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第二章 赤い月と少年の秘密
27 合同依頼と動く者たち 2
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「これで何匹目だ……?」
「多分……十匹目」
クロードの呆れを含んだ質問に、リリカも呆れを含みながら答える。
二人の視線の先には、ウルフに殴りかかっているルイスがいた。
ルイスの拳がウルフの顔面に接触したとたん、その頭が弾け飛ぶ。
ルイスはおかしいという顔をしながら、その無惨な亡骸ーーというよりかは、肉と骨が砕け、血溜まりしかないそれを見つめる。
「……また失敗か。よーし次!」
ルイスがすぐに立ち直り、次の獲物に向けて足を踏み込む。
それを、クロードたちが慌てて止めた。
「待て待て!もう止めろって!これ以上粉々にされたら、俺たちが依頼失敗扱いされる!」
「等級が低くても、依頼失敗のペナルティって結構大きいのよ!」
「後は私たちがやります!ルイスくんは、うち漏らしたのを倒すくらいで結構ですから!」
「あっ、はい……」
複数の大人に怒鳴られたことはなかったため、ルイスは尻込みながら了承する。
ルイスは、踏み込むために力を入れた足から、力を抜いた。
ルイスは、とぼとぼと蒼風の刃たちの元に戻る。
「もうちょっとでコツが掴めそうだった気がするのに……」
ルイスのボソッと呟いた一人言に、ダンカが反論する。
「嘘つけ。少なくとも、お前がコツを覚えるには、ウルフなら五十匹は必要だろ」
「そ、そんな……そんなこと、あ、ありませんよ!」
「動揺がまったく隠せてねぇぞ」
ダンカの冷たい突っ込みに、ルイスはうっと呻く。
迷宮の件がうまく行きすぎて、少し調子に乗っていたところがあるが、ルイスの本来の実力はこうなのだ。
迷宮という、必ず素材が残る特殊な環境だったからこそ、ルイスでも活躍できていたわけで、決して手加減ができるようになったわけではない。
「それにしても、お前、あんなに強かったんだな。リリカたちがあんな風に言う理由がわかったぜ」
「あはは……すみません。いつもと調子が違うみたいで……」
「いつもは粉々にしねぇのか?」
「そういうわけじゃないんですけど……」
ルイスは、違和感を感じていた。
普段も、結果はほとんど同じなのだが、その過程がまるで違っている。
(なんか……力が強くなってる)
もちろん、冒険者になった頃に比べたら、ルイスも強くなっているだろう。それが手加減ができるようにならないことに拍車をかけているとも言える。
だが、今回は明らかに異常だった。
普段なら、弾け飛ぶとしても、もう少し拳がめり込んでから弾け飛ぶ。あんな、指が触れた瞬間に、弾けることはなかった。
お陰で、倒しているはずなのに、ほとんど手応えを感じなかったくらいだ。
指が触れた瞬間に弾けたということは、それだけルイスの力が強くなっているという証でもあるのだが……そんないきなり力が跳ね上がるようなことは、今まではなかった。
「ちょっとダンカ!ルイスくんと話してないで、ウルフ退治を手伝ってよ!」
「おお、すまんすまん!じゃあ、ルイスはここで待ってな!俺たちの動きを見て手加減を学ぶんだな」
「は、はい!頑張ります!」
ダンカの言葉に、ルイスは張り切って討伐の様子を観察する。
普通の人間と比べて、ルイスは体が頑丈すぎるのと、魔力が多く強すぎるのが手加減できない理由のため、冒険者たちの全力を出した動き方を学んだところで、そこまで劇的に変わるわけではないのだが……それにルイスが気づくことはなかった。
◇◇◇
ロウェルト領の警備隊。
それは、他の領地の警備隊と比べて、優秀な人物が多く集まっており、それに比例するかのように、治安も高い。
ロウェルト領の警備隊に所属している兵士というのは、それだけで憧れを抱かれることもあるくらいに優れた存在だった。
だが、そんなイメージを壊している存在が、警備隊にもいる。
「ああ……疲れた」
酒をぐびぐびと飲み、ため息混じりにそう呟く。それは、ロウェルト領の警備隊の一人である、ジュードだ。
