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第三章 地方視察
137.
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なんか物騒なワードが出てきたぞ。堕ちた神器って字面だけでもヤバイ感じがする。
「それってなに?」
「完全にリルディナーツさまの管理下から外れた神器のことだ。堕ちる理由はいろいろあるが、一度堕ちたら戻ることはない」
「管理下から外れるとリルディナーツさまの力の制限を受けないから、強さも桁違いだ。白金級よりも上になることもある」
「白金級よりも!?」
白金級って、神器の強さの階級で一番上のやつですよね!?それよりも上って、ライとペンダントだけじゃ敵わないんじゃ……
「ああ、間違いなく負ける」
「時間稼ぎにもならないだろうな」
わかっていたことだけど、ばっさりと切り捨てられた。
今まで神器を相手にしていたときはそんなことを言わなかった。厄介とか面倒とか言うことはあっても、勝てないと言うことはなかった。
「これはリルディナーツさまに相談案件なのでは?」
「それはそうなんだが……堕ちた神器がどこにいるかわからない以上、報告してもリルディナーツさまも何もできねぇと思う」
確かに。堕ちた神器を見つけて対処ができるなら、私に神器回収を頼むことなんてないだろうしね。管理下にあるといっても、常に居場所を探知できるというわけではないのだろう。
でも、報告するべきではあるだろう。この近くに神殿ってあったかな。
「報告は好きにすればいいが、堕ちた奴とは極力関わらないほうが君のためだ」
「話が通じるとは思うんじゃねぇ。神器の主であるお前の言葉はまず聞かねぇからな。問答無用で殺しにかかってくる」
ライたちは神器に関することで大げさに言うことはない。だから、私が関わらないほうがいいのは確かなのだろう。でも……本当に、それでいいのだろうか。
堕ちた神器なんて放っておいていい存在ではないのは間違いないのに。でも、だからといって私に何かできることはないだろう。ならば。
「……その堕ちた神器っていうのは、この辺にはいない?」
「いねぇと思うが……それがどうした?」
「じゃあ、湖の問題は解決できそうだよね!」
ライたちが言うなら堕ちた神器のことは探らない。でも、それと湖の問題はまた別だ。
それに、もしかしたらということもあるし。
「おい、もしかしたらってなんだ」
「君の思考は僕たちに筒抜けなんだからな。よからぬ企みがあるならやめておけ」
「な、なんのこと~?」
大したことはないよ、大したことはね。堕ちた神器と関わるつもりはないから安心したまえ。
それにしても、改めて言われると理不尽だな。私の思考は筒抜けなのにライたちの思考は私に筒抜けじゃないんだから。
「別に全部見えてるわけじゃねぇよ。現にお前の悪巧みの全容はわからねぇし」
「悪巧みじゃないよ!」
別に私が何かしようってわけじゃない。もし向こうが動いたらというだけのことだし、可能性はあまり高くない。
「向こうが動くってなに」
「高くなくても可能性としてあるんなら話しておけ」
「だから、大したことじゃないってば!」
「大したことねぇんなら話せるだろうが」
「そうだ。この場で話さないなら、話すまで念を送り続けることになるけど」
それって、私の脳内にずっと催促の言葉が響くってこと?それは勘弁!脳内にずっと声が響くのってすごいストレスなんだよ!神器の脳内会話ってシャットアウトできないし。
夜もずっとされたら眠れなくなる!
いつもなら私の思考を深掘りすることなんてないのに、なんで今回はこんなにしつこいんだろう?
私が堕ちた神器に関わろうとしていると思ってるんだとしても、そこまでのことなのかな?
呆れられたりしても嫌だったから話したくなかったけど、私の心の安寧のためにも仕方ない。
「動くかなって思ったの」
「何が?」
「指輪たちが動くかなって。魔鏡とかいうので私たちを見てるなら、堕ちた神器のことを私たちを通じて知ってもおかしくないわけだし」
理由はよくわからないけど、ペンダントを狙ってきたということは、向こうも神器を集めようとしているということだ。
それなら、堕ちた神器のことを知れば、よくも悪くも放っておくことはないんじゃないかと思う。
さすがに味方に引き入れようとは考えないと思うけど、対処しようとする可能性はあるんじゃないかな。
「可能性はある。だが、自分から首を突っ込みに行くことはねぇと思うぞ」
「向こうにどれだけの神器がいるか知らないけど、堕ちた神器を相手にできるほどではないと思うし」
それができるならとっくに自分は連れていかれてると笑うペンダントに私は妙に納得してしまう。
なら、私の考えたもしかしたらというのは実現する可能性は低いのか。でも、動向を探るくらいのことはするかもしれないと。
よし。それなら、当初の予定どおり湖の問題だけ解決して、さっさと退散するとしよう。
水魔法で満たすのが簡単だろうけど……ここにはこの大きな穴を満たせるほどの水魔法使いはいない。
それに、満たせたとしても枯れた原因がわからなければまた枯れてしまうかもしれない。
「ねぇ、湖が枯れたのってこれが理由とかだったりしない?」
私はライたちに触るなと言われた黒い球体のものを指差す。
「まぁ、関係はあるかもな」
ライの言葉に、私はルナティーラお姉さまのあの言葉が脳裏をよぎる。
『今回の地方視察は行く先々で問題が起きるわね』
今回は関係ないと思ってたけど、ごめん。今回も神器関連だったよ……!
