聖女と邪龍の娘

りーさん

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第三章 学園の少女達

第73話 なぜここに?

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「あの~、何で私はこんな事をしているのでしょうか……?」
「金がないと言ったからな」

 私は、授業にも出ないで、ルドニーク様と街に買い物に行っていた。なんでこんな事をしているかは、今日の朝までさかのぼる。

ーーーーーーーーーーーーーー

 ルーフェミア様が出ていってしまったので、私は一人で教室に向かう事にした。
 そして、寮の外に出ると、壁にもたれかかるようににルドニーク様が立っていた。
 誰か待っているのかと思いながらも、通りすぎようとすると、ルドニーク様と目が合う。すると、ルドニーク様がこっちに来た。

「メレスティリア。お前に用がある」
「なんですか?」
「ついてこい」

 グレニール様は私の腕を引っ張って、物陰に連れていった。

「どうしたんですか?」
「この前、ブレスレットをくれただろ」
「それが……?」
「あれに魔法をこめたのってお前なんだよな?」

 何かおかしなところでもあったのかな?そう思いながらも、「はい、そうです」と返事した。

「どうかしたんでしょうか?何か不備でも……」

 おそるおそるたずねると、「逆だ」と返された。

「効果が高すぎるんだ。まだ一日しか着けてないが、すぐに分かる」

 そういえば、母様に浄化して貰った人も、すぐにお礼を言っていたと聞いた事がある。あれは、すぐに分かるからなのかな。

「最初は精霊かと思ったが、違うのに気づいた。お前、聖属性を持ってるのか?」

 人がいない所に連れてきた理由はこれだったのかと分かった。クラウド様に聞いたけれど、聖属性や邪属性を持つ者はそんなに多くないらしい。なので、私に浄化や回復魔法を使うなと言っていたのだそうだ。
 本当なら、持っていないって言うべきなんだろう。でも、この人はごまかしとかは聞かないような気がする。

「はい。持っています。母様と同じようにやってみたのですけど……」
「……魔憑きの浄化をしていたのは、聖女だけだぞ。そうなると、お前の母親は……」

 もう言った方が良いのかな。いっそのこと──

『母上の娘だという事は話すな』

 話そうかと思ったら、リーズが止めてきた。

『信用……出来ないの?』
『そりゃあそうだろ。それに、そんな事を学園で話したらどこで広まるか分からないぞ』

 それもそうだよね。やっぱり、話すのは止めよう。

「私の魔力も強いですから、たまに暴走する事があるんです。そして、母様はそれを浄化して止めてくれましたから」
「そうか……」

 少し危ないかもしれないけど、間違った事は言っていない。母様が聖女な事は言っていないけど。

「それで、それがどうしたのですか?」
「もう一個欲しかっただけだ。迷惑なら構わないが」

 あっ、そういう事か。私の作ったやつが一番効果が高いなら、欲しくなるのは当然かもしれない。
 でも、もうブレスレットがない。それ以外の身につけるようなアクセサリーもない。

「もう魔法をこめられるような物もありませんし……」
「買えば良いんじゃないか?」
「お金もありませんから……」

 ここまで言ったら諦めてくれるかと思ったけど、ルドニーク様は少し考え込むような動作をして、すぐにこう言った。

「じゃあ、俺が買ってやる」

ーーーーーーーーーーーーーー

 そんなこんなで、今にいたります。ルドニーク様は公爵家なだけあって、お金はたくさんあるらしい。
 そして、一つのアクセサリー店に入った。

「こめやすいのがあったら言ってくれ。全部買う」

 一個で良かったんじゃないですか?と思いながらも、とりあえず笑っておく。多分、苦笑いになっているだろうな。

「授業に出なくても良かったんですかね……?」
「俺は問題ない。単位は全部とっている」
「タンイ……って、なんですか?」
「それがないと進級出来ないんだ」

 進級って、学年が一つあがる事だよね?それなら、それがなかったら私はずっと三年生のままって事?

「私は大丈夫でしょうか……?」
「知らないが、よほど成績が悪くなければ問題ない」

 成績……悪くないと良いなぁ……

「じゃあ、次はあっちに行くか」
「えっ?まだ見てないんですけど……」
「粗悪品ばかりだからな」

 そんなのも分かるんですか?私からすれば、どれもきれいなんだけどな……そう思いながらも、素直に出ていった。
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