ジュードは、ただでさえ優秀と言われているロウェルト領の警備隊の中でも、さらに優秀と言われているほどの人物だが、今はそんな気配は微塵も感じさせない。
知らない人が見れば、ただの呑んだくれている男にしか見えないだろう。
「おいおい。お前、今日は夜の見回りの担当だろ?そんなに飲んでたら仕事にならねぇぞ」
ジュードと一緒に飲んでいた、同じく警備隊の一人であるシアンが、呆れたように言う。
その言葉に、ジュードが酒の入ったグラスを机に叩きつける。
「うっせぇなぁ!どこぞの無能どものせいで、昼間は助っ人に呼ばれてろくに休めなかったんだ!酒でも飲まねぇとやってられねぇんだよ!」
「よくこんな場所で堂々と言えるな……」
「事実だろうが。なんで言い渋る必要がある」
ジュードとシアンが酒を飲んでいるところは、警備隊の詰所である。
つまりは、ジュードが無能と言っている警備隊の隊員がやってくる可能性だってある。それを知りながら堂々と言えるのは、さすがと言わざるを得ない。
「悪かったな無能でよ!」
シアンの予想というか、嫌な予感というのは的中し、ジュードが無能呼ばわりした隊員がやってくる。
「悪いと思ってるなら、夜の見回りを変わってくれ」
聞かれたことには特に慌てたりするようなこともなく、客に要求を突きつけた。
「それはお前の仕事だろ!」
「俺はお前の代わりを昼にしただろうが。夜も働けって言うのか?」
「俺だって仕事してなかったわけじゃないんだよ!人手が足りないから頼んだだけだろ!」
「そんな状況になったのはお前たちが無能がゆえだ」
「てめぇ……!」
今にもお互いに殴りあいそうなほど険悪になっている。
シアンは、さっさとその場を立ち去ろうと立ち上がったところで、「おいおい」と声がする。
「お前は相変わらず変わらねぇな」
「ダグラス。お前がここに来るとは珍しいな」
やってきたのはダグラスだった。
冒険者ギルドのギルドマスターであるダグラスが何の前触れもなくやってきたことに、シアンたち二人は驚いているが、ジュードはまったく驚いていない。
それほどに肝が座っているところも、家族以外には毒舌なところも、昔から何も変わっていない。
「レカーティアに言伝を頼まれてな」
「ほう?あいつがわざわざお前に頼むってことは、あいつ関連か?なら場所を変えるか」
ジュードは、気だるそうに立ち上がる。そして、ふわぁとあくびをした。
これだけ見ると、とても優秀な兵士には見えないが、ジュードの実力は、唯一ここの兵士長にも並ぶと謳われるほどの実力者だ。
兵士長は、三等級の魔物を単独討伐できるほどの実力者であるので、それに並ぶというのは、相当であるといえる。
(思えば、なんでこの領地には化け物しかいねぇんだろうな……)
ロウェルト領は、辺境のほうにあり、近くに迷宮が複数あること、港を持っており、他国からの侵攻を防ぐという目的もあるため、他の領地と比べて実力者が多いほうではあるが、それでも限度というものがある。
ダグラスはそう感じて呆れているが、ダグラスも化け物の一人に数えられているとは、本人も知らないことだ。
詰所の応接室へと場所を変えたダグラスとジュードは、向かい合うように座り、盗聴防止の魔法を使った。
「それで、何の用なんだ?」
ジュードにそう聞かれたダグラスは、レカーティアのときと同じように話した。
「なんでルイスが依頼を受けるのを止めなかったんだよ!」
「俺がレカーティアに話しに行っている間に受けちまってたんだよ。もう街の外に出ている」
「ったく……!ギルマスなら、話を通しとけ!」
そう言いつつも、きっとどうしようもなかったのであろうことは、ジュードもわかっている。だが、どうしても責めずにはいられずに、少し責めてしまう。
もう、どこにぶつけていいかもわからない怒りを抱えながら立ち上がる。
「おい。どこに行くつもりだ?」
座っているダグラスが、ジュードを見上げながら聞いてくる。
ジュードは決まっているとでも言いたげにダグラスを睨む。
「ルイスを迎えに行ってくる。引きずっても連れ戻すさ」
「……そうか。なら、俺は仕事に戻るとしよう」
