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第三章 学園の少女達
第68話 忠告
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ルーフェミア様と別れて、私はレイニード様の寮の部屋に来た。
ルーフェミア様が、悲しそうな顔をしていたから、気になって呼んだけど、そのまま帰ってしまった。
いまだに分からない。何でレイニード様が、あの事を知っていたのか。
「さて、カオルちゃん。気になってると思うけど」
レイニード様が、そうやって前置きをした。
「何で知ってたのか聞きたいでしょ?」
「はい……何で、私が王女の娘だと知っていたのですか?」
あの時、レイニード様にこそこそと話されたのは、『カオルちゃんって王族なんでしょ?』という内容だった。
「確信があった訳じゃないよ。でも、母上がラクエルシェンドの出身でね。王女と面識があって、絵姿でその容姿を見た事があったんだ。それで、顔が瓜二つだから、もしかしたらそうかなぁ……って思ってね」
つまりは、鎌かけってやつで、私の反応で分かったんだ。
「まぁでも、安心して。誰にも言わないから。僕はこんな性格だから、信じても貰えないだろうしね」
笑いながらそう言っているけど、それは本心から言っているようには見えなかった。
「自分は大切にしないとダメですよ。そういう風にいうものではありません」
私がそう言ったら、レイニード様はきょとんとしたかと思うと、突然笑いだした。
「あはは!君、面白いね!僕より身分が下なのに、説教する子は初めて見たよ!」
あははとずっと笑っている。そんなに面白かったのかな?
しばらくすると、レイニード様が大きく息を吐いた。
「はぁ~……笑った笑った」
「……そんなにおかしかったですか?」
「君は精霊術士だし、公爵家のお嬢様達といつも一緒だから分からないかもしれないけど、ここはそれなりに身分差が大きくてね。君も、一人でいたらやっかみがあるかもしれないよ?」
そういうものなんだ……。そういえば、精霊術を使う前に、いろいろ陰口を言われていたな。あれは、私が準貴族という立場になったのが嫌だったのかもしれない。
「今日話したかったのは、これもあるんだ。一人にならないように気をつけた方が良いってね。寮には僕が送ってあげるよ」
「あ、ありがとうございます……」
私とレイニード様が二人で歩いている。その時、レイニード様が話しかけてきた。
「カオルちゃん。そういう所だよ」
「……はい?」
何を言っているのか分からなくて、首をかしげる。
「こうやって、すぐに男と二人きりになる。君は森育ちで、両親以外の人を知らないらしいから、仕方ないのかもしれないけど、貴族はすぐに噂になるよ」
「噂……ですか?」
「逢い引き……って見られるんだ。君にそんなつもりがなくてもね」
アイビキ……?聞いた事がない言葉だから、そう言われてもピンとこない。
「逢い引き……って何ですか?」
「男女が特別親しくする事かな。恋人って事だよ」
「こっ……」
それ以上声は出なかった。
恋人!?二人で会うだけで、そんな風に見られちゃうの!?
私も、そんな考えの貴族と一緒に交流しないといけなくなるんだ……大丈夫かな……?
