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第三章 学園の少女達
第77話 一体何が
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「メレスティリア」
「……はい」
「お前は邪属性も持ってるのか?」
「……はい、持ってます」
やっぱり気づかれていたかと思いながら、正直に答えた。
「なんで同じ体に邪属性と聖属性があるんだ?」
「それは……分かりません」
邪属性はリーズの属性。なら、なんでリーズが生まれたのか。それは、フードで別れたから。なら、なぜ分けないといけなかったのか。それは、私に邪属性と聖属性が宿っているから。
なら、なんで私達の体にそんなのがあるのかと言われると分からない。レティア神は、よく分からないと言っていた。
「滅多にないんだよ。相反する属性が同じ体にあるのは。火と水、光と闇、風と地、邪と聖だな。まぁ、少ないだけでいない訳ではないが……邪属性と聖属性は初めて聞いた」
この組み合わせは少ないんだ……そして、私達の邪属性と聖属性以外はいなくはない……と。そういえば、ティルは魔力は少ないけど、邪属性と聖属性以外は全部持っているって言ってたな。
「その相反する属性を持っているのは、魔憑きが多い。というか、ほとんどが魔憑きだ。俺もそうだしな」
「ルドニーク様は……」
「俺は邪属性と聖属性以外は全部持ってる。後は、火と闇と風の加護を持ってるから、その三つの属性の精霊なら見える」
ティルと同じような感じかと思ったけど、加護の話を聞いて、ルドニーク様の周りに精霊がよってきている理由が分かった。
ルドニーク様の周りには精霊が寄っている。契約しないのかと思ったけど、精霊と契約すると、ただでさえ強い魔力がさらに強くなってしまう。
……もしかして、ティルも同じ理由?傷つけたくないというのも理由だろうけど、それも理由としてあるんじゃないだろうか。
今まで大丈夫だったのは、ティルの魔力が弱いから。精霊と契約すると強くなってしまうから、魔憑きのように暴走してしまうかもしれない。
「お前が魔憑きのように暴走しないのは、おそらくそのフードの力だろう。完全に分断しているような感じだったからな」
ルドニーク様にそう言われて、私はフードの頭を掴む。母様達が残してくれた唯一の形見。これを着ていれば何の問題もない。でも、着ていなかったら周りを巻き込んで死んでしまう。
「俺よりも何倍も強く感じたから、それがなかったらとっくに死んでたんじゃないか?」
「……そうですね。母様達には感謝しています」
「母親が作ったのか?」
「いえ、母様と父様が作ってくれました」
白い布は、母様が力をこめて、邪属性の魔力を封じてくれている。だから、私はリーズの使う魔法は使えない。だけど、意識だけはあるから会話できる。
逆に、黒い布は、父様が力をこめてくれた。だから、私はリーズが表に出ている時は、リーズは私の使う魔法は使えないし、会話くらいしか出来なくなる。
「……お前って聖女の娘だろ?」
そう言われて、ドキッとなった。
「えっと……なんで……」
「俺は聖女の浄化を受けた事がある。それと魔力の質が同じだったように思えたからな」
そうだ。浄化は、聖属性の魔力を相手の魔力に流して清める。吸収の加護を持っているなら、母様の魔力が私と同じか区別なんて出来るはず。魔力の質は親の遺伝だって聞いた事があるから、母様と私の聖属性の魔力、そして、父様とリーズの魔力の質が同じなんだろう。
「それに、聖女の娘なら、聖属性を持っているのも分かるしな。それで、邪属性を持ってるなら……父親は邪龍か?」
「……ここでは、答えられません」
もうこう言った時点ではいと言っているようなものだけど、ここは人が多すぎる。はいと言う訳にはいかない。
「それもそうか。……とりあえず、学園に戻るぞ」
「……はい」