でも、私自身は関係ないと思うからね、うん。それに、関係ない可能性もゼロではないし。
「そもそも、この黒い球体はどんなものだ?堕ちた神器とやらと何の関係がある」
今まで口を挟まなかったお兄さまが口を開く。
「これは黒結晶だ」
ライがようやくこの黒い球体の名前を教えてくれる。
「う~ん……なんて言えばいいかな……。堕ちた神器から溢れた力が結晶化したもの……って言えばわかる?」
ペンダントはなぜか私を見ながら聞いてくる。おい、バカにしてんのか。
「お前の理解力がねぇからな」
「むぅ……」
そんなことはないと思いたいけど……なぜか言い返せない。
「話を戻すが、黒結晶は生き物が触れると大体は爆発する」
「大体ってことは、そうじゃない時もあるの?」
「黒結晶が神器の力が込められたものだからな。神器の力から大きく外れるようなことは起きねぇんだ」
う~ん……なんか、よくわからないな。神器ってそれぞれ能力が違うのに、どうして大体は爆発するんだろう。
「爆発っていうよりは、押し込められてた力が外に飛び出すっていう表現のほうが正しい。だから、攻撃能力を持たないやつ……君の知ってる奴だと、魅惑の銀鐘とかなら怪我はしないと思う」
「まぁ、ありとあらゆる生き物を魅了するようになるだろうけどな」
それはそれで嫌だなぁ……。魅惑の銀鐘は魔物すらも操れていたから、魔物も引き寄せそうだもん。
「なら、この黒結晶とやらに込められている力の正体が分かれば堕ちた神器の正体もわかるのか」
「理論上はな。だが、それはまず不可能だ」
エルクトお兄さまの推察はライによってすぐさま否定された。
ライの言葉をペンダントが保管する。
「黒結晶の力は僕たちは感知できないんだ。堕ちた神器も同じくね」
「えっ、そうなの!?」
神器は神器の気配を感じ取れるから、堕ちた神器でも感知できるものだと思ったんだけど……
「それはお互いにリルディナーツさまの管轄にあって繋がりがあるから。堕ちた神器は管轄から外れてるから感知できない。向こうも僕たちのことは感知できないだろうけど」
ふーん、神器の感知はそういう仕組みだったのか。それなら、指輪たちも感知できないってことか。
「まぁ、僕たちはできないってだけでリルディナーツさまはできるかもしれないし、持ってってあげれば?」
「いや、私が持ってくと危ないんじゃないの?」
「ああ……正確には、触れた生き物の魔力を吸い取るから、お前の場合はぶっ倒れて終わるんじゃねぇか?」
いや、それはそれで危ないし、ぶっ倒れたら持っていけないでしょ!
「まぁ、こいつは俺がリルディナーツさまに渡しておく。城では脱走扱いされてるだろうし、そろそろ戻らねぇとな」
「あっ、そういえば……」
普通に話してたけど、ライは城からこっちに飛んできたのであって、本来なら城でライとして過ごしているはずなのだ。
それなのに、三日以上こっちにいたもんなぁ。間違いなく脱走扱いされて探し回られているだろう。
「んじゃ、もう妙なことに巻き込まれんじゃねぇぞ」
「いや、絶対に私は悪くないって!」
向こうからやってきたのをどう防げと言うんだ!
