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第三章 学園の少女達
第67話 知りたいけど
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「カーオールーちゃん!」
授業が終わって、寮の部屋に戻ろうとすると、後ろからレイニード様に声をかけられました。
「何のご用でしょうか?手短に願います」
わたくしが、無表情でレイニード様に対応します。
こんな者のために動かす表情筋がもったいないですから。
「カオルちゃんに用があるんだけど。お話したい事があるんだよね。二人きりで」
「二人きり……ですって?なぜですか?」
レイニード様の二人きりという言葉にわたくしは反応した。
たとえクラスメイトであったとしても、二人きりにはしたくありませんわ。
ない事にこした事はありませんが、狙われるなら、カオルさんが一人の時だろうというのは容易に想像がつきます。ナルミス様がわたくしと一緒の所を狙ったのは、なかなか一人にはならなかった事と、カオルさんを逃がさないための人質の役割を担わせるためでしょうけど、よほどじゃなければ、一人の時に狙われるはずですもの。
「君がいるとカオルちゃんが困るかと思ったんだけど……」
そう言うと、カオルさんの近くまで来て、何かを耳元で囁いていました。
カオルさんの表情はみるみるうちに変わって、驚きの表情を隠せていません。
「レイニード様、なぜ、その事を……?」
なんとか絞り出した言葉は、おそるおそるという感じでした。その言葉からして、カオルさんの隠し事をレイニード様に知られていたのが伺えますわね。
レイニード様は、カオルさんの言葉に笑みを返すだけでした。
「……カオルさん」
「ルーフェミア様。二人でお話しても良いでしょうか?」
断られると思っているのか、私の反応を伺うように聞いてきました。
わたくしには話したくない事かと思うと、悲しい気持ちになりますわね。
両親が亡くなった理由は聞きましたが、それ以上は線引きされています。
母親が、国に追われるような立場なのは知っておりますが、それでもどんな立場だったのかは教えてくれませんでした。
“本当の”家名というのも教えてくれませんし、わたくしは、信用されてはいないのでしょうか……
「……分かりましたわ。どうぞ、ご自由に」
おそらくわたくしは、見て分かるほどに落ち込んでいるのでしょう。カオルさんが呼び止めるのも聞かずに、一人で寮に戻りました。
ーーーーーーーーーーーーーー
「お嬢様、どうかされたのですか?」
イリアがお茶を出しながら、声をかけてきます。落ち込んでいるのが分かったのでしょう。
「わたくしは、カオルさんに信用されてないのでしょうか……」
「なぜ、そのように?」
わたくしは、先ほどあった出来事をお話しました。少し、泣いてしまいそうになるのをこらえながら。
「なるほど……」
わたくしの話を聞いたイリアは考え込むような動作をしました。
「もしかしたら、逆かもしれませんね」
「逆……ですか?」
「信用しているからこそ、話したくないのかもしれません」
イリアのいう事が私には分かりませんでした。
「話してしまったら、今の関係が壊れるのではないかと思っているのではないでしょうか?」
それを言われて、わたくしはハッとなりました。もしかしたら、そうかもしれないと思ったのです。
わたくしが気にしないと言っても、聞いてみたら考えが変わる事はないとは言いきれません。
レイニード様がそんな内容をどこで知ったのかは分かりませんが、考えられるとするならば……彼女は、どこかの貴族の隠し子なのかもしれませんわね。
顔が、平民とは思えないほど整っておりましたし、平民なら国から追われる事は滅多にないと思われます。
そして、裏切り者と言われていた事から……ある貴族と、その敵となる存在の間に生まれたのかもしれませんわね。
それなら、話せないのも分かるような気がしますわ。貴族の子かどうかで、接し方はどうしても変わってしまうものですし、カオルさんと今みたいに気楽にお話は出来ないかもしれませんもの。
それは分かっております。でも、知りたいと思っている自分も確かに存在するのです。おそらく、わたくしの方から聞いても、そうかもしれないと思うだけで、ハッキリとした答えは貰えないでしょう。
知りたいけど、待つ事にしましょう。きっと、いつか話してくれると信じます。
「イリア。カオルさんが帰ったら、お茶でも出してくれるかしら?」
