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第一章 悪役王女になりまして
25. 敏感だけど抜けている
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「さてっと……容姿を変えておくかな」
エルルーアの姿はあまり知られていないが、栗色の髪色は、エルルーアしかいないので、髪色でばれる可能性がある。
アルフォンスの部屋から抜けたときのように、髪色を濃くした。
(そういえば、なんで私に気づいたのかな……?)
あのときは、その後にテロの計画などがあったので、あまり気にしていなかったが、あのとき、エルルーアは後ろ姿だったはずだ。そして、こちらから声をかけたとはいえ、最初から自分がエルルーアだと知っているようだった。
(あのブレスレット……?それとも、声で判断した?それとも顔?)
あり得そうなのは、魔道具らしきブレスレットだ。エルルーアとアルフォンスは、片手で数えられる……強いて言えば、両手で数えられるくらいにしか交流していない。
それで、顔や声だけで判断できるとは思えなかった。できるかもしれないので、完全に否定できるわけではないが。
ひとまず、アルフォンス以外には見破られない可能性が高いので、再びダークブラウンの髪色にする。
「よし!行くか!」
そうは意気込んだものの、その場から動かない。
「え~っと……なんで外に出ようとしたんだったかな……?」
彩花は、意外と抜けているところがあった。
「まぁ、いっか!久しぶりに街を出歩くかな」
が、あまり気にすることはなかった。
*ー*ー*ー
「それで、城壁を乗り越えて外に出ていったと?」
「ええ、お兄さまによろしくお伝えくださいと言っていました」
マティアスからの報告を受けていたアルフォンスは、大きくため息をつく。
やけに城内が騒がしいとは思っていたが、人が見ている前で、堂々と木から飛び移って城壁を乗り越えて外に出ていったのだから、騒ぎにならないわけがない。
「とりあえず、護衛が向かっているだろうし、向かっていなかったら向かわせよう」
その場には騎士もいたというから、その騎士から報告がいっていたとしたら、何人かがエルルーアを探しに向かっているはずだ。
「かしこまりました。では、私はあのじゃじゃ馬を追いかけますので、失礼します」
マティアスは、頭を下げて、アルフォンスの部屋から出ていった。
「あいつは王女の自覚があるのか……?」
いくら側室の娘とはいえ、国王の血を引いている王女であることには変わらない。それどころか、エルルーアが一番狙われやすい立場だ。
それがわかっていないわけではないだろうに、エルルーアはそんなのは関係ないとばかりに、一人で外に出ていってしまった。
(あのじゃじゃ馬のことだから、何かに首を突っ込んでそうだな……)
性格の悪さはあまり変わってなさそうだったが、自分のことをないがしろにしているような感じがした。
自分の評判が地に落ちても、その方が都合が良いなら受け入れる。それどころか、あまり気にしていない。他人事のような感じだ。
そんな風に多少の変化はしているが、根本的なところは何も変わっていない。エルルーアは、自分が正しいと思えば、あまり考えずに行動する節がある。最近はあまりないが、だからといって、やらないとは限らない。事実、怪我の危険があるのに、ドアから出してくれないからと、窓から出ていったことがある。
(……早く終わらせた方がいいか)
目の前に積まれている書類の山を見て、アルフォンスはため息をついた。
*ー*ー*ー
本来の目的を忘れてしまったので、街をブラブラとウィンドウショッピングしている。
「なんか、アヤを思い出すなぁ」
ばれないように、帽子とメガネをかけて出歩いていたのが、今と重なって見えた。帽子もメガネもかけていないが、今は髪色を変えて、エルルーアだと気づかれないようにしている。
それでも、たまに視線を感じたりはしていたが。
(そして、今も誰か見てるな……三人か。敵意はなさそうだけど……)
少し後ろを見てみたが、物陰に三人ほどいるのを見つけた。おそらく、護衛かなにかだろう。
あのとき、騎士達にも見られていたはずなので、そこから報告にいったのは推測できる。
できはするが、今の自分は髪色を変えている。この距離で気づくものなのかと疑っている。
(護衛だとしても、気になるのは気になるのよ。一人がいいのを察してか、距離をとっているのが逆に怪しい)
別に騎士達は隠密などに手慣れているわけではないので、見る人が見れば、完全な不審者だ。彩花にとっては、ストーカーにしか思えない。