そんな訴えは無視され、ライは黒結晶を持ってふっと消える。
「俺たちも戻るぞ、アナスタシア」
「あっ、はい。じゃあ、ペンダントも戻って」
「はいはい」
ペンダントは気だるそうな返事をして、人間形態から元のペンダントの状態に戻った。
そして、私はエルクトお兄さまにお姫さまだっこされて湖を後にした。
「それってなに?」
「完全にリルディナーツさまの管理下から外れた神器のことだ。堕ちる理由はいろいろあるが、一度堕ちたら戻ることはない」
「管理下から外れるとリルディナーツさまの力の制限を受けないから、強さも桁違いだ。白金級よりも上になることもある」
「白金級よりも!?」
白金級って、神器の強さの階級で一番上のやつですよね!?それよりも上って、ライとペンダントだけじゃ敵わないんじゃ……
「ああ、間違いなく負ける」
「時間稼ぎにもならないだろうな」
わかっていたことだけど、ばっさりと切り捨てられた。
今まで神器を相手にしていたときはそんなことを言わなかった。厄介とか面倒とか言うことはあっても、勝てないと言うことはなかった。
「これはリルディナーツさまに相談案件なのでは?」
「それはそうなんだが……堕ちた神器がどこにいるかわからない以上、報告してもリルディナーツさまも何もできねぇと思う」
確かに。堕ちた神器を見つけて対処ができるなら、私に神器回収を頼むことなんてないだろうしね。管理下にあるといっても、常に居場所を探知できるというわけではないのだろう。
でも、報告するべきではあるだろう。この近くに神殿ってあったかな。
「報告は好きにすればいいが、堕ちた奴とは極力関わらないほうが君のためだ」
「話が通じるとは思うんじゃねぇ。神器の主であるお前の言葉はまず聞かねぇからな。問答無用で殺しにかかってくる」
ライたちは神器に関することで大げさに言うことはない。だから、私が関わらないほうがいいのは確かなのだろう。でも……本当に、それでいいのだろうか。
堕ちた神器なんて放っておいていい存在ではないのは間違いないのに。でも、だからといって私に何かできることはないだろう。ならば。
「……その堕ちた神器っていうのは、この辺にはいない?」
「いねぇと思うが……それがどうした?」
「じゃあ、湖の問題は解決できそうだよね!」
ライたちが言うなら堕ちた神器のことは探らない。でも、それと湖の問題はまた別だ。
それに、もしかしたらということもあるし。
「おい、もしかしたらってなんだ」
「君の思考は僕たちに筒抜けなんだからな。よからぬ企みがあるならやめておけ」
「な、なんのこと~?」
大したことはないよ、大したことはね。堕ちた神器と関わるつもりはないから安心したまえ。
それにしても、改めて言われると理不尽だな。私の思考は筒抜けなのにライたちの思考は私に筒抜けじゃないんだから。
「別に全部見えてるわけじゃねぇよ。現にお前の悪巧みの全容はわからねぇし」
「悪巧みじゃないよ!」
別に私が何かしようってわけじゃない。もし向こうが動いたらというだけのことだし、可能性はあまり高くない。
「向こうが動くってなに」
「高くなくても可能性としてあるんなら話しておけ」
「だから、大したことじゃないってば!」
「大したことねぇんなら話せるだろうが」
「そうだ。この場で話さないなら、話すまで念を送り続けることになるけど」
それって、私の脳内にずっと催促の言葉が響くってこと?それは勘弁!脳内にずっと声が響くのってすごいストレスなんだよ!神器の脳内会話ってシャットアウトできないし。
夜もずっとされたら眠れなくなる!
いつもなら私の思考を深掘りすることなんてないのに、なんで今回はこんなにしつこいんだろう?
私が堕ちた神器に関わろうとしていると思ってるんだとしても、そこまでのことなのかな?
呆れられたりしても嫌だったから話したくなかったけど、私の心の安寧のためにも仕方ない。
「動くかなって思ったの」
「何が?」
「指輪たちが動くかなって。魔鏡とかいうので私たちを見てるなら、堕ちた神器のことを私たちを通じて知ってもおかしくないわけだし」
理由はよくわからないけど、ペンダントを狙ってきたということは、向こうも神器を集めようとしているということだ。
それなら、堕ちた神器のことを知れば、よくも悪くも放っておくことはないんじゃないかと思う。
さすがに味方に引き入れようとは考えないと思うけど、対処しようとする可能性はあるんじゃないかな。
「可能性はある。だが、自分から首を突っ込みに行くことはねぇと思うぞ」
「向こうにどれだけの神器がいるか知らないけど、堕ちた神器を相手にできるほどではないと思うし」
それができるならとっくに自分は連れていかれてると笑うペンダントに私は妙に納得してしまう。
なら、私の考えたもしかしたらというのは実現する可能性は低いのか。でも、動向を探るくらいのことはするかもしれないと。
よし。それなら、当初の予定どおり湖の問題だけ解決して、さっさと退散するとしよう。
水魔法で満たすのが簡単だろうけど……ここにはこの大きな穴を満たせるほどの水魔法使いはいない。
それに、満たせたとしても枯れた原因がわからなければまた枯れてしまうかもしれない。
「ねぇ、湖が枯れたのってこれが理由とかだったりしない?」
私はライたちに触るなと言われた黒い球体のものを指差す。
「まぁ、関係はあるかもな」
ライの言葉に、私はルナティーラお姉さまのあの言葉が脳裏をよぎる。
『今回の地方視察は行く先々で問題が起きるわね』
今回は関係ないと思ってたけど、ごめん。今回も神器関連だったよ……!
