聖女と邪龍の娘

りーさん

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第一章 森の少女達

第21話 反省と決意

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「う~ん……」

 今度起きたら、しっかりと目を開ける事が出来た。もう人の気配はしない。

「カオルサマ!」
「みんな……」

 ずっと側にいてくれたのかな?もしそうなら、疲れてないかな?瘴気に当てられていたのに。

「みんなは大丈夫?」
「ボクラ、イチニチデナオッタ」

 つ、強いね……私が弱すぎるのかな?力が暴走してなくても、瘴気に当てられたせいで、私なら三日は寝込んでいたと思う。

「クラウドタチニ、イッテクル!」

 水の精霊がどこかに行ってしまった。私が直接行った方が良いんじゃないかと思って、ベッドから出ようとすると、精霊達が止めてくる。ベッドからは出て欲しくないらしい。

「クラウド、クル、マツ!」
「……分かった」

 そういえば、精霊によって喋り方が違う。いや、語尾や自分の呼び方が違うのは当たり前だけど、ただ単語を並べてる子もいれば、ちゃんと文になっている子もいる。

 人間と精霊の言葉は違うって父様は言ってた。でも、みんなは人間の言葉で話してくれている。私は精霊の言葉は少ししか分からないから。

 だから、人間の言葉を覚え出した時期はみんな同じくらいじゃないのかな?なのに、何で話し方に差が出るんだろう?

「カオルサマ、ドウシタ?」
「ううん、何でもない。どうやって知らせるのかなって思って」

 あまり聞かない方が良いかと思ってパッと思いついた疑問を話す。でも、どうやって知らせるのか分からないのは本当。

 ルーフェミア様は姿が見えるだけで、声は聞こえないはずだし、クラウド様達はそもそも見る事も出来ない。今までのクラウド様達の反応からして、見る事よりも、話す事が出来る人の方が珍しいのだろうし。

「テレパシー。ツヨイセイレイハ、テレパシーツカウ。クラウドニ、テレパシーツカッテ、ツタエル」

 テレパシー。そう言えば、リーズの引き継いだ記憶にそんな話があった気がする。精霊は、魔力の感応力が強い人間なら、テレパシーでコミュニケーションがとれるらしい。

 テレパシーは、魔力を言葉を発する時と同じような刺激にして相手に与える事で、言葉を伝える事が出来るという事らしい。それには、魔力を感じとる感応力が高くないといけない。魔力が与えられても、感応力が弱い人は、何か違和感を感じるだけだという。

 クラウド様は、元々その感応力が強いから、精霊達のテレパシーを受け取って理解出来るらしい。

 でも、そのテレパシーは魔力の消費が多いから、魔力の多い強い精霊にしか出来ないそうだ。ルクスとアクアでも出来ないらしい。つまり、あのルクスとアクア以上の輝きを持っている精霊にしか出来ないという事だろう。

 しばらくして、誰かが走ってくる足音が聞こえた。

「カオルさん!」

 一番に入ってきたのはルーフェミア様で、私の所に飛び込んできた。

「もう大丈夫かい?」
「はい。たくさん寝ましたから」
「まだ無理してはダメよ。一週間以上寝てたんだから」
「はい、分かりました」

 無理してはいけないと言われたのに、ルーフェミア様達はどんどん話しかけてくる。リーズが言った通り、寝かせてはくれなさそうだった。ルーフェミア様達にマルミア様や、クラウド様、レナード様は止めている。ルーフェミア様は、話しかけるのは止めてくれたけど、私から離れようとしない。

 これじゃあ、休みたくても休めない。

「ルー。少しは離れなさい」
「嫌ですわ。もう離れたくはありません」

 もしかして、私を一人にしたせいであんな事になったと思っているのかな?

 元はと言えば、私が勝手に一人で外に出た事が原因なのに。誰か一人でも連れていれば、こんな事にはならなかったかもしれない。それに、帰ってこないとはいえ、勝手に行動してしまったのも悪い。あの人達が近くにいるかもしれないという事を考えなかった。

 リーズと私は意識が違っても、同じ体。だから、雰囲気が違うだけで、顔も同じ。リーズの目を見たから邪眼の能力にかかったのに、顔を知らない訳がなかった。顔が同じだったら、私も本人だと思ってしまう。

「ルー。カオルに無理をさせてはいけないよ」
「大丈夫ですよ。私は気にしていませんから」

 迷惑ではないけど、このままだと休めないのは事実。どうにか、ルーフェミア様を少しの間でも離れさせないといけない。

 ……あっ、それなら……

「ルーフェミア様。私に字を教えてくれませんか?」
「字……ですの?」
「買い物に行った時に、本を使って教えてくれると言ってくれたじゃないですか」

 私がそう言って存在を思い出したようで、「そうでしたわね」と返してきた。

「しばらく体を休めないといけませんし、その間は字を教えてくれませんか?」
「もちろんですわ!今から本を取って参りますので、少し待っていてください!」

 さっきまで、あんなに離れようとしなかったのに、すんなりと握っていた手を離して、部屋から出ていった。

「じゃあ、私達も行くわね」

 ルーフェミア様が離れたので、マルミア様達も部屋を出るみたい。

「もう勝手な行動をしてはダメよ」
「はい。分かっています」

 今回の事は私の勝手な行動が招いた事。そんな私を理不尽に怒る訳でもなく、ただ注意するように言ってくるだけ。もうこの人達の信頼は裏切ってはいけない。

 部屋を出ていくのを見送り、ルーフェミア様が戻ってくるまで、少し休んでいようと思い、再びベッドに寝転んだ。
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