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第三章 学園の少女達
第83話 もやの正体は
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「う~ん……どっちだったかな……」
学園長と別れたあと、リーズは校舎内に入って、あちらこちらに移動していた。
なにせ、カオルの目から見た記憶しか持っていないので、学園長室は完全にうろ覚えな状態だった。
部屋の前まで来ると、本能的に魔力を感じ取った。
(確かに結構強いな……苦戦するのも無理ないか)
リーズは覚悟を決めて、部屋の中に入る。そこには、黒いオーラのようなもので覆われている何者かがいた。濃すぎて、男か女かも分からない。
リーズは、カオルよりは弱いものの、同じく、うっすらともやを見ることができた。だが、そんなリーズでも、男女の区別がつかないくらいには、もやが濃い。
『黒いもやがすごく濃い……』
『あれは、邪属性の魔力のせいかもしれないな。取り除けばなんとかなるだろ』
簡単そうに言っているが、それが一番難しい。リーズは、手加減しながら戦わないといけない。リーズは、別に相手を殺してもかまわないと思っているくらいなので、意識して手加減しないといけない。無意識の手加減よりもそれは難しかった。
『カオル、大丈夫か?』
『なんともないよ』
(じゃあ、ちょっと近づいても大丈夫か)
そうは思ったものの、リーズはそこから動けないでいる。相手がどんな存在かもわからないのに、無鉄砲に動くことはできない。
そのとき、もやがこちらに伸びてきた。リーズは、反射的に避ける。
触れても大丈夫とは思っているが、生理的に触れたくないと思ってしまった。
(なんか、体の調子がいいような……?)
いつもよりも軽々と動けたので、リーズは少し違和感を覚えた。
「あなた達……不思議ね」
もやが広がる方から、女の声が聞こえる。その場にはリーズともや以外は何もないし、誰もいないので、そのもやで覆われた人物が話したことは分かる。
「聖気と邪気を感じるわ。理外者なのね、あなた達」
「理外者……?」
そんな言葉は聞いた事がなくて、リーズは繰り返して聞き返した。
「理から外れた存在の事よ。本来、聖属性と邪属性が同じ体に宿る事はないわ。当然、魂が二つに分かれるなんて」
理から外れた存在と言われたのにも驚いたが、自分達の事がここまで知られているのにも驚いた。
「お前は誰だ?理がどうこう言うなんて、まるで……」
そこまで言ったところで、リーズはある一つの考えが浮かんだ。
「ええ。あなたの想像通りだと思うわよ?まぁ、そのことは詳しく話すつもりはないけどね!」
もやに包まれている存在が、電撃を放ってくる。リーズは、それを横に移動して避ける。本来なら、近づいて攻撃したいところだが、そうなると、カオルが危険な目に合う可能性があるので、一定の距離をとっていないといけない。だが、そうなると、攻撃手段が限られる。
リーズは邪属性しか持っていないので、精霊達の力を借りるしかないからだ。邪属性と聖属性は、直接な攻撃手段がない。
「最初に会ったやつとは全然違うな」
「あんな奴と一緒にしないでくれない?」
「それよりもさ、あいつと同じように邪気を消してくれないか?中にいるカオルが危ないんだよ」
自分も、カオルが神殿の中にいるときは、聖気に当てられた。ならば、カオルも同じだと考えるのが自然だ。普通は。
「あら、その水晶が吸ってくれているのに、危ないなんてあるわけないじゃない」
(知ってたのか)
アルダからもらったこの水晶があるので、カオルもそこまでは辛くない。
さっき確かめたので、それは間違いなかった。
「知ってるのか。私もカオルも、誰にも言ってないんだが」
「それは当然よ。同じ存在だもの。お互いの行動は把握してるわ」
「それじゃあ、やっぱり……」
「ええ。自己紹介してあげるためにも、邪気を消してあげるわ」
そう言って、もやが晴れていく。その中から、自分達と年の近そうな少女が現れる。
