからだろう」
“ボウケンシャ”?外の世界は分からない事が多すぎる。
「ボウケンシャって何ですか?」
「あぁ、そこからか。冒険者というのは、ここで様々な仕事の依頼を受ける者だ。依頼の内容によっては、国を出て行くのも多いから、世界各地を回る者だから、冒険者と呼ばれている」
「旅人って事ですか?」
「いや、少し違う。旅人は、自分の行きたい所に自由に行くが、冒険者は依頼を受けて、目的の物を探すために世界を回る」
つまり、頼まれた事を行うために国を出たりする人達の事を冒険者って言うんだ。
「話を戻すが、冒険者は荒くれ者……つまり、心が汚ない者が多い。だから、精霊は嫌がっているんだろう。精霊はきれいなものを好むと言われているから」
「そうなの?」と聞いてみると、精霊達は何度も頷く。
精霊達が嫌がっているなら、入らない方が良いかな?中がどうなっているかは気になっていたけど。
「私はここに──」
いますと言う前に、精霊達が止めてくる。
「カオルサマ、ハイリタイナラ、ガマンスル」
「ワタシモ!」
「ボクモ!」
えっ?でも……
「ダイジョウブ」
私が心配していたのを気づかれたのか、何も言っていないのに、そう言ってきた。そこまで言うなら、残るのはこの子達の思いを裏切っちゃう事になる。
「カオルさん、先程何か言いかけていませんでしたか?」
「いえ、何でもありません。中に入りましょうか。精霊達もそれで良いと言っているので」
「は、はい……」
私達三人がギルドに入ると、そこには色々な大人がいる。好い人も……悪い人も。
黒いもやがかかっている人が何人か見える。それは、纏わりついているというよりかは、内側から溢れている。溢れているのは、すでに何か悪い事をした人。
何をしたのかな?それが一人二人じゃない。でも、纏わりついている人もいる。何か悪巧みしている人だ。
逆に、白いもやがかかっている人もいる。白いもやは、逆に良い行いをした人。母様いわく、人を傷つけたり、泣かせたりすると黒いもやがかかって、感謝されるような行いをした人に白いもやがかかっているらしい。
「カオルさん、せっかくですので、わたくしと一緒にギルドに登録してみませんか?」
「トウロク……ですか?」
「ここにいる方達と仲間になるということですわ」
「……」
仲間……ここにいる人達と……白いもやの人達はともかく、黒いもやの人達は……
「あの……お嫌でしたか?」
「あっ……いえ、そんな事はありません。登録しましょう」
ダメダメ。人を差別するような事はしてはいけない。もしかしたら、悪い事をしたという自覚が無かったのかもしれない。それなら、きちんとその事を教えれば良いはず。
「あの……何で私と一緒に登録したいんですか?」
「だって、学園に入るにはギルドへの登録が必要ですし……カオルさんは一緒の学園に通うと聞きましたから、どうせなら一緒に登録したいと思いましたの」
「私、学園に通うんですか?」
「お父様から聞いてませんの?」
聞いてない……
「その様子ですと、お聞きしていないようですわね」
「はい……」
歩きながら話している内に、受付の所までついて、そのお姉さんから紙を貰った。
「その話はそこまでにしましょう。それよりも、必要事項を書かないといけませんよ」
字を……書く?
「あの……私、字が書けないんですが……」
「ならば、私が代筆しよう。色々聞くが、構わないか?」
「大丈夫です」
「ではさっそく聞くが、カオルは魔法を使えるか?」
「使えます」
使えると言っても、母様から教わった回復魔法と浄化だけだけど……
「そう言えば、回復魔法を使っていたな。後は、浄化魔法か?」
「そうですね」
「なら、聖属性か」
属性……精霊にあった属性と同じようなものかな?
「カオルサマ、ミズモツカエル」
「カゼモ!アタシタチ、ツカウカラ!」
横から精霊達が口出ししてくる。
「あの……レナード様。精霊達が、水や風魔法が使えると言っているのですが……」
「そうか。では、精霊術士として登録しておこう。使える属性は水と風だけか?」
レナード様からの質問に、「どうなの?」と精霊達にたずねる。
「オレヒノセイレイダカラ、ヒモ!」
「ヒカリモヨ!」
「ヤミモ……」
えっと……火と光と闇ね。
「チモデキルヨ!」
あーっと、地属性も追加か。
「後は火と光と闇と地も使えるみたいです」
「全属性とは多いな。そうやって書いてはおくが、疑われる可能性もあるぞ」
「大丈夫です」
「これで書き終わったからもう大丈夫だ」
「わたくしも終わりましたわ」
お姉さんに紙を渡すと、ある箱を差し出してきた。これは……?
「では、お一人ずつここに手をかざしてください」
言われた通りに、ルーフェミア様が手をかざすと、白く光る。その後に私が手をかざしても、白く光った。
「虚偽は無いようですね。では、証明書を発行しますので、少々お待ちください」
しばらく待っていると、お姉さんが戻ってきて、少し厚い紙を渡してくる。
「これが冒険者ギルドに所属している証です。再発行には銀貨一枚いただきますので、大事に持っていてくださいね」
「はい、分かりました」
カオル、8歳。冒険者になりました。
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