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第三章 学園の少女達
第85話 マリアの予知
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「ここは……?」
カオルが起き上がると、そこは見覚えがある森の中。
「ここって、私が最初に暮らしていた森……?」
辺りを見渡したが、やはり自分が暮らしていた森の中だったようだ。
「かあさま!」
そんな幼い声がどこからか聞こえる。カオルは、そちらの方に向かってみるが、近くから声が聞こえるだけで、姿は見えない。
(確か、ここは……)
カオルは、昔の記憶を頼りに、人一倍大きい大樹の根元を探る。すると、ある一点だけ透ける所があった。そこを通ると、そこには一人の少女と、血だらけの女性がいる。
「母様!」
血だらけの女性は、カオルの母であるマリアだった。
マリアに触れようとするも、なぜか体が透けてしまう。
「カオル……」
マリアは、自分ではなく、幼い少女に視線を向ける。
(そうだ……ここは、母様が死んだ……)
ここは、マリアの、最後の場所だった。自分は、避難するために、精霊達によって、安全な場所へと連れてこられて、その後に、マリアも運ばれてきた。
(確か、魔法阻害とか、そういうので攻撃されたせいで、回復魔法が効かないんだったっけ……)
触れられないが、カオルはマリアの出血している患部に触れる。透けてしまうが、自分は触れているような感覚でいた。
「ごめんね、カオル……あなた達だけを残していくのを許してちょうだい」
「かあさま。やだよ、死なないでよぉ……」
幼い少女は大泣きしている。それは、悲しさよりも、申し訳なさから流しているように見えた。その理由が、カオルにはなんとなくわかった。
カオルが、人間にマリアやガーノルドの事を話してしまったから、こうなっているのだと、幼いながらも、なんとなく理解していたのだ。
「きっと大丈夫よ。予知したの。あなたが大きくなったら、あなたの事を、家族のように思ってくれる存在が、きっと現れるわ」
(そうだ!母様は、そう言ったんだった……)
ここは、最近も思い浮かべた事があった。街中で暴走した時に、眠ってしまった夢で見た光景だ。
あの時は、母親が何て言っていたか思い出せなかったが、今、はっきりと思い出した。
「かぞく……?」
「そうよ。とっても素敵な人達。カオル達が危険な目にあっても、助けに来てくれるし、守ってくれる。そんな、母様や父様みたいな人達よ」
「カオルのかあさまととうさまは、かあさまととうさまだけだもん!」
いやいやと首を振りながら、少女はマリアに抱きつく。
「もちろん、カオルの母様や父様は私達だけよ。でも、あなたは、理外者なの」
「リガイシャ……?」
(理外者って、ナティーシャ様が言っていた……)
理外者である自分達は邪魔だと言っていた。理外者なのもよく分かっていない。なので、理外者がなんなのかなんて分かるはずもない。
「……とにかく、一人でいるのは危ないのよ。たとえ、精霊達と一緒でもね」
マリアは、少女の頭を撫でながら、優しくそう言った。
「ひとりで?」
「精霊がいるから、大抵の危険からは守ってくれるかもしれない。でも、精霊ではどうにも出来ない存在もいるの」
「そうなの?」
少女は、周りを飛んでいる精霊達を見渡す。精霊達は、ばつが悪そうに、顔をそらした。
「そして、それをどうにか出来てしまうのもいるわ」
「だれ?れてぃあさま?」
「そうね。レティア神もそうだわ。でも、現実にも生まれる。それが理外者なの」
「それが、カオル……?」
カオルは、マリアのまさかの言葉に、頭を抱える。自分が、そんなにすごい存在なんて思っていなかったからだ。もちろん、聖女と邪龍の娘と、精霊術士いうのが、立派な肩書きになるのは理解している。
それでも、それだけだ。それだけだと思っていた。
「そう。理から外れているからこそ、理を越えた力を得る事が出来る。だからこそ、その身を狙われる。多分、今回のも……」
マリアは、少し悲しそうな顔をしながら、カオルの頭を撫で続ける。
少女は、意味がよく分かっておらず、「かあさま……?」とマリアの顔を覗き込む。
「カオル。あなたは、いつか真の厄災と対峙する事になる。でも、きっと大丈夫よ。あなたには、頼れる存在が出来ているはずだから」
「かあさま?それって……」
どういう事?と少女が聞く前に、少女の頭から手を離す。そして、カオルの方に視線を向けて、ニコッと微笑んだ。
カオルが目があったかと驚いたその瞬間、マリアの目が閉じる。
(私の姿は見えてないはずだよね……?)