ダグラスも立ち上がり、ジュードとともに詰所を出た。
「多分……十匹目」
クロードの呆れを含んだ質問に、リリカも呆れを含みながら答える。
二人の視線の先には、ウルフに殴りかかっているルイスがいた。
ルイスの拳がウルフの顔面に接触したとたん、その頭が弾け飛ぶ。
ルイスはおかしいという顔をしながら、その無惨な亡骸ーーというよりかは、肉と骨が砕け、血溜まりしかないそれを見つめる。
「……また失敗か。よーし次!」
ルイスがすぐに立ち直り、次の獲物に向けて足を踏み込む。
それを、クロードたちが慌てて止めた。
「待て待て!もう止めろって!これ以上粉々にされたら、俺たちが依頼失敗扱いされる!」
「等級が低くても、依頼失敗のペナルティって結構大きいのよ!」
「後は私たちがやります!ルイスくんは、うち漏らしたのを倒すくらいで結構ですから!」
「あっ、はい……」
複数の大人に怒鳴られたことはなかったため、ルイスは尻込みながら了承する。
ルイスは、踏み込むために力を入れた足から、力を抜いた。
ルイスは、とぼとぼと蒼風の刃たちの元に戻る。
「もうちょっとでコツが掴めそうだった気がするのに……」
ルイスのボソッと呟いた一人言に、ダンカが反論する。
「嘘つけ。少なくとも、お前がコツを覚えるには、ウルフなら五十匹は必要だろ」
「そ、そんな……そんなこと、あ、ありませんよ!」
「動揺がまったく隠せてねぇぞ」
ダンカの冷たい突っ込みに、ルイスはうっと呻く。
迷宮の件がうまく行きすぎて、少し調子に乗っていたところがあるが、ルイスの本来の実力はこうなのだ。
迷宮という、必ず素材が残る特殊な環境だったからこそ、ルイスでも活躍できていたわけで、決して手加減ができるようになったわけではない。
「それにしても、お前、あんなに強かったんだな。リリカたちがあんな風に言う理由がわかったぜ」
「あはは……すみません。いつもと調子が違うみたいで……」
「いつもは粉々にしねぇのか?」
「そういうわけじゃないんですけど……」
ルイスは、違和感を感じていた。
普段も、結果はほとんど同じなのだが、その過程がまるで違っている。
(なんか……力が強くなってる)
もちろん、冒険者になった頃に比べたら、ルイスも強くなっているだろう。それが手加減ができるようにならないことに拍車をかけているとも言える。
だが、今回は明らかに異常だった。
普段なら、弾け飛ぶとしても、もう少し拳がめり込んでから弾け飛ぶ。あんな、指が触れた瞬間に、弾けることはなかった。
お陰で、倒しているはずなのに、ほとんど手応えを感じなかったくらいだ。
指が触れた瞬間に弾けたということは、それだけルイスの力が強くなっているという証でもあるのだが……そんないきなり力が跳ね上がるようなことは、今まではなかった。
「ちょっとダンカ!ルイスくんと話してないで、ウルフ退治を手伝ってよ!」
「おお、すまんすまん!じゃあ、ルイスはここで待ってな!俺たちの動きを見て手加減を学ぶんだな」
「は、はい!頑張ります!」
ダンカの言葉に、ルイスは張り切って討伐の様子を観察する。
普通の人間と比べて、ルイスは体が頑丈すぎるのと、魔力が多く強すぎるのが手加減できない理由のため、冒険者たちの全力を出した動き方を学んだところで、そこまで劇的に変わるわけではないのだが……それにルイスが気づくことはなかった。
◇◇◇
ロウェルト領の警備隊。
それは、他の領地の警備隊と比べて、優秀な人物が多く集まっており、それに比例するかのように、治安も高い。
ロウェルト領の警備隊に所属している兵士というのは、それだけで憧れを抱かれることもあるくらいに優れた存在だった。
だが、そんなイメージを壊している存在が、警備隊にもいる。
「ああ……疲れた」
酒をぐびぐびと飲み、ため息混じりにそう呟く。それは、ロウェルト領の警備隊の一人である、ジュードだ。
ジュードは、ただでさえ優秀と言われているロウェルト領の警備隊の中でも、さらに優秀と言われているほどの人物だが、今はそんな気配は微塵も感じさせない。
知らない人が見れば、ただの呑んだくれている男にしか見えないだろう。
