35 / 50
Daybreak
瞳の色
しおりを挟む
街から少し離れたところにある石造りの教会、少しの物音でも響いてしまいそうなのに、どこまでも静かな礼拝堂の一番前の長椅子に座り、コハクは高い天井を仰ぎ見た。
昼間は、威厳と包み込むような懐の広さを感じる場所だが、月明かりだけの暗闇の中だと妙な威圧感がある。
コハク以外にいるのは、黒いローブと修道帽を身に纏った司祭だけだった。彼は、明日のために蝋燭の残り具合を確認しながら、背を向けたままコハクに声をかけた。
「魔女の弟子が教会にいてていいんですか?」
「魔法使いが、司祭のふりをしてていいんですか?」
コハクが返すと、司祭の格好をしたシャルムは振り返り、「確かにそうだね」と笑ったあと、コハクの隣の長椅子に腰掛けた。
「今日は誘うのやめておこうと思ったのに、また寝れない?」
「薬飲むの忘れたから、またやな夢見ちゃったんですよ。で、酒も飲んで、真夜さんに添い寝までしてもらいましたけど、逆に寝れるわけないし、真夜さんの方が先に寝ちゃて、我慢できるうちに抜けて来ました。」
「おい、ちょっと待てコハク」
添い寝というワードに反応したシャルムは、勢いよくコハクに掴みかかり、出口を指差した。
「添い寝なんてされたら寝かせてる場合じゃないだろ。今すぐ家に戻ってやり直してきなさい。」
「ボクハ、マダシニタクナイ。」
「じゃあ…俺が行こうかな。」
「それは殺す。」
「俺も魔法使いなんだけど。」
「通報して社会的に殺す。」
「そう来たか」
コハクは言うことがいつも物騒なんだよ、と文句を言うシャルムを白い目で見たあと、ため息をついた。
「…まあ、シャルムさんには感謝してますけど」
「え、何急に、照れるからやめてよ。」
まよのいないあいだに悪い遊びも教えちゃったし…ぽりぽりと、珍しく罰が悪そうに鼻の頭を掻くシャルム。
そんな彼に聞こえるか聞こえないかの音量で、コハクはポツリとこぼした。
「主に救いを求めたら、魔女から助けてくれるかなぁ」
「前も今も全然救われたがってないくせに」
「だから困ってんだよ」
「いっそのこと、案外押したらいけない?」
「普段鈍いくせに、そういう時だけ、すぐに距離とってくる。」
ぶすっと答えたしたコハクは、そのまま椅子の上で膝を抱えて頭を埋めながらぼやいた。
「それを縮めたいけどさ、おんなじくらい関係が壊れるのが恐くて、後一歩がなぁ…」
「まあ、君はまだ生え揃ってないガキだもんね」
「うっせえ、全部生え変わってるよ」
コハクは、右手の人差し指を口にかけて、奥歯までシャルムに見せつけた。
そんなコハクの返しにシャルムは生温い眼差しをしてから、前方の十字架に向かって何か懺悔していた。
手を解いたシャルムは、コハクの頭に手を置いていつものように提案する。
「じゃあ、手に入んない魔女の代わりに、救いをくれる聖母様を探しに行こう」
「その格好でそれを言うのは、本当にダメだと思う」
着替えたシャルムと一緒に、街の酒場に繰り出してカウンターに座る。
「でもほんと、君と飲みに行くようになって声かけやすくなったんだよね」
「よく言うよ、俺が嫌がっても誘っても、一週間に一回くらいしか来ないくせに」
「妬くなって。色男は忙しいんだよ」
しばらく男二人で飲んでいると、見知った顔が入ってくるのが見えた。
「どこの美人かと思ったら、マリーじゃないか。奢るよ」
「あら、シャルムさん、こんばんは。」
ワンピースを着た彼女は、声をかけたのがシャルムだとわかると、手を降って、シャルムが引いた椅子に腰掛けた。
「今日はどんな感じかい?」
「全然ダメね。流行病のせいで商売上がったりったらないわ」
マリーと呼ばれた女性はシャルムの質問に首を振りながら、コハクに声をかけた。。
「あら、コハクは奥さんが帰ってきたんじゃないの?」
「だから真夜さんは違うって、親戚の人だよ。」
彼女はその答えをわかっててそう揶揄う。マリーの楽しそうな顔を対象にコハクは渋い顔になる。