私達は、少し気まずくなりながらも、学園の方に向かう。しばらく歩くと、学園の門が見えてくる。いつもなら警備員がいるのに、見当たらない。休憩の時間なのかな。
「こい!」
私がそのまま歩こうとすると、ルドニーク様に物陰に引っ張られた。
「ど、どうしたのですか?」
「警備員がいないのはおかしい。いつも交代で24時間見張っているはずだからな」
「そ、そうなんですか?」
休憩かと思っていたけど、違っていたみたい。
「お前、龍の血を引いているなら、見えないか?」
「……分か──」
『結界がある』
私がルドニーク様の質問に答えようとすると、リーズが話しかけてきた。声を出さないように、リーズと会話する。
『結界……?』
『人が入ってこれないようにしているんだ。貴族の通う学園ならあってもおかしくはないが……ずっと張ってあったやつとは違うな』
『リーズ、分かるの?』
そう言われても、私にはまったく分からない。
『父上の血は私の方が濃いからな。お前の瞳越しでも分かるんだ』
だから、ルドニーク様も見えないか聞いたのかな。私が邪龍の血を引いていると思ったから。
「結界があります」
リーズの言葉をそのまま伝えた。
「中の様子を見たいが……結界があるなら危険だな」
「そうですね」
私もルドニーク様の意見に賛成した。
結界なら母様に聞いた事があるから分かる。結界に触れたら、その結界を張った人には分かるらしい。それで結界が破られたのかも分かるのだとか。結界を視るには、魔力の感応力というのが高くないといけないらしい。
ルドニーク様やリーズの言葉からして、邪龍の方が、人間よりも高いのかもしれない。
「精霊達に見てきて貰いましょうか」
「それが良いか」
私は、数人の精霊達に見てきて貰うように頼む。結界は何の問題もないらしくて、見てくるから待っててほしいと言った。
「精霊が戻ってくるまではここにいるか。制服の姿で近づけば学園の者だとばれるからな」
「はい」
一体、何があったのか分からないけど、ルーフェミア様もセレスティーナ様も無事だと良いな。
「……はい」
「お前は邪属性も持ってるのか?」
「……はい、持ってます」
やっぱり気づかれていたかと思いながら、正直に答えた。
「なんで同じ体に邪属性と聖属性があるんだ?」
「それは……分かりません」
邪属性はリーズの属性。なら、なんでリーズが生まれたのか。それは、フードで別れたから。なら、なぜ分けないといけなかったのか。それは、私に邪属性と聖属性が宿っているから。
なら、なんで私達の体にそんなのがあるのかと言われると分からない。レティア神は、よく分からないと言っていた。
「滅多にないんだよ。相反する属性が同じ体にあるのは。火と水、光と闇、風と地、邪と聖だな。まぁ、少ないだけでいない訳ではないが……邪属性と聖属性は初めて聞いた」
この組み合わせは少ないんだ……そして、私達の邪属性と聖属性以外はいなくはない……と。そういえば、ティルは魔力は少ないけど、邪属性と聖属性以外は全部持っているって言ってたな。
「その相反する属性を持っているのは、魔憑きが多い。というか、ほとんどが魔憑きだ。俺もそうだしな」
「ルドニーク様は……」
「俺は邪属性と聖属性以外は全部持ってる。後は、火と闇と風の加護を持ってるから、その三つの属性の精霊なら見える」
ティルと同じような感じかと思ったけど、加護の話を聞いて、ルドニーク様の周りに精霊がよってきている理由が分かった。
ルドニーク様の周りには精霊が寄っている。契約しないのかと思ったけど、精霊と契約すると、ただでさえ強い魔力がさらに強くなってしまう。
……もしかして、ティルも同じ理由?傷つけたくないというのも理由だろうけど、それも理由としてあるんじゃないだろうか。
今まで大丈夫だったのは、ティルの魔力が弱いから。精霊と契約すると強くなってしまうから、魔憑きのように暴走してしまうかもしれない。
