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第一章 悪役王女になりまして
4. 学園でも評判は最悪
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「学園に戻ろうとは思ったけど……父親に言わないとダメかな」
最初に会った使用人の『お目覚めになられたのですね』という言葉から、何かしらの理由で寝込んでいたことは予想できる。そんな状態で、起きたから学園に行こうなんてことができるとは思えなかった。
彩花はベッドからピョンと飛び降りると、国王に会いに行くために部屋を出た。
(悪評は今日も絶好調ってわけか)
評判最悪の王女が歩いているので、城で働いている者たちは、すぐに廊下の端によって、道を開ける。
「ねぇ」
彩花は、とりあえず目についた使用人に声をかけた。
「は、はい!」
その使用人はビクッと体を震わせながら返事する。
「陛下に話があるのだけど、どこにいるかわかる?」
「い、今は私室におられるのではないかと……」
「わかった。ありがとう」
微笑みながらそう言って、彩花は立ち去った。
(ありがとう!?)
今までのエルルーアでは、考えられない言葉が口から出て、ポカーンと口を開けている。
(そういえば、さっきも陛下と呼んでいたような……)
さっきは八つ当たりされたりしないかという不安で気にする余裕がなかったが、先ほどエルルーアは父親のことを陛下と呼んでいた。いつもはお父さまお父さまと呼んでいるのにも関わらず。
(エルルーア王女殿下に何があったのだろう……)
そう思わずにはいられなかった。
*ー*ー*ー
当のエルルーア……もとい、彩花はそんなことを思われているとは露知らず、エルルーアの記憶を頼りに、国王の私室に来ていた。
「陛下、エルルーアです。お話があるのですが」
「入れ」
「失礼します」と声をかけて、彩花は中に入る。
「話とはなんだ」
「学園に戻る許可をいただけないかと」
国王は、少し考える素振りをしたが、すぐに了承した。
「かまわんが、もう平気か?一日しかたっていないぞ」
(三日くらいは寝込んでたのかと思ったけど……思ったよりも短いのね)
あの侍女の慌てようから、結構長い間意識がないものだと考えていたが、そうではなかったらしい。
彩花は微笑みながら、「大丈夫です」と言った。
「それなら、明日から復帰するといい」
*ー*ー*ー
その翌日。許可されたので、学園に復帰した。
普段は、寮で数名の使用人と暮らしている。この学園は、男女はもちろん、学年ごとに寮がわけられていて、エルルーアももちろん変わっていた。
(エルルーアの記憶によれば、確か三階の一番奥だったかな)
エルルーアの記憶を頼りに、寮の中を歩いていく。王女らしく、背筋も伸ばして。
(学園でも避けられると。扱いはどこも同じかもね)
周りの女子生徒は、自分を避けるように道を開けている。せっかく開けてくれているからと、堂々とそこの中央を通っている。
彩花は、エルルーアに与えられた寮の部屋に入っていく。
そこは、お城とさして変わらない内装だった。
(目がチカチカするのよね。光り物が多いと)
何個か換金してしまおうかとも思ったが、学園の備品だとしたら非常に面倒なので、その考えは捨てて、彩花はベッドに寝転がる。
使用人にもう下がってもいいことを伝えたので、今この部屋には彩花一人しかいない。
(さて、残り二年の間にエルルーアは殺される。美月が何て言ってたか思い出してみるか)
彩花は、この前の続きから思い出してみる。
『なんで殺されるの?』
『確か……邪魔に思ってて、嫌ってたからじゃなかったかな!』
そう答える美月に、そりゃそうでしょと心の中でツッコミをいれた。何らかの理由で邪魔だと思ったり、嫌っていなければ、殺そうとなんてしないはずだから。
『じゃあ、なんでそう思ってたの?』
『え~っとね~……その子、お兄さんとお姉さんとはお母さんが違う腹違い?ってやつなんだけどね、その二人のお母さんの派閥?が邪魔に思ったんだって。だから消そうとしたらしいよ~』
うらめしや~とでも言い出しそうなポーズで彩花に教えた。その場に合わせて、彩花は、「怖~い」と体を震えさせていた。
(そうか。何らかの理由で邪魔に思われた。考えられるとするのならば、私の母親が側妃だったという点だけど……)
