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第三章 学園の少女達
第71話 ルーフェミアの憂鬱
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「お嬢様、よろしかったのですか?」
イリアが心配そうに話しかけてくる。いつもカオルと一緒に行動していたから、不思議にも思っているのだろう。
「ええ、構いませんわ」
カオルと会わせる顔がなく、いつもは一緒に行動しているのに、今日は自分から別行動してしまった。
ルーフェミアは、途中から会話を聞いていた。
『リーズが突然話しかけてきてびっくりしてしまって……』
カオルは、確かにそう言っていた。でも、自分が聞き耳をたてていた限りでは、カオルとナルミス以外の声は聞こえなかった。
話しかけてきたというのだから、リーズは人だろう。でも、その肝心な声が聞こえない。言葉からして、ナルミスにも聞こえていないはずだ。
自分だけならともかく、すぐそばにいる彼に聞こえないように話すなんて出来るのだろうか?いや、まず無理だろう。
(もしかしたら、カオルさんの隠し事は、思った以上に深刻なのかもしれませんわね……)
自分に話したがらない理由がなんとなく分かったような気がした。
おそらく、父親は知っているだろう。以前、カオルと話す時に自分と母親を追い出した事がある。
自分の父親には何か話しているのだろう。
いろいろ考えているうちに、食堂に着いた。ルーフェミアは、イリアに食事を持ってきてもらい、食堂で朝ごはんを食べている。
いつもはおいしいはずのご飯が全然おいしく感じられない。いつも、向かい側にカオルが座っていて、美味しそうに食べるのを見るのが好きだった。
「あら、ルーフェミア様」
ルーフェミアが声が聞こえた方を見ると、そこにはセレスティーナがいた。
セレスティーナも自分の使用人に持ってきてもらい、ルーフェミアの向かい側に座った。
「珍しく顔色が優れませんが、いかがいたしましたか?」
「……いえ、別に」
「それに、カオルさんもいらっしゃらないではありませんか」
その言葉に、ルーフェミアはドキッとする。完全に自分の都合なので、話すのにためらいがある。
それに、セレスティーナは、カオルが友達だと認識しているから交流しているに過ぎない。カオルが間にいなければ、ただの顔見知りでしかなかっただろう。
つまり、信用してはいないのだ。
「少し距離を置こうと思っただけですわ。ずっと一緒にいすぎたような気もしますし」
「……では、わたくしが代わりにいる事にいたしますわ」
なぜとは聞かなかった。カオルは一人にしない方が良いのは、ルーフェミアも分かっている。
「カオルさんが精霊の契約の手伝いをしてから増えましたわよね、いろいろと」
「そうですわね。カオルさんは気づいていらっしゃるのですか?」
「あの様子だと、おそらくはご存じないと思われますわ。カオルさんは強い精霊術を使いますもの」
はっきりとは知られていないが、カオルが精霊に愛されているのは、ルーフェミアでも分かる。セレスティーナも、うすうす察している。
そして、他の者達も同じく感じ取っているので、カオルが気に入らなくても、カオルに大して直接何かをする事はなかった。
それは、ルーフェミアが側にいたというのも大きい。公爵家に睨まれると厄介な事この上ない。しかも、後見人であるファルメール公爵家なら尚更だった。
「では、わたくしは先に教室に向かっておりますから、セレスティーナ様はカオルさんを迎えに行ってくれますか?」
もう準備は出来ているだろうが、まだ来ないなら、おそらく部屋にいるのだろう。そう思ったが故の発言だった。
「承知しましたわ。では、またお会いしましょう」
イリアが心配そうに話しかけてくる。いつもカオルと一緒に行動していたから、不思議にも思っているのだろう。
「ええ、構いませんわ」
カオルと会わせる顔がなく、いつもは一緒に行動しているのに、今日は自分から別行動してしまった。
ルーフェミアは、途中から会話を聞いていた。
『リーズが突然話しかけてきてびっくりしてしまって……』
カオルは、確かにそう言っていた。でも、自分が聞き耳をたてていた限りでは、カオルとナルミス以外の声は聞こえなかった。
話しかけてきたというのだから、リーズは人だろう。でも、その肝心な声が聞こえない。言葉からして、ナルミスにも聞こえていないはずだ。
自分だけならともかく、すぐそばにいる彼に聞こえないように話すなんて出来るのだろうか?いや、まず無理だろう。
(もしかしたら、カオルさんの隠し事は、思った以上に深刻なのかもしれませんわね……)
自分に話したがらない理由がなんとなく分かったような気がした。
おそらく、父親は知っているだろう。以前、カオルと話す時に自分と母親を追い出した事がある。
自分の父親には何か話しているのだろう。
いろいろ考えているうちに、食堂に着いた。ルーフェミアは、イリアに食事を持ってきてもらい、食堂で朝ごはんを食べている。
いつもはおいしいはずのご飯が全然おいしく感じられない。いつも、向かい側にカオルが座っていて、美味しそうに食べるのを見るのが好きだった。
「あら、ルーフェミア様」
ルーフェミアが声が聞こえた方を見ると、そこにはセレスティーナがいた。
セレスティーナも自分の使用人に持ってきてもらい、ルーフェミアの向かい側に座った。
「珍しく顔色が優れませんが、いかがいたしましたか?」
「……いえ、別に」
「それに、カオルさんもいらっしゃらないではありませんか」
その言葉に、ルーフェミアはドキッとする。完全に自分の都合なので、話すのにためらいがある。
それに、セレスティーナは、カオルが友達だと認識しているから交流しているに過ぎない。カオルが間にいなければ、ただの顔見知りでしかなかっただろう。
つまり、信用してはいないのだ。
「少し距離を置こうと思っただけですわ。ずっと一緒にいすぎたような気もしますし」
「……では、わたくしが代わりにいる事にいたしますわ」
なぜとは聞かなかった。カオルは一人にしない方が良いのは、ルーフェミアも分かっている。
「カオルさんが精霊の契約の手伝いをしてから増えましたわよね、いろいろと」
「そうですわね。カオルさんは気づいていらっしゃるのですか?」
「あの様子だと、おそらくはご存じないと思われますわ。カオルさんは強い精霊術を使いますもの」
はっきりとは知られていないが、カオルが精霊に愛されているのは、ルーフェミアでも分かる。セレスティーナも、うすうす察している。
そして、他の者達も同じく感じ取っているので、カオルが気に入らなくても、カオルに大して直接何かをする事はなかった。
それは、ルーフェミアが側にいたというのも大きい。公爵家に睨まれると厄介な事この上ない。しかも、後見人であるファルメール公爵家なら尚更だった。
「では、わたくしは先に教室に向かっておりますから、セレスティーナ様はカオルさんを迎えに行ってくれますか?」
もう準備は出来ているだろうが、まだ来ないなら、おそらく部屋にいるのだろう。そう思ったが故の発言だった。
「承知しましたわ。では、またお会いしましょう」
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