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第二章 神殿の少女達
第50話 邪神と邪龍の関係
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「う…ん……」
まだ頭がくらくらする。確か、司教様が邪神を目覚めさせて、邪神が私の方に来て……ダメだ。あまり思い出せない。
辺りを見渡してみると、見覚えのある場所だった。ここは、クラウド様のお屋敷……?
「よう。目覚めたか」
声がした方を見ると、私と同い年くらいの男の子がフワフワ浮いている。えっと、もしかして……
「邪神……?」
「あぁ。お前、俺の邪気に当てられて倒れちまったからな。力を抑えるために子供になってみたんだが……」
確かに黒いもやはあるにはあるけど、あまり濃くはないし、気持ち悪さや頭痛もない。
「結構不便なんだよなぁ」とため息をついているけど、私に気を遣ってくれたんだ。
「あの……何で私はここにいるんですか?」
「俺が魔法で地上に運んだんだ。直接触れたらまずいかと思ってな。クラウド?って奴にお前を預けてな。一緒にいた女も別の部屋にいるはずだぞ」
あっ、そうだ!ティル!それに、ナルミス様も……えっ?ちょっと待って?何でクラウド様の事を知ってるの?話した覚えはないんだけど……
「なんで、クラウド様の事を?」
「リーズヴァルトだったか?あいつが教えてくれたぞ」
「リーズが出てたんですか?神殿内なのに……」
「俺の邪気で満ちてたからな。むしろ、調子が良かっただろうさ」
そうか。私が邪気や瘴気で調子が悪くなるなら、リーズは逆なんだ。逆に、リーズは神殿内で調子が悪くなる。神殿内では、私は苦しくないどころか、どちらかと言われれば、調子が良かったのかもしれない。必死すぎて、あまりそんな事を考える余裕はなかったけど。
「まぁ、邪気の外に出たら、もう寝るとか言って、お前に変わったけどな」
とにかく、リーズのお陰で助かったんだ……助けられてばかりだな。いや、この邪神のお陰でもあるのか……あれ?
「何でここにいるんですか!?」
神殿にいたんだから、普通は神殿にいるものなんじゃ……よく考えれば、邪神がここにいるのはおかしい。
「今更かよ!……お前と話がしたかったからついてきたんだ。お前の方こそ、俺に聞きたい事はあるんじゃないか?」
聞きたい事?……あっ、そうだ。何で母様の事を知ってるのか気になっていたんだ。
「母様の事を知ってるのは何でなんですか?」
「一度会った事があるからな」
「えっ!?母様と?」
母様はそんな事は一言も言ってなかった。もちろん、邪神の事も。
「あぁ、あいつが聖女になった時にな」
「えっと……大丈夫だったんですか?」
母様も心配だけど、この人も大丈夫だったのだろうか。母様は聖女だったんだから、私よりも聖属性の魔法が強いはず。
そういう思いからの言葉だったんだけど、なんでか笑われてしまった。
「心配してくれんのか?」
「だ、だって……母様の魔力、強いらしいし……いくら邪神でも……」
「安心しろ。会ったって言っても、遠くから見たようなものだ。神官どもが意地でも俺を近寄らせなかったからな。それに、たとえ近くにいても、人間程度の魔力でくたばる訳がないだろ」
「そっか……」
そう聞いて、安心した。ちょっと話しただけだけど、あまり悪い感じはしない。なんか、リーズみたいな感じなんだよね。でも、なんか違う。自分でも良く分からない。
「そういえば……父様が邪龍だって知ってるみたいな事言ってたけど……知ってるんですか?」
「リーズヴァルトが言ってたし、ガーノルドと同じ力を感じたしな」
「父様は……」
「聞いてなかったのか?ガーノルドは俺の眷属だったんだ」
えっ!?初耳なんですけど!?父様が、邪神の眷属だったなんて……リーズも言ってなかったし……でも、父様の事なら、記憶伝達で引き継いでいるから、知っているはずなのに。……何か理由があって話さなかったんだよね。
「邪神と同じ数だけ、邪龍がいるんだ。東西南北にそれぞれ一人ずつ。だから、邪龍も4匹いる事になる。そして、同じ方位にいる邪神の眷属になるんだ」
邪神が複数いるのも驚いたけど……父様みたいな邪龍が他にもいるんだ。でも、父様がいるんだもん。他にも邪龍がいてもおかしくないよね。
「邪龍って……どうやって生まれるの?邪龍同士が……っていう訳ではないよね?」
「素養のある龍に邪神の力を分け与えるんだ。一応、本人が望まないとやらないが、無理やりやる奴もいるにはいる」
「あなたは?」
「俺から提案したが、あいつが望んだから力を分け与えた。無理やりはやってないから安心しな」
父様が、邪龍としての力を望んだんだ……一体、どうしてなんだろう?多分だけど、母様と出会った時には、すでに邪龍になっていただろうし、母様のためではないよね?自分のためとか?う~ん……分からないや。
……無理やりやる奴もいるって言ってたし……いや、でも……本人はやってないって言ってるし。
浮いているのを見ていると、急にドアの方を見た。
「誰か来たみたいだし、俺は消える事にしようか。これやるよ」
そう言って、何かを投げてきた。小さい水晶玉みたいなもの。なんだろう、これ。
「お前、多分瘴気もダメだろ?それがあれば、一定の邪気と瘴気をそれが吸ってくれるから、そんなに深い所に行かなければ、普通に行動出来る」
そんな便利な物を私にくれるの?何で?そう聞く前に、「じゃあな」って言って本当に消えてしまった。
とりあえず、側にある机の上に置いておこうかな。
そして、邪神が言った通り、誰かがドアをノックした。「どうぞ」と言うと、入ってきたのは、クラウド様達だった。
……あれ?ルーフェミア様はいないのかな?