でも、私自身は関係ないと思うからね、うん。それに、関係ない可能性もゼロではないし。
「そもそも、この黒い球体はどんなものだ?堕ちた神器とやらと何の関係がある」
今まで口を挟まなかったお兄さまが口を開く。
「これは黒結晶だ」
ライがようやくこの黒い球体の名前を教えてくれる。
「う~ん……なんて言えばいいかな……。堕ちた神器から溢れた力が結晶化したもの……って言えばわかる?」
ペンダントはなぜか私を見ながら聞いてくる。おい、バカにしてんのか。
「お前の理解力がねぇからな」
「むぅ……」
そんなことはないと思いたいけど……なぜか言い返せない。
「話を戻すが、黒結晶は生き物が触れると大体は爆発する」
「大体ってことは、そうじゃない時もあるの?」
「黒結晶が神器の力が込められたものだからな。神器の力から大きく外れるようなことは起きねぇんだ」
う~ん……なんか、よくわからないな。神器ってそれぞれ能力が違うのに、どうして大体は爆発するんだろう。
「爆発っていうよりは、押し込められてた力が外に飛び出すっていう表現のほうが正しい。だから、攻撃能力を持たないやつ……君の知ってる奴だと、魅惑の銀鐘とかなら怪我はしないと思う」
「まぁ、ありとあらゆる生き物を魅了するようになるだろうけどな」
それはそれで嫌だなぁ……。魅惑の銀鐘は魔物すらも操れていたから、魔物も引き寄せそうだもん。
「なら、この黒結晶とやらに込められている力の正体が分かれば堕ちた神器の正体もわかるのか」
「理論上はな。だが、それはまず不可能だ」
エルクトお兄さまの推察はライによってすぐさま否定された。
ライの言葉をペンダントが保管する。
「黒結晶の力は僕たちは感知できないんだ。堕ちた神器も同じくね」
「えっ、そうなの!?」
神器は神器の気配を感じ取れるから、堕ちた神器でも感知できるものだと思ったんだけど……
「それはお互いにリルディナーツさまの管轄にあって繋がりがあるから。堕ちた神器は管轄から外れてるから感知できない。向こうも僕たちのことは感知できないだろうけど」
ふーん、神器の感知はそういう仕組みだったのか。それなら、指輪たちも感知できないってことか。
「まぁ、僕たちはできないってだけでリルディナーツさまはできるかもしれないし、持ってってあげれば?」
「いや、私が持ってくと危ないんじゃないの?」
「ああ……正確には、触れた生き物の魔力を吸い取るから、お前の場合はぶっ倒れて終わるんじゃねぇか?」
いや、それはそれで危ないし、ぶっ倒れたら持っていけないでしょ!
「まぁ、こいつは俺がリルディナーツさまに渡しておく。城では脱走扱いされてるだろうし、そろそろ戻らねぇとな」
「あっ、そういえば……」
普通に話してたけど、ライは城からこっちに飛んできたのであって、本来なら城でライとして過ごしているはずなのだ。
それなのに、三日以上こっちにいたもんなぁ。間違いなく脱走扱いされて探し回られているだろう。
「んじゃ、もう妙なことに巻き込まれんじゃねぇぞ」
「いや、絶対に私は悪くないって!」
向こうからやってきたのをどう防げと言うんだ!
そんな訴えは無視され、ライは黒結晶を持ってふっと消える。
「俺たちも戻るぞ、アナスタシア」
「あっ、はい。じゃあ、ペンダントも戻って」
「はいはい」
ペンダントは気だるそうな返事をして、人間形態から元のペンダントの状態に戻った。
そして、私はエルクトお兄さまにお姫さまだっこされて湖を後にした。
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