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第三章 学園の少女達
第79話 邪なる蛇
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私達が物陰に隠れていると、精霊が戻ってきた。
「どうだった?」
「ハンタイセイリョク、セメテキタ、イッテタ」
「反対勢力……?」
反対勢力の意味はなんとなく分かる。でも、その勢力が何なのかは分からなかった。
私の呟いた言葉を聞いたルドニーク様が少し考えるような動作をしてからこう言った。
「もしかしたら……邪なる蛇か?」
「邪なる蛇って何ですか?」
そんなのは聞いたことがない。
「特徴としては、邪神を信仰しているから、デウスマルス教団とも呼ばれている。邪神の支配する世界とするためにという名目で、各地でテロや革命を唆している者達だ」
そんなのがいるのか。少なくとも、あの時にあったアルダ様はそんな事は考えていなかったように思える。
そして、唆しているという事は、自分達は何もしないという事なんじゃないか。
「それなら、なぜ今は……」
「あぁ、下っ端がああいう事をするのは良くある事なんだ。唆しているのは幹部達だな。噂では、聖女を殺すように仕向けたのはそいつらの息がかかった者だとも言われているしな」
前半はそうなんだと思ったけど、後半は衝撃だった。
母様が殺されたのは、そのせいだったの?そういえば、よく考えてみれば、なんで邪龍と通じていると思われたんだろう。そんな事はしないと分かっているけど、誘拐されたとか、そういう可能性だってあったはずなのに。
あの時、母様は話をしようとしただけだった。父様の味方のような発言なんてしていなかった。
邪神からしてみれば、聖女である母様はあまり好かない存在だというのは理解している。だから、ルドニーク様の言葉にも少し納得してしまった。
「でも、邪龍も討伐されてますし……」
「そこなんだよな……邪なる蛇なら、邪神の眷属である邪龍を討伐するとは思えない」
もしかして、そういうところもあるから、あくまでも噂からは外れないのかもしれない。
「それはともかく、本当に邪なる蛇だとしたら厄介だ。中には邪属性が使えるのもいるからな」
「邪属性はそんなにまずいんですか?」
「呪いをかけたりもできるからな。同等以上の聖属性を持つ者にしか解呪はできないから、呪いを解くのは難しいんだ」
聖属性にしかできない……そういえば、母様から聞いたことがある。
母様は、魔獣とかからかけられた呪いを解いたりもしていたと。
どうしても解けないのは、母様が代わりに引き受けたりした事もあったらしい。邪属性か聖属性を持つ者には呪いは効かないらしい。
もしそうなら、私にも効かないかもしれない。
「私が中に入りましょうか」
「やめとけ。危険すぎる。それ以前に、あの結界はどうするんだ」
危険なのは分かっている。そして、どうやったら結界内に入れるかも分からない。
『私のフードなら問題ない』
突然、リーズが話しかけてきた。
『結界内なのに……?』
森にいた時は、表に出てくると辛そうだったから、結界内は無理だと思っていた。
『それは、母上の使っている聖域の影響だ。普通の結界を通り抜けるくらい出来るに決まってるだろ。結界も内側からなら脆いだろうから、簡単に壊せるだろうしな』
『……でも、ルドニーク様にはバレるよ?』
リーズは、自分の存在はあまり知られたくないと思っているのは知っている。入れ替わったりなんかしたら、間違いなくルドニーク様にはバレる。
『もう聖女と邪龍の娘だと気づかれてるだろ。それなら問題ない』
言われてみれば、そうなのかも……?少し不安に思いながらも、私は左胸のイニシャルを二回叩いてフードをひっくり返す。フードは瞬時に裏返った。
「テレスティリア……?その姿は……」
「今はそんな事はどうでも良いだろ。さっさと片づけるぞ」
「どうだった?」
「ハンタイセイリョク、セメテキタ、イッテタ」
「反対勢力……?」
反対勢力の意味はなんとなく分かる。でも、その勢力が何なのかは分からなかった。
私の呟いた言葉を聞いたルドニーク様が少し考えるような動作をしてからこう言った。
「もしかしたら……邪なる蛇か?」
「邪なる蛇って何ですか?」
そんなのは聞いたことがない。
「特徴としては、邪神を信仰しているから、デウスマルス教団とも呼ばれている。邪神の支配する世界とするためにという名目で、各地でテロや革命を唆している者達だ」
そんなのがいるのか。少なくとも、あの時にあったアルダ様はそんな事は考えていなかったように思える。
そして、唆しているという事は、自分達は何もしないという事なんじゃないか。
「それなら、なぜ今は……」
「あぁ、下っ端がああいう事をするのは良くある事なんだ。唆しているのは幹部達だな。噂では、聖女を殺すように仕向けたのはそいつらの息がかかった者だとも言われているしな」
前半はそうなんだと思ったけど、後半は衝撃だった。
母様が殺されたのは、そのせいだったの?そういえば、よく考えてみれば、なんで邪龍と通じていると思われたんだろう。そんな事はしないと分かっているけど、誘拐されたとか、そういう可能性だってあったはずなのに。
あの時、母様は話をしようとしただけだった。父様の味方のような発言なんてしていなかった。
邪神からしてみれば、聖女である母様はあまり好かない存在だというのは理解している。だから、ルドニーク様の言葉にも少し納得してしまった。
「でも、邪龍も討伐されてますし……」
「そこなんだよな……邪なる蛇なら、邪神の眷属である邪龍を討伐するとは思えない」
もしかして、そういうところもあるから、あくまでも噂からは外れないのかもしれない。
「それはともかく、本当に邪なる蛇だとしたら厄介だ。中には邪属性が使えるのもいるからな」
「邪属性はそんなにまずいんですか?」
「呪いをかけたりもできるからな。同等以上の聖属性を持つ者にしか解呪はできないから、呪いを解くのは難しいんだ」
聖属性にしかできない……そういえば、母様から聞いたことがある。
母様は、魔獣とかからかけられた呪いを解いたりもしていたと。
どうしても解けないのは、母様が代わりに引き受けたりした事もあったらしい。邪属性か聖属性を持つ者には呪いは効かないらしい。
もしそうなら、私にも効かないかもしれない。
「私が中に入りましょうか」
「やめとけ。危険すぎる。それ以前に、あの結界はどうするんだ」
危険なのは分かっている。そして、どうやったら結界内に入れるかも分からない。
『私のフードなら問題ない』
突然、リーズが話しかけてきた。
『結界内なのに……?』
森にいた時は、表に出てくると辛そうだったから、結界内は無理だと思っていた。
『それは、母上の使っている聖域の影響だ。普通の結界を通り抜けるくらい出来るに決まってるだろ。結界も内側からなら脆いだろうから、簡単に壊せるだろうしな』
『……でも、ルドニーク様にはバレるよ?』
リーズは、自分の存在はあまり知られたくないと思っているのは知っている。入れ替わったりなんかしたら、間違いなくルドニーク様にはバレる。
『もう聖女と邪龍の娘だと気づかれてるだろ。それなら問題ない』
言われてみれば、そうなのかも……?少し不安に思いながらも、私は左胸のイニシャルを二回叩いてフードをひっくり返す。フードは瞬時に裏返った。
「テレスティリア……?その姿は……」
「今はそんな事はどうでも良いだろ。さっさと片づけるぞ」
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