「あの……ルーフェミア様は?」
「……部屋から出てこないんだ。今回は、君の命も危なかったと聞いて、自分の危機感が足りなかったと落ち込んでいる」
「そうですか……」
ルーフェミア様は何も悪くないのに。それに、私だって、精霊を連れていく数が少なかったというのもある。起こしてでも、みんなを連れていけば、こんな事にはならなかったはずだから。
「ティルとナルミス様は?」
「二人とも保護しているから安心して欲しい。セレスティーナ嬢も無事だからな」
本当に良かった……安心したら、どっと疲れが襲ってくる。邪気に当てられて倒れたせいかな……
「疲れているなら、きちんと休んだ方が良い。私達は出ていこう」
「行くぞ」と周りに声をかけて、部屋を出ていった。
クラウド様達は、助けに来てくれていたんだよね。セレスティーナ様も。後で、お礼を言わないと。でも……今は、とても眠たい。
気づいたら、そのまま目を瞑って寝てしまった。
まだ頭がくらくらする。確か、司教様が邪神を目覚めさせて、邪神が私の方に来て……ダメだ。あまり思い出せない。
辺りを見渡してみると、見覚えのある場所だった。ここは、クラウド様のお屋敷……?
「よう。目覚めたか」
声がした方を見ると、私と同い年くらいの男の子がフワフワ浮いている。えっと、もしかして……
「邪神……?」
「あぁ。お前、俺の邪気に当てられて倒れちまったからな。力を抑えるために子供になってみたんだが……」
確かに黒いもやはあるにはあるけど、あまり濃くはないし、気持ち悪さや頭痛もない。
「結構不便なんだよなぁ」とため息をついているけど、私に気を遣ってくれたんだ。
「あの……何で私はここにいるんですか?」
「俺が魔法で地上に運んだんだ。直接触れたらまずいかと思ってな。クラウド?って奴にお前を預けてな。一緒にいた女も別の部屋にいるはずだぞ」
あっ、そうだ!ティル!それに、ナルミス様も……えっ?ちょっと待って?何でクラウド様の事を知ってるの?話した覚えはないんだけど……
「なんで、クラウド様の事を?」
「リーズヴァルトだったか?あいつが教えてくれたぞ」
「リーズが出てたんですか?神殿内なのに……」
「俺の邪気で満ちてたからな。むしろ、調子が良かっただろうさ」
そうか。私が邪気や瘴気で調子が悪くなるなら、リーズは逆なんだ。逆に、リーズは神殿内で調子が悪くなる。神殿内では、私は苦しくないどころか、どちらかと言われれば、調子が良かったのかもしれない。必死すぎて、あまりそんな事を考える余裕はなかったけど。
「まぁ、邪気の外に出たら、もう寝るとか言って、お前に変わったけどな」
とにかく、リーズのお陰で助かったんだ……助けられてばかりだな。いや、この邪神のお陰でもあるのか……あれ?