王妃の派閥がそれを理由に狙ってきたのならば、一度回避しても、再び狙われる可能性は高いだろう。この学園でも、安全とは言いきれないかもしれない。
「とりあえず、今のところは普通に学園生活を送るとしようかな」
彩花が最終的に出した決断はこれだった。
*ー*ー*ー
さらに翌日。彩花が学園の授業に復帰する日。今日は、外で行うため、彩花は外出着に着替えて外に出る。
(何をするのかな)
彩花が辺りを見渡す。すると、赤と白が交互になっている、日本でよく見るような的がある。
(そういえば、特訓パートでこんな描写があったな……)
恋愛パートの中に盛り込まれている、マンツーマンで魔法の使い方を教えるときに出てきた場面に酷似していた。
この世界には、魔法が存在するが、エルルーアは魔力は強いが、コントロールは下手くそだった。なので、魔法の成績はあまり良くなかった。
(わざと失敗……は、難しいな……)
いくら天才子役だったとしても、今のシチュエーションは難しかった。なにせ、日本は魔法が存在しない世界にある。どのようにすれば成功するかもよくわかっていないのに、失敗の方法なんてわからないに決まっている。
成功方法がわからなければ、失敗を演じられないからだ。
(失敗できないなら、せめて凡人くらいにしておこう)
彩花は、他の者たちが使っている魔法を見て、平均を予想する。
そして、エルルーアの番が来た。担当の教師は、少し震えているように映った。
(エルルーアが八つ当たりでもしてたのかな)
彩花はそう思っただけで、そこまで気には止めなかった。
「ファイアーボール」と唱えて、手から生み出した火の玉を的にぶつけた。威力はおそらく平均的だろう。
「終わりましたよ、先生!」
どうだと言わんばかりにどや顔をした。今までのエルルーアから考えて、少し子供らしくしようと思ったのだ。
「え、ええ……もういいですよ」
「はーい」
(部屋でのんびりしてようかな?それとも、街にでも出かけようか?)
彩花は、寮に戻るために足を進めている。
もう授業が終わった気でいる。エルルーアが最後なので、当然かもしれないが、まだ授業が終わっているわけではない。
「あの~、授業は終わってませんよ?」
一人の女の子がエルルーアに声をかけて、周りは何をやってるんだという顔をした。
彼女は、平民で、王女のことはよく知らず、今まで同じクラスになったことがないので知らないが、エルルーアはよく授業の途中で抜けている。教師が『もういい』と言えば、部屋に戻っていたのだ。
エルルーアは、声がする方を振り向いた。
「あー、ごめん。もういいって言われたから、てっきり戻っていいのかと……」
少し照れくさそうにエルルーアが戻ってきた。
周りが鳩が豆鉄砲を食ったように驚いている。
今までエルルーアが謝ることなんてなくて、戻ってくることもなかったからだ。
もちろん、これも彩花からすればすべて計算のうち。
(これで少しは悪評払拭できたかな)
歩く度に真っ二つに割れる通路、まるで女王にでもなったかのように頭を下げられる。日本人である彼女には、そんな感覚は慣れていなかった。権力者の娘として演じたことはあったが、それは演技だから。現実となると話は別。
粗雑に扱えとは言わないが、彼女は特別扱いを嫌っている。自分も他と同じように扱ってほしいのだ。
最初から帰らないでいてもよかったが、気まぐれだと思われてもいけないので、わざと帰ろうとした。声をかけられなければ、そのまま帰るつもりではあったが。
「では先生。授業の続き、お願いします」
「あっ……はい」
少し戸惑ってはいたが、授業を再開した。
(まだ払拭は難しいかもな)
彩花は、そう思って心の中でため息をついた。
最初に会った使用人の『お目覚めになられたのですね』という言葉から、何かしらの理由で寝込んでいたことは予想できる。そんな状態で、起きたから学園に行こうなんてことができるとは思えなかった。
彩花はベッドからピョンと飛び降りると、国王に会いに行くために部屋を出た。
(悪評は今日も絶好調ってわけか)
評判最悪の王女が歩いているので、城で働いている者たちは、すぐに廊下の端によって、道を開ける。
「ねぇ」
彩花は、とりあえず目についた使用人に声をかけた。
「は、はい!」
その使用人はビクッと体を震わせながら返事する。
「陛下に話があるのだけど、どこにいるかわかる?」
「い、今は私室におられるのではないかと……」
「わかった。ありがとう」
微笑みながらそう言って、彩花は立ち去った。
(ありがとう!?)