本当にそうだったらいいのに。
真夜が昔から周囲の人間にしていた説明を、うんざりした気持ちで繰り返しながら、ため息を酒で流し込む。
「もう遊んでくれないかと思ったわ。」
「可愛い子が寂しがるから、そんなことしないよ。」
「なんだい、お前、あの美人の薬屋の親戚なのかい。」
突然割り込んできた声の方を振り返ると、男たちがにやにやと笑っていた。
「最近帰ってきたのを見かけてさ。年増だと聞いていたが若いじゃねえか。あれなら俺は全然いけるね。」
隣のテーブルで飲んでいた男は、コハクたちの会話を耳ざとく聞いていたようで、身なりはこざっぱりとして上等そうなのに、言葉遣いもマナーも悪いらしい。
コハクが真夜の親戚だと分かり、こちらのカウンターに無理やり割り込んできた。
「紹介頼むよ」と男に握手を求められ、コハクは胃がムカムカするのを我慢しながら、「機会があればね」と気持ち強めに握手を返した。
機会なんて一生作んないよ。
お前なんかが落とせる人なら、苦労しねぇんだよ。
と腹の底で毒づきながら。
男達が席に戻るなり、座り直したコハクはすぐにグラスを開けたあと、マスターにおかわりのお酒を頼んだ。
「親戚の人はモテるわね」
「そうみたいだね」
今日はシャルムと飲んで、寝ずに夜を明かしてもいいかと思ったが、あの男と同じ空間にいることが嫌になってきた。ちょうどシャルムは男たちから逃げるように、別の女性に声をかけに行ったままだったので、隣のマリーにお願いをした。
「ねえ、マリー、今夜も眠れないんだ。約束の日じゃ無いけど、部屋に行かせてくれない?」
マリーは、自分のグラスを開けた後、ふわりと微笑んだ。
「寝るだけなら貸さないわよ。ちょうど昼寝しすぎたの。」
通い慣れた部屋の窓から見える月は、中途半端に欠けていた。
後数日で満月だろうか。
月明かりが照らす部屋の中で、コハクがそんなことを思っていると、甘い声がささやく。
「そういえば、コハクって名前はどういういみなの?」
「ああ、僕の瞳の色なんだって」
小さい頃だったから、難しい発音の自分の名前はろくに言えなくて、困った真夜が、俺の目の色で呼んでたらいつの間にか名前になってた。
「こはくって名前の色なんてあったかしら?」
首を傾げながら、むしろあの宝石の色みたいよね、と言う女の子に、そうそうと頷きながら頭を撫でる。
「おんなじだよ、異国でのあの宝石の呼び方だって。音が綺麗で、なんとなくその名前で覚えてたらしい」
真夜は好きなものを好きな呼び方で呼ぶ。
それは、世界中を旅していても、いつでも身軽でいなければならなかった真夜なりのコレクション。
「ふうん。うれしそう」
「そうかな?」
だから真夜の好きな呼び方で呼ばれると自分も「好きなもの」の一つだと錯覚してしまう。
思いを振り切るように目を瞑ると、強引に片目を開かれた。
「わたしだってコハクの目、きれいで好きよ」
「こら、危ないじゃないか。それに…好きなのは目だけ?」
そうやってくすぐりながら顔を近づけると彼女は目を閉じてくすくすと笑った。
そうだ、君は目を閉じておいてくれ、きっと今の僕の目は曇ってるから見たくない。
夜ふかしな彼女としばらく戯れたあと、疲れたまぶたはようやく重たくなってくれた。
昼間は、威厳と包み込むような懐の広さを感じる場所だが、月明かりだけの暗闇の中だと妙な威圧感がある。
コハク以外にいるのは、黒いローブと修道帽を身に纏った司祭だけだった。彼は、明日のために蝋燭の残り具合を確認しながら、背を向けたままコハクに声をかけた。
「魔女の弟子が教会にいてていいんですか?」
「魔法使いが、司祭のふりをしてていいんですか?」
コハクが返すと、司祭の格好をしたシャルムは振り返り、「確かにそうだね」と笑ったあと、コハクの隣の長椅子に腰掛けた。
「今日は誘うのやめておこうと思ったのに、また寝れない?」
「薬飲むの忘れたから、またやな夢見ちゃったんですよ。で、酒も飲んで、真夜さんに添い寝までしてもらいましたけど、逆に寝れるわけないし、真夜さんの方が先に寝ちゃて、我慢できるうちに抜けて来ました。」