「おいおい。お前、今日は夜の見回りの担当だろ?そんなに飲んでたら仕事にならねぇぞ」
ジュードと一緒に飲んでいた、同じく警備隊の一人であるシアンが、呆れたように言う。
その言葉に、ジュードが酒の入ったグラスを机に叩きつける。
「うっせぇなぁ!どこぞの無能どものせいで、昼間は助っ人に呼ばれてろくに休めなかったんだ!酒でも飲まねぇとやってられねぇんだよ!」
「よくこんな場所で堂々と言えるな……」
「事実だろうが。なんで言い渋る必要がある」
ジュードとシアンが酒を飲んでいるところは、警備隊の詰所である。
つまりは、ジュードが無能と言っている警備隊の隊員がやってくる可能性だってある。それを知りながら堂々と言えるのは、さすがと言わざるを得ない。
「悪かったな無能でよ!」
シアンの予想というか、嫌な予感というのは的中し、ジュードが無能呼ばわりした隊員がやってくる。
「悪いと思ってるなら、夜の見回りを変わってくれ」
聞かれたことには特に慌てたりするようなこともなく、客に要求を突きつけた。
「それはお前の仕事だろ!」
「俺はお前の代わりを昼にしただろうが。夜も働けって言うのか?」
「俺だって仕事してなかったわけじゃないんだよ!人手が足りないから頼んだだけだろ!」
「そんな状況になったのはお前たちが無能がゆえだ」
「てめぇ……!」
今にもお互いに殴りあいそうなほど険悪になっている。
シアンは、さっさとその場を立ち去ろうと立ち上がったところで、「おいおい」と声がする。
「お前は相変わらず変わらねぇな」
「ダグラス。お前がここに来るとは珍しいな」
やってきたのはダグラスだった。
冒険者ギルドのギルドマスターであるダグラスが何の前触れもなくやってきたことに、シアンたち二人は驚いているが、ジュードはまったく驚いていない。
それほどに肝が座っているところも、家族以外には毒舌なところも、昔から何も変わっていない。
「レカーティアに言伝を頼まれてな」
「ほう?あいつがわざわざお前に頼むってことは、あいつ関連か?なら場所を変えるか」
ジュードは、気だるそうに立ち上がる。そして、ふわぁとあくびをした。
これだけ見ると、とても優秀な兵士には見えないが、ジュードの実力は、唯一ここの兵士長にも並ぶと謳われるほどの実力者だ。
兵士長は、三等級の魔物を単独討伐できるほどの実力者であるので、それに並ぶというのは、相当であるといえる。
(思えば、なんでこの領地には化け物しかいねぇんだろうな……)
ロウェルト領は、辺境のほうにあり、近くに迷宮が複数あること、港を持っており、他国からの侵攻を防ぐという目的もあるため、他の領地と比べて実力者が多いほうではあるが、それでも限度というものがある。
ダグラスはそう感じて呆れているが、ダグラスも化け物の一人に数えられているとは、本人も知らないことだ。
詰所の応接室へと場所を変えたダグラスとジュードは、向かい合うように座り、盗聴防止の魔法を使った。
「それで、何の用なんだ?」
ジュードにそう聞かれたダグラスは、レカーティアのときと同じように話した。
「なんでルイスが依頼を受けるのを止めなかったんだよ!」
「俺がレカーティアに話しに行っている間に受けちまってたんだよ。もう街の外に出ている」
「ったく……!ギルマスなら、話を通しとけ!」
そう言いつつも、きっとどうしようもなかったのであろうことは、ジュードもわかっている。だが、どうしても責めずにはいられずに、少し責めてしまう。
もう、どこにぶつけていいかもわからない怒りを抱えながら立ち上がる。
「おい。どこに行くつもりだ?」
座っているダグラスが、ジュードを見上げながら聞いてくる。
ジュードは決まっているとでも言いたげにダグラスを睨む。
「ルイスを迎えに行ってくる。引きずっても連れ戻すさ」
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―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
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