今までのエルルーアでは、考えられない言葉が口から出て、ポカーンと口を開けている。
(そういえば、さっきも陛下と呼んでいたような……)
さっきは八つ当たりされたりしないかという不安で気にする余裕がなかったが、先ほどエルルーアは父親のことを陛下と呼んでいた。いつもはお父さまお父さまと呼んでいるのにも関わらず。
(エルルーア王女殿下に何があったのだろう……)
そう思わずにはいられなかった。
*ー*ー*ー
当のエルルーア……もとい、彩花はそんなことを思われているとは露知らず、エルルーアの記憶を頼りに、国王の私室に来ていた。
「陛下、エルルーアです。お話があるのですが」
「入れ」
「失礼します」と声をかけて、彩花は中に入る。
「話とはなんだ」
「学園に戻る許可をいただけないかと」
国王は、少し考える素振りをしたが、すぐに了承した。
「かまわんが、もう平気か?一日しかたっていないぞ」
(三日くらいは寝込んでたのかと思ったけど……思ったよりも短いのね)
あの侍女の慌てようから、結構長い間意識がないものだと考えていたが、そうではなかったらしい。
彩花は微笑みながら、「大丈夫です」と言った。
「それなら、明日から復帰するといい」
*ー*ー*ー
その翌日。許可されたので、学園に復帰した。
普段は、寮で数名の使用人と暮らしている。この学園は、男女はもちろん、学年ごとに寮がわけられていて、エルルーアももちろん変わっていた。
(エルルーアの記憶によれば、確か三階の一番奥だったかな)
エルルーアの記憶を頼りに、寮の中を歩いていく。王女らしく、背筋も伸ばして。
(学園でも避けられると。扱いはどこも同じかもね)
周りの女子生徒は、自分を避けるように道を開けている。せっかく開けてくれているからと、堂々とそこの中央を通っている。
彩花は、エルルーアに与えられた寮の部屋に入っていく。
そこは、お城とさして変わらない内装だった。
(目がチカチカするのよね。光り物が多いと)
何個か換金してしまおうかとも思ったが、学園の備品だとしたら非常に面倒なので、その考えは捨てて、彩花はベッドに寝転がる。
使用人にもう下がってもいいことを伝えたので、今この部屋には彩花一人しかいない。
(さて、残り二年の間にエルルーアは殺される。美月が何て言ってたか思い出してみるか)
彩花は、この前の続きから思い出してみる。
『なんで殺されるの?』
『確か……邪魔に思ってて、嫌ってたからじゃなかったかな!』
そう答える美月に、そりゃそうでしょと心の中でツッコミをいれた。何らかの理由で邪魔だと思ったり、嫌っていなければ、殺そうとなんてしないはずだから。
『じゃあ、なんでそう思ってたの?』
『え~っとね~……その子、お兄さんとお姉さんとはお母さんが違う腹違い?ってやつなんだけどね、その二人のお母さんの派閥?が邪魔に思ったんだって。だから消そうとしたらしいよ~』
うらめしや~とでも言い出しそうなポーズで彩花に教えた。その場に合わせて、彩花は、「怖~い」と体を震えさせていた。
(そうか。何らかの理由で邪魔に思われた。考えられるとするのならば、私の母親が側妃だったという点だけど……)
王妃の派閥がそれを理由に狙ってきたのならば、一度回避しても、再び狙われる可能性は高いだろう。この学園でも、安全とは言いきれないかもしれない。
「とりあえず、今のところは普通に学園生活を送るとしようかな」