「私はナティーシャ。東の邪神なんて呼ばれているわ。よろしくね、聖女サマと邪龍サマの娘さん?」
学園長と別れたあと、リーズは校舎内に入って、あちらこちらに移動していた。
なにせ、カオルの目から見た記憶しか持っていないので、学園長室は完全にうろ覚えな状態だった。
部屋の前まで来ると、本能的に魔力を感じ取った。
(確かに結構強いな……苦戦するのも無理ないか)
リーズは覚悟を決めて、部屋の中に入る。そこには、黒いオーラのようなもので覆われている何者かがいた。濃すぎて、男か女かも分からない。
リーズは、カオルよりは弱いものの、同じく、うっすらともやを見ることができた。だが、そんなリーズでも、男女の区別がつかないくらいには、もやが濃い。
『黒いもやがすごく濃い……』
『あれは、邪属性の魔力のせいかもしれないな。取り除けばなんとかなるだろ』
簡単そうに言っているが、それが一番難しい。リーズは、手加減しながら戦わないといけない。リーズは、別に相手を殺してもかまわないと思っているくらいなので、意識して手加減しないといけない。無意識の手加減よりもそれは難しかった。
『カオル、大丈夫か?』
『なんともないよ』
(じゃあ、ちょっと近づいても大丈夫か)
そうは思ったものの、リーズはそこから動けないでいる。相手がどんな存在かもわからないのに、無鉄砲に動くことはできない。
そのとき、もやがこちらに伸びてきた。リーズは、反射的に避ける。
触れても大丈夫とは思っているが、生理的に触れたくないと思ってしまった。
(なんか、体の調子がいいような……?)
いつもよりも軽々と動けたので、リーズは少し違和感を覚えた。
「あなた達……不思議ね」
もやが広がる方から、女の声が聞こえる。その場にはリーズともや以外は何もないし、誰もいないので、そのもやで覆われた人物が話したことは分かる。
「聖気と邪気を感じるわ。理外者なのね、あなた達」
「理外者……?」
そんな言葉は聞いた事がなくて、リーズは繰り返して聞き返した。
「理から外れた存在の事よ。本来、聖属性と邪属性が同じ体に宿る事はないわ。当然、魂が二つに分かれるなんて」
理から外れた存在と言われたのにも驚いたが、自分達の事がここまで知られているのにも驚いた。
「お前は誰だ?理がどうこう言うなんて、まるで……」
そこまで言ったところで、リーズはある一つの考えが浮かんだ。
「ええ。あなたの想像通りだと思うわよ?まぁ、そのことは詳しく話すつもりはないけどね!」
もやに包まれている存在が、電撃を放ってくる。リーズは、それを横に移動して避ける。本来なら、近づいて攻撃したいところだが、そうなると、カオルが危険な目に合う可能性があるので、一定の距離をとっていないといけない。だが、そうなると、攻撃手段が限られる。
リーズは邪属性しか持っていないので、精霊達の力を借りるしかないからだ。邪属性と聖属性は、直接な攻撃手段がない。
「最初に会ったやつとは全然違うな」
「あんな奴と一緒にしないでくれない?」
「それよりもさ、あいつと同じように邪気を消してくれないか?中にいるカオルが危ないんだよ」
自分も、カオルが神殿の中にいるときは、聖気に当てられた。ならば、カオルも同じだと考えるのが自然だ。普通は。
「あら、その水晶が吸ってくれているのに、危ないなんてあるわけないじゃない」
(知ってたのか)
アルダからもらったこの水晶があるので、カオルもそこまでは辛くない。
さっき確かめたので、それは間違いなかった。
「知ってるのか。私もカオルも、誰にも言ってないんだが」
「それは当然よ。同じ存在だもの。お互いの行動は把握してるわ」
「それじゃあ、やっぱり……」
「ええ。自己紹介してあげるためにも、邪気を消してあげるわ」
そう言って、もやが晴れていく。その中から、自分達と年の近そうな少女が現れる。
「私はナティーシャ。東の邪神なんて呼ばれているわ。よろしくね、聖女サマと邪龍サマの娘さん?」
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