「かしこまりました」
わたくしは、本でも読んでカオルさんの帰りを待つ事にしました。
授業が終わって、寮の部屋に戻ろうとすると、後ろからレイニード様に声をかけられました。
「何のご用でしょうか?手短に願います」
わたくしが、無表情でレイニード様に対応します。
こんな者のために動かす表情筋がもったいないですから。
「カオルちゃんに用があるんだけど。お話したい事があるんだよね。二人きりで」
「二人きり……ですって?なぜですか?」
レイニード様の二人きりという言葉にわたくしは反応した。
たとえクラスメイトであったとしても、二人きりにはしたくありませんわ。
ない事にこした事はありませんが、狙われるなら、カオルさんが一人の時だろうというのは容易に想像がつきます。ナルミス様がわたくしと一緒の所を狙ったのは、なかなか一人にはならなかった事と、カオルさんを逃がさないための人質の役割を担わせるためでしょうけど、よほどじゃなければ、一人の時に狙われるはずですもの。
「君がいるとカオルちゃんが困るかと思ったんだけど……」
そう言うと、カオルさんの近くまで来て、何かを耳元で囁いていました。
カオルさんの表情はみるみるうちに変わって、驚きの表情を隠せていません。
「レイニード様、なぜ、その事を……?」
なんとか絞り出した言葉は、おそるおそるという感じでした。その言葉からして、カオルさんの隠し事をレイニード様に知られていたのが伺えますわね。
レイニード様は、カオルさんの言葉に笑みを返すだけでした。
「……カオルさん」
「ルーフェミア様。二人でお話しても良いでしょうか?」
断られると思っているのか、私の反応を伺うように聞いてきました。
わたくしには話したくない事かと思うと、悲しい気持ちになりますわね。
両親が亡くなった理由は聞きましたが、それ以上は線引きされています。
母親が、国に追われるような立場なのは知っておりますが、それでもどんな立場だったのかは教えてくれませんでした。
“本当の”家名というのも教えてくれませんし、わたくしは、信用されてはいないのでしょうか……
「……分かりましたわ。どうぞ、ご自由に」
おそらくわたくしは、見て分かるほどに落ち込んでいるのでしょう。カオルさんが呼び止めるのも聞かずに、一人で寮に戻りました。
ーーーーーーーーーーーーーー
「お嬢様、どうかされたのですか?」
イリアがお茶を出しながら、声をかけてきます。落ち込んでいるのが分かったのでしょう。
「わたくしは、カオルさんに信用されてないのでしょうか……」
「なぜ、そのように?」
わたくしは、先ほどあった出来事をお話しました。少し、泣いてしまいそうになるのをこらえながら。
「なるほど……」
わたくしの話を聞いたイリアは考え込むような動作をしました。
「もしかしたら、逆かもしれませんね」
「逆……ですか?」
「信用しているからこそ、話したくないのかもしれません」
イリアのいう事が私には分かりませんでした。
「話してしまったら、今の関係が壊れるのではないかと思っているのではないでしょうか?」
それを言われて、わたくしはハッとなりました。もしかしたら、そうかもしれないと思ったのです。
わたくしが気にしないと言っても、聞いてみたら考えが変わる事はないとは言いきれません。
レイニード様がそんな内容をどこで知ったのかは分かりませんが、考えられるとするならば……彼女は、どこかの貴族の隠し子なのかもしれませんわね。
顔が、平民とは思えないほど整っておりましたし、平民なら国から追われる事は滅多にないと思われます。
そして、裏切り者と言われていた事から……ある貴族と、その敵となる存在の間に生まれたのかもしれませんわね。
それなら、話せないのも分かるような気がしますわ。貴族の子かどうかで、接し方はどうしても変わってしまうものですし、カオルさんと今みたいに気楽にお話は出来ないかもしれませんもの。
それは分かっております。でも、知りたいと思っている自分も確かに存在するのです。おそらく、わたくしの方から聞いても、そうかもしれないと思うだけで、ハッキリとした答えは貰えないでしょう。
知りたいけど、待つ事にしましょう。きっと、いつか話してくれると信じます。
「イリア。カオルさんが帰ったら、お茶でも出してくれるかしら?」
「かしこまりました」
わたくしは、本でも読んでカオルさんの帰りを待つ事にしました。
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