「お前が魔憑きのように暴走しないのは、おそらくそのフードの力だろう。完全に分断しているような感じだったからな」
ルドニーク様にそう言われて、私はフードの頭を掴む。母様達が残してくれた唯一の形見。これを着ていれば何の問題もない。でも、着ていなかったら周りを巻き込んで死んでしまう。
「俺よりも何倍も強く感じたから、それがなかったらとっくに死んでたんじゃないか?」
「……そうですね。母様達には感謝しています」
「母親が作ったのか?」
「いえ、母様と父様が作ってくれました」
白い布は、母様が力をこめて、邪属性の魔力を封じてくれている。だから、私はリーズの使う魔法は使えない。だけど、意識だけはあるから会話できる。
逆に、黒い布は、父様が力をこめてくれた。だから、私はリーズが表に出ている時は、リーズは私の使う魔法は使えないし、会話くらいしか出来なくなる。
「……お前って聖女の娘だろ?」
そう言われて、ドキッとなった。
「えっと……なんで……」
「俺は聖女の浄化を受けた事がある。それと魔力の質が同じだったように思えたからな」
そうだ。浄化は、聖属性の魔力を相手の魔力に流して清める。吸収の加護を持っているなら、母様の魔力が私と同じか区別なんて出来るはず。魔力の質は親の遺伝だって聞いた事があるから、母様と私の聖属性の魔力、そして、父様とリーズの魔力の質が同じなんだろう。
「それに、聖女の娘なら、聖属性を持っているのも分かるしな。それで、邪属性を持ってるなら……父親は邪龍か?」
「……ここでは、答えられません」
もうこう言った時点ではいと言っているようなものだけど、ここは人が多すぎる。はいと言う訳にはいかない。
「それもそうか。……とりあえず、学園に戻るぞ」
「……はい」
私達は、少し気まずくなりながらも、学園の方に向かう。しばらく歩くと、学園の門が見えてくる。いつもなら警備員がいるのに、見当たらない。休憩の時間なのかな。
「こい!」
私がそのまま歩こうとすると、ルドニーク様に物陰に引っ張られた。
「ど、どうしたのですか?」
「警備員がいないのはおかしい。いつも交代で24時間見張っているはずだからな」
「そ、そうなんですか?」
休憩かと思っていたけど、違っていたみたい。
「お前、龍の血を引いているなら、見えないか?」
「……分か──」
『結界がある』
私がルドニーク様の質問に答えようとすると、リーズが話しかけてきた。声を出さないように、リーズと会話する。
『結界……?』
『人が入ってこれないようにしているんだ。貴族の通う学園ならあってもおかしくはないが……ずっと張ってあったやつとは違うな』
『リーズ、分かるの?』
そう言われても、私にはまったく分からない。
『父上の血は私の方が濃いからな。お前の瞳越しでも分かるんだ』
だから、ルドニーク様も見えないか聞いたのかな。私が邪龍の血を引いていると思ったから。
「結界があります」
リーズの言葉をそのまま伝えた。
「中の様子を見たいが……結界があるなら危険だな」
「そうですね」
私もルドニーク様の意見に賛成した。
結界なら母様に聞いた事があるから分かる。結界に触れたら、その結界を張った人には分かるらしい。それで結界が破られたのかも分かるのだとか。結界を視るには、魔力の感応力というのが高くないといけないらしい。
ルドニーク様やリーズの言葉からして、邪龍の方が、人間よりも高いのかもしれない。
「精霊達に見てきて貰いましょうか」
「それが良いか」
私は、数人の精霊達に見てきて貰うように頼む。結界は何の問題もないらしくて、見てくるから待っててほしいと言った。
「精霊が戻ってくるまではここにいるか。制服の姿で近づけば学園の者だとばれるからな」
「はい」
一体、何があったのか分からないけど、ルーフェミア様もセレスティーナ様も無事だと良いな。
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