「おい、ちょっと待てコハク」
添い寝というワードに反応したシャルムは、勢いよくコハクに掴みかかり、出口を指差した。
「添い寝なんてされたら寝かせてる場合じゃないだろ。今すぐ家に戻ってやり直してきなさい。」
「ボクハ、マダシニタクナイ。」
「じゃあ…俺が行こうかな。」
「それは殺す。」
「俺も魔法使いなんだけど。」
「通報して社会的に殺す。」
「そう来たか」
コハクは言うことがいつも物騒なんだよ、と文句を言うシャルムを白い目で見たあと、ため息をついた。
「…まあ、シャルムさんには感謝してますけど」
「え、何急に、照れるからやめてよ。」
まよのいないあいだに悪い遊びも教えちゃったし…ぽりぽりと、珍しく罰が悪そうに鼻の頭を掻くシャルム。
そんな彼に聞こえるか聞こえないかの音量で、コハクはポツリとこぼした。
「主に救いを求めたら、魔女から助けてくれるかなぁ」
「前も今も全然救われたがってないくせに」
「だから困ってんだよ」
「いっそのこと、案外押したらいけない?」
「普段鈍いくせに、そういう時だけ、すぐに距離とってくる。」
ぶすっと答えたしたコハクは、そのまま椅子の上で膝を抱えて頭を埋めながらぼやいた。
「それを縮めたいけどさ、おんなじくらい関係が壊れるのが恐くて、後一歩がなぁ…」
「まあ、君はまだ生え揃ってないガキだもんね」
「うっせえ、全部生え変わってるよ」
コハクは、右手の人差し指を口にかけて、奥歯までシャルムに見せつけた。
そんなコハクの返しにシャルムは生温い眼差しをしてから、前方の十字架に向かって何か懺悔していた。
手を解いたシャルムは、コハクの頭に手を置いていつものように提案する。
「じゃあ、手に入んない魔女の代わりに、救いをくれる聖母様を探しに行こう」
「その格好でそれを言うのは、本当にダメだと思う」
着替えたシャルムと一緒に、街の酒場に繰り出してカウンターに座る。
「でもほんと、君と飲みに行くようになって声かけやすくなったんだよね」
「よく言うよ、俺が嫌がっても誘っても、一週間に一回くらいしか来ないくせに」
「妬くなって。色男は忙しいんだよ」
しばらく男二人で飲んでいると、見知った顔が入ってくるのが見えた。
「どこの美人かと思ったら、マリーじゃないか。奢るよ」
「あら、シャルムさん、こんばんは。」
ワンピースを着た彼女は、声をかけたのがシャルムだとわかると、手を降って、シャルムが引いた椅子に腰掛けた。
「今日はどんな感じかい?」
「全然ダメね。流行病のせいで商売上がったりったらないわ」
マリーと呼ばれた女性はシャルムの質問に首を振りながら、コハクに声をかけた。。
「あら、コハクは奥さんが帰ってきたんじゃないの?」
「だから真夜さんは違うって、親戚の人だよ。」
彼女はその答えをわかっててそう揶揄う。マリーの楽しそうな顔を対象にコハクは渋い顔になる。
本当にそうだったらいいのに。
真夜が昔から周囲の人間にしていた説明を、うんざりした気持ちで繰り返しながら、ため息を酒で流し込む。
「もう遊んでくれないかと思ったわ。」
「可愛い子が寂しがるから、そんなことしないよ。」
「なんだい、お前、あの美人の薬屋の親戚なのかい。」
突然割り込んできた声の方を振り返ると、男たちがにやにやと笑っていた。
「最近帰ってきたのを見かけてさ。年増だと聞いていたが若いじゃねえか。あれなら俺は全然いけるね。」
隣のテーブルで飲んでいた男は、コハクたちの会話を耳ざとく聞いていたようで、身なりはこざっぱりとして上等そうなのに、言葉遣いもマナーも悪いらしい。
コハクが真夜の親戚だと分かり、こちらのカウンターに無理やり割り込んできた。
「紹介頼むよ」と男に握手を求められ、コハクは胃がムカムカするのを我慢しながら、「機会があればね」と気持ち強めに握手を返した。
機会なんて一生作んないよ。
お前なんかが落とせる人なら、苦労しねぇんだよ。