「まぁ、いずれ慣れるよ。頑張ってね」
「はい……」
そう言われても、不安な気持ちは消えてくれなかった。
ーーーーーーーーーーーーーー
「それじゃあ、僕は帰るよ」
「はい。送ってくださってありがとうございます」
レイニード様にお礼を言って、私は部屋の中に入る。すると、ソファにもたれかかって、寝息をたてているルーフェミア様がいた。
「お戻りでしたか、カオル様。気づかず申し訳ありません」
「イリアさん」
足音も立てず近づいてきたので、こちらこそ気づかなかった。
「あの……ルーフェミア様は……」
「今日はお疲れのようでして。カオル様を待つと仰られたのですが、お眠りになってしまわれたようです。お茶を出すように仰られたのですがね」
ふふっと笑いながらイリアさんはそう言った。
イリアさんに釣られて、私も少し笑ってしまう。
「イリアさん。お茶をお願い出来ますか?」
「かしこまりました」
ルーフェミア様が、悲しそうな顔をしていたから、気になって呼んだけど、そのまま帰ってしまった。
いまだに分からない。何でレイニード様が、あの事を知っていたのか。
「さて、カオルちゃん。気になってると思うけど」
レイニード様が、そうやって前置きをした。
「何で知ってたのか聞きたいでしょ?」
「はい……何で、私が王女の娘だと知っていたのですか?」
あの時、レイニード様にこそこそと話されたのは、『カオルちゃんって王族なんでしょ?』という内容だった。
「確信があった訳じゃないよ。でも、母上がラクエルシェンドの出身でね。王女と面識があって、絵姿でその容姿を見た事があったんだ。それで、顔が瓜二つだから、もしかしたらそうかなぁ……って思ってね」
つまりは、鎌かけってやつで、私の反応で分かったんだ。
「まぁでも、安心して。誰にも言わないから。僕はこんな性格だから、信じても貰えないだろうしね」
笑いながらそう言っているけど、それは本心から言っているようには見えなかった。
「自分は大切にしないとダメですよ。そういう風にいうものではありません」
私がそう言ったら、レイニード様はきょとんとしたかと思うと、突然笑いだした。
「あはは!君、面白いね!僕より身分が下なのに、説教する子は初めて見たよ!」
あははとずっと笑っている。そんなに面白かったのかな?
しばらくすると、レイニード様が大きく息を吐いた。
「はぁ~……笑った笑った」
「……そんなにおかしかったですか?」
「君は精霊術士だし、公爵家のお嬢様達といつも一緒だから分からないかもしれないけど、ここはそれなりに身分差が大きくてね。君も、一人でいたらやっかみがあるかもしれないよ?」
そういうものなんだ……。そういえば、精霊術を使う前に、いろいろ陰口を言われていたな。あれは、私が準貴族という立場になったのが嫌だったのかもしれない。
「今日話したかったのは、これもあるんだ。一人にならないように気をつけた方が良いってね。寮には僕が送ってあげるよ」
「あ、ありがとうございます……」
私とレイニード様が二人で歩いている。その時、レイニード様が話しかけてきた。
「カオルちゃん。そういう所だよ」
「……はい?」
何を言っているのか分からなくて、首をかしげる。
「こうやって、すぐに男と二人きりになる。君は森育ちで、両親以外の人を知らないらしいから、仕方ないのかもしれないけど、貴族はすぐに噂になるよ」
「噂……ですか?」
「逢い引き……って見られるんだ。君にそんなつもりがなくてもね」
アイビキ……?聞いた事がない言葉だから、そう言われてもピンとこない。
「逢い引き……って何ですか?」
「男女が特別親しくする事かな。恋人って事だよ」
「こっ……」
それ以上声は出なかった。
恋人!?二人で会うだけで、そんな風に見られちゃうの!?
私も、そんな考えの貴族と一緒に交流しないといけなくなるんだ……大丈夫かな……?
「まぁ、いずれ慣れるよ。頑張ってね」
「はい……」
そう言われても、不安な気持ちは消えてくれなかった。
ーーーーーーーーーーーーーー
「それじゃあ、僕は帰るよ」
「はい。送ってくださってありがとうございます」
レイニード様にお礼を言って、私は部屋の中に入る。すると、ソファにもたれかかって、寝息をたてているルーフェミア様がいた。
「お戻りでしたか、カオル様。気づかず申し訳ありません」
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足音も立てず近づいてきたので、こちらこそ気づかなかった。
「あの……ルーフェミア様は……」
「今日はお疲れのようでして。カオル様を待つと仰られたのですが、お眠りになってしまわれたようです。お茶を出すように仰られたのですがね」
ふふっと笑いながらイリアさんはそう言った。
イリアさんに釣られて、私も少し笑ってしまう。
「イリアさん。お茶をお願い出来ますか?」
「かしこまりました」
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