一人の方が気楽なのは確かだが、ずっとストーカーのように尾行されるのも落ち着かないので、もうこっちから出迎えてやろうと足の向きを変えた。
もし敵なら、適当にあしらえばいい。護衛ならついてきてもらえばいい。
「ねぇ、さっきからついてきてるのが気になるんだけど。私、髪色を変えているはずなんだけど、よく気づいたね」
彩花がついてきた人物に少し近づいてそう言うと、向こうはなんで気づいたんだという反応をする。
隠れているつもりだったのかもしれないが、彩花はすぐに気づいていた。
自分が裏庭から出ていったから、正門から出ていったであろう彼らにすぐに追いつかれたんだろうな、という推測を立てて。
「アルフォンス殿下から、エルルーア殿下は髪色を変えている可能性があると聞いていましたので……」
やっぱりアルフォンスが言っていたのかと思いながらも、尾行するのはやめるように言った。もう堂々とついてこいと。
「めんどくさいのよ、気になるしさ。あと、ついてくるなら王女殿下とはやめてよね」
目立つのが嫌いな彩花は、護衛がいない方が良かったが、どうせついてこられるのなら、お忍びの貴族のお嬢様くらいに思われておこうと考えた。お忍びの王女よりは目立たないだろうという考えだ。
「ってなわけで、とりあえず……」
「「「……?」」」
急に手を差し出してきたエルルーアに、騎士達は戸惑う。だが、すぐにその理由がわかった。
「お金、持ってないから貸して」
「「「……えっ?」」」
謁見の間からまっすぐに街まで来たエルルーアは、1ルータも持っていなかった。
「だから、お金、貸して?」
「いやいや、私達も今月はちょっと……」
「大丈夫。お城に戻ったら返すから。……多分」
最後に少し目をそらしながら、多分だけ小さく言ったエルルーアに対して、騎士達は、「多分!?」と驚いている。
全財産がどれくらいか、あまり覚えていない。欲しかったら、国王が買い与えてくれていたので、自分のお金で買い物をしたことがないのだ。
なので、借りたところで、ちゃんと返せるとは言い難かった。
つまり、今回は演技ではなく、素で目をそらしてしまった。
「ほら、行くわよ」
「いやいや!こっちはまだ納得していなーー」
「それならそこにいれば?私に何かあれば、あんた達も怒られるだろうけど」
エルルーアが勝手に抜け出したので、自分が怒られるのは自覚している。だが、彼らも護衛として来ているんだから、一緒に怒られるのはあり得る展開だ。
「私達がいないとあなたが困りませんか?」
「いや、お金はもらったからいなくても困らないけど?」
彩花がそう言うと、騎士達は慌てて自分達の懐を探る。
ふとエルルーアの方を見ると、お金をいれているサイフを、エルルーアが手にしていた。
「あっ!いつの間に盗ったんですか!」
「話している間に、空間移動でサッと」
お金を貸してと言ったときに、騎士達が思わず抑えていたところから、どこにしまってあるのかはわかっていたので、右手でお金をくれというポーズをして、左手でお金を盗んでいた。
何度も言うようだが、エルルーアはコントロールが下手だっただけであって、それ以外は優秀だ。イメージさえしっかりとしていれば、詠唱なんてなくても魔法が使える。
「ピンチって感じのことを言ってたわりには、結構入ってるよね」
「入ってるよねじゃありませんよ!返してください!」
「お城に帰って、気が向いたらね」
(((気が向いたら!?)))
そのままもらいますと言っているようなものなので、騎士達が驚いて硬直していると、「冗談冗談」とエルルーアは笑っている。
「買い物が終わって、返してって言ったら返すから。言わなかったらそのままもらうけど」
ついてこないとそのまま借りパクすると彩花は言外に伝える。
騎士達は隠密などに少し戸惑っていたが、彩花の意図に気がつき、ため息をつく。
「わかりました。あまり高いものは買わないでくださいね」
「ええ。それと、格好でわかると思うけど、お忍びだから、殿下は禁止。エルルーアも知っている人がいるかもしれないし、ルルって呼びなさい」
適当に真ん中からとって、偽名を伝える。今、この瞬間から、彩花はルルになっている。
「じゃ、行こう!お兄ちゃん達!」
彩花は、無邪気に笑って、騎士の一人の腕を引っ張った。
「ところでさ……」
「なんですか?」
「ここってどこだっけ?」
「「「えっ!?」」」
無鉄砲でお城から飛び出した彩花は、迷子になっていた。
エルルーアの姿はあまり知られていないが、栗色の髪色は、エルルーアしかいないので、髪色でばれる可能性がある。
アルフォンスの部屋から抜けたときのように、髪色を濃くした。
(そういえば、なんで私に気づいたのかな……?)