と腹の底で毒づきながら。
男達が席に戻るなり、座り直したコハクはすぐにグラスを開けたあと、マスターにおかわりのお酒を頼んだ。
「親戚の人はモテるわね」
「そうみたいだね」
今日はシャルムと飲んで、寝ずに夜を明かしてもいいかと思ったが、あの男と同じ空間にいることが嫌になってきた。ちょうどシャルムは男たちから逃げるように、別の女性に声をかけに行ったままだったので、隣のマリーにお願いをした。
「ねえ、マリー、今夜も眠れないんだ。約束の日じゃ無いけど、部屋に行かせてくれない?」
マリーは、自分のグラスを開けた後、ふわりと微笑んだ。
「寝るだけなら貸さないわよ。ちょうど昼寝しすぎたの。」
通い慣れた部屋の窓から見える月は、中途半端に欠けていた。
後数日で満月だろうか。
月明かりが照らす部屋の中で、コハクがそんなことを思っていると、甘い声がささやく。
「そういえば、コハクって名前はどういういみなの?」
「ああ、僕の瞳の色なんだって」
小さい頃だったから、難しい発音の自分の名前はろくに言えなくて、困った真夜が、俺の目の色で呼んでたらいつの間にか名前になってた。
「こはくって名前の色なんてあったかしら?」
首を傾げながら、むしろあの宝石の色みたいよね、と言う女の子に、そうそうと頷きながら頭を撫でる。
「おんなじだよ、異国でのあの宝石の呼び方だって。音が綺麗で、なんとなくその名前で覚えてたらしい」
真夜は好きなものを好きな呼び方で呼ぶ。
それは、世界中を旅していても、いつでも身軽でいなければならなかった真夜なりのコレクション。
「ふうん。うれしそう」
「そうかな?」
だから真夜の好きな呼び方で呼ばれると自分も「好きなもの」の一つだと錯覚してしまう。
思いを振り切るように目を瞑ると、強引に片目を開かれた。
「わたしだってコハクの目、きれいで好きよ」
「こら、危ないじゃないか。それに…好きなのは目だけ?」
そうやってくすぐりながら顔を近づけると彼女は目を閉じてくすくすと笑った。
そうだ、君は目を閉じておいてくれ、きっと今の僕の目は曇ってるから見たくない。
夜ふかしな彼女としばらく戯れたあと、疲れたまぶたはようやく重たくなってくれた。
0
あなたにおすすめの小説
リトライさせていただきます!〜死に戻り令嬢はイケメン神様とタッグを組んで人生をやり直す事にした。今度こそ幸せになります!!〜
ゆずき
恋愛
公爵家の御令嬢クレハは、18歳の誕生日に何者かに殺害されてしまう。そんなクレハを救ったのは、神を自称する青年(長身イケメン)だった。
イケメン神様の力で10年前の世界に戻されてしまったクレハ。そこから運命の軌道修正を図る。犯人を返り討ちにできるくらい、強くなればいいじゃないか!! そう思ったクレハは、神様からは魔法を、クレハに一目惚れした王太子からは武術の手ほどきを受ける。クレハの強化トレーニングが始まった。
8歳の子供の姿に戻ってしまった少女と、お人好しな神様。そんな2人が主人公の異世界恋愛ファンタジー小説です。
※メインではありませんが、ストーリーにBL的要素が含まれます。少しでもそのような描写が苦手な方はご注意下さい。
田舎暮らしの貧乏令嬢、幽閉王子のお世話係になりました〜七年後の殿下が甘すぎるのですが!〜
侑子
恋愛
「リーシャ。僕がどれだけ君に会いたかったかわかる? 一人前と認められるまで魔塔から出られないのは知っていたけど、まさか七年もかかるなんて思っていなくて、リーシャに会いたくて死ぬかと思ったよ」
十五歳の時、父が作った借金のために、いつ魔力暴走を起こすかわからない危険な第二王子のお世話係をしていたリーシャ。
弟と同じ四つ年下の彼は、とても賢くて優しく、可愛らしい王子様だった。
お世話をする内に仲良くなれたと思っていたのに、彼はある日突然、世界最高の魔法使いたちが集うという魔塔へと旅立ってしまう。
七年後、二十二歳になったリーシャの前に現れたのは、成長し、十八歳になって成人した彼だった!