彩花が最終的に出した決断はこれだった。
*ー*ー*ー
さらに翌日。彩花が学園の授業に復帰する日。今日は、外で行うため、彩花は外出着に着替えて外に出る。
(何をするのかな)
彩花が辺りを見渡す。すると、赤と白が交互になっている、日本でよく見るような的がある。
(そういえば、特訓パートでこんな描写があったな……)
恋愛パートの中に盛り込まれている、マンツーマンで魔法の使い方を教えるときに出てきた場面に酷似していた。
この世界には、魔法が存在するが、エルルーアは魔力は強いが、コントロールは下手くそだった。なので、魔法の成績はあまり良くなかった。
(わざと失敗……は、難しいな……)
いくら天才子役だったとしても、今のシチュエーションは難しかった。なにせ、日本は魔法が存在しない世界にある。どのようにすれば成功するかもよくわかっていないのに、失敗の方法なんてわからないに決まっている。
成功方法がわからなければ、失敗を演じられないからだ。
(失敗できないなら、せめて凡人くらいにしておこう)
彩花は、他の者たちが使っている魔法を見て、平均を予想する。
そして、エルルーアの番が来た。担当の教師は、少し震えているように映った。
(エルルーアが八つ当たりでもしてたのかな)
彩花はそう思っただけで、そこまで気には止めなかった。
「ファイアーボール」と唱えて、手から生み出した火の玉を的にぶつけた。威力はおそらく平均的だろう。
「終わりましたよ、先生!」
どうだと言わんばかりにどや顔をした。今までのエルルーアから考えて、少し子供らしくしようと思ったのだ。
「え、ええ……もういいですよ」
「はーい」
(部屋でのんびりしてようかな?それとも、街にでも出かけようか?)
彩花は、寮に戻るために足を進めている。
もう授業が終わった気でいる。エルルーアが最後なので、当然かもしれないが、まだ授業が終わっているわけではない。
「あの~、授業は終わってませんよ?」
一人の女の子がエルルーアに声をかけて、周りは何をやってるんだという顔をした。
彼女は、平民で、王女のことはよく知らず、今まで同じクラスになったことがないので知らないが、エルルーアはよく授業の途中で抜けている。教師が『もういい』と言えば、部屋に戻っていたのだ。
エルルーアは、声がする方を振り向いた。
「あー、ごめん。もういいって言われたから、てっきり戻っていいのかと……」
少し照れくさそうにエルルーアが戻ってきた。
周りが鳩が豆鉄砲を食ったように驚いている。
今までエルルーアが謝ることなんてなくて、戻ってくることもなかったからだ。
もちろん、これも彩花からすればすべて計算のうち。
(これで少しは悪評払拭できたかな)
歩く度に真っ二つに割れる通路、まるで女王にでもなったかのように頭を下げられる。日本人である彼女には、そんな感覚は慣れていなかった。権力者の娘として演じたことはあったが、それは演技だから。現実となると話は別。
粗雑に扱えとは言わないが、彼女は特別扱いを嫌っている。自分も他と同じように扱ってほしいのだ。
最初から帰らないでいてもよかったが、気まぐれだと思われてもいけないので、わざと帰ろうとした。声をかけられなければ、そのまま帰るつもりではあったが。
「では先生。授業の続き、お願いします」
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