あのときは、その後にテロの計画などがあったので、あまり気にしていなかったが、あのとき、エルルーアは後ろ姿だったはずだ。そして、こちらから声をかけたとはいえ、最初から自分がエルルーアだと知っているようだった。
(あのブレスレット……?それとも、声で判断した?それとも顔?)
あり得そうなのは、魔道具らしきブレスレットだ。エルルーアとアルフォンスは、片手で数えられる……強いて言えば、両手で数えられるくらいにしか交流していない。
それで、顔や声だけで判断できるとは思えなかった。できるかもしれないので、完全に否定できるわけではないが。
ひとまず、アルフォンス以外には見破られない可能性が高いので、再びダークブラウンの髪色にする。
「よし!行くか!」
そうは意気込んだものの、その場から動かない。
「え~っと……なんで外に出ようとしたんだったかな……?」
彩花は、意外と抜けているところがあった。
「まぁ、いっか!久しぶりに街を出歩くかな」
が、あまり気にすることはなかった。
*ー*ー*ー
「それで、城壁を乗り越えて外に出ていったと?」
「ええ、お兄さまによろしくお伝えくださいと言っていました」
マティアスからの報告を受けていたアルフォンスは、大きくため息をつく。
やけに城内が騒がしいとは思っていたが、人が見ている前で、堂々と木から飛び移って城壁を乗り越えて外に出ていったのだから、騒ぎにならないわけがない。
「とりあえず、護衛が向かっているだろうし、向かっていなかったら向かわせよう」
その場には騎士もいたというから、その騎士から報告がいっていたとしたら、何人かがエルルーアを探しに向かっているはずだ。
「かしこまりました。では、私はあのじゃじゃ馬を追いかけますので、失礼します」
マティアスは、頭を下げて、アルフォンスの部屋から出ていった。
「あいつは王女の自覚があるのか……?」
いくら側室の娘とはいえ、国王の血を引いている王女であることには変わらない。それどころか、エルルーアが一番狙われやすい立場だ。
それがわかっていないわけではないだろうに、エルルーアはそんなのは関係ないとばかりに、一人で外に出ていってしまった。
(あのじゃじゃ馬のことだから、何かに首を突っ込んでそうだな……)
性格の悪さはあまり変わってなさそうだったが、自分のことをないがしろにしているような感じがした。
自分の評判が地に落ちても、その方が都合が良いなら受け入れる。それどころか、あまり気にしていない。他人事のような感じだ。
そんな風に多少の変化はしているが、根本的なところは何も変わっていない。エルルーアは、自分が正しいと思えば、あまり考えずに行動する節がある。最近はあまりないが、だからといって、やらないとは限らない。事実、怪我の危険があるのに、ドアから出してくれないからと、窓から出ていったことがある。
(……早く終わらせた方がいいか)
目の前に積まれている書類の山を見て、アルフォンスはため息をついた。
*ー*ー*ー
本来の目的を忘れてしまったので、街をブラブラとウィンドウショッピングしている。
「なんか、アヤを思い出すなぁ」
ばれないように、帽子とメガネをかけて出歩いていたのが、今と重なって見えた。帽子もメガネもかけていないが、今は髪色を変えて、エルルーアだと気づかれないようにしている。
それでも、たまに視線を感じたりはしていたが。
(そして、今も誰か見てるな……三人か。敵意はなさそうだけど……)
少し後ろを見てみたが、物陰に三人ほどいるのを見つけた。おそらく、護衛かなにかだろう。
あのとき、騎士達にも見られていたはずなので、そこから報告にいったのは推測できる。
できはするが、今の自分は髪色を変えている。この距離で気づくものなのかと疑っている。
(護衛だとしても、気になるのは気になるのよ。一人がいいのを察してか、距離をとっているのが逆に怪しい)
別に騎士達は隠密などに手慣れているわけではないので、見る人が見れば、完全な不審者だ。彩花にとっては、ストーカーにしか思えない。
一人の方が気楽なのは確かだが、ずっとストーカーのように尾行されるのも落ち着かないので、もうこっちから出迎えてやろうと足の向きを変えた。
もし敵なら、適当にあしらえばいい。護衛ならついてきてもらえばいい。