以前とは全く違う姿に戸惑うリーシャ。
その上、七年も音沙汰がなかったのに、彼は昔のことを忘れていないどころか、とんでもなく甘々な態度で接してくる。
一方、自分の息子ではない第二王子を疎んで幽閉状態に追い込んでいた王妃は、戻ってきた彼のことが気に入らないようで……。
辺境伯夫人は領地を紡ぐ
やまだごんた
恋愛
王命によりヴァルデン辺境伯に嫁ぐことになった、前ベルンシュタイン公爵令嬢のマルグリット。
しかし、彼女を待っていたのは60年にも及ぶ戦争で荒廃し、冬を越す薪すら足りない現実だった。
物資も人手も足りない中、マルグリットは領地の立て直しに乗り出す。
戦しか知らなかったと自省する夫と向き合いながら、少しずつ築かれていく夫婦の距離。
これは、1人の女性が領地を紡ぎ、夫と共に未来を作る「内政×溺愛」の物語です。
全50話の予定です
※表紙はイメージです
※アルファポリス先行公開(なろうにも転載予定です)
【完結】番としか子供が産まれない世界で
さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。
何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。
そんなニーナが番に出会うまで
4話完結
出会えたところで話は終わってます。
溺愛王子の甘すぎる花嫁~悪役令嬢を追放したら、毎日が新婚初夜になりました~
紅葉山参
恋愛
侯爵令嬢リーシャは、婚約者である第一王子ビヨンド様との結婚を心から待ち望んでいた。けれど、その幸福な未来を妬む者もいた。それが、リーシャの控えめな立場を馬鹿にし、王子を我が物にしようと画策した悪役令嬢ユーリーだった。
ある夜会で、ユーリーはビヨンド様の気を引こうと、リーシャを罠にかける。しかし、あなたの王子は、そんなつまらない小細工に騙されるほど愚かではなかった。愛するリーシャを信じ、王子はユーリーを即座に糾弾し、国外追放という厳しい処分を下す。
邪魔者が消え去った後、リーシャとビヨンド様の甘美な新婚生活が始まる。彼は、人前では厳格な王子として振る舞うけれど、私と二人きりになると、とろけるような甘さでリーシャを愛し尽くしてくれるの。
「私の可愛い妻よ、きみなしの人生なんて考えられない」
そう囁くビヨンド様に、私リーシャもまた、心も身体も預けてしまう。これは、障害が取り除かれたことで、むしろ加速度的に深まる、世界一甘くて幸せな夫婦の溺愛物語。新婚の王子妃として、私は彼の、そして王国の「最愛」として、毎日を幸福に満たされて生きていきます。
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
〖完結〗終着駅のパッセージ
苺迷音
恋愛
分厚い眼鏡と、ひっつめた髪を毛糸帽で覆う女性・カレン。
彼女はとある想いを胸に北へ向かう蒸気機関車に乗っていた。
王都から離れてゆく車窓を眺めながら、カレンは振り返る。
夫と婚姻してから三年という長い時間。
その間に夫が帰宅したのは数えるほどだった。
※ご覧いただけましたらとても嬉しいです。よろしくお願いいたします。
白い結婚のはずが、旦那様の溺愛が止まりません!――冷徹領主と政略令嬢の甘すぎる夫婦生活
しおしお
恋愛
政略結婚の末、侯爵家から「価値がない」と切り捨てられた令嬢リオラ。
新しい夫となったのは、噂で“冷徹”と囁かれる辺境領主ラディス。
二人は互いの自由のため――**干渉しない“白い結婚”**を結ぶことに。
ところが。
◆市場に行けばついてくる
◆荷物は全部持ちたがる
◆雨の日は仕事を早退して帰ってくる
◆ちょっと笑うだけで顔が真っ赤になる
……どう見ても、干渉しまくり。
「旦那様、これは白い結婚のはずでは……?」
「……君のことを、放っておけない」
距離はゆっくり縮まり、
優しすぎる態度にリオラの心も揺れ始める。
そんな時、彼女を利用しようと実家が再び手を伸ばす。
“冷徹”と呼ばれた旦那様の怒りが静かに燃え――
「二度と妻を侮辱するな」
守られ、支え合い、やがて惹かれ合う二人の想いは、
いつしか“形だけの夫婦”を超えていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる