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第二章 赤い月と少年の秘密
26 合同依頼と動く者たち 1
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リリカたち蒼風の刃と合同依頼を受けることになったルイスは、共に街の外に出る。
受けた依頼は、ウルフの討伐依頼だった。
「最近、魔物の討伐依頼が多くないですか?」
ルイスが街に追い返されたときに会った冒険者たちも、目的は魔物の討伐。
そして、ルイスもダグラスから魔物の討伐を任されることが多かった。
ルイスは、今までそれに疑問を抱いたことはなかったが、よくよく考えればおかしい。ルイスが冒険者になってから半年経つが、こんなに頻繁に魔物の討伐依頼が出ることはなかった。
「そうね。でも、私たち冒険者からしてみれば、いないよりはありがたいわよ。収入になるもの」
リリカの収入になるという言葉に、ルイスは心臓がえぐられたような気分になる。
討伐証明を残せないルイスは、当然ながら、そんな収入を得ることはできないからだ。
「収入……ですか」
ルイスがあまりにもわかりやすく落ち込むのを見て、リリカは自分が何か失言したことに気づいたが、なんで失言となったかがわからずに、どう言葉をかけていいかがわからない。
勘のいいクロードは、なぜルイスが落ち込んだのかに気づき、不器用ながらもルイスの頭を撫でる。
「大丈夫だ。今回は俺たちとの合同依頼だから、加減ができなくても問題はない」
「そ、そうですね……」
暗に、自分は足手まといと言われているように感じたルイスは、苦笑いしかできない。
確かに、合同依頼なのだから、ルイスは、リリカたちについていけば、依頼を達成することはできる。
だが、そんなものでお金をもらっても、ルイスはちっとも嬉しくないし、それで孤児院に寄付しようなんて思えない。大活躍とまではいかなくても、それなりに貢献はしたかった。
(よし!それなら、僕も頑張って素材を残せるように頑張ろう!)
ルイスの意気込みとは裏腹に、妙なやる気を見せたルイスに、リリカたちは嫌な予感しかしなかった。
◇◇◇
一方その頃、ダグラスはギルドに戻っていた。
「おい!ルイスはここに来なかったか!?」
近くで仕事をしていた受付嬢に、ダグラスは怒鳴り散らすかのように聞いたので、受付嬢はびくりと体を震わせる。
「え、え~っと……『蒼風の刃』と合同依頼を受けに行きましたが……?」
「クソッ!遅かったか!」
ダグラスは、バンと壁に手を叩きつける。それを見て、受付嬢は再びびくりと体を震わせた。
それでも、勇気を振り絞って聞いてみる。
「あ、あの……ルイスくんに何か用でも……?」
「ないと言ったら嘘になるが……ルイス自身には何もないな」
「へっ?どういう意味です?」
「今日は出かけないでもらいたかったってことだ。とにかく、レカーティアに伝えて、ジュードにも伝言して……」
焦ったようにダグラスがぶつぶつと呟きながら出ていくが、受付嬢はますます意味がわからなかった。
「一体、なんだったんだろう……?」
わけがわからなすぎて、それ以上は考えずに、仕事に戻った。
受けた依頼は、ウルフの討伐依頼だった。
「最近、魔物の討伐依頼が多くないですか?」
ルイスが街に追い返されたときに会った冒険者たちも、目的は魔物の討伐。
そして、ルイスもダグラスから魔物の討伐を任されることが多かった。
ルイスは、今までそれに疑問を抱いたことはなかったが、よくよく考えればおかしい。ルイスが冒険者になってから半年経つが、こんなに頻繁に魔物の討伐依頼が出ることはなかった。
「そうね。でも、私たち冒険者からしてみれば、いないよりはありがたいわよ。収入になるもの」
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討伐証明を残せないルイスは、当然ながら、そんな収入を得ることはできないからだ。
「収入……ですか」
ルイスがあまりにもわかりやすく落ち込むのを見て、リリカは自分が何か失言したことに気づいたが、なんで失言となったかがわからずに、どう言葉をかけていいかがわからない。
勘のいいクロードは、なぜルイスが落ち込んだのかに気づき、不器用ながらもルイスの頭を撫でる。
「大丈夫だ。今回は俺たちとの合同依頼だから、加減ができなくても問題はない」
「そ、そうですね……」
暗に、自分は足手まといと言われているように感じたルイスは、苦笑いしかできない。
確かに、合同依頼なのだから、ルイスは、リリカたちについていけば、依頼を達成することはできる。
だが、そんなものでお金をもらっても、ルイスはちっとも嬉しくないし、それで孤児院に寄付しようなんて思えない。大活躍とまではいかなくても、それなりに貢献はしたかった。
(よし!それなら、僕も頑張って素材を残せるように頑張ろう!)
ルイスの意気込みとは裏腹に、妙なやる気を見せたルイスに、リリカたちは嫌な予感しかしなかった。
◇◇◇
一方その頃、ダグラスはギルドに戻っていた。
「おい!ルイスはここに来なかったか!?」
近くで仕事をしていた受付嬢に、ダグラスは怒鳴り散らすかのように聞いたので、受付嬢はびくりと体を震わせる。
「え、え~っと……『蒼風の刃』と合同依頼を受けに行きましたが……?」
「クソッ!遅かったか!」
ダグラスは、バンと壁に手を叩きつける。それを見て、受付嬢は再びびくりと体を震わせた。
それでも、勇気を振り絞って聞いてみる。
「あ、あの……ルイスくんに何か用でも……?」
「ないと言ったら嘘になるが……ルイス自身には何もないな」
「へっ?どういう意味です?」
「今日は出かけないでもらいたかったってことだ。とにかく、レカーティアに伝えて、ジュードにも伝言して……」
焦ったようにダグラスがぶつぶつと呟きながら出ていくが、受付嬢はますます意味がわからなかった。
「一体、なんだったんだろう……?」
わけがわからなすぎて、それ以上は考えずに、仕事に戻った。
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