「ねぇ、さっきからついてきてるのが気になるんだけど。私、髪色を変えているはずなんだけど、よく気づいたね」
彩花がついてきた人物に少し近づいてそう言うと、向こうはなんで気づいたんだという反応をする。
隠れているつもりだったのかもしれないが、彩花はすぐに気づいていた。
自分が裏庭から出ていったから、正門から出ていったであろう彼らにすぐに追いつかれたんだろうな、という推測を立てて。
「アルフォンス殿下から、エルルーア殿下は髪色を変えている可能性があると聞いていましたので……」
やっぱりアルフォンスが言っていたのかと思いながらも、尾行するのはやめるように言った。もう堂々とついてこいと。
「めんどくさいのよ、気になるしさ。あと、ついてくるなら王女殿下とはやめてよね」
目立つのが嫌いな彩花は、護衛がいない方が良かったが、どうせついてこられるのなら、お忍びの貴族のお嬢様くらいに思われておこうと考えた。お忍びの王女よりは目立たないだろうという考えだ。
「ってなわけで、とりあえず……」
「「「……?」」」
急に手を差し出してきたエルルーアに、騎士達は戸惑う。だが、すぐにその理由がわかった。
「お金、持ってないから貸して」
「「「……えっ?」」」
謁見の間からまっすぐに街まで来たエルルーアは、1ルータも持っていなかった。
「だから、お金、貸して?」
「いやいや、私達も今月はちょっと……」
「大丈夫。お城に戻ったら返すから。……多分」
最後に少し目をそらしながら、多分だけ小さく言ったエルルーアに対して、騎士達は、「多分!?」と驚いている。
全財産がどれくらいか、あまり覚えていない。欲しかったら、国王が買い与えてくれていたので、自分のお金で買い物をしたことがないのだ。
なので、借りたところで、ちゃんと返せるとは言い難かった。
つまり、今回は演技ではなく、素で目をそらしてしまった。
「ほら、行くわよ」
「いやいや!こっちはまだ納得していなーー」
「それならそこにいれば?私に何かあれば、あんた達も怒られるだろうけど」
エルルーアが勝手に抜け出したので、自分が怒られるのは自覚している。だが、彼らも護衛として来ているんだから、一緒に怒られるのはあり得る展開だ。
「私達がいないとあなたが困りませんか?」
「いや、お金はもらったからいなくても困らないけど?」
彩花がそう言うと、騎士達は慌てて自分達の懐を探る。
ふとエルルーアの方を見ると、お金をいれているサイフを、エルルーアが手にしていた。
「あっ!いつの間に盗ったんですか!」
「話している間に、空間移動でサッと」
お金を貸してと言ったときに、騎士達が思わず抑えていたところから、どこにしまってあるのかはわかっていたので、右手でお金をくれというポーズをして、左手でお金を盗んでいた。
何度も言うようだが、エルルーアはコントロールが下手だっただけであって、それ以外は優秀だ。イメージさえしっかりとしていれば、詠唱なんてなくても魔法が使える。
「ピンチって感じのことを言ってたわりには、結構入ってるよね」
「入ってるよねじゃありませんよ!返してください!」
「お城に帰って、気が向いたらね」
(((気が向いたら!?)))
そのままもらいますと言っているようなものなので、騎士達が驚いて硬直していると、「冗談冗談」とエルルーアは笑っている。
「買い物が終わって、返してって言ったら返すから。言わなかったらそのままもらうけど」
ついてこないとそのまま借りパクすると彩花は言外に伝える。
騎士達は隠密などに少し戸惑っていたが、彩花の意図に気がつき、ため息をつく。
「わかりました。あまり高いものは買わないでくださいね」
「ええ。それと、格好でわかると思うけど、お忍びだから、殿下は禁止。エルルーアも知っている人がいるかもしれないし、ルルって呼びなさい」
適当に真ん中からとって、偽名を伝える。今、この瞬間から、彩花はルルになっている。
「じゃ、行こう!お兄ちゃん達!」
彩花は、無邪気に笑って、騎士の一人の腕を引っ張った。
「ところでさ……」
「なんですか?」
「ここってどこだっけ?」
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