少女が気づいているような様子はなかったので、カオルはそう思っていた。
カオルは、そっと、マリアに触れようとする。手に触れた瞬間、まるでカオルの手を握るように、指が動いた。
「母様……」
懐かしいのと、悲しいのが合わさって、カオルは涙を流す。
「カオル!」
聞き覚えのある声が聞こえて、カオルは涙を拭い、声が聞こえた方を見る。そこには、リーズがいた。
「リーズ!」
「……母上か」
カオルの側に横たわっているマリアを見て、リーズが物悲しそうに呟く。カオルは、何も言わなかったが、心の中ではうなずいた。
「……行くぞ」
「……うん」
リーズと手を繋いで、カオルは光がある方に向かった。
カオルが起き上がると、そこは見覚えがある森の中。
「ここって、私が最初に暮らしていた森……?」
辺りを見渡したが、やはり自分が暮らしていた森の中だったようだ。
「かあさま!」
そんな幼い声がどこからか聞こえる。カオルは、そちらの方に向かってみるが、近くから声が聞こえるだけで、姿は見えない。
(確か、ここは……)
カオルは、昔の記憶を頼りに、人一倍大きい大樹の根元を探る。すると、ある一点だけ透ける所があった。そこを通ると、そこには一人の少女と、血だらけの女性がいる。
「母様!」
血だらけの女性は、カオルの母であるマリアだった。
マリアに触れようとするも、なぜか体が透けてしまう。
「カオル……」
マリアは、自分ではなく、幼い少女に視線を向ける。
(そうだ……ここは、母様が死んだ……)
ここは、マリアの、最後の場所だった。自分は、避難するために、精霊達によって、安全な場所へと連れてこられて、その後に、マリアも運ばれてきた。
(確か、魔法阻害とか、そういうので攻撃されたせいで、回復魔法が効かないんだったっけ……)
触れられないが、カオルはマリアの出血している患部に触れる。透けてしまうが、自分は触れているような感覚でいた。
「ごめんね、カオル……あなた達だけを残していくのを許してちょうだい」
「かあさま。やだよ、死なないでよぉ……」
幼い少女は大泣きしている。それは、悲しさよりも、申し訳なさから流しているように見えた。その理由が、カオルにはなんとなくわかった。
カオルが、人間にマリアやガーノルドの事を話してしまったから、こうなっているのだと、幼いながらも、なんとなく理解していたのだ。
「きっと大丈夫よ。予知したの。あなたが大きくなったら、あなたの事を、家族のように思ってくれる存在が、きっと現れるわ」
(そうだ!母様は、そう言ったんだった……)
ここは、最近も思い浮かべた事があった。街中で暴走した時に、眠ってしまった夢で見た光景だ。
あの時は、母親が何て言っていたか思い出せなかったが、今、はっきりと思い出した。
「かぞく……?」
「そうよ。とっても素敵な人達。カオル達が危険な目にあっても、助けに来てくれるし、守ってくれる。そんな、母様や父様みたいな人達よ」
「カオルのかあさまととうさまは、かあさまととうさまだけだもん!」
いやいやと首を振りながら、少女はマリアに抱きつく。
「もちろん、カオルの母様や父様は私達だけよ。でも、あなたは、理外者なの」
「リガイシャ……?」
(理外者って、ナティーシャ様が言っていた……)
理外者である自分達は邪魔だと言っていた。理外者なのもよく分かっていない。なので、理外者がなんなのかなんて分かるはずもない。
「……とにかく、一人でいるのは危ないのよ。たとえ、精霊達と一緒でもね」
マリアは、少女の頭を撫でながら、優しくそう言った。
「ひとりで?」
「精霊がいるから、大抵の危険からは守ってくれるかもしれない。でも、精霊ではどうにも出来ない存在もいるの」
「そうなの?」
少女は、周りを飛んでいる精霊達を見渡す。精霊達は、ばつが悪そうに、顔をそらした。
「そして、それをどうにか出来てしまうのもいるわ」
「だれ?れてぃあさま?」
「そうね。レティア神もそうだわ。でも、現実にも生まれる。それが理外者なの」
「それが、カオル……?」
カオルは、マリアのまさかの言葉に、頭を抱える。自分が、そんなにすごい存在なんて思っていなかったからだ。もちろん、聖女と邪龍の娘と、精霊術士いうのが、立派な肩書きになるのは理解している。
それでも、それだけだ。それだけだと思っていた。
「そう。理から外れているからこそ、理を越えた力を得る事が出来る。だからこそ、その身を狙われる。多分、今回のも……」
マリアは、少し悲しそうな顔をしながら、カオルの頭を撫で続ける。
少女は、意味がよく分かっておらず、「かあさま……?」とマリアの顔を覗き込む。
「カオル。あなたは、いつか真の厄災と対峙する事になる。でも、きっと大丈夫よ。あなたには、頼れる存在が出来ているはずだから」
「かあさま?それって……」
どういう事?と少女が聞く前に、少女の頭から手を離す。そして、カオルの方に視線を向けて、ニコッと微笑んだ。
カオルが目があったかと驚いたその瞬間、マリアの目が閉じる。
(私の姿は見えてないはずだよね……?)
少女が気づいているような様子はなかったので、カオルはそう思っていた。
カオルは、そっと、マリアに触れようとする。手に触れた瞬間、まるでカオルの手を握るように、指が動いた。
「母様……」
懐かしいのと、悲しいのが合わさって、カオルは涙を流す。
「カオル!」
聞き覚えのある声が聞こえて、カオルは涙を拭い、声が聞こえた方を見る。そこには、リーズがいた。
「リーズ!」
「……母上か」
カオルの側に横たわっているマリアを見て、リーズが物悲しそうに呟く。カオルは、何も言わなかったが、心の中ではうなずいた。
「……行くぞ」
「……うん」
リーズと手を繋いで、カオルは光がある方に向かった。
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