「何でここにいるんですか!?」
神殿にいたんだから、普通は神殿にいるものなんじゃ……よく考えれば、邪神がここにいるのはおかしい。
「今更かよ!……お前と話がしたかったからついてきたんだ。お前の方こそ、俺に聞きたい事はあるんじゃないか?」
聞きたい事?……あっ、そうだ。何で母様の事を知ってるのか気になっていたんだ。
「母様の事を知ってるのは何でなんですか?」
「一度会った事があるからな」
「えっ!?母様と?」
母様はそんな事は一言も言ってなかった。もちろん、邪神の事も。
「あぁ、あいつが聖女になった時にな」
「えっと……大丈夫だったんですか?」
母様も心配だけど、この人も大丈夫だったのだろうか。母様は聖女だったんだから、私よりも聖属性の魔法が強いはず。
そういう思いからの言葉だったんだけど、なんでか笑われてしまった。
「心配してくれんのか?」
「だ、だって……母様の魔力、強いらしいし……いくら邪神でも……」
「安心しろ。会ったって言っても、遠くから見たようなものだ。神官どもが意地でも俺を近寄らせなかったからな。それに、たとえ近くにいても、人間程度の魔力でくたばる訳がないだろ」
「そっか……」
そう聞いて、安心した。ちょっと話しただけだけど、あまり悪い感じはしない。なんか、リーズみたいな感じなんだよね。でも、なんか違う。自分でも良く分からない。
「そういえば……父様が邪龍だって知ってるみたいな事言ってたけど……知ってるんですか?」
「リーズヴァルトが言ってたし、ガーノルドと同じ力を感じたしな」
「父様は……」
「聞いてなかったのか?ガーノルドは俺の眷属だったんだ」
えっ!?初耳なんですけど!?父様が、邪神の眷属だったなんて……リーズも言ってなかったし……でも、父様の事なら、記憶伝達で引き継いでいるから、知っているはずなのに。……何か理由があって話さなかったんだよね。
「邪神と同じ数だけ、邪龍がいるんだ。東西南北にそれぞれ一人ずつ。だから、邪龍も4匹いる事になる。そして、同じ方位にいる邪神の眷属になるんだ」
邪神が複数いるのも驚いたけど……父様みたいな邪龍が他にもいるんだ。でも、父様がいるんだもん。他にも邪龍がいてもおかしくないよね。
「邪龍って……どうやって生まれるの?邪龍同士が……っていう訳ではないよね?」
「素養のある龍に邪神の力を分け与えるんだ。一応、本人が望まないとやらないが、無理やりやる奴もいるにはいる」
「あなたは?」
「俺から提案したが、あいつが望んだから力を分け与えた。無理やりはやってないから安心しな」
父様が、邪龍としての力を望んだんだ……一体、どうしてなんだろう?多分だけど、母様と出会った時には、すでに邪龍になっていただろうし、母様のためではないよね?自分のためとか?う~ん……分からないや。
……無理やりやる奴もいるって言ってたし……いや、でも……本人はやってないって言ってるし。
浮いているのを見ていると、急にドアの方を見た。
「誰か来たみたいだし、俺は消える事にしようか。これやるよ」
そう言って、何かを投げてきた。小さい水晶玉みたいなもの。なんだろう、これ。
「お前、多分瘴気もダメだろ?それがあれば、一定の邪気と瘴気をそれが吸ってくれるから、そんなに深い所に行かなければ、普通に行動出来る」
そんな便利な物を私にくれるの?何で?そう聞く前に、「じゃあな」って言って本当に消えてしまった。
とりあえず、側にある机の上に置いておこうかな。
そして、邪神が言った通り、誰かがドアをノックした。「どうぞ」と言うと、入ってきたのは、クラウド様達だった。
……あれ?ルーフェミア様はいないのかな?
「あの……ルーフェミア様は?」
「……部屋から出てこないんだ。今回は、君の命も危なかったと聞いて、自分の危機感が足りなかったと落ち込んでいる」
「そうですか……」
ルーフェミア様は何も悪くないのに。それに、私だって、精霊を連れていく数が少なかったというのもある。起こしてでも、みんなを連れていけば、こんな事にはならなかったはずだから。
「ティルとナルミス様は?」
「二人とも保護しているから安心して欲しい。セレスティーナ嬢も無事だからな」
本当に良かった……安心したら、どっと疲れが襲ってくる。邪気に当てられて倒れたせいかな……
「疲れているなら、きちんと休んだ方が良い。私達は出ていこう」
「行くぞ」と周りに声をかけて、部屋を出ていった。
クラウド様達は、助けに来てくれていたんだよね。セレスティーナ様も。後で、お礼を言わないと。でも……今は、とても眠たい。
気づいたら、そのまま目を瞑って寝てしまった。
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